著者
松野 光範 横山 勝彦
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.49-62, 2011-03

論説(Article)2009年の本誌に、「昭和新山国際雪合戦大会」が、その実施の過程を通じて、まちづくりの中枢を担う人々の育成に寄与していること、およびその過程が、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)形成への寄与と、ソーシャル・イノベーションへのレディネスの強化につながっていることを報告した。今回は、コミュニティ・ガバナンスが、実際のまちづくりにどのように活かされているかの視点に立ち、2010年4月末に有珠郡壮瞥町を訪問し、ヒアリング調査を実施し、2009年12月に発表された「第4次壮瞥町まちづくり総合計画」を概観し、ソーシャル・キャピタルの形成につながるまちづくりとスポーツの関係性について検討を行った。そこで得られた知見は次の2点である。1点は、分析にあたっては、雪合戦大会実行委員会のリーダー層のみに注目するのではなく、これを支える多くの人たちについての検討が必要なことである。2点目は、健康政策においては、運動・栄養・休養という健康の3要素が政策として必ずしも統合されていないことである。これらについては、まちづくりとスポーツの関係性を検討する観点に包含して、研究を継続していきたい。2009, We reported that"Showa Shin-zan international Yukigassen" was the process to connect for reinforcement of the readiness to contribution to the social capital and the social innovation through a process of the enforcement. The end of April, 2010, We visited Sobetsuchou for a second time. We examined about community governance and "the 4th Total Town Planning in Sobetsu" in December, 2009 and the relationship of the making of Town Planning and sports to be connected for the formation of the social capital. Therefore the provided knowledge is two points of the next. One point does not pay attention to only the class of leaders of the Yukigassen executive committee in analysis, and examination about many people supporting this is that it is necessary. The second point is that 3 elements of the health called exercise / nourishment / the rest are not always unified as the healthy policy.
著者
笹岡 勇佑 須藤 洸基 清水 義彦 今井 一雅 河合 和久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.482, pp.213-218, 2014-03-01

英単語を習得する方法には,従来型の単語カードを使ったものから,Web上のオンライン教材,近年では携帯情報端末上で学習する方法などがある.報告者らは,携帯情報端末の利用場面(シーン)に着目し,いわゆる「すきま時間」にも英単語の学習から復習テストが行なえる,高専生を対象とした英単語学習支援システムを開発した.このシステムを高専専攻科の学生20名に授業の一部として17週間利用させ,その利用状況や習得度を分析し,学習支援効果の検討を行なった.利用前と利用後テスト,利用時間の状況,利用者アンケートの結果から,学習支援効果を認めた.
著者
中原 功一朗 中川 伸子
出版者
関東学院大学経済経営研究所
雑誌
関東学院大学経済経営研究所年報 (ISSN:13410407)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.54-70, 2008-03

本学経済学部においては,習熟度別クラス編成を伴うカリキュラムにより,英語教育を展開している。また,授業時間外学習を確保するために,学生支援室との連携システム,オンライン学習システムを構築している。2007年度春学期に,上記システムの利用者を対象として,授業時間外学習の状況と上記のシステムに関する意識を調査した。本稿においては,1)1年次カリキュラムと上記システムの概略を説明し,2)上記調査の結果を報告し,3)調査結果の解釈,分析,考察を行った。結果としては,上記システムは概ね有効に機能していると言えるが弱点も見えてきたので,今後の課題や改善のための方向性を提案した。
著者
千 宗屋 千葉 望
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.64-68, 2011-04-19

「お茶の基本は自分自身をもてなすこと」と説く武者小路千家の次期家元。型にとらわれすぎない考え方には、若手ベンチャー経営者などビジネスパーソンのファンも多い。仏像マニアだった幼少期を経て、少年時代には全寮制の中学から"脱走"した経験も。自分の直感を信じる自由な感性で、伝統文化の本質に迫る。

2 0 0 0 大日本史

著者
徳川光圀 撰
出版者
大日本雄弁会
巻号頁・発行日
vol.表一, 1929
著者
松野 光範 横山 勝彦
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.49-60, 2009-07

論説(Article)本小論は、昭和新山国際雪合戦大会を事例にまちづくり政策について概観するとともに、マージナルスポーツの可能性について検討し、その上でソーシャル・キャピタルの形成につながるコミュニティ・ガバナンスによるまちづくりについて考察する。昭和新山国際雪合戦大会の取り組みは、農業・観光・商工業者・行政など様々な人たちが知恵を出し、汗をかいて感動という無形の価値を生み出す、地域固有のスポーツ創造の過程であり、住民総ぐるみによるスポーツイベントづくりといえる。このようなコミュニティ・ガバナンスによるまちづくりは、多様な価値観を持った町民間による新たな価値の創造の過程といってよく、従来のまちづくり政策を打開するソーシャルイノベーションへのレディネスの強化が見られるのである。This report takes examines the possibility of the community dvelopment by marginal sport like the Showashinzan International Yukigassen. The approach of the Showashinzan International Yukigassen shows wisdom by various people like agriculture, sightseeing, the commerce and industry person, and the administration, etc. , and is a process of a peculiar sports creation to the region. Moreover, it is a course when intangible value of impression is invented. The community governance is a process of the creation of new value between townsmen who have various sense of values.
著者
渡邊 誠三
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.248-265, 1939

