著者
藤本 哲史 新城 優子
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.19-28, 2007-12-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
23

本稿の目的は,ファミリー・フレンドリー制度に対して従業者がもつ不公平感について探ることにある.データ分析の結果,以下の点が明らかになった.⑴制度に対する不公平感の平均値に男女差はないが,子どもの年齢が高い者ほど不公平感が高い.⑵上司が部下の仕事と家庭生活の両立に関して支援的な場合,制度に対する不公平感が低下する.⑶不公平感は性別役割分業に対する価値意識の反映である可能性が高い.
著者
野島 美保
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.15-25, 2007-09-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
29

本稿は,仮想世界ビジネスについて,その価値と収益性の関係を中心に論点を整理し,研究上および実務上の今後の方向性を明らかにすることをねらいとする.仮想世界の一種であり商用サービスが早くから行われてきたオンラインゲーム業界を,実証調査の対象とする.ユーザーが知覚する価値として「新奇性」「コミュニティ」「アイデンティティ」が発見され,収益性に最も影響するのは「コミュニティ」であることが示された.
著者
根来 龍之
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.54-65, 2007-09-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
22

本稿は,ネットビジネスの特性を,「情報民主化」の圧力と「市場経済」の圧力の各時点における創造的均衡点として捉える.技術としてのインターネットの歴史は浅く,未だダイナミックな変化を続けている.インターネットはもともと分散型の民主的参加の世界として誕生した.ネットビジネスは,あとから持ち込まれた「市場経済」の論理と誕生の時点から存在する「情報民主化」の圧力の均衡点として存在する.この均衡点は,技術の変化によって変化する.2005年頃から出現したネット第2世代も,技術の変化を受けた新しい均衡点として出現したものだと捉えられる.
著者
延岡 健太郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.4-14, 2007-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
20

優れた技術や製品を開発できたとしても,競合企業に模倣され,持続的な業績に結びつけることが困難になっている.本稿では,模倣回避のメカニズムとして,特許などの法的・制度的な権利獲得と,組織能力の長年の積み重ねの2つがあり,持続的な業績のためには後者が特に重要であることを議論する.また,積み重ねる組織能力の内容として,技術者の学習および,ノウハウが蓄積された製造設備・実験機器,擦り合わせの組織ルーチンの3つが鍵を握ることがわかった.
著者
武石 彰 青島 矢一
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.29-39, 2007-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
15

本稿は,製造業のあり方を考えるためのひとつの視点を論じるものである.製品をそれ単独で完結したシステムとしてみるのではなく,より上位のシステムで革新を実現し,個別の製品はその部分としてとらえなおすという視点である.そのような革新をなしとげた過去のいくつかの事例をみながら,この視点の意味合いを考えてみたい.
著者
河田 信
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.40-50, 2007-06-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
21

プッシュ型からプル型生産へのシステム転換には,組織能力や管理システム(MCS)の抜本的再設計が避けて通れない.とりわけ管理会計を,①プロダクト系のコントロールをピリオド系よりも優先する枠組みとし,②発生主義に基づく会計的利益よりも現金収支差額(キャッシュフロー)を評価尺度として重視し,③伝統的原価計算に「時間軸の要素」を加味してコストを再定義することが必要である.
著者
ハワード・E オルドリッチ
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.4-17, 2007-03-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
90

私は,企業家研究の領域において,社会関係資本と社会ネットワークの概念を用いた研究を行いたいと思う者達を対象にして,これらの概念や原理についての批判的なレビューを行う.私はいくつかの興味深い研究課題とそれに応える方法論について描く.第1に,社会ネットワークを介した社会関係資本の力を示したい.そして,社会ネットワークの潜在的な力は,社会文化的な制約条件のために実現されないことがあることも示す.同類指向,社会的境界,制限された合理性という概念は,社会ネットワークについてのこうした制約条件を検討し,一般的に捉える上で役立ち,そして実際の観察結果を経験的に理解する枠組を与えてくれる.私は,それぞれの概念について論じながら,社会関係資本論と社会ネットワーク論のこれまでの研究を振り返って,これまでの理論的貢献と実証的発見について検討する.
著者
和田 剛明
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.93-102, 2007-03-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
7

