著者
野原千鶴
雑誌
ほすぴたるらいぶらりあん
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.59-62, 1994
被引用文献数
2
著者
鈴木 慎二郎 沢村 浩
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.324-331, 1981-10-30

輪換放牧における牛の行動の日周性を,移牧との関係において明らかにする目的で,体重の日内変動の面から検討した。試験1では10時と13時に,試験2では10時と16時に,試験牛(200〜240kg)を次の牧区へ移牧し,移牧当日とその翌日にわたって,3時間ごとに体重を測定した。試験1では行動調査もあわせて行なった。1.牛は,移牧直後の3時間において,10kg以上の急激な体重の増加を示しており,この間に大量の採食をしていることが推測された。行動調査の結果もあわせてみると,なかでも牛が採食に集中しているのは,移牧後2時間までであった。牛の体重は,その後も若干ずつ増加するが,日没後からは減少に転じ,19時から翌日4時までに8〜10kg低下した。夜間にも,ある程度の採食行動がみられたが,体重の変動からみれば,量的にはわずかな採食にすぎないものと思われた。ただし,16時移牧の牛では,日没後にも体重が増加しており,牛は採食量が不十分だと,採食行動を夜間にまで延長することが認められた。2.10時と13時の移牧では,行動形のうえからは,移牧直後のほかに,日没前にも採食行動のピークがみられた。しかし,体重増加の点では,両者には大きな差があり,日没前のピークでは,移牧直後のピークにくらべると,牛の採食量はかなり少ないものと思われた。3.移牧翌日の体重は前日のように大きく増加することはなく,前日の最高体重に達することも殆んどなかった。すなわち移牧の翌日における採食行動は,移牧当日にくらべると不活発であり,採食量も少ないものと考えられた。以上のように,輪換放牧における牛の行動は,移牧の影響を強く受けており,移牧当日においては,採食・休息反すうの繰返えしという定形的なパターンとはならなかった。また,移牧当日とその翌日とでは,行動の日周性は大きく異なった。
著者
伊藤 大介 小林 徹郎 山崎 美和恵 南 繁夫
出版者
素粒子論グループ 素粒子研究編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.520-529, 1956-08

