著者
田中 常雄 田中 彰
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.129-133, 1998-02-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
18
被引用文献数
5 12

ハスカップの成分分析を行った.その特徴は以下のとおりである.(1) 他の果実類に比べて,カルシウム,鉄,ビタミンC,α-トコフェロール及び食物繊維の含量が多かった.(2) ビタミンCは凍結貯蔵中は安定で,少なくとも1年間は減少することはなかった.しかし,収穫年によるビタミンC含量に変動がみられた.(3) 有機酸の主成分はクエン酸で,高い含量を示した.(4) 糖度は有機酸に比べて低く,糖酸比も低かった.(5) 千歳8号は他の系統(品種)に比べて,水分,有機酸及び食物繊維が少なく,糖度は高かった.(6) 乾物換算値による成分間の相関を求め,灰分とカリウムおよびマグネシウム間の正相関などが認められた.
著者
大和 秀彰 古田 貴之 富山 健
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.77, no.776, pp.1441-1453, 2011 (Released:2011-04-25)
参考文献数
27

This paper presents a new methodology of attitude estimation for cost-effective and small-size inertial measurement units, consisting of tri-axial gyroscope sensors, accelerometers and geo-magnetometers. Introduced for the algorithm development is a quaternion feedback structure, where bias terms in the gyroscope rate information, appearing in the phase-locked loop, are identified with the theoretical guarantee of the global and asymptotical stability. The bias-term identification and modification process is performed continuously without the influence of the disturbance by applying the proposed disturbance detection scheme and a conventional vector matching method. Practical validity of the presented framework is fully evaluated by experiments. The evaluation result shows that the approach in this paper can offer superior drift-free performance with property of disturbance rejection under arbitrary high-frequency test motion of spatial rotation and translation.
著者
松本 阿礼 長澤 夏子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.87, no.793, pp.533-544, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
38

To determine the physical factors that affect place attachment in public places in urban areas in Japan, this study aims to clarify the structure of place attachment and environmental elements of railroad commuters by focusing on station retail buildings in urban areas.The study shows that environmental satisfaction affects place identity, place dependence, and social bonds through the psychological quantity of the environment. It is deduced that the influence of the place identity and place dependence on place attachment to station retail buildings in urban areas was greater than that of social bonds.
著者
星 卓志
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.28, no.68, pp.424-429, 2022-02-20 (Released:2022-02-20)
参考文献数
7

This study grasped the status of the formation, utilization and management of public space networks through public-private partnership in central Sapporo.As a result, the following became clear. In the various plans of Sapporo City, the policy of forming a public space network is clarified. The public-private consultation mechanism for ensuring its effectiveness and developing it has matured to the introduction of a local discussion mechanism. In conjunction with the large expansion of public facilities for people, a network was formed that organically linked underground and indoor public spaces by utilizing these mechanisms.

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著者
平岡 延元
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.95-98, 1992-02-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
15
著者
鶴 哲郎 溝部 晃 田中 暁 田中 誠 佐藤 隆一
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.56-65, 2016 (Released:2018-05-09)
参考文献数
41

An extremely low velocity layer was detected in a deep water area, whose velocity was estimated to be 1500 m/s by velocity analysis of the seismic data. Its thickness is approximately 500 m in average and exceeds 700 m in maximum. Although obtained data are limited to reveal its origin, the layer was interpreted to be a mass transport deposit based on the observations: a distribution feature spreading toward the deep water, a chaotic-to-transparent reflection pattern, basal erosions of the underlying sediments and a pressure ridge developed at the tip region. However, mass transport deposit is normally characterized by high seismic velocity according to previous studies, whereas such a mass transport deposit with low velocity is seldom reported. From detailed seismic interpretation, active normal faults cutting the seafloor were recognized in overlying sediments. The faults appear also to cut the uppermost part of the mass transport deposit. Moreover, pore pressure gradient within the deposit was estimated to be from 12.0 to 14.4 MPa/km, being comparable with the fracture gradient from previous study. As a result, the presently-detected low velocity layer can be concluded most likely as a slow-moving earthflow type of mass transport deposit in deep water.
著者
佐々木 陽子 ササキ ヨウコ Yoko Sasaki
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-14, 2013-07