1. 本報告は昭和12年度に引續き施行したる大根子葉の形状と根部形質との關係に關する研究調査成績である。<br>2. 練馬大根に於ては子葉の型正, 丸, 長, 角の4型中正最も優り之を母本としたる第2代は一層純度の増加することを確め得た。<br>3. 斯かる子葉對根形關係は多くの品體に就いても明らかにすべき要あるを痛感し昭和13~14年可及的多數の品種を蒐集し其の鑑別を試みた。<br>4. 其の實驗の結果宮重, みの早生, 龜戸等に於ては練馬大根に類似し根形に於ては正型の根形常に最優位にあり, 又品種の特徴を具備し收量に於ても他型を凌駕することを認め得た。特にみの早生に於ては正を選ぶことにより根形肥大生長前の抽薹を少なからしめ得るにより栽培者の最も困難を感じつゝある「鬆入の現象」に對し幾分かの解決が爲し得らるもので一擧兩得の感があつた。<br>5. 二年子大根の子葉は正及び長が多く發現する。其の2型の根形を見るに正は太く長く長は細く長く整ひ何れも特長ある2系統なるを知る。而してこの何れが優るかは地方的の嗜好により定む可きものと思考せらるるが2系の中何れか收量多き方に淘汰を加へ經濟的優良種の育成に努む可きではないかと思ふ。<br>6. 二十日大根中の圓形種なるアーリストラウンドブオーシング種に就いては正及び丸の二型が夫々特長を有し正は圓形大, 丸は扁圓小である。小形なるを貴ぶ場合は丸を可とするも丸は地上部の莖葉, 地下部の根形共に著しく正に劣るが如きにより一般的には正を選ぶ可きであると思ふ。<br>7. 報告中各成績に對する考察並びに檢討に就ては各部面より詳細緻密に行ふ可きであるが茲には累年の結果を述ぶることのみに止め追つて全般的に再檢討を爲さんとする心算である。
出版者
愛媛県教育会
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1933
著者
田口 由香
出版者
大島商船高等専門学校
雑誌
独立行政法人国立高等専門学校機構大島商船高等専門学校紀要 国立高等専門学校機構大島商船高等専門学校 編 (ISSN:18814891)
巻号頁・発行日
no.48, pp.15-22, 2015-12

This paper aims to make it clear that there are common and different points of descriptions of textbooks Japanese History A for high school students. On the educational system of Japan, the textbooks, which are authorized by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, are provided by several publishing companies. These textbooks, which are written based on some different theories of historical study, could have differences in descriptions depending on the publishing companies. In fact, we have various theories concerning the formation process of the modern nation, for example, some theories of diplomatic relationships between Japan and European countries at that time. Therefore, this paper explains these common and different points with concrete examples by comparative analysis of the descriptions of each textbook. The outcome could contribute to history education for high school students.
著者
小沢 茂
出版者
愛知淑徳大学
雑誌
愛知淑徳大学論集. コミュニケーション学部・コミュニケーション研究科篇 (ISSN:13463195)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.129-139, 2007

人間の認識は常に信頼できるとは限らない。時として,われわれが「見ている」と思っているものが,実は「見ていると思っている」ものであるような場合がある。建築家のDavid Macaulayは,「学生にスケッチを教えるとき,最初にすることは,見ているものと,見ていると思っているものを区別させることだ」と言う(410)。これは観察者の主観によって客観的事物の認識がゆがめられ,存在しているものではなく,観察者が存在していると思っているものの認識になっていることを示している。こうした,主観によって事実がゆがめられる現象は,はるかに大きなスケールでも見ることができる。歴史の記述はその一例である。歴史とはそもそも歴史家の主観性を抜きにしては語れない。E.H.Carrが指摘しているように,歴史は決して客観的事実の連続ではなく,著者の主観的解釈と密接に関係しており,もし歴史家の解釈がなければ客観的事実だけでは意味をなさなくなってしまうだろう(35)。このこと自体は特に問題ではないのだが,この主観性が肥大してくると,時として,事実を,特定の歴史観にあわせて歪曲し,事実から離れた歴史を作り上げることがありうる。こうなってくると,作り上げられた歴史はもはや事実を客観的に映し出したものではなく,特定の歴史観によってねつ造された虚構の物語になっていくことになる。フランス語の"histoire"が,「歴史」と「物語」の両方を指すように,歴史と物語の境界があいまいになり,区別がつかなくなってしまうのだ。北アイルランドに根強く存在し,1960年代後半から激しさを増してきた,"Troubles"と呼ばれる紛争もまた,「歴史」と「物語」が融合して現れるケースの一つである。中でも,1972年1月30日にデリー市(イギリス側の名称はロンドンデリー市)で起こった,通称「血の日曜日事件」は注目すべきである。これは,公民権運動のデモ行進をしている市民に対して英国軍が発砲,13人の市民が死亡したという事件だが,現在もなお,真相が明らかになっておらず,英国による公式の調査は,英国側の非を隠蔽するための"cover-up,"つまり,事実に基づいていない「物語」であった疑惑がもたれている。アイルランドの劇作家,ブライアン・フリール(Brian Friel)の作品,The Frddeom of the Cityは,「血の日曜日事件」に触発されて書かれ,その中で,北アイルランド紛争の背後で,「歴史」と「物語」がどのように融合しているのかを暴き出している。本論では,The Freedom of the Cityの中で,歴史と物語が一体となった"Histoire"がどのように現れているかを分析する。
著者
山本 雄二
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.61-90, 2016-11-15

本稿は2013年度・関西大学研修員制度による研究成果の一部である。
著者
福田 忠彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.492-498, 1978-06-01
被引用文献数
4 2

アルファベット, 単純幾何学図形などを刺激図形とし, これを網膜上の各部位に短時間呈示した場合の見え方を測定した.その結果, 網膜上における視機能は, 周辺部では比較的単純であるが中心部になるほど複雑で高次のものとなる階層構造を形成していること, しかもそれは視覚心理における機能的構造の反映であることを明らかにした.