著者
酒居 敬一 光成 滋生 成田 剛 石田 計 藤井 寛 庄司 信利
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.76(2001-ARC-144), pp.141-146, 2001-07-25

近年、マルチメディアアプリケーション向けの拡張命令をサポートした汎用プロセッサが入手できるようになってきた.PCMオーディオをmp3にする処理は遅いと感じていたし,速いエンコーダが切望されていた.そこでAMDの3D Now!やIntelのSSEという拡張命令に着目し,それらの命令をエンコーダの高速化のために使用した.「午後のこ?だ」は,「LAME」を高速化したmp3エンコーダで,そのような命令を使うようにアセンブリ言語で書き換えたものである.さらに440BXチップセットによるIntel SMPにも着目し,マルチスレッド実行による速いmp3エンコーディングも実装してみた.本稿では「午後のこ?だ」に実装した高速化手法や速度向上について述べる.
著者
有賀 暢迪
出版者
日本科学史学会
雑誌
科学史研究. 第II期 (ISSN:00227692)
巻号頁・発行日
vol.51, no.263, pp.160-169, 2012-09-26

In his classical article "Eighteenth-century attempts to resolve the vis viva controversy" (1965), T. L. Hankins gave a reassessment of the vis viva controversy, dispute about the Cartesian (mv) and Leibnizian (mv^2) measures of "force." Contrary to traditional views, Hankins's and others' works have established that it was not d'Alembert's Traite de dynamique (1743) which put an end to the controversy. But then, when and how did it end? The present article argues that in the middle of the eighteenth-century, some philosophers or mathematicians tried to dissolve the controversy by rejecting its very premise: the concept of "force of bodies in motion." After briefly discussing the popularity of this concept in the vis viva controversy, I will examine claims and thoughts of three personae. D'Alembert's ambition to build the system of mechanics with highest certainty led him to abandon the idea of force in bodies, because it was too "obscure" and too "metaphysical" to serve as the basis. In a similar manner Maupertuis complained about the obscurity of that idea, and with his original principle he aimed at substituting "conservation" of force for "least" action. With regard to Euler, he insisted that force could not be attributed to individual bodies but to their relations, and that force was derived from the nature of bodies such as inertia or impenetrability. Thus it was by rejecting "force of bodies in motion" that the vis viva controversy began to end; not by, as is often said, realizing that both measures were valid.
著者
朝比奈 わかな 岡田 成美 岩本 尚也 増田 太郎 福里 司 森島 繁生
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.23, pp.1-6, 2015-02-23

近年,3DCG 制作ツール (MikuMikuDance 等) の普及により,楽曲に合わせて CG キャラクタを踊らせる動画作品が増加傾向にある.このようなダンス動画においてキャラクタの表情は作品全体の印象に大きく影響する.例えば,楽曲やダンスモーションの印象と全く異なる印象の表情を付与した場合,その動画は違和感のある作品となってしまう.また,楽曲の印象が一定でも,ダンスモーションの激しさの度合いやキャラクタの姿勢などによって,印象が大きく左右される場合がある.そのため,作品の印象を決定する要素として,楽曲の印象だけでなく,ダンスモーションの情報も考慮する必要がある.そこで我々は,ダンス動画の印象についての主観評価実験に基づき,音響特徴量とモーション特徴量を用いて重回帰分析を行うことで,ダンスモーションにシンクロした楽曲印象推定を可能にした.
著者
玉田 亨 岡下 慎太郎 橋本 和哉 荒川 博之 本田 領 神原 敏之 川本 達雄
出版者
大阪歯科学会
雑誌
歯科医学 (ISSN:00306150)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.274-278, 2004-12-25
被引用文献数
2

我々は顎変形症患者の性別による性格傾向を調査するため,本研究を行った.資料として1999〜2002年に本学附属病院矯正歯科を受診した(1)男性の顎変形症患者19名(平均年齢22.17歳,18〜27歳)(2)女性の顎変形症患者27名(平均年齢23.72歳,18〜39歳)を用いた.方法として,MINI自動心理診断システムver6.0(学芸図書出版)を用い,臨床尺度について比較検討を行った.男性の顎変形症患者群において有意水準p<0.05でHy(ヒステリー),Pd(精神病質的逸脱),Pa(妄想症)の尺度で有意に高得点を示した.女性の顎変形症患者群において有意な高得点を示す尺度はなかった.以上の結果,顎変形症患者の男性群は女性群と比較して,身体表現性障害や精神的障害の可能性が多いことが示唆された.
著者
石村 大輔
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.73-76, 2013-01-01

