著者
光平 有希
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ
巻号頁・発行日
vol.56, pp.95-119, 2017-10-20

精神科医の呉秀三(1865―1932)は、近代精神医療の普及に取り組む中、明治期において既に、自身が医長を勤める東京府巣鴨病院で音楽療法の試行を開始した。呉の音楽療法実践に関しては、巣鴨病院の後身にあたる東京都立松沢病院併設の「日本精神医学資料館」を中心に、当時の状況を窺い知ることのできる資料が現存しているものの、これまでその実態が明らかにされることはなかった。しかしながら、日本の音楽療法史上において、従来の理論紹介に終始することなく、実際に体系的、及び長期的に行った呉の音楽療法は重要な位置を占める。
著者
池田 悠平 岡田 佳子 堀江 亮太 菅谷 みどり
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2016論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.149-161, 2016-07-06

近年,日本では単独世帯の増加や高齢化が進み,セラピーロボットの需要が高まっている.そのようなロボ ットとしてパロが挙げられるが,人が行動を起こすことが前提でありパロの方から行動を起こすことはない.そこ で,本研究では人の行動を前提とせず人の感情を推測できるロボットの実現を最終目的とし,第一段階として,記号 / 感情モデルをもとにした新しい感情の推測手法の提案をする.記号 / 感情モデルとは,客観的に読み取りやすい 「記号」 と,客観的に読み取りづらい 「感情」 とを分ける考え方である.本研究では,「記号」 には表情を,「感情」 に は脳波と脈拍を用いて,どちらが真とする感情の値との誤差を低く推測できるか実験を行った.結果,脳波と脈拍の方が誤差が小さいという結果になった.そこで,より正確さを向上させるため,感情の起伏の度合いとタイミン グを測定,主観評価と比較する実験を行い,より正確に感情を推測できた.そこで,人数を増やして実験を行った ところ,個人によって誤差の大きさが違った.そこで属性のアンケートを取り相関を調べたところ幾つかの属性と誤差の大きさが相関を持つことが示唆された.
著者
泉 芳環
出版者
大谷学会
雑誌
大谷学報 = THE OTANI GAKUHO (ISSN:02876027)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.1-16, 1933-01
著者
瀬戸崎 典夫 全 炳徳
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集
巻号頁・発行日
vol.4, no.1,2, pp.No.12, 2017-03

本研究は,全天球パノラマVR教材におけるユーザインタフェースを評価し,評価結果をもとにVR教材を改善した.さらに,小学6年生を対象とした授業実践によって改善した教材を評価することを目的とした.ユーザインタフェースの評価の結果,観察地点や文字,音声などの提示情報の追加が課題であることが示された.そこで,全天球パノラマVR環境を有する観察地点において,2地点のパノラマコンテンツを追加し,各観察地点におけるモニュメント等の現在の写真をVR環境に重畳表示した.さらに,VR環境に重畳表示された写真に,音声による解説と文字による説明を示した.次に,改善した全天球パノラマVR教材を活用し,修学旅行における事後学習を2つの小学校で実践した.その結果,本教材は興味や意欲を高めることができ,振返りの教材として有用であることが明らかになった.また,学習のねらいや活動内容によって,学習者の意欲や長崎にいるような実感に対する評価が異なることが示された.
著者
生徒指導・進路指導研究センター
巻号頁・発行日
2017-06

目 次PART Ⅰ 本調査について・・11 本調査の目的 ・・・・・・22 本調査の概要 ・・・・・・22-(1)調査地域と対象者・・・・・・・・・ ・・・・・ 22-(2)方法・・ ・・・・ 22-(3)有効回答者数と年度当初の在籍者数・・・・・・・ 32-(4)質問項目 ・・・・・33 分析の手順・・・・・・・・ 5PART Ⅱ-1 分析の結果① ・ 7【高1段階】1 高1中退者と高1非中退者の比較・・・・・・・・・・・・81-(1) 高1中退者の回答状況と中退月の分布 ・・・・・81-(2) 高1中退者と高1非中退者の比較・・・・・・・101-(3) 高1中退者と高1非中退者の比較から見えてきたもの・・・・12【高2段階】2 高2中退者と高2非中退者の比較・・・・・・・・・・・・ 132-(1)高2中退者の回答状況と中退月の分布 ・・・・ 132-(2)高2中退者と高2非中退者の比較 ・・・・・・・142-(3)高2中退者と高2非中退者の比較から見えてきたもの・・・・・・20【高3段階】3 高3中退者と高3非中退者の比較・・・・・・・・・・・・213-(1) 高3中退者の回答状況と中退月の分布 ・・・・・213-(2) 高3中退者と高3非中退者の比較 ・・・・・・・223-(3)高3中退者と高3非中退者の比較から見えてきたもの・・・・・・・254 各段階(高1、高2、高3)での特徴の比較から見えてきたもの・・・・26PART Ⅱ-2 分析の結果② ・・291 3年間を通した中退者と非中退者及び各段階の中退者同士の比較・・・301-(1) 3年間を通した中退者と非中退者の比較・・・・301-(2) 3年間を通した各段階の中退者同士の比較・・・311-(3) 各段階の中退者同士の比較から見えてきたもの・362 3年間を通した比較から見えてきたもの・・・・・・・・40本研究から得られた知見と残された課題 ・・・・・・・・・・・・42資 料 編 ・・・・・・・・・・・47
著者
小松 久美子 下代 博之 中野 秀男 辰巳 昭治
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.15, pp.19-24, 2006-11-23

