著者
Yukio Tsuruoka
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, 2016-02-15

Cloud computing is a modern form of advanced information system that has developed with the proliferation of the Internet, broadband access networks and high-speed processors, and it is continuing to spread. Cloud computing enables users to use IT resources, such as processors and storage, through the network, by simply paying a fee and without needing to own servers. Running costs are reduced because resources can be used on-demand only as needed. Since hardware provisioning is not necessary, software development and launching new services can be done quickly. Cloud computing also drives innovation in information systems. For example, cloud computing has made it easy to build cluster systems using virtual machines, which has led to the development of scalable data stores such as object storage and key-value stores. Cloud computing also led to the development of software defined networks and software defined storage, to respond rapidly to the requirements of users and applications. In this paper, the benefits of cloud computing are reviewed and technologies supporting it and new technologies arising from it are outlined. Directions for cloud computing in the future are also discussed.\n------------------------------This is a preprint of an article intended for publication Journal ofInformation Processing(JIP). This preprint should not be cited. Thisarticle should be cited as: Journal of Information Processing Vol.24(2016) No.2 (online)------------------------------
著者
市原 美穂
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.97-109, 2015

「どこで」「どのように」「誰に看取ってもらいたいですか」この3つの問いかけを,地域への出前講座で必ず尋ねる。8割の方が「それはやはり自宅でしょう。家族に看取ってもらいたいけど,そうはいってもそれは無理でしょう」と答える。日本の年間死亡者数は団塊世代が75歳になる2025年には今より約40万人増え160万になると推計されている。医学の進歩によってもたらされた長寿社会は,何らかの支援を受けて生活をしながら看取りに至る期間が長くなっている。その上,社会構造の変化で,地域力は薄れ,家族の介護力は年々弱くなっている。その長期のケアの期間を,誰が,どこで,どのように担うのかが大きな課題となっている。<br>一人で自立して暮らせなくなった時,住宅環境が連続している場所に住み替えて,5人くらいの人がともに暮らす「かあさんの家」は,この課題を解決するために,2006年に開設した。医療や介護のサービスは外づけで利用し,多職種がチームを組んで個別ケアにあたる。公的サービスを補完する形でインフォーマルサポートで,365日24時間の生活支援を行う。宮崎の地域の人的資源をネットワークして,住民も巻き込んでの地域包括ケアである。最後までその人が生きてきた場所で,馴染の人たちに囲まれて時を過ごし,その家族が悔いのない看取りができるように,寄り添いながら補完する。ホームホスピスの実践は,看取りの文化を地域や家族に取り戻すムーブメントとなっている。
著者
河原 淳人 岩堀 太紀 山川 宏 佐藤 亨 山本 衛 橋口 浩之
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.189-199, 2016 (Released:2016-06-05)
参考文献数
18

Shape estimation of space debris is an important task in evaluating its trajectory evolution and collision probability with resident objects in space. This paper shows the magnitude and rotation of space debris can be estimated by investigating the Doppler shift with a Single Range Doppler Interferometry (SRDI) method. The theory of SRDI method is discussed and its usefulness is confirmed by numerical simulations. Furthermore, fluctuation of Doppler shift of known space debris were successfully observed by the MU radar of Kyoto University and the size and spin rate of some space debris were successfully estimated.
著者
杉本 重雄
巻号頁・発行日
2015

科学研究費助成事業 研究成果報告書:挑戦的萌芽研究 2013-2014課題番号:25540153
著者
行野 顕正 青木 さやか 谷川 龍司 [ 他 ]
出版者
九州大学
雑誌
Research reports on information science and electrical engineering of Kyushu University (ISSN:13423819)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.115-119, 2006-09

We propose using long and low-frequency part of speech (POS) strings for document separation between native English documents and non-native English documents. The long POS strings were ignored in previous works because their frequencies in training data are too small to estimate their probabilities. Meanwhile, a research of language identification showed that the long and low-frequency byte strings were useful for language identification among similar languages. There are some similarity between language identification and document separation between native English documents and non-native English documents, for example long POS strings are more peculiar to one class than short ones, though there is a difference between POS and byte. Therefore, we can expect higher accuracy by using long and low-frequency POS strings. Some experiments are described in this paper. These experiments show that the proposed method has higher accuracy than previous ones.
著者
古川 忠延 松澤 智史 松尾 豊 内山 幸樹 武田 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1258-1266, 2005-07-01
被引用文献数
2

最近注目を集めているWeblog(以下Blog)では, ブックマーク(ユーザが自身のBlogページ内からリンクしているお気に入りのBlog)やコメント, トラックバックなどによりBlog同士の関係性を把握することができる.このようなBlogのつながりは全体としてBlogネットワークを構成し, ユーザへの情報推薦に有用な情報源であると考えられる.本論文では, Blogネットワークにおいて, ユーザがどのようなページを頻繁に閲覧しているのかを, Blog間の関係性に着目して分析し, その把握を試みた.機械学習アルゴリズムを用いてユーザが閲覧する要因を分析した結果, Blogネットワークにおいてはブックマークを経由しての閲覧が大きな割合を占めていることが分かった.また, ユーザが閲覧している先のBlog運営者がコメントやトラックバックといったアクションを起こしている先のBlogも, ユーザにとって興味深いBlogとなっている可能性が高いことを裏づけるデータを得ることができた.
著者
貝谷 久宣 金井 嘉宏 熊野 宏昭 坂野 雄二 久保木 富房
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.279-287, 2004-04-01
被引用文献数
1

