著者
小野 恭靖
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-56, 2005-09-30

日本のことば遊びの一種に判じ物がある。判じ物は絵と文字を用いて、主として日本語の同音異義によって解読させる視覚的なことば遊びである。その判じ物の資料のうち、同類の名詞を解とする判じ物を一枚摺りの錦絵版画に集成したものがある。それはいわば判じ物の「物は尽くし」資料と言え、今日「物尽くし判じ物」と呼ばれている。「物尽くし判じ物」は岩崎均史氏によって精力的に紹介されている。しかし、近時岩崎氏未紹介の「物尽くし判じ物」二点、また岩崎氏に言及がありながら、写真等による紹介がなされていない「物尽くし判じ物」一点が管見に入り、その,後大阪教育大学小野研究室蔵となった。本稿は従来十分な位置付けがなされていない以上三点の「物尽くし判じ物」を、写真とともに紹介する論考である。
著者
周 臻 木本 晴夫
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.D01-D01, 2007

六書原理は、漢字の独特な造字・造型の方法であるだけてなく、まだ有効な視覚表現の手段の一種で、さらに設計思惟でもある。六書原理は東洋の思想モデルを反映する論理的な創造システムである。本研究は、ロゴデザインを例にして、六書原理に基づく新しいデザイン体系を探求したので報告する。六書の各原理、すなわち、象形、指事、形声、会意、転注、仮借の概念と造字方法、造字実例を研究して、その中から得る啓発をデザイン構想とデザイン手法に転化して、自分のデザイン実例と結合して、新しいロゴデザインシステムを構成することを試みた。1. 象形:具体物の形態を表現する。2. 指事:抽象的な符号を入れる。3. 会意:現有の要素を合併して新しい意味を生む。4. 形声:意味を表す符号と発音を表す符号の結合。5. 転注:シリーズデザイン。6. 仮借:類似したオブジェクトを借りる。7. 六書原理の統合的応用。文化の内包を掘り起こすことと民族の風格を発展さめることによって、六書原理に基づくデザインシステムは、中国のデザインを進展させる強力な道具になる。
著者
小野 恭靖
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.109-116, 2000-01

江戸時代末期に爆発的に流行し、巷間に流布した"判じ物"資料に「もの尽くし判じ物」がある。「もの尽くし判じ物」は動物、植物、食品、調度品、風俗などの部類によるもの尽くし絵であるが、それがいわゆる"判じ絵"で描かれている点に特徴がある。また、「もの尽くし判じ物」は大判の錦絵摺りで、一枚物を基本としたが、二枚から数枚で一組とされた例も見られる。本稿では、「もの尽くし判じ物」を代表する三種の表現手法を取りあげ、それらが一朝一夕に成されたものではなく、日本語のことば遊びの歴史と伝統に基づいたものであったことを指摘する。"Monozukushi Hanjimono", which took the world by storm in the Edo era, is one of picture puzzles. The picture puzzles in "Monozukushi Hanjimono" are classified by subjects such as animal, plant, food, supply and public moral. They are Nishikie, which are color prints. This report treats three kinds of expressions in these picture puzzles, and indicates that their expressions were not made easily but had been made in the long history and tradition of Japanese language.
著者
對馬 宏制
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1379, pp.155-158, 2007-02-19

青森県の弘前駅前に「ジョッパル(Joppal)」という複合商業ビル(地下1階、地上7階)があります。楽しさを意味するジョイと、仲間を意味するパルを組み合わせた造語です。津軽弁で「強情っぱり」をじょっぱりと言いまして、最後までやるんだという意味も込められているんです。 弘前駅前の「おおまち商店街」の一帯は城下町・弘前の中でも特に活気を帯びたところです。
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.391, pp.68-71, 2015-02

株主優待というと、日常生活に役立つものという印象が強いかもしれませんが、旅行時に役立つものもたくさんあります。中には自分では使わなくても、金券ショップなどに持ち込めば高値で売れるものも。桐谷さんに旅行関連銘柄を教えてもらいました。
著者
鈴木 宗徳
出版者
一橋大学
雑誌
一橋研究 (ISSN:0286861X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.93-115, 1998-07-31