最近,CosmotronやBevatronのような高エネルギー加速器によるπ-N相互作用に関する実験の結果,π-N衝突の全断面積σ_<t0t>(-σ_<elastic>+σ_<inelastic>)に第二、第三の極大が存在することが略々確かになった。周知の通り、O.2 Bev前後に於ける第一の極大は、I=J=3/2 stateの共鳴散乱として解釈されているものであるが、第二、第三の極大も果して"物理的核子"の特別な状態の共鳴現象によるものであるか、或は他の機構によるものであるか、先ず明らかにされなければならぬ問題である。この問題に関して、先ずC.N.Yangは 0.8 Bev附近に於ける第二の極大が"物理的核子"の特定の状態の共鳴による散乱であると解し得るためには、共鳴状態のJが相当大きなものでなければならぬことを示している。第二極大の発生機構を考察する場合、第一極大の場合と著しく事情が異るのは、後者の場合にはなかった非弾性衝突(即ち中間子の多重発生等)の存在である。第二極大の起る0.8 Bev附近ではσ_<elastic>&ap;σ_<inelastic>である。このような大きな非弾性散乱の存在は当然弾性散乱にも大きな影響を及ぼすはずである。武田氏は、入射中間子が、核子の固有場の中間子と衝突し、これを共鳴的にたヽき出すと考えて、第二極大の存在を説明しておられる。またSternheimerが分散公式を用いて、前方散乱の振巾をを計算し、高エネルギーに於ては、Dispersive Partに比し、Absorptive Partが非常に大きく、第二極大附近で特にAbsorptive Partが大きくなつていることを明らかにした。これ等の分析の結果から、第二極大の発生機構は、第一極大の場合と異り、非弾性衝突が非常に大きな役割を演じていることが判明して来た。非弾性衝突の存在によつて、弾性散乱の受ける影響は、Shadow Effectとして知られている。我々は以前に1.4 Bevに於けるπ-N衝突は、影散乱のみとして、説明出来ることを示した。即ち1.4 Bev程度の高エネルギーでは、非弾性衝突の断面σ_<inel>を正しく与えええる理論さえあれば、弾性散乱の断面σ_<el>はその影散乱として求まり、全断面σ_<t0t>=σ<el>+σ<inel>も実験と一致するのである。換言すればこのような高エネルギーでは、非弾性衝突が近似的にπ-N衝突の全体を支配しているので、その理論的考察は非弾性衝突の解明に集約されることになる。若し高エネルギー領域で成立ったこのような近似が第二極大の起る0.8 Bevまで成立つならば、第二極大解明の鍵は非弾性衝突にあることになる。この可能性を吟味することが本論文の目的である。結果を要約すれば、π-P衝突で、実測された非弾性散乱の断面積σ^<exp>_<inel>を用い、これから影散乱のみという近似で計算したσ_<elastic>及びσ_<t0t>は、第1図に模式的に示すように、1.0 Bev以上では実験と一致する。しかし1.0 Bev以下では実験と合わなくなる。弾性散乱の角分布も1.0 Bev以上では影散乱のみとして実験とよく合うが1.0 Bev以下では合わなくなるかもしれない(現在比較できる正確な実験は1.0 Bev > E_π > E_<th>間に存在しない)1.0 Bev以下ではσ_<inel>が減少しはじめるのと、低エネルギーの場合と同じ機構による散乱が生き残っているので影散乱のみという近似は成立たなくなるのであろう。しかし第1図に示すように、1.0 Bevに於ける影散乱として計算したσ_<el>,σ_<t0t>は既にthresholdに於けるσ_<t0t>より大きい。而も1.0 Bevに於けるσ_<t0t>もσ_<el>も低エネルギーまで延長すれば結局thresholdに於けるσ_<t0t>に接続しなければならぬのであるから、σ_<t0t>にもσ_<el>にも1.0 BevとE_<threshold>の間に少くも一回極大が存在するはずである。このようなわけで、第二極大の存在の説明には非弾性衝突、即ち、多重発生過程が重大な役割を演じていることを知ることが出来る。実際1.0 Bev以上で多重発生の正しい理論を構成することだけで、第二極大の存在を間接的に示すことが出来ることになる。しかし、第二極大の直接の分析のためには、E_<th>&harr;1.0 Bev間のπ-N相互作用を分析しなければならない。この領域の分析は非常に困難であろうが、逆に、核子の構造に対して多くの情報は期待出来ると予想される領域でもある。これについては追々分析をすすめる予定である。
著者
川田 亜矢子 狩野 均 西原 清一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.347-348, 1994-03-07

近年、2値画像から図形の幾何情報を抽出する技術が様々な分野で望まれている。例として、紙上図面からのCADデータ生成などがある。幾何情報を得るための前処理として2値画像から線画を抽出する細線化が多く利用されている。これにはHilditchによるものなどいくつかの技法が開発されている。しかし、通常の技法では画素間の連結性を保つのみで図形の形状が考慮されていないため、認識上重要である分岐・屈折などの特徴点付近で歪んでしまうという問題がある。つまり、細線化結果が、元の図形とは異なる幾何情報を与えてしまうのである。これを解決するものに張らの研究があるが、45度の倍数方向のマスクパターンを用いた技法であるため、一般の図面に利用するには不十分といえる。本稿では図形の直線形状に注目し、歪みを除去する細線化の新しい技法を提案する。これは、歪みのない直線部分を特徴点まで延長し、その線上の画素は削除しないというものである。本稿では以下、次節で延長のために必要な直線の表現方法である勾配数列と、直線延長による細線化技法を提案する。3節で細線化アルゴリズム、4節で実験結果を示し、最後に今後の課題を述べる。
著者
宇野 昌明 里見 淳一郎 鈴江 淳彦 中嶌 教夫 佐藤 浩一 永廣 信治 米田 和英 森田 奈緒美 原田 雅史
出版者
日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.262-266, 2004-07-31
被引用文献数
1 1

