著者
和田 健太郎 野田 智之 槇 英樹 雄山 博文 鬼頭 晃
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.452-457, 2013 (Released:2014-01-29)
参考文献数
17

A 49-year-old woman presented with a sudden onset of right hemiparesis and motor aphasia. Computed tomography (CT) and magnetic resonance imaging (MRI) showed subarachnoid hemorrhage (SAH) localized in the interhemispheric fissure and cerebral infarction in the territory of the left anterior cerebral artery (ACA). Digital subtraction angiography (DSA) demonstrated segmental narrowing and dilatation at the left A2 segment, leading to a diagnosis of ACA dissection. The day after the onset, we planed trapping of the dissecting portion and A3–A3 side-to-side anastomosis. As a result, we performed only the wrapping of the dissection portion, because the dissection was longer than we expected. Neither aneurysmal dilatation nor narrowing progressed almost six months after the operation. This case indicates wrapping is also effective as a treatment of dissecting aneurysms, and it is important to consider longer-than-expected ACA dissections.
著者
世良 至 殿垣内 正人 川井田 実
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.468, pp.57-66, 1993-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
9

本論文は25~28年観測された軟弱地盤上の高速道路盛土について長期沈下の実態を示すとともに, 将来沈下予測について, 考察を加えた.厚い海成粘土の一次圧密終期と二次圧密量について検討した. 一次圧密終期に収束がやや遅れるのは, 圧密過程で圧密係数が変化 (減少) するためと考えた. 二次圧密量は僅かで実務上はほとんど無視できるとしている. 将来沈下は長期観測による沈下速度で管理する手法が有効であるとし, 残留沈下を推定する手法の提案とその実用性を述べた.
著者
福田 友美子 森本 行雄 四日市 章
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.229-235, 1994-06-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
3
被引用文献数
1

現在の日本社会における聴覚障害者のコミュニケーション手段の使用に関して, 先天性の重度聴覚障害者の集団を対象にして, 郵便によるアンケート調査を行った。 3740通の質問紙を発送したのに対して回答数は1696通で, 回答率は45%であった。 その結果次のことがわかった。1. コミュニケーションの相手によって, 異なったコミュニケーション手段を用いていた。2. 音声言語でのコミュニケーションが要求される場面では, 筆談を用いているものが多かった。3. コミュニケーションの手段として, 手話が最も有効であり, 続いて指文字・読話・補聴器の順に有効性が高いという判断がなされていた。4. 先天性の聴覚障害者であっても, 情報補償の方法として, 手話だけでなく文字による補償への希望も同様に多かった。
出版者
国立国会図書館
巻号頁・発行日
no.(219), 2018-08
著者
田村 行弘 真木 俊夫 嶋村 保洋 西垣 進 直井 家壽太
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.173-180, 1979-06-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
22
被引用文献数
9 8

In 1977, there was an outbreak of photosensitivity dermatitis by among persons who had ingested a certain brand of chlorella tablets. At least 23 patients were identified in and around the Tokyo metropolitan area.The unconsumed chlorella tablets collected from these patients invariably induced photosensitivity dermatitis in mice. These chlorella tablets contained large amounts of pheophorbide and its ester, which are well-known phototoxic pigments derived from chlorophyll, while chlorella tablets from another maker, which contained less than a tenth as much pheophorbide induced no photosensitivity lesion in mice.Furthermore, a linear dose response relationship was observed between the severity of photosensitivity dermatitis in experimental animals and the content of pheophorbide in chlorella administered. However, the reaction induced by pheophorbide extracted from the suspect chlorella was weaker than that induced by the original chlorella sample.It was confimed that ethanol, used in forming granules of chlorella before pelleting, activates chlorophyllase, which in turn hydrolyzes chlorophyll naturally contained in chlorella into pheophorbide and its ester.We concluded that the photosensitivity dermatitis was caused by the chlorella tablets, which had been treated with ethanol. We believe that pheophorbide and its ester found in large amount in these tablets, have played a major role in inducing the photosensitivity dermatitis.
著者
正木 太朗
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.127, no.13, pp.2785-2789, 2017-12-20 (Released:2017-12-20)
参考文献数
16

顔面や手背などの日光曝露部に限局した皮疹を認めた場合,まず光線過敏症が疑われる.降圧薬などの薬剤を内服していないか,発症時期や家族歴などを問診することにより種々の疾患が鑑別される.病院における検査で非常に大切なのが,UVA,UVBや可視光による光線テストであり,遺伝子検査を含めた血液検査を参考にしながら診断につなげていく.治療としては遮光が大切であるが,皮膚科医が積極的に病態の作用波長を探していくことが,誤った遮光指導や,患者本人による過度な遮光を防ぎ,患者のQOL低下を防ぐことにつながる.
著者
益田 善雄
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.349-358, 1981 (Released:2013-02-19)
著者
趙 星銀
出版者
明治学院大学国際学部
雑誌
明治学院大学国際学研究 = Meiji Gakuin review International & regional studies (ISSN:0918984X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.49-68, 2020-10-31

戦後日本の言説空間の中で展開されてきた「世代」をめぐる議論は思想史研究において様々な角度から検討されている。だが各世代の特質や主張に対する分析から一歩離れて,とりわけ戦後初期の言説空間において「世代」が社会理解の道具として注目された理由についての研究はまだ不十分である。本稿は1950年代を中心に,「戦前派」「戦中派」「戦後派」といった「世代」の名の下で展開された議論の相互作用を分析しながら,世代論が活発化した要因を当時の政治思想における課題と関連付けて検討する。具体的には,敗戦による既存の価値体系の崩壊を背景に,「個人」と「国家」との関係を再構築していく試みの中で,「私」と「国民」との間の溝を埋めるものとして世代的な共同性が自覚され,歴史と政治を語る際の説得力ある主語として注目されていく過程を分析する。
著者
岡 暁子 櫻江 玲史 中田 稔
出版者
一般財団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.209-213, 2003-03-25 (Released:2013-01-18)
参考文献数
15