論文タイプ||論説
著者
松本 拓哉 金澤 浩 大津 知昌 成尾 政一郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0642, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】ストレッチングには,スタティックストレッチング(SS)やダイナミックストレッチング,バリスティックストレッチングなど,多様な方法がある。中でもSSは,伸張反射が起こりにくく,筋腱の損傷が少ない安全な方法であるとされている。筋の伸張性が筋力に及ぼす影響を調査した研究は多数行われているが,筋のストレッチングが拮抗筋へ与える影響を調査した報告は少ない。中島ら(2012)は,ハムストリングのSSを1週間継続した結果,膝関節伸展トルクの有意な増加が認められたと報告している。我々は,SS直後に拮抗筋の筋力が向上すれば,運動療法をより効果的に実施することが出来るのではないかと考えた。本研究の目的は,股関節内転筋群(AD)にSSを加え,拮抗筋である股関節外転筋群(AB)の筋出力が向上するかを確認することである。【方法】対象は,整形外科的疾患や神経学的疾患がない健康な成人男性50名(平均年齢25.1±2.5歳,身長171.1±4.5cm,体重65.5±9.1kg)とした。はじめに,右股関節外転角度を,角度計で他動的に計測し,疼痛の出現する直前の角度を記録した。続いて,右ABの最大随意等尺性収縮(MVC)を,サイベックスノルムCN77(CSMI社)を用い,肢位は「筋力測定装置CYBEX NORM User's Manual」に準じて側臥位とし,股関節外転のMVCを3回行った。その後,背臥位で,右ADに対するSSを,30秒間保持の4セット,疼痛の出現する直前の強度で実施した。SS後,股関節外転角度,及びMVCの測定を再度行い,ABのピークトルク,体重比(%BC)を算出し,SSの前後で比較した。股関節外転角度とABのピークトルク,%BCの差の比較には,Wilcoxonの符号付き順位和検定を用い,有意水準は5%とした。【結果】SS前後の股関節外転角度の平均は,SS前42.6°±4.4°,SS後47.2°±4.1°で,SS後の股関節外転角度の有意な増大を示した。ABのピークトルクの平均も,SS前87.5±26.8Nm,SS後は94.3±29.5Nmとなり,SS後が有意に増大した。ABの%BCの平均についても,SS前135.1±42.5,SS後145.8±46.6で,SS後は有意な増大が得られた。【考察】股関節外転角度はSSにより11%の有意な増大を示したことから,ADの伸張性は改善し,SSの効果は得られていたと考えられる。Siatrasら(2008)は,30秒以上のSSで関節可動性が有意に増大したと報告していることから,本研究のSSの実施時間は,ADの伸張性を改善させるには,十分であったといえる。対象筋に対するSSの効果を調査した報告は多く,濱田ら(2008)は筋パワーの低下をもたらすとし,Rubiniら(2007)は最大筋発揮やパフォーマンスを低下させると報告している。本研究ではADのSS後に,拮抗筋のABのピークトルクが7.7%,%BCは7.9%向上したことが確認され,SSは拮抗筋の筋出力の向上に即時的な効果があることが示された。筋力発揮に関わる因子は多く挙げられるが,その中でも効果的な筋力発揮を得るための相反神経支配の関与が重要視されている。通常,関節運動時には拮抗筋の活動は完全には抑制されず共収縮が生じており,本研究ではSSによってADの伸張性が増大した結果,ADの共収縮が低下し,拮抗筋であるABの筋出力が改善したことが一つの要因ではないかと考える。本研究の結果,筋力強化の対象筋が明確な場合,SSは拮抗筋の筋出力を即時的に改善させることから,SSを行うことで拮抗筋の筋力を効率よく発揮出来ることがわかった。【理学療法学研究としての意義】主動作筋の筋力増強運動を行う直前に拮抗筋のSSを行うことで,より効果の高い運動療法が実施出来ると考える。

2 0 0 0 OA 高Na透析

著者
前田 憲志
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
人工透析研究会会誌 (ISSN:02887045)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.103-113, 1982-03-31 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13

