著者
佐藤 雅彦
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.21-33, 2005-12-25 (Released:2009-05-29)
参考文献数
18

We study Frege's influence on computer science mainly from the viewpoint of the formal aspect of Frege's Begriffsschrift. We argue that his analysis of a function as an unsaturated entity is related to the notion of higher-order abstract syntax in computer science, and his way of explaining Begriffsschrift should shed light on the future design of a common meta language for various mathematical systems. We also point out the influence of Frege on Martin-Löf's type theories, which led to the revival of the notion of judgment which was once almost forgotten in mathematical logic.
著者
Michel Sabourin
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.51-64, 1999-04-25 (Released:2010-07-16)
参考文献数
38

After briefly describing the need for ethics in the development of professional regulation and analyzing the historical emergence of codes of ethics, the goal of this paper is to scrutinize the process by which the American Psychological Association developed its own Code of Ethics and proceeded to revise it periodically. Different lessons can be derived from these efforts and from the criticisms that were formulated. The need for international standards in professional and research ethics is then considered, and the results of a recent study on this subject are presented. Five major conclusions can be derived from the preceding analysis: (1) Codes of ethics can help professional recognition by stressing the importance given to the protection of the public, (2) the development of a code of ethics is usually related to the advancement of professional practice, (3) ethical standards should be in tune with the cultural values and the belief system of a given community, (4) a well-balanced code should incorporate both general aspirational principles and enforceable standards, and (5) the method used to define principles and standards should be empirically based.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1865, pp.40-45, 2016-11-07

今年4月、カドカワが仕掛ける通信制高校「N高等学校」が開校した。「VR(仮想現実)」の入学式などで話題となったが本質は伝わっていない。開校から半年強。初年度に2000人超を集めたN高の実像が見えてきた。
著者
Yutaka SHIKANO
出版者
東北大学大学院情報科学研究科ジャーナル編集委員会
雑誌
Interdisciplinary Information Sciences (ISSN:13409050)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.33-37, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
55

One-dimensional discrete-time quantum walks (DTQWs) can simulate various quantum and classical dynamics and have already been implemented in several physical systems. This implementation needs a well-controlled quantum dynamical system, which is the same requirement for implementing quantum information processing tasks. Here, we consider how to realize DTQWs by Dirac particles toward a solid-state implementation of DTQWs.
著者
愛知大学図書館
出版者
愛知大学図書館
雑誌
韋編:愛知大学図書館報
巻号頁・発行日
no.42, 2016-02-18
著者
大北 葉子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.13, 2016 (Released:2016-10-17)

非漢字圏日本語学習者を対象に漢字正誤判断試験時の眼球運動、正答率、反応時間、空書行動の有無の関係を調べた。漢字一字ずつがパソコンモニターに表示され、被験者が正誤判断するまで刺激漢字はモニター上に表示された。刺激は、曖昧漢字、偽漢字、ハングル文字、部首倒置漢字、真漢字の5種類だった。曖昧漢字は日本語学習者の書き間違いを基にしていて、図形的にわずかな誤りのある字形である。偽漢字は部首と旁の組み合わせが存在しないもので、部首倒置漢字は部首と旁の位置を反転させている。ハングル文字と真漢字以外の正答率は個人差が大きかった。偽漢字と部首倒置漢字の回答率不良者は注視点数が少なく、眼球移動距離が短い、反応時間が短く、刺激間での注視点数、眼球移動距離、反応時間にあまり差がなく、空書がなかった。成績不良者は字形分析が不十分である可能性がある。空書は字形知識の内在化の指標になると考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1432, pp.150-153, 2008-03-10

高度成長期のモータリゼーションの流れの中、全国で多くの路線が廃止された路面電車。存続している路線は十数カ所を残すのみとなり、その姿を目にする機会はめっきり減ったが、現役路線は今でも「市民の足」として活躍している。 広島市内やその郊外を走る広島電鉄は代表格だ。
著者
松田 亮三
出版者
日本医療経済学会
雑誌
日本医療経済学会会報 (ISSN:13449176)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.41-52, 2017 (Released:2017-03-10)

よりよき政策形成につながるような政策分析は、いかになされるべきであろうか?本論文は、政策研究という領域の概念とその類型、特に実証主義的研究とポスト実証主義的研究を概観し、さまざまな政策分析の潮流 ―― 政策への助言、民主制への貢献、難しい問題への折り合いの発見、批判―とそれがもつ政治的性格についての議論を紹介した。それをふまえて、日本での医療政策分析のあり方を検討する重要性を指摘した。
著者
内野 尚美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2007年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.42, 2007 (Released:2007-11-16)

