著者
竹下 朱美
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.115-121, 2007-10-15 (Released:2008-05-23)
参考文献数
28
被引用文献数
1
著者
田中 佐千恵
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

2014年4月~2019年3月に当院精神科を受診した気分障害・ストレス関連障害の休職者のうち,研究に同意の得られた患者22名(うつ病11名,双極性障害7名,その他4名,男性18名,女性4名,平均39.0歳,平均参加期間137日)がプログラムに参加した.プログラム開始時と終了時の評価尺度の比較では,認知機能を測定するBACSの言語記憶,言語流暢性,注意,社会適応度を測定するSASS-Jの興味や好奇心,職務遂行能力を測定するGATBの知的能力,言語能力,書記的知覚,空間判断力,形態知覚,運動共応,手腕の器用さ,復職準備性を測定するPRRSの基本的な生活状況,症状,職場との関係,作業能力,準備状況,健康管理,PRRSトータルで有意な改善を認めた.うつ病の重症度を測定するHAM-D, 躁症状の重症度を測定するYMRSに有意差は認められなかった.プログラム終了後に復職できたのは16名(72.7%)であり,就労継続率は1年後,2年後ともに93.7%であった.プログラム終了後では,特に作業能力や復職の準備性の改善が大きかった.長期的検討では,復職率は国内での先行研究で示された,63.6~77.2%(秋山2003; 北川2009; 平澤2011; 大木2012)と同程度であり,就労継続率は既報の継続率,1年後86.0%,2年後71.5%(五十嵐2014)と比較しても高く,作業療法を取り入れた多職種で行う地域包括型のリワークプログラムの有効性が示唆された.2018年度は地域のハローワーク,障害者就業・生活支援センターと連携し,離職者のフォローアップ体制を整えることができた.
著者
橋詰 賢一 山本 秀雄 伊佐 功 絹田 幸生 石川 勇 久米 信行 吉野 勝美
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.112, no.12, pp.828-834, 1992-12-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
6

Polyamic acid thin film was electrodeposited on metal foil using the solution containing triethyl-ammonium salt of polyamic acid dissolved in mixed solvent of DMF and methanol. The polyamic acid thin film was continuously imidized to form polyimide dielectric thin film, on which polypyrrole was polymerized as another electrode. Characteristics of this polyimide thin film as a dielectric is similar to that of polyimide film formed by spin coating technique. Applying this method to etched aluminium foil, small size film capacitor which has large capacitance and excellent characteristics was proposed.
著者
田代 雅文 有村 達之 細井 昌子
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.388-396, 2017-05-15 (Released:2017-06-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1

慢性痛と心理・社会的要因との関連が注目されている.日本臨床麻酔学会第35回大会シンポジウムでの講演をもとに,慢性痛患者にどのように心理アセスメントを行うかについて,特に怒りについて論考した.怒りという否定的感情と慢性的な痛みには関連がある.慢性痛患者の怒りの表現形式は怒りの興奮よりも怒りの抑止が多い.感情を読み取るツールとして表情ポスターと表情カードを紹介した.慢性痛の治療において怒りを治療対象とする観点は重要である.感情調整の一つとしての怒りへの対処の仕方について,交流分析,アサーション・トレーニング,芸術療法,マインドフルネストレーニング,弁証法的行動療法で用いられている承認戦略を概説した.
著者
森野 美央
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅学園研究紀要編集委員会
雑誌
尚絅学園研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:18816290)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.41-51, 2007-03-31 (Released:2018-05-09)
参考文献数
14

本研究では、幼児期における感情理解の発達について、悲しみ感情と怒り感情の理解に焦点をあてて検討した。年中児、年長児123名を対象に、普段どのような場面で悲しみや怒りを感じているのかを尋ね、得られた回答を分類し、発達的変化について分析を行った。主な結果は以下の通りである。(1)言及数は、怒り経験よりも悲しみ経験の方が多く、年中児よりも年長児の方が多い、(2)悲しみ経験場面での意地悪への言及と、怒り経験場面での攻撃への言及は、年中児よりも年長児の方が多い。得られた結果に基づき、(1)年齢があがるにつれ、児童期に近い形で悲しみ、怒り感情の区別がみられるようになる可能性、(2)幼児が成人とは異なった場面で悲しみや怒りを感じている可能性が示唆された。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1928年06月06日, 1928-06-06
著者
飯岡 由美子 長谷川 美貴子 Yumiko Iioka Mikiko Hasegawa
雑誌
淑徳大学短期大学部研究紀要 = Shukutoku University Junior College bulletin (ISSN:21887438)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.123-141, 2017-02-15

