著者
川添 敏弘 宮田 淳嗣 尾松 美佐子 福山 貴昭 山川 伊津子 今村 伸一郎
出版者
日本動物看護学会
雑誌
Veterinary Nursing (ISSN:21888108)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.37-41, 2020 (Released:2021-08-04)
参考文献数
13

動物の体温測定は、健康状態を確認するうえで極めて重要なことであるが、直腸温計測は簡単な技術ではない。イヌでは腋下温が直腸温測定の代替法になることが報告されているが、ネコでの報告は認めない。そこで、直腸温と腋下温を同時に測定し、興奮の有無を確認して記録とした。その結果、回帰直線はy=0.909x+3.436(r2=0.829、p<0.01)で表され、ネコの直腸温の正常値(37.5~38.5°C)の範囲では、腋下温に-0.03~0.07°Cを加えると直腸温に相当した。これにより、イヌと同様にネコでも腋下温計測が、臨床上、直腸温測定の代替法になり得ることが示唆された。
著者
斉藤 孝信
出版者
NHK放送文化研究所
雑誌
放送研究と調査 (ISSN:02880008)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.2-33, 2022-06-01 (Released:2022-07-27)

NHK放送文化研究所が2016年から7回にわたって実施した「東京オリンピック・パラリンピックに関する世論調査」の結果を報告する。 大会後の調査では、大会を『楽しめた』と答えた人が7割を超えたが、コロナ禍での開催については5割以上の人が、開催しながら自粛を求められたことに不満を持った。 大会前には多くの人が経済効果を期待し、日本の伝統文化などをアピールしようと意気込んでいたが、コロナ禍によって叶えられなかった。また、東日本大震災からの“復興五輪”であると思えた人は、大会前は半数以下で、大会後、復興に役立ったと実感できた人は3割未満であった。一方で大多数の人がテレビを通じて競技観戦を楽しみ、若い年代を中心に多くの人がスポーツへの関心を高めた点で、純粋なスポーツ大会としての開催意義は大きかった。 大会をきっかけに「多様性に富んだ社会を作るための取り組みを進めるべきだ」という意識や障害者への理解が高まった。一方で、多様性に対する自身の理解の進み具合や日本の現状については不十分だと感じている人が多い。また、身近で障害者に接している人ほど環境面や意識面でのバリアフリー化が進んでいないと感じている。こうした課題を克服するためには大会後も粘り強い啓発が必要で、メディアが今後も障害者スポーツをもっと取り上げることを6割以上の人が望んでいる。
著者
磯野 昌弘
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.133-141, 2021-08-25 (Released:2021-09-03)
参考文献数
37

Mushroom-like synnemata of the entomopathogenic fungi, Isaria cicadae Miq.(Ascomycota: Hypocreales), appeared gregariously on the ground of a Fraxinus japonica plantation, Takizawa City, Iwate, Japan, situated 170-km from the known geographic range of the fungi. The synnemata that grew inside the emergence trap for collecting the defoliators in the plantation grew 1.5-times more prominently than those on the outside, which lead to the present discovery. The micro-climate inside the trap was 23.7% darker, 2.8°C milder in the daily temperature changes, and 4.7% moister than that on the outside, which would promote the growth in height. The synnemata emerged uniformly throughout the plantation at a density of 8.86, 4.57, and 1.44/m2 in 2016, 2017, and 2020, respectively. A total of 125 specimens of the hosts dug out from the soil were all the last instar larvae of Meimuna opalifera(Walker)(Hemiptera: Cicadidae). The number of cicadas killed by the fungi on the plantation of 389 m2 was 3448, 1779, and 564 in 2016, 2017, and 2020, respectively. However, only 2, 5, and 6 cicadas survived in these respective years. The density increased and the catastrophic mortalities of the cicadas were found to be restricted to this plantation.
著者
岡田 知也 櫻井 進 坂井 理絵子 渡辺 カンナ 岩田 あずさ 菅野 義彦
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.629-636, 2014 (Released:2014-10-28)
参考文献数
30

