著者
建築学会 編
出版者
建築学会
巻号頁・発行日
vol.第4号, 1940
著者
縄倉 晶雄
出版者
北東アジア学会
雑誌
北東アジア地域研究 (ISSN:1882692X)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-16, 2014

This paper analyzes how South Korea's pro-environmental policies in the 1990s worked on its bi-polarized rural communities. In the 1980s, South Korea's government pursued mechanization of agricultural works and extension of farmlands per family. While these measures succeeded in the improvement of agricultural performance nationwide, they were criticized to worsen income inequality among farmers and distort rural communities. In the 1990s, the government attempted pro-environmental agriculture with (1) organic farming, (2) direct payment to peasants and local groups of farmers, and (3) green tourism. The government aimed that farmers revitalize their local communities in the process of these measures. Despite the introduction of pro-environmental policies, however, Korea's rural communities were remained unequal and distorted. Because the introduction of new farming technology was complicated for less-educated peasants, the inequality among farmers sustained. And, more importantly, because the government's policies were void of concrete and exact steps of decreasing inequality and forming cooperation among farmers, the farmers had poor incentives to cooperate with their local neighbors.
著者
黒坂 文武 西尾 久英
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF PEDIATRIC ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY
雑誌
日本小児アレルギー学会誌 (ISSN:09142649)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.777-786, 2014

学校給食に用いられているうまみ成分である<i>Candida utilis</i>(CU)を含む給食を喫食し呼吸困難を呈し,血中CU IgE抗体を証明した2症例を経験したので報告する.症例1は7歳,男.小学校入学までは3回の喘息発作があったのみであったが,小学校に入学してから頻繁に喘息発作を繰り返しているために当院に受診した.母親から学校給食のスープのある日の内12回中11回発作が起こっているとの報告があり,スープそのものでprick to prick test(PPT)を施行したところ陽性.症例2は9歳,男.2歳より喘鳴出現するも6-7歳頃には改善していたが,8歳になって学校給食後喉が痒くなり咳き込んで息苦しくなる発作を繰り返すようになり,本人がスープが怪しいと証言したので,PPTを行い陽性であった.2名ともCUに対する特異的IgEを検出し,抑制試験で98.8%以上抑制された.学校給食によると思われるアレルギーの抗原検索には給食そのものによるPPTが有用と思われた.
著者
高橋 政樹 富澤 勇介 高井 昌彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.235, pp.11-15, 2011-10-06

書棚に大量に収納された図書から,目的の図書を短時間で発見するための効率的な手法が求められている.本研究では,画像特徴点マッチングにより目的の図書の配置場所を特定し,携帯端末を保持する利用者にその位置と移動経路を提示する拡張現実を用いた手法を考える.携帯端末でリアルタイム画像認識処理を実現するために各書棚に対向して配置された監視クライアントと協調的に連携させる.プロトタイプシステムの実装と動作実験を行い,その有用性と課題点を議論する.
著者
海老田 大五朗 藤瀬 竜子 佐藤 貴洋
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.52-62, 2015

本研究は、障害者を雇用する側が障害者の特性や抱える困難に配慮する労働の「デザイン」に焦点を定めて分析し、障害者を生産者として位置づけるための創意工夫を、インタビュー調査やフィールドワークによって明らかにする。その際、障害者の特性や抱える困難を「方法の知識」という切り口によって細分化し、その細分化された困難を克服するような「デザイン」がどのように組み立てられているかを記述する。ここでは2つのデザインを検討する。1つは、障害者の雇用を可能にする作業のデザインである。もう1つは、障害者が会社に定着することを可能にする組織のデザインである。言いかえるならば、筆者らは、これら2つのデザインによって、知的障害者が採用され企業に定着することが、どのように実現するのかを論証する。
著者
金田 千秋 加藤 哲弘 島本 浣 山田 俊幸 及川 智早 佐藤 守弘 石田 あゆう 岸 文和 前川 修 中谷 伸生 橋爪 節也 鈴木 廣之 太田 孝彦 石田 美紀
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大正期に流通していた大衆的な視覚表象に関する2つの課題を、豊かな対話関係において、遂行するものである。すなわち、第1の課題は、大衆的な視覚表象が果たしていたメディア的な機能の多様性を、可能な限り広範な資料に基づいて、美術史学的に明らかにすることである。第2の課題は、「文化遺産」の概念を鍛え上げることによって、何らかの大衆的イメージが後世に継承される/るべきさいの条件・方法などを、美学的に考察することである。
著者
藤高 和輝 フジタカ カズキ Fujitaka Kazuki
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.103-117, 2015-03-31

