著者
坂本 巨樹 川本 史生 小西 善二郎 二村 良彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. PRO, [プログラミング]
巻号頁・発行日
vol.98, no.30, pp.159-164, 1998-03-23

再帰プログラムは書きやすく読みやすい場合が多いが、計算機で実行する際には手続き呼び出しとスタック操作が必要である.それゆえ, 与えられた再帰プログラムをスタックを使用せずしかも計算量も増加させずに, 反復型プログラムに変換する方法が古くから研究されている.我々は, 線形再帰プログラム(再帰呼び出しを実質的に1個所でしか行なわないプログラム)を計算量やスペース使用量を増やさずに反復型プログラムに変換する方法(再帰除去法)について先に報告した.その後, 我々はその報告に基づき, 線形再帰プログラムを能率のよい反復型プログラムに自動変換する再帰除去システムをLispを用いて実現した.本稿では, その実現法, 適用例及び問題点について報告する.
著者
梅干野 晁 乾 正雄 龍谷 光三
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
no.309, pp.115-126, 1981-11-30
被引用文献数
9

都市における熱環境解析の第一段階として, 前報で物理的裏付けをはかった航空機リモートセンシングデータを用い, 夏季・晴日における住宅地の熱環境の実態を示した。さらに, 各種タイプの住宅地を中心にして, それらの熱環境を比較検討するとともに, 熱環境と土地被覆率との相関・回帰分析を行い, 両者の関連性を考察した。すなわち, 住宅地の熱環境要素である可視域と近赤外域の分光反射率, 昼と夜の表面温度などは, 住宅地のタイプと使用されている材料によって異なる, 材料も考慮した土地被覆の実態を知ることによって, それぞれの熱環境要素が回帰できる, ことなどを明らかにした。今後の問題としては, 熱環境の日変化, 季節変化の解析, さらに住宅地から一般の都市環境への拡張などがあげられよう。また本報ではMSSデータの解析の中で, 建物立面の補正など手作業によったが, 計算機による補正方法も検討する必要があると考える。おわりにあたり, 本研究は「財団法人 日本造船振興財団日本海洋総合学術診断プロジェクト」に参加して得られた成果の一環であることを記すとともに, 東京大学教授豊田弘道先生, ならびに愛甲敬氏をはじめとする財団の方々に感謝の意を表します。
著者
井上 修平 藤野 昇三 紺谷 桂一 澤井 聡 手塚 則明 花岡 淳 尾崎 良智 鹿島 祥隆 元石 充 古川 幸穂
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.57-64, 2002-01-15
被引用文献数
10 7

従来,胸膜中皮由来とされ限局性胸膜中皮腫(localized mesothelioma)と呼ばれた腫瘍は,近年,胸膜中皮下の間葉系細胞由来と考えられるようになり,solitary fibrous tumorまたはlocalized fibrous tumor of the pleuraという呼び名が一般化しつつある.胸腔鏡下に摘出し得た有茎性の3症例を報告する.3例中2例は臓側胸膜から発生し,1例は壁側胸膜から発生していた.本症は肺腫瘍,胸壁腫瘍,縦隔腫瘍等との鑑別が困難であるが,3例中2例は体位変換によって腫瘤陰影の移動が認められ,術前に有茎性腫瘍の診断が可能であった.3例各々の最大径は6.3cm,4.9cm,3.5cmであったが,全例胸腔鏡下摘出は容易であり,再発等認めていない.
著者
細萱 祐人 遠藤 敏夫 松岡 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.14, pp.85-90, 2009-02-19

近年,大規模計算機の消費電力のうち,メモリが占める割合が増加している.これはノードに大容量の DRAM が搭載されていることに起因しており,この DRAM の容量を小さくすることで省電力化が実現できる可能性がある.我々はスワップデバイスに FLASH メモリを使用したメモリシステムを提案しており,このシステムではアプリケーションによっては,スワップを起こしてでも電力コストの大きい DRAM の容量を小さくすることでエネルギーの削減が図れることがわかっている.しかし,エネルギーを最小とするメモリ容量はアプリケーションや問題サイズによって異なるため,アプリケーションの実行時にメモリアクセスを観察し,動的に設定する必要がある.我々は,メモリ容量を動的に変化することのできる DRAM の使用を前提とし,その選択可能なメモリ容量すべてで実行した場合のエネルギーを同時に推定する手法を提案し,エネルギーを削減する行う手法を示す.シミュレーションの結果,スワップを起こさないようにメモリ容量を選択した場合と比較して, 8% の実行時間の増加で, 25% のエネルギー削減ができることを示した.Recently, memory system is getting one of the most power consuming parts in high performance computers. This is mainly because computers are equipped with larger capacity of DRAM than applications actually need, thus there is an opportunity for reducing power by decreasing the capacity. We have already proposed a system that uses FLASH memory for the swap device, and shown that decreasing DRAM can reduce the energy with some applications, even if it causes page swapping. In such systems, the best capacity of DRAM, which achieves the lowest energy consumption, depends on characteristics of applications and problem sizes, so it is challenging to find such a capacity. We propose an algorithm that monitors the memory accesses while applications are running and optimizes the memory capacity dynamically. Our algorithm assumes that capacity of DRAM system can be controlled dynamically, and estimates energy consumption with all selectable capacities of DRAM. Through our trace driven simulation, we show that the 25% of energy consumption can be reduced with performance loss of 8%.
著者
細萱 祐人 遠藤 敏夫 松岡 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.14, pp.85-90, 2009-02-19

