著者
山本 輝太郎 石川 幹人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1024-1028, 2019 (Released:2019-11-01)
参考文献数
21

ワクチン有害説とは,「ワクチン接種はヒトにとって有害である」という基本的な考えのもと,社会および個人に対してワクチン接種の危険性を訴える主張の総称である.本稿の目的はワクチン有害説の科学性を評価することにある.科学哲学・科学社会学の知見から案出した「科学性評定の10条件」に基づくと,ワクチン有害説は理論の適応範囲に大きな問題を抱えており,データの面からもこれを支持できる有力な根拠はなく,典型的な疑似科学的言説である.科学性評定の10条件の理解把握によってこうした評価が可能である.
著者
井澤 毅
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.15-21, 2017 (Released:2019-02-15)
参考文献数
17

これまでに多くの諸説が発表されている我が国の栽培イネの起源について,最新のゲノム情報と脱粒性などの「栽培化」により選抜された変異情報を結び付けて展開していただいた。日本の温帯ジャポニカ誕生への進化の流れをわかりやすく解説していただいている。
著者
五十嵐 彰
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.185-196, 2018-10-31 (Released:2019-10-31)
参考文献数
41

配偶者とのみ性的関係をもつ,いわゆる「不倫」の禁止は現代の結婚制度の根幹を支える要素のひとつといえる.しかしながら,では誰が「不倫」をするのかを明らかにした日本の研究はほぼ見当たらない.本稿では日本における「不倫」行動の規定要因を機会および夫婦間関係のフレームワークを用いて検討した.分析結果から,労働時間や夫婦間関係の親密さ(会話頻度,セックスの頻度),子どもの数は「不倫」行動の発生に効果を与えないことが示された.男女ともに効果のある変数は学歴であり,高学歴になればより「不倫」しなくなるといえる.男性のみに効果のある変数は収入および妻との収入差であった.男性は収入が上がれば,また妻の方が収入が高ければ「不倫」するようになるといえる.
著者
戸井田 一郎 中田 志津子
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.82, no.11, pp.809-824, 2007-11-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
84
被引用文献数
1

1951年の結核予防法大改正によって凍結乾燥BCGワクチンの接種が法制化されてから2004年までに結核予防法によるBCG接種者総数は2億1380万人に達している。そのなかで接種局所および/または所属リンパ節の範囲を超えて身体他部位に重大な副反応が発生した症例を検索し,39症例(接種10万件あたり0.0182件)が同定できた。ほかに,BCGとの関連に疑問があるがBCG接種にひきつづいて起こった重大な有害事象症例として4症例の報告があった。39症例のうち19例では,慢性肉芽腫症(CGD),重症複合型免疫不全(SCID),Mendelian Susceptibility to Mycobacterial Disease(MSMD)などの先天性免疫不全を含め,何らかの細胞性免疫異常が報告されている。死亡の6例には全例に免疫異常が認められている。BCG接種の唯一の機会を逃す子供が生じないように,それと同時に,生後3カ月までの接種を避けて先天性免疫不全児へのBCG接種の危険を回避することができるように,公費によるBCG接種の期間を最短でも生後1年まで延長することが望まれる。
著者
今野 怜 今野 美和 佐藤 文男
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.1-27, 2018-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
24
被引用文献数
1

To facilitate the accurate description of plumage of the Short-tailed Albatross Phoebastria albatrus, we classified plumage into eight components, based on photos taken at a breeding colony on Torishima, Izu Islands. Plumage components of 20 individuals just before fledging and 729 individuals of known sex and ranging in age from 2 to 26 years were scored. The plumage color became more whitish with age. The underbody plumage became white earlier than the upper body, whereas on the thigh, tibia and a posterior part of undertail coverts, dark brown feathers remained even in older age. The upper body turned white from the uppertail coverts towards the front, whereas dark brown feathers remained on the mantle, scapulars and nape, even in older age. The upperwing and underwing were often the same score. The progress of the score was earlier for males than for females. At every age from 3 to 18 years, the summed score of seven components (the underwing score was excluded) was significantly different between sexes, although older age males and females could be considered to have the same score. Individuals with a dark brown mantle, scapulars, rump and uppertail coverts were of age of 5 or less years and had not yet bred, except for a few females. Many individuals started breeding after they had a white part on the rump and uppertail coverts. Males reached final plumage pattern at the age of 8 to 15 years, while females reached final plumage pattern at the age of 11 to 20 years or older.
著者
土井 慎一 石原 正彦 江角 敏明 神谷 宏 山室 真澄
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.179-183, 2018-09-25 (Released:2019-09-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1

宍道湖ではネオニコチノイドの使用開始直後からオオユスリカの減少や動物プランクトンの減少,エビ類漁獲量の減少が生じているが,宍道湖でのネオニコチノイド濃度の報告はこれまでになかった為,予備的に分析を行った。斐伊川の影響を受ける地点ではネオニコチノイドが検出されなかったが,水田排水を宍道湖に流す排水機場に近い地点でネオニコチノイドが検出された。その濃度は動物に慢性毒性を与える影響より小さかった。しかしながら水田排水が集積する排水機場で田植え期に近い6月の方が7月より高い濃度が見られたことから,田植え直後など大量に殺虫剤を使用する時期には濃度が高くなる可能性があると考えられた。

12 0 0 0 OA 地獄の門

著者
松岡譲 著
出版者
玄文社出版部
巻号頁・発行日
1922
著者
桑原 卓哉
出版者
分子シミュレーション学会
雑誌
アンサンブル (ISSN:18846750)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.285-288, 2017-10-31 (Released:2018-10-31)
参考文献数
3
著者
平山 尚 名和 徹 浪越 為八 十倉 健彦 下江 俊成 坂口 孝作
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.63-68, 2011-12-28 (Released:2012-02-22)
参考文献数
21

症例は60歳代,男性.2006年4月より尋常性乾癬に対し,合成レチノイド製剤(エトレチナート)内服と活性型ビタミンD3(以下VD3)外用剤(マキサカルシトール)を併用していた.2010年8月下旬より水様性下痢,食欲不振が出現し,ウイルス性腸炎の診断で近医で保存的加療を行われていた.その後,下痢症状は改善するも全身倦怠感が持続するため,近医より当科に紹介受診となった.来院時,尿素窒素(BUN)158.2mg/dL,血清クレアチニン(Cr)11.16mg/dL,カリウム(K)8.1mEq/L,重炭酸イオン(HCO3-)15.6mmol/L,補正カルシウム(Ca)12.4mg/dLと急性腎不全,高K血症,代謝性アシドーシス,高Ca血症を認めたため入院,緊急血液透析を施行した.長期にわたりVD3外用剤を使用されていたことから,VD3外用剤による高Ca血症とそれに伴う急性腎不全と推察された.VD3外用剤と合成レチノイド製剤内服を中止し,計5回血液透析を実施後に離脱した.その後,腎機能はCr 2.46mg/dLまで改善し第58病日に退院となった.VD3外用剤の副作用として,高Ca血症と腎機能障害の報告例はいくつか認めるが,その多くは外用剤の中止と高Ca血症に対する治療で軽快しており,緊急血液透析を要した報告はない.今回,われわれはVD3外用剤の副作用によって,緊急血液透析を要した1例を経験したので報告する.
著者
建部 正義
出版者
中央大学商学研究会
雑誌
商学論纂 (ISSN:02867702)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.597-622, 2014-03-01

10 0 0 0 OA OS-18 感情とAI

著者
日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.34, 2019-11-01
著者
林 秀樹
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.285-289, 2001-04-20 (Released:2010-03-18)