魅力的な新製品が開発されながらも,流通がそのリスクを忌避することにより,市場導入が失敗に終わる流通構造があるとするならば,市場機会の損失が起こるとともに,長期的には市場全体の製品バラエティと魅力が減じることとなる.本研究では,家庭用ゲームソフト市場をケースとして,流通におけるリスクとリターンの構造の変化を追い,流通構造が新製品の市場機会遺失を生み,市場全体へ影響を与えることを示す.
著者
中村 洋 岡田 正大 澤田 直宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.60-73, 2006-09-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
35

本研究では,競争優位をもたらす内部経営資源の蓄積・活用と業界構造変化の相互作用を,経時的に変化する業界の利益率の水準及びその分散というフレームワークの下で考察し,業界構造の安定性についての分析を行う.また,事例及びデータ分析を用いて検証を行う.そして,内部経営資源を重視する経営資源・ケイパビリティ理論と業界構造に重点を置くSCP 理論は動学的に補完関係にあることを示す.
著者
浅川 和宏
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.13-25, 2006-09-20 (Released:2022-08-19)
参考文献数
64

自国の環境劣位を克服し,世界規模で競争優位を確立するには数多くの困難が待ち受けている.本稿ではメタナショナル経営遂行上避けて通れない7つのジレンマを整理し,それらへの対応の重要性を示唆している.またメタナショナル経営に関する今後の研究課題を提示している.理論的基盤が未成熟なメタナショナル研究は,今後関連学問領域からの英知を取り込んだ学際的アプローチが必要となろう.
著者
松本 知幸
出版者
金沢大学文化人類学研究室
雑誌
金沢大学文化人類学研究室調査実習報告書
巻号頁・発行日
vol.31, pp.107-115, 2016-03-31
著者
Shuya Yoshida Fumiyoshi Yamashita
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.417-425, 2014-11-25 (Released:2015-02-27)
参考文献数
39

薬物代謝酵素は医薬品の体内からの消失を決定する重要な因子であり、その個体間あるいは個体内での変動が臨床での薬物療法において大きな問題となる。薬物代謝酵素の誘導はリガンド結合型転写因子すなわち核内受容体によって制御され、薬物間相互作用の原因の1つとされている。したがって、臨床では誘導剤と基質薬物の併用の回避、創薬では誘導剤とならない医薬品化合物の創成が必要であり、これらを未然に予測できるシステム開発が現在求められている。本稿では、Cytochrome P450(CYP)、なかでも最も重要な分子種であるCYP3A4を中心に、酵素誘導に係る核内受容体と化合物との相互作用に関する構造活性相関および臨床での薬物間相互作用のin vitro-in vivo補外について紹介する。
著者
中野 俊二
出版者
Japan Society for Laser Surgery and Medicine
雑誌
日本レーザー医学会誌 (ISSN:02886200)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.435-439, 2017-01-29 (Released:2017-10-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

2012 年より使用可能となった刺青治療用のピコ秒レーザー機は現在,3 社より販売されている.パルス幅にはそれぞれに特徴があるが,使用される波長が532, 755, 1064 nm であることから従来ナノ秒レーザーの対象疾患である良性色素性疾患に対しても使用可能と考えられる.本稿では波長532 nm,パルス幅750 psec を用いた日光黒子や後天性真皮メラノーシスに対するピコ秒レーザー効果について検討した.
著者
田島 則行 出口 敦
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.85, no.773, pp.1469-1479, 2020 (Released:2020-07-30)
参考文献数
48
被引用文献数
1