本稿は、義親の介護を担う「介護嫁」の孕む問題を、以下の二点に焦点をあて論じる。一つは、厚生労働省などの公的データーに依拠し、「誰に介護を希望するか」の期待値と「誰が実際には介護を担っているか」の現実値のギャップが「嫁」についてはいかに大きいかを捉え、それを介護労働の無償性との関連で考察する。いま一つは、相対的に高齢な「介護嫁」は夫に代わって義親を介護する事を自明視する心性を内面化しながらも、親身にまた長きにわたり介護者となっても、法定相続人にはなれないとの法の孕む問題を考える。法律レベルでは、「嫁」の介護労働の無償性に対し、いくつかの救済の道が用意されている。例えば、遺言や生前贈与あるいは養子縁組をし法定相続人になることで、嫁の介護に対する財産的保障を担保したり、また「嫁」に介護を丸投げしてきた義理の兄弟姉妹に遺産相続がなされる場合、彼らに不当利得返還請求を行う事などがあげられる。だが、法律が想定する人間類型は、明確な権利主体として自己決定しうる自立した人間を前提としている。権利を行使しないのは、その人間の自立心のなさゆえであるとの見方を「介護嫁」にあてはめることの過酷さを考えたい。
著者
宮沢 篤
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.73, pp.49-52, 2002-11-13
参考文献数
7

現在までに,世界中のさまざまな会社から,その時代の最も進んだコンピュータ技術を取り入れた,非常にたくさんのゲームが発表されてきた.今日のコンピュータゲーム機は,幾多の技術革新を経て進化してきた,全く新しいインタラクティブなメディアである,といえるかもしれない.最近になって筆者らは,技術的にもコストの面からも一番現実的な多眼式のリアルタイム立体視ディスプレイのシステムを,カラーの透過型液晶パネルとレンチキュラー平板マイクロレンズを組み合わせて,これを高集積エンベデッドPLD (programmable logic device)を用いたリコンフィグラブルなプロセッサから動作させることによって実現した.このディスプレイは,特にコンピュータゲーム機や,次世代の携帯情報機器が提供するであろう,モバイルマルチメディア環境で最も有効と考えられる.本稿では,リアルタイム立体視ディスプレイのシステムを構成するハードウェア,ソフトウェアの両面と,最終的な3次元映像のコンテンツ制作までを視野に入れながら,モバイル向け立体ディスプレイのさまざまな可能性について検討する.
著者
大西 磨希子
出版者
佛教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

中国史上唯一の女性皇帝となった則天武后は、革命に仏教を利用した。敦煌写本の『大雲経疏』はその仏教利用の実態を示す貴重な史料である。一方、則天武后が仏教美術に与えた影響については、いまだ明らかになっていない部分が多い。なかでも釈迦の涅槃をあらわした涅槃変相図は、当該期において、横臥する釈迦と会衆のみを描いた単純な構図から、荼毘や分舎利に至る複数の場面を含んだものへと大きく変化するが、その理由についてはいまだ判然としない。そこで本研究では、敦煌写本『大雲経疏』を調査し、則天文字の使用状況にもとづく底本の書写年代の解明と内容の読解を試み、そのうえで当該期に涅槃変相図が大きく変容する理由を検討する。
著者
地引 英理子 杉下 智彦
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.153-168, 2021

<p><b>目的</b></p><p>  本研究では日本人の医療及び非医療従事者が保健関連の国際機関へ就職を考慮するに当たり、いかなる勤務条件が揃えば望ましい選択肢として選択するかを「離散選択実験(Discrete Choice Experiment)」の手法を用いて明らかにするために、その第一段階として質的調査により対象者が重視する「属性(Attributes)」を分析するとともに、選択属性に合致した就職支援策を提言する。</p><p><b>方法</b></p><p>  日本人の医師、看護職、公衆衛生大学院卒業者、非医療従事者、学生等で①保健関連の国際機関への就職を希望する人(以下、希望者グループ)、②現在就職している人(以下、現職者グループ)、③過去に就職していて離職した人(以下、離職者グループ)の合計20人を対象に、予め用意した11の属性から、国際機関勤務に当たって重視する属性を全て選び順位付けしてもらった上で、半構造化インタビュー調査を実施した。逐語録を作成し属性に関する内容を抽出後、グループ毎にコード化・カテゴリー化し、他のグループの回答と比較、分析した。</p><p><b>結果</b></p><p>  対象者が重視する属性を点数化した結果、全グループで国際機関勤務に当たって重視する属性として「仕事の内容」、「自己実現の機会」、「能力向上の機会」が上位3位を占め、次いで「勤務地」が同率2位(現職者グループ)と4位(希望者・離職者グループ)だった。しかし、希望者・現職者グループを通じて「ワーク・ライフ・バランス」、「給与額」、「福利厚生の充実度」、「仕事の安定性(長期契約)」といった勤務条件面への重視は全11属性中5位~8位と中位から下位を占めた。また、両グループで「帰国した時の所属先の有無」は9位、「子供の教育の機会」と「配偶者の仕事の機会」は同率10位だった。離職者グループでは「ワーク・ライフ・バランス」と「仕事の安定性(長期契約)」は同率5位を占め、その他の属性は選択されなかった。</p><p><b>結論</b></p><p>  保健関連の国際機関勤務を目指す日本人は、より良い待遇や職場・生活環境よりも、経験や専門性を活かし、能力向上や自己実現を求めて国際機関を受ける傾向があることが分かった。より多くの人材を国際機関に送り出すための支援策として、属性の選択順位に従い、第一義的には国際機関勤務のやりがいに関するキャリア・ディベロップメント・セミナーの開催が有効と考えるが、国際機関におけるワーク・ライフ・バランス、女性の働きやすさ、給与とセットにした福利厚生制度に関する広報も有効と考える。また、インタビューを通じて明らかとなった国際機関の雇用契約の不安定さと「帰国後、国際機関での経験を正当に評価し受け入れてくれる組織・病院が少ない」という課題に関して、中長期的には帰国者の受入機関の増加のための働きかけが必要と考える。</p>
著者
齋藤 祐 禰覇 陽子
出版者
日本情報教育学会
雑誌
情報教育 (ISSN:24343463)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.8-17, 2019 (Released:2019-05-20)
参考文献数
10