米国では脳卒中は心臓発作と同様にbrain attackとして認識され, 発症からできるだけ早く脳卒中専門の施設に搬送することを国民に啓蒙し, かつ国をあげてのキャンペーンを展開している. 本邦では必ずしも脳卒中の診断から治療までがスムーズに施行されているとはいえず, 急性期治療の遅れが指摘されてきた. われわれは脳卒中急性期の診断と治療を迅速かつ正確に行うために1999年11月よりstroke care unit(SCU)を開設した. 今回SCUに入院した急性期脳卒中患者に対して, 24時間体制でstroke MRIを施行し, 脳卒中, 特に脳梗塞の診断と治療成績について分析したので報告する. 対象と方法 1999年11月より2002年9月までに当院のSCUに入院した急性期脳卒中患者295例のうち, 脳虚血と診断した175例(59.3%)を対象とした. 175例の脳梗塞の病態別症例数はアテローム血栓性脳梗塞44例(25.1%), 心原性脳梗塞70例(40%), ラクナ梗塞57例(32.6%), その他4例(2.3%)であった.
著者
阿部 健志 渡邊 敏正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.10, pp.41-48, 1998-01-30

矩形双対グラフを用いたプリント基板レイアウト設計では,各部品矩形内に部品を配置し,部品端子間の配線として,まず,対応する端子矩形間を配線矩形を通るパスで結ぶことを行う.配線を完了するためには,端子矩形まで到達している配線を更に部品矩形内部におかれている部品の実端子まで延長しなければならない.各部品矩形は対応する部品がその内部に配置可能となるような大きさ以上であることは必要である.しかし,前述の配線延長がその内部で可能である形状まで部品矩形の拡大が生じるかもしれない.その際には最小の拡大に抑えることが望まれる.本研究では,いま述べた意味での部品矩形サイズの下界値を求めるために,非交差道を用いた配線領域の見積り手法を提案し,その有効性を実験により評価する.In designing layouts of printed wiring boards with rectangular dualization, layouts are produced by placing elements within corresponding element-rectangles and by routing among terminals. Routing is separated into two stages. The first stage is to obtain wiring among terminal-rectangles. The second stage is done within each element-rectangle and is to find paths, each connecting arm actual pin of the element in this rectangle and the corresponding auxiliary terminal in each terminal-rectangle. The size of each element-rectangle has to be. large enough to make the second stage rotting possible, while this size should be kept as small as possible so that the total size of the board may be minimized. The subject of the paper is to propose a method' of estimating the smallest possible size of a given element-rectangle in which the second stage routing can be completed. Experimental results are provided to show capability of the proposed method.
著者
山崎 篤 田中 和夫 吉田 澪 三浦 周行
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.40-46, 2000-01-15
被引用文献数
4 18

ネギの花芽分化に及ぼす温度条件を明らかにすることを目的として, 中生品種の'金長'と'浅黄九条', 晩生品種の'長悦'を用いて, 昼温と夜温の影響を調べた.昼温を20℃として夜温を3&acd;15℃と変えて20&acd;60日間の低温処理を行った結果, いずれの品種においても花芽分化は7℃で最も促進され, 次いで3℃で促進された.また, 15℃という比較的高い夜温下でも処理期間を60日まで延長すると, '金長'と'浅黄九条'では50%以上の個体で花芽分化したが, '長悦'では10%の個体でしか分化しなかった.夜温を7.0℃として昼温を7.0&acd;26.5℃と変えて20&acd;75日間の低温処理を行った結果, '金長'と'浅黄九条'において, 抽台率は昼温13.5℃と20℃で高く, 昼温7.0℃と26.5℃でわずかに低かった.'長悦'の抽台率はいずれの昼温と処理日数においても'金長'と'浅黄九条'に比べ低かった.それでも, '長悦'の抽台率は昼温7.0℃と13.5℃では75日後に60%以上に達したが, 昼温20.0℃と26.5℃では著しく低く, 特に昼温26.5℃ではほとんど抽台しなかった.したがって, '長悦'では20℃前後で脱春化が起きていると考えられた.以上の結果, ネギの花芽分化最適夜温は, 昼温20℃の場合7℃であること, また'長悦'では20℃前後で脱春化が起こるが, '金長'と'浅黄九条'では26.5℃以下の温度ではほとんど脱春化は起こらないことが明らかとなった.
著者
笠原 多恵子
出版者
福知山公立大学
雑誌
京都創成大学紀要
巻号頁・発行日
vol.3, pp.41-46, 2003-01-31
著者
水原 紹
出版者
同志社大学
雑誌
社会科学 (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.1-21, 2007