維持血液透析 (HD) 患者における残腎機能の低下に影響する因子について検討した. 対象はHD患者25名. 透析導入日より60±65日後から蓄尿検査を行い, 尿量200mL/日未満になった時点で残腎機能消失とした. 2年間の月当たりの尿量変化 (ΔUV), 推定糸球体濾過量 (eGFR) の変化 (ΔeGFR) を求め, 臨床指標との関係について検討した. 重回帰分析では2年間の基本体重の変化率がΔUVと有意, ΔeGFRと有意に近い関連を認めた. Cox比例ハザードモデルにより残腎機能消失に関連する因子は, 尿蛋白量, 基本体重の変化率, 初回蓄尿時尿量だった (hazard ratio, 3.30, 0.84, 0.995, p=0.004, 0.04, 0.007). HD患者において, 残腎機能の消失に尿蛋白量, 基本体重の減少が関連していた. 残腎機能の経過と体液, 栄養状態との関係について前向きに検討する必要があると考えられた.

1 0 0 0 OA 一般講演

出版者
社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.657-666, 1990 (Released:2009-03-26)
著者
和田 芳直
出版者
一般社団法人 日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.368-373, 2003 (Released:2007-10-16)
参考文献数
26
被引用文献数
2 1

Mass spectrometry (MS) is proud of its high-throughput and sensitivity in the proteomic studies. However, the measurement of DNA by MS has not been in practice mainly due to its inherently large molecular size, though various applications of genetic analysis have been proposed so far. Now in the post-genome era, one of the highest demands on the genome analysis is the single nucleotide polymorphism genotyping, which is, in principle, the determination of single nucleotide substitutions at specific sites. A number of different methods using MS have been developed for this purpose, and some of those enabling multiplex analysis have advantages over other gel- or hybridization-based methods.

1 0 0 0 OA 時は過ぎゆく

著者
田山花袋 著
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1916
著者
木村 一雅 北澤 春樹 齋藤 忠夫
出版者
日本酪農科学会
雑誌
ミルクサイエンス (ISSN:13430289)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.88-101, 2018 (Released:2018-08-18)
参考文献数
36

GOSをはじめとするプレバイオティクスオリゴ糖はヒト消化管下部でビフィズス菌を優位に増加させ,便性をはじめとする腸内環境の改善に有用な働きをする。しかし,構造が異なる市販各種オリゴ糖製品がビフィズス菌によりどの程度利用されるのかについて,詳細な検討をした報告は見られない。そこで,乳糖を対照として,市販オリゴ糖類であるガラクトオリゴ糖(GOS),ラクトスクロース(LS),ゲンチオオリゴ糖(GEO),イソマルトオリゴ糖(IMO),ニゲロオリゴ糖(NOS),キシロオリゴ糖(XOS),フラクトオリゴ糖(FOS),長鎖フラクトオリゴ糖(Fib),およびFOSの構成オリゴ糖成分について,主要なヒト由来ビフィズス菌7菌種16菌株による増殖性と培地中のオリゴ糖構成糖質の消長をHPLCで解析した。 市販オリゴ糖のうち,対照に用いた乳糖およびGOS, LS, NOS, GEOの各オリゴ糖は被験ビフィズス菌16菌株すべてが高いkliett値を与え増殖した。一方FOSおよびFib,は B. breve の4菌株中2菌株, B. bifidum の4菌株すべてで生育が見られず,XOSは B. breve, B. bifidum, B. infantis の計10菌株すべてで生育が見られず, B. adolescentis, B. longum で生育の遅延が認められた。IMOは B. bifidum の4菌株中3菌株で生育が認められなかった。 FOSで,生育の見られなかった B. breve,B. bifidum について,FOSを構成するフラクトースおよびKes,Nisの利用性について検討したが,それらの6菌株はいずれも単糖のFruは利用できるが,Kes,Nisでは生育しなかった。 Glcを構成糖とするNGO,GEOは,オリゴ糖中に多量の単糖を含有しており,高いklett値を与えた菌株の培養においても培養上清中にはDP2以上のオリゴ糖成分が残存した。一方,IMOについては高い生育の見られた菌株においては,単糖およびDP3のオリゴ糖成分が顕著に減少した。 本研究の結果から,ビフィズス菌の高い増殖性を示したオリゴ糖は,単糖よりもDP2,DP3以上の糖鎖が選択的に利用される傾向が見られた。またXOSやFOSの培養上清中の残存糖質の解析では,klett値が増加した菌株では顕著な単糖の増加が見られた。 GOSやLSは乳糖の骨格にGalまたはFruが結合することで難消化性となり大腸に到達する。大腸内で糖鎖が分解し乳糖が生成すると,それはビフィズス菌の良好な炭素源となる。 プレバイオティクスとしてのオリゴ糖の大腸内での機能は,共生微生物による糖鎖の分解や生成する糖鎖の利用性も重要な要素と考えられた。
著者
福田 晋平 江川 雅人
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.212-218, 2014 (Released:2015-08-06)
参考文献数
10

