著者
千馬 智子 中島 豊 Tomoko SEMBA Yutaka NAKAJIMA
雑誌
国際交流基金日本語教育紀要 = The Japan Foundation Japanese-Language Education Bulletin (ISSN:13495658)
巻号頁・発行日
no.12, pp.73-88, 2016-03-01

国際交流基金シドニー日本文化センターでは、従来教師研修や学習者奨励活動などの事業を行ってきた。しかし近年は全豪日本語教育シンポジウムの実施などを契機としアドボカシーの重要性にも目を向けており、そのパイロット事業として、タスマニア州においてアドボカシー活動を試みた。本稿では、従来当センターが個別に行ってきた教師研修、学習者奨励活動などの事業をアドボカシーの観点から複合型事業として発展統合した、タスマニア州におけるNihongo Roadshowの概要を報告する。また、参加した教師から得られたフィードバックの分析を通じて、本企画がもたらした効果について考察する。さらに事業全体から得られた示唆や今回の試みによって見えてきた課題について述べる。
著者
小松 秀雄 Hideo KOMATSU
雑誌
神戸女学院大学論集 = KOBE COLLEGE STUDIES
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.49-64, 2020-12-20

高知県では大きな芝居絵屏風を飾る夏祭りが行われ、土佐の夏の風物詩として地域の人びとに親しまれている。芝居絵屏風は大きな二曲一隻の屏風であり、幕末の絵師・金藏(1812-1876)、通称、絵金が芝居絵屏風を描き始めた。日本の近代化の過程で娯楽の多様化にともない、夏祭りで芝居絵屏風を飾ることは少なくなったが、1960年代の時代背景の下で再び注目されるようになった。それから間もなく、高知県赤岡町では、1977年に絵金没後100年を記念するコメモレイションとして絵金祭りが行われた。赤岡町では1993年に土佐絵金歌舞伎伝承会が結成され、さらに、2005年には絵金の作品を展示する絵金蔵も造られた。高知県立美術館では、2012年に、絵金生誕200年を記念するコメモレイション「大絵金展 極彩の闇」が開催された。本稿では、集合的記憶の社会学の視点から、絵金のコメモレイションに関する多様な資料を分析し論述してみる。
著者
五十嵐 悠紀
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.930-932, 2020-08-15

本会の学会誌人気コーナー『先生, 質問です!』の公開セッションをバーチャル空間イベントサービス「cluster(クラスター)」を使って実施した.本稿ではclusterで開催することになった経緯や当日のディスカッションの内容,参加者の様子などについて紹介する.
著者
吉田 一彦
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.190-167, 2010-06-30
著者
福田 泰平 明田 修平 瀧本 栄二 齋藤 彰一 毛利 公一
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

Androidアプリケーション(App)には,外部モジュールを組み込んだものが多い.外部モジュールには,個人に関する情報を無断で外部へ送信するものが存在し,これによって情報漏えいにつながる可能性が指摘されている.この実態を明らかにするために,JDWPを利用した動的解析ツールを構築し,マーケットに存在するAppを対象に外部モジュールによって実際に外部へ送信された情報を観測した.その結果,ハードウェア識別子を送信する外部モジュールの存在やAppが送信する個人情報の傾向が外部モジュールの利用状況に影響することが明らかとなった.本論文では,これらモジュールによる利用者情報の取得・送信状況の実態について報告する.