かつて日本各地には,主に農業利用のための半自然草原が多く見られた.これらの多くは,利用価値の低下に伴って,他の土地利用へと変換されたり,放棄されたままの状態になった.箱根山では,外輪山や中央火口丘山頂部にササ原が存在する.当地域は,外輪山を中心に入会地として利用されてきた地域である.本研究は,箱根山周辺におけるササ原が,今後遷移が進み森林へと変化するかどうかを推定することを目的とする. 本研究では,箱根山周辺の植生変化の概要を把握するために,明治期に大日本帝国陸地測量部から発行された地形図と,現在国土地理院から発行されている地形図の地図記号を判読して比較した.さらに,植生の現状を詳細に把握するため,野外においてササ原とこれに隣接する森林内にそれぞれ複数の方形区を設定した.そして,枠内に出現する植生の調査を行った. 箱根山の植生は,大部分が二次的なものである.山麓部ではコナラ,ケヤキ等が成育し,山頂部に近づくにつれてリョウブ,アセビ,アブラチャン,ニシキウツギなどに変化する.神山,金時山,三国山,台ヶ岳にはブナ林が存在する.これらのブナ林は,林床にスズタケを伴う太平洋型ブナ林の特徴を示している.また,外輪山外側を中心にスギ,ヒノキの植林地が大きな面積を占めている.箱根山周辺における主なササ原は,矢倉沢峠から明神ヶ岳を経て明星ヶ岳にかけての範囲,外輪山南向き斜面,湖尻峠付近,駒ケ岳山頂部等に存在する.ササ原を構成する種は,大部分がハコネダケであるが,標高1000 mを超えるとハコネメダケとなる.また,外輪山南向き斜面では,イブキザサ,ミヤマクマザサとなる.森林内では,ハコネダケに変わりスズタケが多く見られるようになる.しかし,基盤岩や礫が露出するような土壌の薄い地域では,ササは存在しない. 明治時代の地形図を見ると,外輪山のほとんどの地域が荒地や竹林の記号となっている.広葉樹林の記号が存在する地域は神山,駒ケ岳などの中央火口丘と,文庫山,三国山及び山麓部である.針葉樹は山麓部を中心に存在する.現在の地形図では,外輪山を中心に広い範囲を針葉樹が占め,明治期に荒地や竹林の記号であったところのほとんどが針葉樹となっている.これらの大部分は植林によるものと考えられる. 野外調査の結果,共に外輪山東向き斜面に位置する湖尻峠と三国山を比較すると,湖尻峠はササ原であり,三国山はブナ林であるという相違が見られた.湖尻峠は現在財産区であり,かつては入会地であった地域である.このことから,湖尻峠も本来は三国山のようなブナ林であったが,草地として利用された後に,ササ原となったと考えられる. 以上の結果から,箱根山周辺におけるササ原は,かつて入会地として利用されていた場所に成立していることは明らかである.入会地の大部分は植林されたが,土地条件が悪いため植林できなかった地域や,入会地での利用が近年まで続いた地域はササ原となったと考えられる.森林化が進まない要因として,ササの被圧が挙げられる.また,ササ原は南東向き斜面に多く存在していることから,南東からの強風により森林化が阻害されていると考えられる.
著者
矢ケ崎 典隆 矢ケ崎 太洋
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.99-118, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
19

ゲーテッドコミュニティとは公共アクセスが制限された隔離住宅地で,塀などの障壁に囲まれ,門によって出入りが管理される.アメリカ合衆国では,近年,ゲーテッドコミュニティが増加し,多分野から関心が集まっている.地理学研究者は,地域の枠組みにおいてゲーテッドコミュニティを解釈し,研究手段として地図を用いる.本報告はロサンゼルス大都市圏オレンジ郡中部を事例として取り上げ,現地調査に基づいて117か所のゲーテッドコミュニティを確認し,土地利用図を作成した.そして,住宅タイプ,門番小屋,共有レクレーション施設に着目して3分類し,地図化した.ゲーテッドコミュニティの形態と分布には地域差が確認され,白人富裕層が多い地域で,1990年代後半から新規住宅地開発が進行する過程で増加した.こうした調査と地図化の作業を蓄積することにより,モザイク状に分断されたロサンゼルス大都市圏の全体像を把握することができる.
著者
大住 倫弘 今井 亮太 森岡 周
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第12回大会
巻号頁・発行日
pp.116, 2014 (Released:2014-10-05)

近年,視覚的身体像を操作するリハビリテーションアプローチが慢性疼痛患者に応用されてきている.しかし,視覚的身体像を操作することによって「不快な身体情緒」が生じてしまうと鎮痛効果が得られにくいことも考えられている.そこで今回,ラバーハンド錯覚手法を応用して,健常者の視覚的身体像を操作した時に惹起される不快な身体情緒が痛みを変化させるのかについて調査した.不快な身体情緒を惹起させるような,「傷ついたラバーハンド」,「毛深いラバーハンド」,「腕がねじれているラバーハンド」を作成した.そして,各ラバーハンドに身体所有感の錯覚を生じさせた時の,不快感および痛み閾値を測定した.その結果,「傷ついたラバーハンド」と「毛深いラバーハンド」に不快感は生じたが,痛みが増悪したのは「傷ついたラバーハンド」のみであった.このことから,痛みという文脈における不快な身体情緒が痛みを変化させることが明らかとなった.
著者
Hideaki Touyama Junwei Fan
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.27-30, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
11

This paper describes a technique for decision by majority by applying brain signal analyses. The ElectroEncephaloGram (EEG) of twenty-four volunteers were recorded with the serial presentations of Computer-Generated (CG) images of human emotional faces. We focused on the Event-Related Potential (ERP) P300 signals and the amplitude was investigated varying the ratio of collaborative P300 occurrences in the group. The supervised machine learning technique was used to perform the decision by majority and the estimation performance value could be almost 80%. This novel concept would be applicable to the decision by majority for Computer-Supported Cooperative Work (CSCW) such as Virtual Reality (VR) interactions only by means of thinking.