今日,CO2削減と省エネルギー,環境保全への関心が高まっている。このような中,レンゴーグループでは,地球環境の保全に配慮した経営を実践することが,企業の持続的発展に不可欠であるとの認識に立ち,グループをあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいる。<BR>レンゴー利根川事業所では,バイオマス焼却設備(ボイラ)を導入した。これまでの既設ロータリーキルン焼却設備では,産業廃棄物燃焼による廃熱回収は行っておらず,エネルギーが有効利用されていなかった。バイオマス焼却設備(ボイラ)では,蒸気でエネルギー回収できるようになった。これにより自家発電用ボイラのLNG燃料を削減でき,CO2の排出量を大きく削減できた。<BR>また,ロータリーキルンでは製紙汚泥ならびに排水汚泥を処理していたが,事業所内で発生する全量を処理しきれず,弊社八潮工場(埼玉県)や処理業者へ処理を委託していた。しかしバイオマス焼却設備(ボイラ)導入後は,事業所で発生する産業廃棄物(可燃物)の全量焼却処理をできるようになった。<BR>この結果,産業廃棄物量は,飛灰・焼却灰の排出量については増加したものの,廃棄物全体量は削減できた。<BR>バイオマス焼却設備(ボイラ)の導入から約半年程経過し,現在順調に稼働している。今後はさらに安定運転に励んでいく所存である。
著者
石村 大輔
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.73-76, 2013 (Released:2014-01-01)

今日,CO2削減と省エネルギー,環境保全への関心が高まっている。このような中,レンゴーグループでは,地球環境の保全に配慮した経営を実践することが,企業の持続的発展に不可欠であるとの認識に立ち,グループをあげて環境保全活動に継続的に取り組んでいる。レンゴー利根川事業所では,バイオマス焼却設備(ボイラ)を導入した。これまでの既設ロータリーキルン焼却設備では,産業廃棄物燃焼による廃熱回収は行っておらず,エネルギーが有効利用されていなかった。バイオマス焼却設備(ボイラ)では,蒸気でエネルギー回収できるようになった。これにより自家発電用ボイラのLNG燃料を削減でき,CO2の排出量を大きく削減できた。また,ロータリーキルンでは製紙汚泥ならびに排水汚泥を処理していたが,事業所内で発生する全量を処理しきれず,弊社八潮工場(埼玉県)や処理業者へ処理を委託していた。しかしバイオマス焼却設備(ボイラ)導入後は,事業所で発生する産業廃棄物(可燃物)の全量焼却処理をできるようになった。この結果,産業廃棄物量は,飛灰・焼却灰の排出量については増加したものの,廃棄物全体量は削減できた。バイオマス焼却設備(ボイラ)の導入から約半年程経過し,現在順調に稼働している。今後はさらに安定運転に励んでいく所存である。
著者
勝沼 聡
出版者
総合文化研究科
巻号頁・発行日
2013-05-23

学位の種別: 論文博士
著者
今田 晃一 木村 慶大 青木 務
出版者
文教大学
雑誌
教育研究所紀要 (ISSN:09189122)
巻号頁・発行日
no.14, pp.47-55, 2005

学習指導要領においても博学連携が求められている。博物館はモノを媒体とした教育機関であり、その展示資料は教育メディアである。学習者が博学連携の展示資料をどのような観点で評価しているかを明らかにすることは、博物館独自の学びのよさを学校教育に生かすための知見を得ることにつながると考え、調査を行った。結果、博物館、特にハンズ・オンにおける展示資料について中学生は、博物館の意図する視点とともに材料・触感性の観点からも評価していることがわかった。また博物館の学びに対して、モノに触れながらの観察を通して「モノとそのモノが使われている状況に思いを馳せる」という博物館独自の学びのイメージを適切にもっていることが明らかになった。
著者
安藤 勝美
出版者
日本アフリカ学会
雑誌
アフリカ研究 (ISSN:00654140)
巻号頁・発行日
vol.1969, no.9, pp.36-47, 1969-11-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
渡辺輝寿 著
出版者
栄樹堂
巻号頁・発行日
1874
著者
藤川 賢
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.421-435, 1993-03-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1 1

高田保馬は、日本において社会学理論を確立させた学者として知られている。しかし、他方では、彼が戦前から戦中にかけて行った一連の民族論に関して言及されることも多い。その場合に、多くの議論は、その内容以上に、高田の現実への対応の姿勢をめぐってなされており、また、その評価の間には、大きな賛否の違いがある。本稿は、高田の理論展開と民族論的言及とを追うことによって、彼の民族論の中で問題視される部分が社会学理論の展開との関連性を持っていることを示そうとし、その中で高田の目指した普遍的理論について検討し直そうとするものである。そこでは、高田の理論における「結合」の位置づけを中心に置いて考察している。高田の社会学理論は、「結合社会学」とも名付けられたように、「結合」を社会学の中心対象と考えながら構築された。だが、それが分析理論としての抽象性を高めていく中で、「結合」は中心的な位置から外され、諸個人に共通な、いわば「非合理な」傾向が彼の分析の対象になっていく。その時に、社会集団の成立と存続、そしてさらにその拡大と衰耗が、いかに連続して扱われうるか、という問題が指摘される。それは、高田が民族の団結を説く際にもあらわれている。その指摘の後、高田の理論展開の初期にまで戻って、それが「合理的に」捉えられ得たことを示した。その上で、理論に対する態度と関連させつつ高田の郷村への思いについて検討を加えている。