著者
鈴木 宏正 岡本 基 金井 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.70, pp.1-6, 1999-08-23

三角形メッシュモデルを、特に低価格ハードウェア等で、効率的に描画するためには、グラフィックスパイプラインに発行される頂点数を削減することが重要であり、代表的な方法として、PM表現(Progressive Mesh)と頂点共有表現がある。前者は、ポリゴンの可視性に注目して、動的にモデルの詳細度を変更するLOD (level of Detail)の一種であるが、複雑なデータ構造を必要とする。一方後者は、連続する三角形で頂点を共有するもので、データ構造が単純でまたメモリー効率もよく、広く利用されている。しかし、原理的に1枚1枚の面の生成削除を行うPMに適用することは難しい。本研究では、頂点共有表現の一つであるFAN構造に対して、PM的なLODを適用するProgressive Fan表現法について提案する。試作システムによって頂点発行数を40%程度削減できるLODができることを示した。For efficient rendering of triangular meshes, particularly on a low level graphics hardware, it is critical to reduce the number of vertices passed to the graphics pipeline. Two types of approaches have been used, PM (Progressive Mesh) and vertex sharing by STRIP and FAN structures. The former is a kind of LOD (level of detail) technique, which can dynamically controls the number of vertices according to the visibility of the model. It, however, requires complex polygonal representation. The latter is a traditional technique for representing polygons in a simple data structure of small amount of memory, but does not easily fit to LOD scheme. This paper proposes a LOD technique named Progressive Fan based on FAN data structure. A prototype system is developed to demonstrate that the technique can reduce the number of vertices passed to the pipeline by about 40% in LOD process.
著者
佐野 雅規 八木 伸行 片山 紀生 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.229, pp.89-96, 2006-09-01
被引用文献数
2

本稿では,大量に蓄積されたニュース番組から,映像(画像)付きクイズを自動生成する手法について提案する.クイズの形式には多種多様なものが存在するが,本稿で対象とするのは,映像とそれに関連する説明文とのマッチングを問うクイズである.このようなクイズを生成するためには,映像または説明文同士の「似て非なる」関係を見つけ出す必要がある.また,通常の文字だけのクイズと違い,映像がクイズとして適切である必要があり,どのような画像も利用できる訳ではない.本稿では,これら映像クイズを自動生成する際の問題点を整理し,表層的な解析だけで生成する手法を提案する.また,その実験結果についても報告する.
著者
縄田 敬子 石田 裕美 山下 直子 上西 一弘
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.176-182, 2006 (Released:2006-10-24)
参考文献数
23
被引用文献数
2 6 4

首都圏在住の男性勤労者における歩数とBody Mass Indexの関係:縄田敬子ほか.女子栄養大学給食・栄養管理研究室―本研究では首都圏在住の男性勤労者の歩数とbody mass index(BMI)との関係を検討することを目的とした.対象者は310名(30~59歳)である.連続7日間の歩数および生活時間調査を行なった.歩数は歩数計を用いて測定した.また,生活時間調査の結果からエネルギー消費量を推定した.食物摂取頻度調査によりエネルギー摂取量を求めた.身長,体重は自記式の質問紙により調査した.BMI25以上の者は81名(26.1%)であった.出勤時の歩数は平均10,682±4,365歩,休日の歩数は7,135±4,536歩であった.エネルギー消費量は2,259±378 kcal,身体活動レベル(physical activity level:PAL)は1.5±0.1であった.エネルギー摂取量は1,974±488 kcalであった.出勤日,休日の歩数はPALと有意な正の相関関係を示した(出勤日r=0.301,休日r=0.296,いずれもp<0.001.)また,出勤日の歩数はBMIと有意な負の相関関係を示した(r=-0.188,p<0.01).出勤日の歩数とエネルギー摂取量の中央値を用いて対象者をI群(9,894歩以上,1,901 kcal未満),II群(9,894歩以上,1,901 kcal以上),III群(9,894歩未満,1,901 kcal未満),IV群(9,894歩未満,1,901 kcal以上)に分類した.IV群の平均BMIは24.7で,他の3群よりも有意に高値を示した.III群は生活習慣病の者の割合が最も多かった. (産衛誌2006; 48: 176-182)
著者
北澤 京子 石井 保志
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.406-411, 2006-09-01

『健康情報棚プロジェクト』はそのユニークな活動を通じて,これまで「ありそうでなかった」健康・医療情報提供の一分野を切り開きつつある。公共図書館や患者図書室等に「闘病記文庫」というモデルケースを設置し,健康・医療情報コーナーに発展させようとする構想は,図書館員・医療者・患者当時者・古書店主など多くの職種のノウハウが集結されている。患者・家族へのわかりやすい情報提供をミッションに,情報ニーズの把握からデータベース開発を実現するため,メンバーでアイディアと労力を出し合い,外部諸団体との共同研究を積極的に推進してきた。健康情報棚プロジェクトのこれまでの歩みと,協力者との交流についてまとめる。
著者
田中 敏彦
出版者
神戸市外国語大学
雑誌
神戸外大論叢 (ISSN:02897954)
巻号頁・発行日
vol.52, no.6, pp.A25-A39, 2001-11-30
著者
田端 利宏 谷口 秀夫
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J92-D, no.1, pp.12-24, 2009-01-01

本論文では,複数プロセスの実行における多重仮想記憶の問題点を解決するために実現したヘテロ仮想記憶について述べる.ヘテロ仮想記憶とは,多重仮想記憶を拡張し,一つの仮想記憶空間内に0個以上のプロセスが存在できる機能,プロセスが仮想記憶空間間を移動できる機能,及び任意の仮想記憶空間にプロセスを生成できる機能を実現したものである.また,ヘテロ仮想記憶を,多重仮想記憶機構をもつTender オペレーティングシステムに実現する手法について述べる.最後に,Tender 上で,HVSの有効事例を明らかにするために行ったOS機能の評価結果,及びApache Webサーバでヘテロ仮想記憶の機能を利用するための実装方式とその評価結果について述べる.評価の結果,ヘテロ仮想記憶の機能を活用することで,Webサーバの応答時間を1%~6%程度短縮できることを確認した.