著者
大江 和彦
出版者
広島大学
雑誌
中等教育研究紀要 (ISSN:09167919)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.67-72, 2000-03-18

学習指導要領の改変に伴う授業時間数減少の中で, 教材の内容精選を効果的・合理的に行うことは, 地歴科だけではなく, どの教科においても課題であるといえる。この課題を克服するためには, 新たな視点からの教材開発が必要と考える。現代社会に生き, 未来を創造してゆく生徒に, 画一的でない, 柔軟性のある思考を可能にさせる授業づくりを課題とし, 日本歴史の既成的時代区分の批判的吟味を通じて, 日本史A前近代史における主題的学習の分野に絞り, 海の時代的役割からみた東アジア交流史の教材構成案を, 1つの視点として提示したい。
著者
高原 良文
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.621-628, 2008-12-01

丸善は,1960年代から70年代における学術情報流通の大きな転換期にあって,外国雑誌や洋書など印刷媒体の進化を伴う学術情報流通の多様化と市場環境の変化に対応すべく,1970年代中頃に情報産業への進出を図る。ロッキード社との提携に向けられた丸善の積極策が奏功し,1977年わが国に世界最大規模のオンライン情報検索システムDIALOGを導入する。本稿では,DIALOG導入に至った経緯,DIALOG日本センターとしてのMASISセンターの役割,情報検索サービスの普及活動,MARUNETの構築と通信回線事情,データベース作成機関との連携強化など30年前のオンライン草創期から1980年代の発展期を振り返る。
著者
津田 一郎
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:09172270)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.176-193, 2008-09-25

海馬という大脳辺縁系に属する場所はエピソード記憶の形成に必須であると考えられてきた.また,海馬の萎縮がアルツハイマー病を導く可能性も指摘された.アルツハイマー病を起こさない,あるいはリハビリの過程で海馬における記憶形成の機構をシステムレベルで知ることは意義のあることだろう.講演では,海馬CA3の数理モデルが創発するカオス的なダイナミックスのもとで記憶の連続想起を説明することを示し,海馬CA1の数理モデルがCA3からの時系列出力をカントール集合上に表現することを示した.CA3のカオスダイナミックスは我々が提唱しているカオス的遍歴とみなされる.CA1での情報表現をカントールコーディングと呼んでいる.また,この情報はデコードできることも示す.モデルの結果を仮説としてまとめ,それらを確認する実験が行われ,部分的に実証されたことも報告する.
著者
松井 純一 澤 文博 土田 昌宏 月本 一郎 亀田 典章
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.105-108, 1990-03-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
11
被引用文献数
1

小児白血病にみられる脊髄腫瘍はまれであるが, 重篤な合併症である.私たちは急性白血病に合併した3症例の臨床経過と病理所見を報告し, 20歳未満の12報告例と比較検討した.脊髄腫瘤はおもに硬膜外腫瘤による圧迫症状で見つけられ, 胸椎から発生するものが最も多かった.治療としては化学療法と放射線療法が有効であるが, 急速に神経症状が進展する場合にはラミネクトミーを行うべきである.
著者
印刷局 編
出版者
印刷局
巻号頁・発行日
vol.第45回 自大正7年 至大正8年, 1922
著者
小松 理佐子
出版者
日本福祉大学社会福祉学部
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal social Welfare, Nihon Fukushi University (ISSN:1345174X)
巻号頁・発行日
vol.134, pp.31-47, 2016-03-31

高齢者の増加に伴う社会保障費の増加を背景にして,地域包括ケアシステムの構築は,重要な政策課題となっている.活用できる資源に乏しい過疎地域では,従来からのサービスの不足 2)に加えて,人口減少による地域力の弱化という課題を抱え,システムの形成を困難にしている.以上の関心から,過疎地域における地域包括ケアシステムの形成方法を考察した. Ⅰでは,先行研究をもとに地域包括ケアシステムの構築における過疎地域の固有の課題を検討した.Ⅱでは,相互支援に限界が生じている二地区の事例をもとに,システム形成に必要な要件を検討し,中間支援機能が必要であることを明らかにした.Ⅲでは中間支援機能の内容を考察するために,独自のサービスを創出した地域の事例を分析した.それを踏まえてⅣでは,過疎地域で地域包括ケアシステムを形成するためには,地域の状況の変化を的確に見極め,外からの支援者による支援が円滑に行うことができるようにするためのスーパービジョンの機能を担う機関が必要であることを指摘した.