本研究の目的は,社会不安障害を簡便にスクリーニングできる尺度を開発することである.社会不安障害患者97名,パニック障害患者37名,健常者542名を対象に自記式の調査を行った.探索的因子分析の結果,本尺度は「人前でのパフォーマンス不安と他者評価懸念」,「身体症状」,「対人交流に対する不安」の3因子28項目と日常生活支障度に関する項目で構成された.各因子および全項目の内的整合性は高かった.また「人前でのパフォーマンス不安と他者評価懸念」得点,「身体症状」得点,合計得点は,社会不安障害群と他の2群を弁別可能であった.したがって,本尺度は高い信頼性と妥当性を有することが明らかにされた.
著者
白數 哲久 荻野 雅
出版者
日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.25-34, 2002-03-29
被引用文献数
1

筆者は小学校理科の問題解決的な学習において,どの程度の主体性を児童に期待できるかを検討するために,2つの新しい尺度を考案した。1つは問題解決的な学習において,児童にどの程度の主体性があったかを示すS密度である。このS密度は次の式で求める。S密度=ある単元での主体的な学習の度合いを数値化した全ポイント合計÷その単元の授業時数もう1つは児童の学習内容に対する印象の良し悪しを示すI指数である。このI指数は次の式で求める。I指数=ある単元での児童の学習内容に対する印象を数値化した印象度得点合計÷児童数 本研究では,相関表(SI相関表)を用いて両者の相関関係を調べ,次のような結論を得た。(1)S密度が低いと,I指数も低い。特にC領域「地球と宇宙」でこの傾向が強い。(2)S密度が普通または高いと,I指数も普通または高くなる傾向が見られる。(3)S密度が非常に高くてもI指数は普通程度にとどまる。この現象が見られたのはB領域「物質とエネルギー」でのみである。今回考案したS密度あるいはそれを求めるプロセスは,教師が授業計画の反省あるいは修正に用いるのに有効である。
著者
牧野 耕次 比嘉 勇人 山本 佳代子 甘佐 京子 山下 真裕子 松本 行弘
出版者
滋賀県立大学人間看護学部
雑誌
人間看護学研究 (ISSN:13492721)
巻号頁・発行日
no.10, pp.101-108, 2012-03

背景 看護におけるinvolvement (かかわり) は患者との関係を構築し患者のニーズに沿った看護を行う上で重要な概念である。他方、involvementの他の訳語である「巻き込まれ」は、患者との関係においてストレスになることが示唆され、問題として警告されてきた。involvementは我が国においてなじみのない概念であり一つの概念としてほとんど認識されてはおらず、両価的な評価をそれぞれ反映し、かかわりと「巻き込まれ」として認識されていると言える。 看護におけるinvolvementを概念として理解せず、かかわりの技術 (skill) を修得しないまま臨床で働く看護師は、巻き込まれすぎて精神的に落ち込んだり、患者に近づけず、深くかかわることができなかったりするなどの問題に直面した時に、振り返って解決する糸口を見つけにくいと考えられる。 目的 看護におけるかかわり (involvement) を意識化し、適度な距離を持って患者とかかわることができるようになることを目指した「看護におけるかかわり研修」を看護師に実施し、その効果を検討する。 方法 関西圏の700床以上の総合病院に勤務する看護師23名を対象に、看護におけるかかわり研修を実施し、その前後のOver-involvement尺度 (OIS) およびUnder-involvement尺度 (UIS) を測定し、前後の因子および尺度得点を比較した。 結果 研修終了約1ヵ月後に、OIS高群の得点合計が49点 (P=0.027) 、因子「被影響性」の得点合計が20点 (P=0.027) 、さらに因子「気がかり」の得点合計が20点 (P=.020) と有意に低下した。同様に、UIS高群の因子「不関与」が13点 (P=0.047) 低下し、さらにUIS低群の因子「不関与」が11点 (P=0.026) 、有意に増加した。 結論 本研修がover-involvementの傾向をより強く示す対象者に対して、選択的にその傾向を緩和する可能性が示唆された。また、患者との心理的距離を近づけることがより難しい対象者に関して、患者の内的世界にかかわろうとしない傾向が緩和されたことが示唆された。さらに、患者との心理的距離を近づけることに、より困難を覚えていない対象者について、患者の内的世界にかかわり過ぎる傾向が緩和されたと推察できる。
著者
岩井浩一 滝澤恵美 阪井康友 山田哲 佐藤たか子 木村知美 豊田和典 山本健太 冨田和秀 大瀬弘高 居村茂幸
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学紀要 (ISSN:13420038)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.141-148, 2009-03

茨城県常陸大宮市において、平成19年度の介護予備事業としてバランスアップ教室を実施した。教室の開始時および終了時には体力測定を実施し、参加者の体力の変化について検討したが、今年度は併せて呼吸機能の検査を実施した。高齢化の進展に伴って、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の有病率も増加することが懸念されており、住民の呼吸機能の現状を把握するとともに、運動指導によって呼吸機能がどの程度改善するかについて検討した。バランスアップ教室には55名が参加し、平成19年5月から11月までの6ヶ月間、市内の3つの会場でインストラクターの指導のもと、1回60分の教室を月3回の頻度で実施した。教室開始時の呼吸機能検査において、1秒率(FEV1.0%)が70%以下で、COPD疑いと判定された者は3名であった。呼吸機能検査結果と体力測定結果との関連では、FVCは、身長、体重、および反復横跳びの成績と有意な正の相関が見られた。V50/V25は、上体起こし、シャトルラン、立ち幅跳び、および得点合計と有意な負の相関がみられ、体力年齢と正の相関が見られた。V25は、立ち幅跳び、得点合計、および体力年齢と有意な相関がみられた。また、バランスアップ教室の開始時と終了時における測定値の変化は、介入の前後で平均値に有意な差が見られ測定項目はなかったが、多くの測定項目で成績向上の傾向がみられた。教室開始時にCOPD疑いと判定された者は、教室終了時に全員1秒率が70%を超え、呼吸機能の改善がみられた。