エネルギー代謝における咀嚼の役割を明らかにすることを目的とし,ラットが摂取する飼料の硬度を変化させて,食事に伴って上昇する体温(食後熱産生)を比較した.実験に用いた低硬度飼料の硬度は,通常飼料と比較して約2分の1とした.また,成分と形状は通常飼料と等しくすることで,両飼料が各ラットに与える味覚や嗅覚,摂食時の行動には大きな違いがでないようにした.雄性成熟ラット(n=8)を用いて腹腔内に体温センサーを留置し,24時間絶食後各飼料を与え,食行動,食後熱産生,活動量を経時的に計測した.実験は2回行い,各飼料を入れ替えることですべてのラットは通常飼料,低硬度飼料のどちらも与えられた.1回摂食量,摂食時間,摂食速度は,通常飼料摂取時と低硬度飼料摂取時との間に有意な差を認めなかった.低硬度飼料摂取時における食後熱産生は,通常飼料摂取時と比較して明らかに低下していた.この時の活動量には差が認められなかった.以上の結果から,食後熱産生は食物の性状の影響を受けており,硬度の低い食物を摂取する際には,食後の体温上昇が十分に行われないことがわかった.従って,食物の硬度は,食後の熱産生の上昇に影響を与えていることがわかり,食物をよく咀嚼することは,摂食中のエネルギー代謝機構を活性化させる可能性が示唆された.
著者
垣花 泰之 松田 兼一 西村 匡司 日本集中治療医学会専門医制度・審査委員会
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.679-683, 2019-11-15 (Released:2019-12-17)
参考文献数
2

新専門医制度による基本領域専攻医の専門研修が2018年4月に日本専門医機構の下で開始となった.日本集中治療医学会は,麻酔科と救急科の2つの基本領域のサブスペシャルティであり,2021年の開始に向けて準備を進めている.新しい専門医制度では集中治療専門医は麻酔科,救急科のサブスペシャルティとなっているが,決してこれだけの診療科に限定されるべきではなく,今後,他の専門医のサブスペシャルティにもなるべく関連学会や日本専門医機構の理解を求めていく必要がある.
著者
伊藤 玄 北村 淳一 野口 亮太 長太 伸章 古屋 康則
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-034, (Released:2021-01-17)
参考文献数
25

Exotic populations of Acheilognatus tabira found in northern Mie Prefecture, and subjected to nucleotide sequencing of the mitochondrial DNA cytochrome b region, were determined to represent the Hokuriku (A. t. jordani) and Kinki-Sanyo (A. t. tabira) lineages. The first record of A. t. jordani from outside its native distribution area (Japan Sea side of western Honshu), it is likely to be a viable population due to the presence at the sampling site of the freshwater mussel Beringiana fukuharai (Unionidae, Cristariini), with which the former likely has a spawning relationship.
著者
Ken FUTAGAMI Thomas Kwong Soon TIONG Christine Li Mei LEE Yong Lin HUANG Yoko NOMURA Yasunari KANDA Sachiko YOSHIDA
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第47回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-5S, 2020 (Released:2020-09-09)

環境中や食品中の化学物質が身体に与える影響について、経済協力開発機構(OECD)による統一的な試験が試みられている。発達期の神経形に対する毒性は、確実に毒性を示すポジティブコントロール物質(P物質)と、毒性を示さないネガティブコントロール物質(N物質)が提案されているが、近年、従来N物質とされた物質の一部に発達期毒性があり、自閉症や発達傷害などの高次脳機能障害の増加を誘発することが示唆されるようになった。グリホサートは世界で最も多く使用されている除草剤ラウンドアップの有効成分であり、土壌中ではアミノメチルホスホン酸(AMPA)に代謝され、OECDテストガイドラインのN物質である。除草剤としての機能は、植物中の芳香族アミノ酸を合成するシキミ酸経路において、5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(EPSPS)を阻害することである。一方、このシキミ酸経路は動物には存在しないため安全であると考えられてきたが、動物の腸内細菌にはシキミ酸経路が存在するため、近年、胎生期グリホサート曝露により、神経障害の誘発や行動異常が報告されるようになってきた。本研究室では、胎生期に単回100、250 mg/kg-グリホサート曝露又は単回250 mg/kg-AMPA曝露させることにより、小脳の神経細胞異常と行動異常を報告してきた。そこで、本研究では、胎生期慢性グリホサート曝露による小脳皮質に与える影響を検討した。結果は、雄の仔ラットにおいて、プルキンエ細胞の有意な減少が観察された。さらに、雄及び雌の仔ラットにおいて、活性型ミクログリアのプルキンエ細胞層(PL)に対する有意な分布が観察された。従って、グリホサートは発達期に対する神経毒性があると考えられる。
著者
中根 正樹
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.7, pp.932-938, 2013 (Released:2013-12-14)
参考文献数
21

Open lung approachは肺傷害によって虚脱した肺胞を再開放させ(Open up the lung),再虚脱しないように気道内圧を保つ(Keep the lung open)ことで,肺コンプライアンスが高い状態を維持しながら肺へのストレスが少ない陽圧換気を行う人工呼吸法の概念である.本概念に含まれる呼吸管理には,低容量換気とプラトー圧の制限に加えて,リクルートメント手技の併用,より高いPEEP,腹臥位療法,気道内圧開放換気(APRV)や高頻度振動換気(HFOV)といった特殊な換気法などがあげられる.新しいARDSの定義であるベルリン定義を考慮しながら,これらのOpen lung approachを解説する.