著者
野沢 健人 若林 啓
雑誌
第8回Webとデータベースに関するフォーラム論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.88-95, 2015-11-17

グラフ構造におけるコミュニティ発見手法は,ソーシャルメディアや共著関係,商品の購買データなどから機能的・構造的にまとまりをもったノード群を抽出し分析することを可能にする重要な技術である.特に近年では,非常に大規模なグラフを解析する機会が多くなってきているため,グラフの規模に対してスケーラブルなコミュニティ発見手法が求められている.本研究では,あるノードから距離 1 以下のノードの集合を文書とみなしてトピックモデルを学習し,トピックごとのノードの予測分布を用いてコミュニティ発見を行う手法について論じた上で,トピックモデルの学習に確率的変分ベイズ法を適用することで,データの規模に対して高いスケーラビリティをもつ重複コミュニティ発見手法を提案する.実験により,提案手法は 6000 万ノード,18 億エッジからなる大規模ネットワークに対しても,既存手法と比較して高速なコミュニティ抽出を実現できることを示す.
著者
楠山 研
出版者
九州地区国立大学間の連携事業に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
九州地区国立大学教育系・文系研究論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.No.7, 2015-10

本研究は、NCLB法(No Child Left Behind Act of 2001)の導入により、アメリカの公立学校において英語以外の言語による教育が事実上難しくなり、バイリンガル教育への視線も厳しくなる状況の中にあって、移民を多く抱えるカリフォルニア州において中国語を含むバイリンガル教育を実施している教育機関・施設(=ロサンゼルスの公立小学校とサンフランシスコの就学前教育施設)に注目して、その生き残り策を探ることを目的として検討を加えてたものである。
著者
板倉 聖宣 イタクラ キヨノブ
雑誌
井上円了選集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.425-448, 2001-05-20
著者
山内 賢幸 坊農 真弓 相原 健郎 西本 一志
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2010-HCI-137, no.10, pp.1-8, 2010-03-12

学会の懇親会や結婚式の披露宴などの立食形式パーティーで会話の輪から孤立している人がいる. この会話の輪に入ることが出来ていない状態の人を「孤立者」と呼ぶ.本研究では立食形式パーティーの映像を使いハンドアノテーションを行う.そしてそこから得られたアノテーションデータを用いて孤立者の検出を行う.今回提案する検出手法は会話集団を見つけ,それ以外の人を孤立者とする方法である.人が映像を見て直感的に孤立者と判断したデータと提案手法で得られた結果との比較を行い,どれだけ孤立者が検出できたのかを明らかにする.またその結果から今後の課題についても検討を行う.

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雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, 2016-02-15
著者
樋渡 達也 鈴木 優 水口 充
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2012-HCI-146, no.2, pp.1-7, 2012-01-12

カレンダーや写真アルバムなどの各種情報を手軽に共有できる Web サービスが多く存在しているが,それぞれが個別のコミュニケーションチャンネルとなっている,利用するためのユーザインタフェースがサービスや端末ごとに異なる,という問題がある.そこで,Twitter をユーザインタフェースとして Web サービスを統合することによって,コミュニケーションチャンネルを一元化する手法を提案する.具体的には,ユーザはエージェントとなる Twitter アカウントに対してコマンド形式のツイートを送ることで各種 Web サービスを利用することができる.また,エージェントアカウントは適宜フィードバックとなるツイートを行う.このようにして Web サービスの利用状況をグループメンバ間で共有できるので,コミュニケーションの活性化を図ることができる.
著者
相馬 伸一 ソウマ シンイチ Shin'ichi Sohma
雑誌
広島修大論集. 人文編
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.363-409, 1999-09-30

This paper consists of the translation of two articles from 'Philosophers on Education' edited by Amelie Rorty (London, Routledge, 1998). Based on such an understanding that philosophy is implicitly pedagogical, this book aims to provide a historical description of educational viewpoints among various philosophers. In the former article entitled the Ruling History of Education, Rorty gives a brief historical overview of the history of educational ideas in terms of the history of philosophy. With her aim in mind, various contributors try to depict the educational ideas of philosophers, including relatively unfamiliar figures in the history of education such as Descartes, Hobbes, Spinoza and Leibniz. The latter article entitled Descartes, or the Cultivation of the Intellect, which was written by Daniel Garber, tries to understand Descartes' philosophy as educational thought. This attempt might give some suggestion as to how the framework of the hisotorical study on educational thought can be widened.
著者
澤井 里枝 有安 香子 藤沢 寛 金次 保明
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.43, pp.1-8, 2010-11-05

近年,放送予定番組の中からユーザの好みに合った番組を推薦する手法が多数提案されている.従来の手法では,番組の視聴履歴やWebの閲覧履歴などを収集することでユーザの好みを学習し,推薦する番組を判定するものが多かった.しかし,そのような履歴データは,テレビをあまり見ていないユーザや,個人情報を公開しないユーザなどからは収集できない.さらに,本人の履歴を利用する手法では,新しい種類の番組や嗜好の変化への対応が困難という問題があった.そこで本研究では,ソーシャルネットワークサービス(SNS)からユーザどうしの関係や他ユーザの書込みを取得し,協調フィルタリングにより番組推薦する手法を提案する.SNSを利用することで,履歴データやWebへの書込みが取得できないユーザも対象とすることが可能となる.また本手法では,単に本人の好みに合った番組を推薦するだけでなく,流行の番組や友人が視聴している番組などユーザが知らなかった番組も推薦する.
著者
木村 勲
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 文学部篇 = Journal of the Faculty of Letters, Kobe Shoin Women's University : JOL (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-20, 2014-03-05

樋口一葉は近代日本における最初の職業的女性作家である。しかし、小説としては源氏物語や西鶴など伝統文芸の系譜のなかにあり、もっぱら古文で書いたということもあって旧派とみなされてきた。実際、代表作の『たけくらべ』(一八九五年)や『にごりえ』(同)は、遊郭や銘酒屋街という前近代的な場所における人間模様を扱ったもので、一見モダンを感じさせるものではない。とりわけ男女の凄惨な死で唐突に終わる『にごりえ』の評価は、代表作とされながら分かれるところもあった。ストーリー的に無理があるのだが、作品の魅力は疑いなく、すでに古典の地位を得ている。本稿は『にごりえ』の三年前に内田魯庵により邦訳された『罪と罰』が一葉に与えたインパクトを明らかにする。孤独地獄のラスコーリニコフに重なる虚無的なヒロインお力の検証を通じ、古い言語表現のなかに息づく一葉の先導的なモダニズムを検証する。