2 0 0 0 OA 国法汎論

著者
ヨハン・カスパルト・ブルンチェリー 著
出版者
岡島真七
巻号頁・発行日
vol.首巻,巻6-9, 1880
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.662, pp.52-54, 2000-03-20

「編成材」とは,角錐状に加工したスギやヒノキの間伐材を,束ねて接着剤で張り合わせた木製ブロックだ。ブロックの大きさは70角,長さ4m程。それを,好みの寸法に切って使う。 1992年に製品化した旭きょく新しんが編成材の産みの親だとすると,育ての親と呼べる存在が松澤静男氏(マツザワ設計代表)だ。
著者
斉藤 愛
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:ISSN0387)
巻号頁・発行日
no.24, pp.105-122, 2001-03-01

The view of race is the conceptualization of eyes to a body different from his own. In Japan, the oldest map of human race of the world is one attached to the world map of Nanban sekaizu byôbu. It was produced by the first contact with European culture, and the interests in the different races and the world were kept by creating blockprinted Bankoku Jimbutsu-zu pictures or books, for example, Bankoku Jimbutsu-zu, even during the Edo era when people had the very limited information because of Japan's policy of isolation. And, apart from European culture, the form of knowledge originated from Shanhai-jing of China bore fruit of encyclopedias such as Wakan Sansai Zue (Encyclopedia of Japan and China).What greatly changed the genealogy was a series of political changes starting with the arrival of American ships in the late period of the feudal government. In the meantime the demand for international information burst and enlightening texts on foreign countries, the world maps and the pictorial books of the race in the world were published along with the changes above. The opening of a port in Yokohama in this situation and setting the residential area attracted incredible attention, and Yokohama ukiyo-e in which foreigners were drawn became a widespread fad.Meiji government was established afterward and Japan's modern times which followed Western culture had begun. The first opportunity to lead the era was the campaign for enlightenment by Fukuzawa Yukichi and others. The enlightening books released in succession made the far more precise knowledge about the world's civilization, region and race than one in the previous age popular and the gap between them which is the concept of cultural hierarchy also became well known. Because of this the outlook on the world was rearranged to be a vertical ladder of evolution with western culture on top, Asia at middle, Africa at bottom and Japan was directed to desperately climb up the ladder checking on its position all the time.I would like to follow the changes continuously happened until the birth of modern Japanese view of the race referring to Nanban sekaizu byôbu, Yokohama ukiyo-e, enlightening books in Meiji and the pictures in Kanagaki Robun's book.
著者
馬場敏幸
出版者
財団法人 素形材センター
雑誌
素形材 (ISSN:09101985)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.13-14, 2005-11-20
被引用文献数
1
著者
和田 実
出版者
交通史学会
雑誌
交通史研究 (ISSN:09137300)
巻号頁・発行日
no.76, pp.86-88, 2012-02-24
著者
長崎 誠三
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.176-181, 1971-03-05
著者
岡本 裕行 内橋 康充 ルォン ゴォク カーン 宮原 照夫 川面 克行 西山 孝 藤井 隆夫 古川 憲治
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.318-327, 2009-07-20
参考文献数
21
被引用文献数
1 5

anammox処理を応用してビール工場排水の窒素量を効率良く削減することを目指し,アサヒビールの工場において実際の排水を用いて,anammox処理に適用させるための前処理実験を実施した.供試排水のTOC値の18.5%は酢酸とプロピオン酸から成り曝気処理で容易に分解した.有機物分解後にアンモニア態窒素酸化が起こる事象が確認され,前処理工程としてはアクリル繊維担体で微生物を固定化した曝気槽(有効容積360 L)で有機物の除去(活性汚泥処理)を行った後,同型の曝気槽にて部分亜硝酸化処理を行うプロセスが構築できた.<br>半年間の連続実証運転において,有機物除去能力1.5–2.4[kg-TOC/m<sup>3</sup>/d]程度,部分亜硝酸化処理能力は1.5–2.5[kg-NH<sub>4</sub>/m<sup>3</sup>/d]程度であった.供試排水への急激な高濃度排水あるいは浮遊性懸濁物質(Suspended Solid : SS)の流入や運転ミスがない限りは,有機物を80%除去した上,亜硝酸化率が50%付近で維持できる前処理が可能であることを連続1ヶ月間確認することができた.