近年,大規模計算機の消費電力のうち,メモリが占める割合が増加している.これはノードに大容量の DRAM が搭載されていることに起因しており,この DRAM の容量を小さくすることで省電力化が実現できる可能性がある.我々はスワップデバイスに FLASH メモリを使用したメモリシステムを提案しており,このシステムではアプリケーションによっては,スワップを起こしてでも電力コストの大きい DRAM の容量を小さくすることでエネルギーの削減が図れることがわかっている.しかし,エネルギーを最小とするメモリ容量はアプリケーションや問題サイズによって異なるため,アプリケーションの実行時にメモリアクセスを観察し,動的に設定する必要がある.我々は,メモリ容量を動的に変化することのできる DRAM の使用を前提とし,その選択可能なメモリ容量すべてで実行した場合のエネルギーを同時に推定する手法を提案し,エネルギーを削減する行う手法を示す.シミュレーションの結果,スワップを起こさないようにメモリ容量を選択した場合と比較して, 8% の実行時間の増加で, 25% のエネルギー削減ができることを示した.Recently, memory system is getting one of the most power consuming parts in high performance computers. This is mainly because computers are equipped with larger capacity of DRAM than applications actually need, thus there is an opportunity for reducing power by decreasing the capacity. We have already proposed a system that uses FLASH memory for the swap device, and shown that decreasing DRAM can reduce the energy with some applications, even if it causes page swapping. In such systems, the best capacity of DRAM, which achieves the lowest energy consumption, depends on characteristics of applications and problem sizes, so it is challenging to find such a capacity. We propose an algorithm that monitors the memory accesses while applications are running and optimizes the memory capacity dynamically. Our algorithm assumes that capacity of DRAM system can be controlled dynamically, and estimates energy consumption with all selectable capacities of DRAM. Through our trace driven simulation, we show that the 25% of energy consumption can be reduced with performance loss of 8%.
著者
佐藤 太一郎 山田 吉英 渡辺 旦 亀田 武志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.182, pp.35-39, 2006-07-20

近年,モーメント法(MoM)に基づく電磁界シミュレーターは,高速多重極法(FMM)を使用することで計算能力が大幅に向上し,大形構造物の解析が可能となった.本報告では,ステルス戦闘機の1/48のスケールモデルを用いて,レーダー断面積(RCS)の検討を行った.周波数60GHzにおいて,電磁界シミュレーション値と簡易測定値を求めて比較した.スケールモデルの寸法は約80波長であり,計算時のメモリー容量は1.9GBで,計算時間は2時間程度であった.測定は電波暗室を用い,ほぼ遠方界領域で行った.測定器の性能から,ダイナミックレンジは不十分であり,RCSの大きくなる部分の比較しかできなかった.計算値と測定値は良い対応を示し,データの信頼性を確認できた.
著者
沖野 晃一 冨田 裕人 橋本 浩二 山崎 雅也 大澤 拓 白川 暁 吉井 卓 岩下 茂信 宮嶋 浩志 村上 和彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.80, pp.167-172, 1996-08-27
被引用文献数
5

本稿は,九州大学で現在開発中のPPRAM^R_<mf>仕様に基づく最初の試作LSIであるPPRAM^R_<mf>256?4のハードウエア構成について述べている.計画では,0.25μm CMOS,2層金属配線を用いて,"256"Mビット(2Mバイト)DRAMと"4"個の汎用プロセッサを1チップに搭載する.各プロセッサのロジック規模は50万トランジスタ程度で,24Kバイト・キャッシュを装備.プロセッサ当たりのローカル・メモリ容量は8Mバイトとなる.1998年度中の完成を目指している.This paper describes the hardware organization of the first prototype LSI chip based on the PPRAM^R_<mf> architecture, or PPRAM^R_<mf>256-4, which is now under development at Kyushu University. The PPRAM^R_<mf>256-4 will integrate 256Mb DRAM and four processors into a single chip with a 0.25μm CMOS technology. Each PE (Processing Element) will consist of a simple RISC processor of 500KTr, 24Kbyte cache memory, and 8Mb local DRAM memory. The development will complete by March, 1999.
著者
土屋 雅子 吉田 正廣 畠間 晴夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.45, pp.387-388, 1992-09-28