近年, 高Na透析が用いられるようになってきているが, これを長期間, 多数例に用いるには十分な管理が必要である. 従来の低Na透析も15年以上にわたる実績があり, いくつかの長所がある. しかし, 低Na透析では, 血漿浸透圧の低下が著しく, そのためにplasma refilling rateが低下し, 血漿量の減少を招き, また, 血漿中より細胞内への水の拡散も生じ, 透析後において細胞内液量の減少は少なく, 血漿量の減少が大きいなどの問題点がある. 反面, 高Na透析においては, 細胞内よりの除水が期待できるので, 血漿量の維持は容易である.高Na透析法には, その目的や使用法において, 次のような方法がある.1) 生理的Na濃度透析液を用いる法2) 非生理的Na濃度透析液を用いる法3) 非生理的Na濃度透析液に飲水を併用する法4) Sodium gradient method (SGM)5) Cell-wash dialysis (CWD)1) 及び2) は, その生理的意味は全く異なっており, 1) においてはNa free wateはほとんど除去できないが, 2) ではNa free water clearanceが著しく上昇する. この効果は, 血流量200ml/分の透析では, 透析液Na濃度160mEq/l以上で明らかとなり, 170mEq/l以上で著明となる. また, 160mEq/l以下では, その生理的意義は1) の場合とほぼ同じであるから, 実用上の1) と2) の区別は, 透析液Na濃度160mEq/lを境にするのが適当である.高Na透析液の使用に際しては, Na出納のバランスを考慮しなければならないので, 必要な時期に必要なNa濃度の透析液を用いるSGMが, 実用上きわめて有用な方法である. 実際には, Na濃度と除水量が自由にプログラミングできる装置が便利である. また, CWDでは, 従来の透析でコントロール不良の, いわゆる透析困難症にすぐれた効果を示し, 尿素窒素の上昇率を一定期間低下させる効果や, カリウムめ除去量の増大がみられる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1545, pp.30-33, 2010-06-14

日本企業の多くが抱える年齢構造の歪みを直していくには、若手を積極的に採用し、地道に育てていくしかない。ただ、これからの「ゆとり世代」の育成は一筋縄ではいかない。崖下に突き落としながらも、深い愛情を注ぎ、成長を促すことが重要だ。その2つを巧みに使い分けて、人材育成に取り組む企業がある。千代田化工建設だ。
著者
川嶋 稔夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1192-1197, 2012-10-15

観光都市函館は,歴史資料や古写真,古地図などの資料多数所有し,そのなかには観光の魅力を高めてくれるものが多く含まれている.地域デジタルアーカイブの取り組みを進めることで,観光事業のコンテンツの充実が期待できる.本稿では,著者らが推進してきた,函館圏地域デジタルアーカイブスのこれまでの取り組みを紹介するとともに,それを通じてみえてきた,地域コンテンツの観光への活用の現状をまとめてみたい.
著者
大野 洋美 須藤 元喜 小山 貴夫 矢田 幸博 土屋 秀一
出版者
The Japan Geriatrics Society
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.627-633, 2008-11-25
被引用文献数
1

<b>目的</b>:高齢者の静的および動的姿勢制御の特性を明らかにするために,高齢者と若年者の安静立位時·動作時·動作後静止立位時の重心動揺を測定し比較検討を行った.今回は動的平衡能力を測定する際の動作として,排泄時の衣服の着脱動作に着目し,パンツ型オムツはき上げ動作時の重心動揺の比較を行った.その際はきやすさを調節したオムツを使用し,動作負荷を変化させたときの姿勢制御特性の調査を行った.<b>方法</b>:評価サンプルには,はきやすさを調整するために,お腹周り全体の収縮率を低応力から高応力まで5段階に操作したパンツ型オムツを用意した.被験者には最初に,開眼および閉眼立位状態で重心動揺の測定を行い,その後,重心動揺プレート上でオムツおよび下着を装着し,動作時および動作後静止立位時の重心動揺を測定した.さらにその後,はきやすさに関する主観的評価を行った.<b>結果</b>:安静立位時の重心動揺は,開眼時·閉眼時ともに高齢者群の方が若年者群よりも大きくなる傾向が見られたが有意差は認められなかった.また,はき上げ動作時では,はきやすいオムツを履くときの重心動揺の大きさは両群で同等であるが,はきにくいオムツを履いた時に,高齢者群で揺れが顕著に増大した.さらに動作後の静止立位時においても,高齢者群でのみ,はきにくいオムツを履いた後に重心動揺の増大が継続するという現象がみられた.<b>結論</b>:静的姿勢制御能力が低下していない健常な高齢者においても,動作時には動作の負荷に相関して重心動揺が増加する,つまり動的姿勢制御が低下することが明らかになった.さらに高齢者では動的姿勢制御相がその後の静的姿勢制御能力にも影響を及ぼし,機能を低下させる可能性が示唆された.転倒防止の観点から,介護者は明らかな身体能力低下がみられない高齢者に対しても,動作時および動作後の動向に注意を向けることが必要だと考えられた.<br>

2 0 0 0 OA 正誤表

出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.72, no.12, pp.e2ac-e2ac, 1952 (Released:2010-02-19)