著者
藤井 暁彦 道山 晶子 田中 憲一 横山 佳裕
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.103-108, 2016 (Released:2016-07-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

夏季に干潟温度が40 ℃近くまで高温化する和白干潟では, この温度上昇がアサリの斃死要因のひとつとなっている。アサリが35 ℃以上になると斃死することは既往の研究においても指摘されているが, 温度と暴露時間, 生残する個体の割合についての知見は乏しい。そこで, 高温暴露実験によりアサリ稚貝の生残率と温度, 暴露時間との関係を求め, この生残率を温度と時間の関数として定式化することにより, 高温条件によるアサリ稚貝の減耗の程度を明らかにした。この式により求めた生残率の推定値と, 野外における高温条件と稚貝の個体数密度の経時変化から, 野外においても高温条件がアサリ稚貝の減耗要因のひとつとなっている可能性が示された。本実験に基づく, 一定割合の個体数の減耗を現す温度・暴露時間と生残率の式は, アサリ稚貝の減耗の状況を定量的に推定するものとして有効であると考えられた。
著者
平井 一夫 飯田 展久
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1788, pp.36-39, 2015-04-20

赤字が続き、上場来の無配に陥るなど苦境が続くソニー。ステークホルダーからは経営体制に対する非難の声も上がり始めた。辛辣な批判に現経営陣の要はどう応えるのか。

1 0 0 0 OA 双岩村誌

著者
[曽我鍛] [編]
出版者
双岩村
巻号頁・発行日
1919
著者
清 ルミ
出版者
神田外語大学
雑誌
異文化コミュニケーション研究 (ISSN:09153446)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.17-39, 2003-03

研究論文ArticleThis study aims to verify whether actual Japanese way of speaking is reflected in Japanese language textbooks, which are usually considered the model of speech and behavior for foreign students. Expression of understatement could be said to be typical aspect of Japanese speech patterns. In this study I focused on the expression "tumaranaimonodesuga". Scenes involving the giving gifts were analyzed and collated from Japanese language textbooks and compared with the results of surveys held in Shizuoka Prefecture. Through this comparative study I verified the validity of the following three theories. First theory is that Japanese people actually use phrases expressing deference or humility when giving gifts. Second theory is that "tsumaranaimonodesuga" is one of the most typical phrases Japanese people use when giving gifts. Third theory is that the phrases introduced in Japanese language textbooks to describe scenes giving gifts are actually the phrases expressing humility that Japanese most often use. Comparative study showed that while the first theory was proven as valid, the second and third theories were not.
著者
井上 能行
出版者
名古屋工業大学技術倫理研究会
雑誌
技術倫理研究 (ISSN:13494805)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.57-76, 2006

日本では「技術者に悪い人はいない」というイメージがある。たとえば、耐震偽装事件でもっとも責任があるはずの姉歯建築士への非難の声はそれほど大きくはない。一方、技術が絡んだ事件や事故では、社長が記者会見して頭を下げるだけで、技術者がきちんと説明することは少ない。技術者が自ら、わかりやすい言葉で説明をすることも社会的な責任だと考える。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1906年10月30日, 1906-10-30
著者
高木 俊行 守屋 秀夫 清水 裕之 小野田 泰明
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.37-45, 2000

本研究は、有価証券報告書を活用して民間の劇場の経営実態を明らかにすることを主な目的とする。損益計算書の営業損益の部に着目し、歌舞伎座、コマ・スタジアム、松竹、新橋演舞場、東宝、御園座、明治座の7社に関する売上高と経費の内訳を分析した。新橋演舞場と明治座を除く5社については、開銀企業財務データバンクを使用して売上高と経費の時系列変化を検証した。分析の結果、わが国の商業劇場の経営実態を大まかに把握することができた。
出版者
日本建築学会
雑誌
建築雑誌 (ISSN:00038555)
巻号頁・発行日
no.476, pp.109-112, 1925-01
著者
野々垣 進 升本 眞二 根本 達也 中澤 努 中山 俊雄
出版者
日本情報地質学会
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.3-10, 2020-03-25 (Released:2020-03-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