高齢者福祉施設の援助者(特に介護福祉士)を対象に、ケアにおける共感性とバーンアウト傾向の関係性を明らかにするための質問紙法調査を行った。その結果は以下の通りである。①バーンアウト傾向と共感性には負の相関がみられた。②介護経験年数毎に特徴をみると、バーンアウト傾向は新人(1~2年目)から中堅(6~8年目)まで増え続けるが、達人(9年目)以降は減少し、新人の頃よりも低くなる。共感性はバーンアウトとは逆の傾向を示し、働き続けることによって低下していくが、9年目以降より高くなっていく。③利用者との関わりの中で、援助者がストレスを一番感じるのは、利用者が同じことを繰り返したり意思疎通困難な状況、次に拒否的な態度、三番目は暴力や暴言であった。④バーンアウト傾向の高い人は、認知的共感性の「視点取得」や「想像性」が低い。⑤心揺さぶられるほどの体験とバーンアウト傾向の関係をみると、バーンアウト傾向が一番高いのは、「ショックな体験」があり「嬉しい体験」の無い人であった。また、「ショックな体験」があったとしても「嬉しい体験」があると、バーンアウト傾向は低いという結果になった。超高齢社会であるわが国にとって、高齢者福祉施設への社会的ニーズは高まり続けているが、その役割を担う介護福祉士資格に対する法整備や教育体制づくりは遅れをとっている。現在の介護福祉士は以前のように三大介護を行っていればよい職種ではなく、「ケア」に関する高度な専門的知識・技術の必要な専門職であることを認識し、ケアに内在する共感性のあり方やバーンアウト、虐待に至るプロセス等の研究を続け、適切かつ明確な対策を早急に立てる必要性のある領域であることが明らかになった。
著者
五十嵐 政成 亀田 知人 吉岡 敏明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第20回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.132, 2009 (Released:2009-09-25)

水素発酵では高基質濃度条件において副産物として水素生成が伴わずに乳酸が多量に生成される.そこで本研究では,乳酸を基質とした水素生成反応の最適条件を求めることで,高基質濃度での水素発酵における水素生成効率の向上を目的として,乳酸を出発原料とした水素発酵について生成効率の向上を目的にpHの影響を検討した.種菌源として東北大学青葉山キャンパス内の土を,基質として乳酸ナトリウムと酢酸ナトリウムを用いた.水素生成量は,初期pHを6として菌体を培養した後にpHを5とした実験で最大となり,乳酸200 mmolから120 mmol生成された.水素生成はプロトン濃度の大きい低pH条件で有利であったが,pH 5未満では生成されなかった.これは乳酸の分解によって生成した有機酸が低pH条件では非解離型として存在し,それらが菌体内に侵入し菌体の活動を阻害したためと考えられる.また,既往の乳酸分解反応に比べ水素生成効率の高い反応の存在を示唆した.
著者
大垣 隆一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.696, 2016 (Released:2016-07-01)
参考文献数
3

真核生物における栄養シグナルとしてのアミノ酸は,細胞内代謝を司るセリン/スレオニンキナーゼ複合体mechanistic target of rapamycin complex1(mTORC1)を活性化し,タンパク質・脂質合成,オートファジーなど様々な細胞機能の調節を介して増殖・成長に寄与する.アミノ酸の中でもロイシンは特に高いmTORC1活性化能を有するが,ロイシンを直接認識するロイシンセンサーの分子実体は長らく不明であった.最近,WolfsonおよびChantranupongらによってストレス応答タンパク質のSestrin2がロイシンセンサーであると報告されたので,本稿で紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Wolfson R. L. et al., Science, 351, 43-48 (2016).2) Chantranupong L. et al., Cell Rep., 9, 1-8 (2014).3) Saxton R. et al., Science, 351, 53-58 (2016).
著者
諏訪 好英
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.76, no.663, pp.501-508, 2011-05-30 (Released:2011-11-15)
参考文献数
29
被引用文献数
2

In the Internet data centers (iDCs), a large amount of heat generated by server machines should be removed efficiently from the server rooms so that the room temperature can be controlled at a suitable level to keep these machines in good working condition. In this study, a computational fluid dynamics (CFD) simulation was carried out for various air-conditioning systems, and the ventilation and air-conditioning performance were compared. As the result, systems with both supply and return openings on the ceiling showed the best performance. This system exhibited much better performance than any other conventional systems. In addition, it was flexible with regard to the arrangement of server racks, and it performed well even in case of large heat generation.
著者
山名,裕子
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, 2002-12-25

本研究での目的は,均等配分が幼児期に成立するのか,またするならば,どのような発達的な変化があるのか検討することであった。12個のチップを数枚の皿に配分させていく個別実験には,3歳から6歳までの幼児288名が参加した。主な結果は以下のようなものであった。(1)年齢の上昇に伴い正答率は上昇し,選択される配分方略が変化した。(2)どの年齢においても,チップを何回にも渡って皿に配分する数巡方略が選択されていたが,その方略を正答が導くように選択できる人数は,年齢の上昇に伴い増加した。この方略は従来指摘されていた方略であったが,(3)1個あるいは複数個のチップをそれぞれの皿に一巡で配分する一巡方略と,配分されない皿が残っている空皿方略が本研究で明らかになった。(4)また一巡方略の中でも特に配分前に皿1枚当たりのチップの数を把握する「単位」方略が明らかになった。この単位方略は数巡方略ほど,年齢の上昇との関係が明確ではなかった。