In the USA, central cities once became hollow and suburban sprawl expanded since 1960’s, and large decrease and decay had experienced during 70’s and 80’s. While housing and urban policies has developed, the system of community initiative organization or Community Development Corporation (CDC), was one by one structured and it had made great achievement after the latter half of 80’s. And now there are more than 4, 600 CDCs throughout the states. CDCs are grass roots organizations and within the declining aspect, which is any private investors or public institutes may withdraw, they can revitalize buildings or areas with its legal, tax, and financial advantages. South Bronx is the target in this research, which is situated in the south of Borough of the Bronx, NYC. There is no other city in the states that a city once extremely devastated and then dramatically regenerated. Within the worst adversity, residents rose up, governments, administrations, politicians, journalists, and bankers or specialists on finances were joined, and South Bronx became a social experimental site that produced many new and advanced systems and organization structures. In this research, it focuses on the organizing process of CDCs in South Bronx. It also aims to clarify the system how it can be effective in the declining phase. This researches were mainly done with the investigations on related documents and the field surveys at South Bronx. In the second chapter, the organizing process is arranged into five periods in reference to social background and the housing policy changes, and this organizing process are disclosed. The grassroots residential activities rather invented the local revitalizing process and these small ‘neighborhood’ activities had gradually become effective. In the third chapter, through interview surveys done with CDCs in South Bronx, the roles of organizations such as CDCs, supporting organizations and networks are described. Four types of organizations are listed and organized as follows: 1. Predecessor organizations of CDC, 2. Supporting organizations CDC’s development, 3. CDCs towed South Bronx regeneration and 4. Supporting organizations of CDC’s projects. The forth chapter works out CDC’s system and project scheme for affordable housings. As it was described in this research, the major characteristics of CDC’s advantage is that indirect and incentive ingenuities such as rental support of Section 8, tax credit of Low Income Housing Tax Credit (LIHTC), Community Development Block Grant (CDBG) and Red-lining prohibition. These become a system inviting private investment and giving the financial stabilities to CDC’s affordable housing schemes, and that can make urban revitalization possible even in the difficult and declining phase of cities.
著者
出口 竜作 小野寺 麻由 並河 洋
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
vol.47, pp.95-100, 2012

刺胞動物門ヒドロ虫綱に属すタマクラゲ(Cytaeis uchidae)は、生体内に緑色蛍光タンパク質 (Green Fluorescent Protein; GFP)様の物質を持ち、青色光を照射すると緑色の蛍光を発する。本研究では、タマクラゲのGFP様物質がどのような時期に、どのような部位で発現しているのかを詳しく調査するとともに、GFPを題材とした授業の立案および実践を行った。まず、共焦点レーザー顕微鏡を用い、タマクラゲのクラゲにおけるGFP様物質の局在について調べたところ、緑色蛍光は主に傘の外側と内側の上皮、および生殖巣の上皮に見られることが分かった。次に、ライフサイクルの各段階における緑色蛍光の有無と分布について調べたところ、配偶子(卵・精子)、受精卵、初期胚、プラヌラ幼生には、蛍光の発現が認められなかったのに対し、プラヌラ幼生が変態して生じるポリプには、主に体壁の上皮に蛍光が見られた。また、クラゲ芽(後にクラゲとして遊離)も蛍光を持っていたが、ポリプどうしを繋ぐストロン(走根)は持たなかった。古川黎明高等学校の生徒を対象に行った授業実践では、蛍光やGFPについて基礎的な説明を行った後、青色の発光ダイオード(LED)を用いた光源を自作してもらい、それをクラゲやポリプに照射してGFP様物質の観察をしてもらった。事後に行ったアンケート調査からは、この授業が生徒の興味・関心を引きつけ、生徒にとって理解しやすい内容であったことが判断できた。
著者
幡野佐一著
出版者
化学工業社
巻号頁・発行日
1984

1 0 0 0 気象

著者
気象庁 監修
出版者
日本気象協会
巻号頁・発行日
no.395, 1990-03

1 0 0 0 海外移住

出版者
国際協力機構
巻号頁・発行日
vol.7月, no.582, 1998-07

1 0 0 0 放送教育

出版者
日本放送教育協会
巻号頁・発行日
vol.54(2), no.613, 1999-05