本稿は、J・バトラーの一九八〇年代における身体論を考察する。バトラーの代名詞といえる『ジェンダー・トラブル』における理論的観点は一挙に形成されたわけではない。それは八〇年代における思索を通じて、ゆっくりと形成されたのである。八〇年代のバトラーにとって、第一義的な問題は身体であり、ジェンダーもそのような思索の延長にある。身体とは何か、身体の問題にいかにアプローチすべきかという問題は、八〇年代のバトラーを悩ませた大きな問題であった。この問題へのアプローチは八〇年代を通じて、「現象学からフーコーへ」の移行として描くことができる。逆にいえば、現象学との対決は『ジェンダー・トラブル』におけるバトラーの理論を生み出すうえでひじょうに重要な契機だった。本稿では、私たちはバトラーの思索において現象学が果たした役割を明らかにし、それがいかにフーコーの系譜学へと移行するかを示したい。
著者
塩谷 圭吾 中川 貴雄 小谷 隆行
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本応募研究の目的は、系外惑星の直接観測による大気分光という重要課題にのぞむため、赤外線宇宙望遠鏡に搭載する極低温デフォーマブルミラーを開発実証することである。デフォーマブルミラーの駆動方式には、Micro-Electronic Mechanics System (MEMS)方式を採用した。そして冷却時の最大の問題である熱応力を考慮した設計を行い、極低温(5K)で動作する多素子(1000素子)のDMを制作、試験することができた。
著者
フロランス ゴイエ 進藤 久乃[訳]
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.13, pp.81-101, 2015-03 (Released:2015-03-27)

本稿は、古典叙事詩を論じた執筆者の研究(『概念なしに思考する:戦語りの叙事詩の役割』、パリ、シャンピオン出版、2006 年;「語りの構造と政治的構築:創造の最中にある叙事詩」、『口承伝統』誌、2008 年1 月23 日号所収、15 頁-27 頁)に基づき、いくつかの現代の大衆作品の新たな像を提案する。過去の偉大な叙事詩(『イーリアス』、『ローランの歌』、『保元・平治物語』)は、究極的には、「叙事詩的創造」の概念を通じて定義されうる。執筆者自身が2006 年の著作において行った詳細な分析が示すのは、これらの叙事詩は、大きな社会変革の時期に生み出され、誰もが暗唱したもので、最終的に、完全に新しい社会の概念と政治的な力を創り出したということだ。現代、このような叙事詩は世界のあらゆる場所でほとんど消え去りつつある。しかし本稿で示すのは、叙事詩の本質的な特質が、少数の現代の作品によって維持されているということであり、その作品とはトルストイの『戦争と平和』やトールキンの『指輪物語』を含む。古典叙事詩において対応する作品と同様、これらの小説が我々に促すのは、概念なしに思考すること、そして語りの方法のみを使いながらそうすることなのだ。 The article builds on Goyet’s work about ancient epic (Penser sans concepts. Fonction de l’épopée guerrière, Paris, Champion, 2006; “Narrative Structure and Political Construction: The Epic at Work”,Oral Tradition 23/1 (2008), pp. 15-27) to propose a new interpretation of a number of popular modern texts. Great epics of the past (e.g., Iliad, Song of Roland, Hôgen and Heiji monogatari) can ultimately be defined through the concept of “epic work”. The detailed analysis led in Goyet’s 2006 book showed that those epics, born in times of great social change, and which everyone knew by heart, ultimately invented a completely new conception of society and political power. In the modern era, such epics have disappeared nearly everywhere in the world. However, this article shows that their essential traits have been retained by a small number of modern texts, including Tolstoy’s War and Peace and Tolkien’s The Lord of the Rings. Like their ancient epic counterparts, these novels allow us to think without concepts, and to do so using the means of narrative only.