近年,公共工事の際に作成された大量のボーリングデータが,機械判読可能なデータ形式で,国や自治体のウェブサイトを通して利用できるようになっている.本研究の目的は,地質学的解析におけるボーリングデータの有効利用を促進するために,岩相分布等をよく表現できるボクセルモデルを簡便に作成する手法を開発することである.本稿では,ボーリングデータに記録された岩相情報と,ボーリングデータの位置情報を基に得られるボロノイ図とを利用して,大量のボーリングデータから客観性の高い岩相ボクセルモデルを簡便に作成する手法を提案した.また,本手法の有効性を評価するために,東京都世田谷地域における約3,100本のボーリングデータを利用して,8種類の岩相から構成されるボクセルモデルを作成するとともに,その鳥瞰図および水平・鉛直断面図を作成した.その結果,本手法による岩相ボクセルモデルでは,対象地域の3次元的な岩相分布を概観できることを確認した.本手法は,3 次元地質モデリングにおけるボーリングデータの地層の対比処理の効率化に役立つと期待できる.
著者
岩佐 壮四郎
出版者
関東学院大学[文学部]人文学会
雑誌
関東学院大学人文学会紀要 = Bulletin of the Society of Humanities Kanto Gakuin University (ISSN:21898987)
巻号頁・発行日
no.134, pp.160-128, 2016

これまで、新歌舞伎(近代歌舞伎)の作家のうち、岡本綺堂、岡鬼太郎、池田大伍らの喜劇について検討してきたが、本稿では、木村錦花の喜劇を取り上げる。錦花には、『研辰の討たれ』『東海道中膝栗毛』などの喜劇があるが、本稿では一九三〇年代から開始されるモダニズムの先駆的試みとして、演劇のみならず、その後の音楽、美術、文学にまで影響を及ぼすこれらの作品について、近年の野田秀樹『野田版・研辰の討たれ』などにまで視界を拡げながら新しい光をあてることとする。錦花はまた、歌舞伎座幕内部長兼立作者代理として松竹による歌舞伎の近代的展開に深く関与してきたが、歌舞伎座・明治座・新橋演舞場・道頓堀中座・角座・浪花座・京都南座などを中心に、昭和前期の交通・通信の発展を背景にした映画館のネットワークの形成と共に発展してきた近代興行資本としての松竹と、商業演劇のプロデューサーとしての彼の果たした役割について、独自の歩みを続けた前進座の営みにも言及しながら考察することが本稿の課題である。
著者
関 文夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.702, pp.56-57, 2018-12-24

ポルチェベーラ高架橋の落橋事故では、設計者のリッカルド・モランディに対する非難の声が上がった。モランディとはどのような人物なのか。同橋は失敗作だったのか。橋梁デザインに詳しい日本大学の関文夫教授が解説する。
著者
岡田 耕治 渡邉 洋輔 齊藤 梓 川上 勝 古川 英光
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.81-87, 2016-03-10 (Released:2016-05-27)
参考文献数
16
被引用文献数
1

3D プリンターが,「材料に合わせた方式でユーザーが設計した通りの構造物を造形する新たなツール」として注目され始めてからはや数年。この3D プリンターブームは,熱溶解積層法の特許失効による開発コストの低減,3D ソフトウェアのフリー化,インターネットによる情報の共有化が背景にあり,いまや個人レベルでのモノづくりを可能にした。一方,全く別の経緯で同時期に,著者らは3D ゲルプリンターを開発に着手しており,数百 μm オーダーで柔らかくて潤いのあるゲルの三次元造形に成功している。本稿では,従来の3D プリンターで使 用される樹脂や金属,セラミックなどドライマテリアルにはないゲルの優位性と,その特徴を生かしたゲル造形物の将来性,開発の経緯の一つである高強度ゲルの登場を述べながら,実際の造形方法・造形例について紹介する。既存の3D プリンターによるモノづくり革命をさらに加速するツールの一つとして,3D ゲルプリンターが活躍する日は近い。