コンピュータネットワークにおける通信の高度化に伴い,今後,その時刻保持はさらに高精度化を求められるであろう.本論文は,現状のコンピュータネットワークにおける時刻同期の問題点について問い,その高精度化の必要性についての問題提起を行うものである.天文分野での超高精度時刻同期技術の応用としてハードウェアが比較的安価に実現できることから, GPSを利用した時刻同期システムを提案する.著者らはこの時刻同期システムを4拠点に設置したので,その実際を報告する.低コストで手軽に構築できることから,高精度時刻サーバの普及が期待できる.多数の高精度時刻サーバによる協調型時刻同期により実現できることやその応用には認証処理を始め,多くの可能性がある.問題提起の段階であるが, 個々の高精度時刻サーバが相互に時刻監査する方法については研究対象となると思われる.
著者
柴田 録治 Rokuji Shibata
雑誌
岐阜聖徳学園大学紀要. 教育学部編 = The annals of Gifu Shotoku Gakuen University. Faculty of Education (ISSN:13460889)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-24, 2001-02-28

Mathematical objectives of primary school is used to teach multiplication and division of franctions. These operations have its basis in multiplicational facts. We usualy teach it as multiplication table in lower grade without appropriate consciousness of its history. It is important for our better instruction to know sincerely its genesis, its transitions, and the thought, ideas, and reasons why transitions making into development in the multiplication table, and also important to have insight to the nature of mathematics in these historical process. For this purpose, I made clear old chinese multiplication tables with comments on the defference of its earlier one. And made clear Japanese ones influenced by chinese (and others) books till Meiji Era.
著者
柴田 録治 Rokuji Shibata
雑誌
岐阜聖徳学園大学紀要. 教育学部編 = The annals of Gifu Shotoku Gakuen University. Faculty of Education (ISSN:13460889)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.65-91, 2002-02-28

Kuku tables in the old China had changed into New type at the time emerging Mongorian Imperial, that is old type kuku starting from phrase [9・9.81], transited into New type kuku ending at the phrase [9・9.81], which is adopted in China till today. In Japan, Our Kuku tables are affected by these Chinese movements and shows more varieties in kuku types than Chinese. Concerning this, Yoshida Mituyoshi played an important role in our kuku history. To elucidate his work, I summarize the chronological kuku tables with some features of new ages.
著者
長島 弘明
出版者
実践女子大学
雑誌
年報 (ISSN:09100679)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.43-99, 1983-03-10

ページ他に口絵あり
著者
小熊 正久
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 人文科学 = Bulletin of Yamagata University. Humanities
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.1(320)-17(304), 2003-02-17

The theme of this paper is to understand the relations of Merleau-Ponty's two major works, ”the Structure of Behavior” (SB.,1938(completion)) and ”Phenomonology of Perception” (PP.,1945). According to Geraets' interpretation, after his completion of SB., the new vistas opened by the reading of Husserl challenged Merleau-Ponty and beckond him onward. But I think his interpretation did not sufficiently regard the circumstances that in the PP. Merleau-Ponty preserved the fundamental thought of SB. and that not only Husserl's works but also this thought determined his understanding of phenomenology and human body deeply. I show this in the following order. 1. Exposion of the fundamental thought of SB. (the concepts of 'integration' and 'structure'). 2. Merleau-Ponty's considarations on methodology in the end of SB. 3. His understanding of 'sensation' and 'meaning' in the ”introduction” of PP. 4. His understanding of the field of Phenomena and phenomenology in the ”introduction” of PP.