今日普及している携帯オーディオ機器の原点はソニーのウォークマンであり、その社会生活への影響は大きい。ソニーのウォークマンは独自の技術から生まれた物ではなく、それに先行する技術として開発されたテープレコーダーやステレオ音声技術の組み合わせによるアイディア商品である。また若者の間で十分に普及しているウォークマンであるが、若者は常に感性が鋭く、最新の物に敏感に反応する。そういった若者の心を見事に掴むことに成功した商品であるばかりか世界中の音楽を聴くスタイルそのものを変えてしまった画期的商品である。その特徴は聴く場所を選ばない、つまりかつてのステレオセットのようにリスニングルームを固定することがない。またカーオーディオやラジカセよりも移動が自由である点がランドマーク商品として大きな意味を持つ。しかし携帯オーディオ機器は次の段階を迎え、携帯電話との融合が図られている。携帯にその機能が吸収され複合化商品の時代へと突入したのである。将来携帯オーディオ=携帯電話が当たり前の時代が来る日も近い。
著者
田中 裕巳
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.70-71, 1974-03-25

「今の教育は主体性をなくささせておいて,倫社の時間に主体性をもって生きろといっている」(高2・男子)という生徒からの告発に,はたして答えることができるだろうか。
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会誌 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.429, pp.155-160, 1965-04-25

60mまでの小型沿岸船の復原能力はある種の荷重状態のもとで, あるいはまた甲板上に氷結を起こしたとき, 不十分なものとなる。多くの小型船が未知の条件のもとで遭難を起こしたため, この問題について1950年から60年にかけて多くの理論的, 実験的な研究が行なわれて来ている。Manleyの指摘するところによると, 60mまでの小型船は復原能力の立場から見ると大型船よりも危険状態にある。さらに船舶の全遭難数のうち, これら小型船の遭難が占める割合は増加の傾向を示し, 1899年から1913年の間の36%が第2次大戦後は66%に達している。一方全船舶数に対して小型の占める割合は20%から30%を保っている。また小型船の遭難の70%は冬期に起こり特に乾玄の低いこと, 甲板上に貨物を搭載していたことが共通している。これらの小型船の遭難を防止するためには, 遭難機構を解明し, 現実的な規則をもうけて復原能力の欠陥を改善しなければならず, また国際安全規則に対するトン数制限を500登録トン以下に引き下げることが望ましいものと思われる。
著者
土肥 浩 石塚 満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.95, pp.25-30, 1998-10-16

本論文では,Webページの作者がマルチメディア・コンテンツの一部としてインタフェースエージェントを記述し,Webページと連動して実用的な時間内でネットワークからダウンロードした擬人化エージェントを次々と切り替えることができるインタフェース,ビジュアル・ページエージェントVPA(Visual Page Agent)について述べる.VPAのエージェント・キャラクタは1枚の顔写真をもとにして生成される.VSAエディタを用いることにより,誰でも容易に動きのある顔画像キャラクタを作ることができる.このエージェントをWebページと関連づけることにより,ユーザがWebページを移動するたびに,そのページに関係するエージェントが画面上に現われてガイドしてくれる.エージェントはメッセージを伝えたり,またユーザと簡単な音声対話ができる.クライアント側のユーザにとっては,情報発信者の顔が見えるというメリットがある.This paper describes a network-downloadable anthropomorphic interface agent with a realistic face, called VPA(Visual Page Agent). An author can assign the facial image and some properties of the interface agent to own web page as the part of the multimedia contents. Whenever a user opens the web page, the agent with assigned face is downloaded and then appears on a display. The agent equips a simple speech dialog function, therefore it delivers author's messages to the user and can reply simple question.
著者
伊藤 充男 杉村 貴士 島 和之 松本 健一 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.98, no.9, pp.13-18, 1998-01-29

WWW ぺージの記述が HTML 規格に準拠していない場合, その解釈は WWW ブラウザに依存して異なる. このため, その WWW ぺージの作者が使用しているブラウザと異なるブラウザを使用した場合, 作者が意図している表示と異なることが多い. WWW ぺージを作成するときは, HTML 規格に準拠して, 特定のブラウザに依存しないように作成することが重要である. しかし, 現実にほとんどの WWW ぺージはブラウザに依存している. 本研究では, HTML 規格に準拠した WWW ぺージの記述を支援する HTML エディタを作成した.このエディタを用いることにより, WWWぺージの作者が HTML 規格を習得しなくても, ブラウザに依存しない WWW ぺージを記述することができる.