2018年度,中央大学附属高等学校がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定となったことを受け,課題研究のひとつとしてコンピテンシー・ベースの観点別評価体制の開発を行うこととなった.本稿は,上記課題研究に基づいて行われたアンケート調査の経緯と,分析の全容についてまとめたものである.アンケート結果を分析したところ,高校生が抱える資質・能力面での課題項目を抽出することができた.
著者
須藤 沙織 細井 匠
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会
巻号頁・発行日
vol.31, 2012

【目的】<BR>安心してリハビリを行うことができる環境を作ることを目指し,2011年3月,「小金井リハビリ連絡会」が正式に発足し研修部が置かれた.研修部では会員が望む研修内容を明らかにするため本調査を行った.<BR>【方法】<BR>小金井リハビリ連絡会会員63名を対象に,郵送自記式質問紙検査法を繰り返すデルファイ法を用いて調査した.調査1では対象者が望む研修内容を5つ以内で自由に記載していただき回収した.また基本属性として年代,性別,所属機関,各職種免許取得からの年数を尋ねた.調査2では集まった研修内容に対する興味の程度について5段階での評価を依頼し回収した.調査3では,調査2で返信のあった方を対象に,調査2における各研修内容に対する本人評価得点と,参加者全員の評点の中央値と四分位範囲を提示した上で,再評価を依頼し回収した.調査3で得られた回答を間隔尺度とみなし平均値を基にランキングを作成した.また対象者に書面にて本研究の主旨と得られたデータは個人が特定されないよう配慮し発表する旨を伝え,同意を得た.<BR>【結果】<BR>調査3で得た30名の回答の中の,38本の研修内容の評点を基にランキングを作成した.30名の職種はPT17名,OT13名,免許取得からの年数は平均9.4±10.0年であった.全体のランキング1位は「腰痛の評価とアプローチ」,2位「脳卒中患者の歩行練習」,同率3位「注意障害へのアプローチ」,「慢性疼痛に対するアプローチ」であった.免許取得からの年数で分類すると3年以下の8名では1位が「画像診断の方法」,同率2位「注意障害へのアプローチ法」「脳卒中患者の歩行練習方法」,「腰痛の評価とアプローチ」等であり,年数10年以上の9名では1位が「臨床動作分析からの治療介入」,同率2位「訪問リハビリの現状と課題」「腰痛の評価とアプローチ」,同率3位「慢性疼痛に対するアプローチ」,「小金井市のサービス提供内容について」等が上位にランクされていた.<BR>【考察】<BR>全体1位となった「腰痛の評価とアプローチ」は職種別、免許取得からの年数別のランキングでも上位にランクしていた.腰痛患者はリハビリテーションの対象となる機会が多いため上位に入ったと考えられる.年数別では,新人は評価等の基礎知識,ベテランでは保険やサービスに関する事が上位となり相違を示した.職種,年数によって求める研修が異なることが明らかとなり,研修を提供する前に,どの層を対象として企画するか熟考する必要がある.<BR>【まとめ】<BR>研修は技術向上のために不可欠だが,ニーズ調査は十分になされていない.対象者の臨む研修内容を明らかにした点は,今後有意義な研修を行う為に貴重な資料となった.