【目的】鍼治療による歩行障害の改善が携帯型歩行計 (PGR) により客観的に示されたパーキンソン病 (PD) の 1 例を報告する。 【症例】症例:72 歳女性。 主訴:歩行困難、 頸肩部の重だるさ、 大腿前面部のこわばり感。 現病歴:64 歳時に右手の振戦が出現し、 PD と診断された。 抗 PD 薬の服薬によって症状は軽減したが、 71 歳時に頸肩部の重だるさや大腿前面部のこわばり感を自覚し歩幅が狭くなったため鍼治療を開始した。 現症:歩行は小刻みですくみ足、 日に 5 回の転倒を認めた。 頸肩部の重だるさは、 頸部から肩甲上部に認め、 重だるさが増悪すると前傾姿勢となり歩幅も狭くなった。 こわばり感を自覚する両側の大腿四頭筋に筋緊張亢進を認めた。 [鍼治療]後頸部や両側の大腿部の筋強剛に伴う筋緊張の緩和を目的に、 筋緊張亢進領域で圧痛の認めた経穴 (天柱、 風池、 伏兎、 血海、 梁丘等) に鍼治療を行った。 治療頻度は 1 回/週とした。 【評価】歩行は PGR で 「歩行の力強さ」 「歩行速度」 「歩幅」 を測定した。 歩行バランス機能は TUGT で、 PD 症状は UPDRS で評価した。 評価は初診時と鍼治療期間終了時に行った。 【結果】鍼治療は 12 週間に 12 回行った。 4 診時より、 頸肩部痛や大腿部のこわばり感は軽減し、 転倒回数は 1 日 5 回 (初診) から 3 回 (4 診)、 1 回 (7 診) と減少した。 歩行の力強さは 0.15 から 0.17 (m/sec2)、 歩行速度は 49 から 53 (m/分)、 歩幅は 47 から 49 (cm) となり、 TUGT は 11.8 から 9.5 (秒) と短縮し、 歩行障害の改善が客観的に示された。 UPDRS は 41 点から 28 点と低下し、 PD 症状の改善を認めた。 【考察と結語】鍼治療により、 筋強剛に伴う筋緊張による頸肩部の重だるさの軽減が姿勢を改善させ、 下肢の筋緊張の緩和が歩行機能の改善に寄与したと考えられた。 また、 本症例は、 歩行障害以外の PD 症状に対しても改善を認めた症例であった。

1 0 0 0 OA 動植名彙 10巻

著者
伴信友 編
出版者
田中尚房 写
巻号頁・発行日
vol.[1], 1861
著者
野本 和幸
出版者
日本哲学会
雑誌
哲学 (ISSN:03873358)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.31, pp.57-83, 1981-05-01 (Released:2009-07-23)

1 0 0 0 近代将棋

出版者
近代将棋
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, 1950-06