導入を予定して富士通(株)と共同研究を推進している数値風洞(NWTと略記する)は、要素計算機にベクトル計算機を配置する分散主記憶型並列計算機システムであり、搭載OSはUNIXベースのOS(NWT/OSと略記する)である。また、NWTは既設の大型電子計算機システム(FACOMVP2600:VPと略記する)をフロントエンドシステムとして有機的に結合した複合計算機システムを構成する。VPのOSはNWTとVPの緊密な連携をとるために、親和性の観点から、UNIXベースのOSを搭載する必要がある。しかし、航技研では10年来、現OS(MSPと略記する)で運用しており、JCL等ユーザ側からみた使い勝手のノウハウを含めたMSPの資産は膨大である。また、UNIXは不特定多数のユーザが混在して利用する大型汎用計算機システムのOSとしては、システムの管理運用機能が十分ではない。以上の観点から、VPには、MSPとUNIX(USXと略記する)の二つのOSを搭載し、ユーザインタフェースはMSPビューとする運用を検討した。MSPとUNIXでは、ユーザピューにおいて、種々な相違点がある。MSPピューとするためには、両OSの相違を吸収するための各種インタフェースが必要となる。本報告は、これらのインタフェースの実現方式の検討結果について述べる。
著者
服部 勇
出版者
福井大学
雑誌
福井大学地域環境研究教育センター研究紀要 : 日本海地域の自然と環境 (ISSN:1343084X)
巻号頁・発行日
no.14, pp.99-115, 2007-11-01

福井県旧美山町芦見地区では近年いちじるしい人口流出に伴う過疎化,農業の衰退がおきている.地区全体の現在人口は200名ほどであるが,江戸時代はじめには1,000名近い人口があった.江戸時代を通じて芦見地区は大野藩の領地であったが,周囲を険峻な山々に囲まれ,ほぼ閉鎖社会であり,独自の共同生活社会を形成した.新文化は大野藩から峠越えに入ってきたに過ぎない.明治以降になると,西側の福井市との交流を求めるようになり,芦見道の整備と相まって,文化交流,産業交流,及び人的交流は獺ケ口を経由して福井市側と行われた.日本の国家政策や地方都市の都市化により,芦見地区の人口流出が始まった.都市へのあこがれ,農業収入の不安定さ,少子化,等がその原因であるが,さらに,道路の整備により,平常は都会で生活し,休日に農作業に芦見に来る人も増えた.道路整備が人口流出を導く例である.過疎は,若年層の流出により進展する.現在の芦見地区の年齢構成は極端に高年齢側に偏っており,農業従事者も高年齢の女性が中心となっている.働き手の減少は農地の放棄や植林による杉林化を導いている.現在の土地利用状況は,杉林が山から平地へ,奥地から中央部へ押し寄せていることを示している.農業に従事する高齢者へのインタービューでは,跡継ぎがいないこと,農業経営では生活できないことなどから,現在の高齢者が最後の農業従事者となるというようなあきらめの境地に浸っている.芦見地区も美山町も過疎の進展をただ黙って見つめていたわけではなかった.芦見地区には平成になってからも旧芦見小学校が新築され,森林体験キャンプ場やスキー場が開発された.芦見地区を過疎から守り,発展させる想いで造営されたこれらは,現在では壮絶な過疎との戦いの痕跡として残されている.過疎から逃れる方策はあるのだろうか.芦見地区の多くの人々は芦見地区に愛着があり,先祖からの田畑を守っていきたいと想っている.しかし,結局は芦見地区やその周辺に働く場があり,ある程度の生活が保障されないと芦見に住むことは困難である.芦見地区がなくならないための一つの方法は,現在の芦見道(県道31号)の両端側,すなわち獺ケ口側と大野市側を拡幅直線化,一部トンネル化し,国道158号の代替道路の役割を持たせることである.この道は福井市-大野市間の主要道路となり,いくつかの産業も入ってくると同時に地区外に出た住民も戻りやすくなる.しかし,芦見地区以外の人々の通行が増えることにより芦見地区が変貌していくことは避けられない.