出版者
八幡大学法経学会
雑誌
八幡大学論集 (ISSN:03853578)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.p1-124,巻頭5p,肖像巻頭1枚, 1979-09
著者
伊波 香 今井 昭一
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.4, pp.118-124, 2003-03

昨年度の本誌に、scrape-loadingによって蛍光色素を細胞内に取り込ませ、周囲細胞への移行の様子で、gap-junctionを介する細胞間の情報交換について検討するEl-Foulyらの手法について紹介すると共に、この方法を用い、腎上皮由来の細胞と言われるNRK-52E細胞で得られた結果の幾つかについて報告したが、今回は、1つの細胞に、直接選択的に、蛍光色素を注入する事のできる微量注入装置を用いて、蛍光色素を直接細胞内に注入する方法で行った実験の結果について報告する。細胞は、昨年同様、NRK-52E細胞であり、細胞間情報交換の指標とした蛍光色素も同じくlucifer yellow(LY)である。色素が注入された細胞を明らかにする為、LYと共にethidium bromide(EB)を細胞内に注入した。微量注入装置の自動注入機能を利用し、保持圧を150 ヘクトパスカル、注入圧を800-1100ヘクトパスカル、注入時間を0.8秒に設定して注入を行った。その結果、NRK-52E細胞群では、1つの細胞に注入された色素は、ほぼ均等に周囲の細胞に拡がること、10-15分で、色素の拡がりはピークに達する事、代表的な腫瘍プロモーターであるTPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate)(10-100 ng/ml)、10-20分処置によって、色素の拡がりが完全に抑制されることがわかった。Intercellular communication through gap junction was studied in NKR-52E cells in culture using the transfer of a fluorescent dye, lucifer yellow, as a measure. Instead of a scrape loading method used in our previous work(Une K. and Imai S.), a direct microinjection method was used. The dye was injected with a microinjector(Eppendorf FemtoJet) via a glass capillary (Eppendorf Femtotips) impaled into the cell. The microinjector was operated with a micromanipulator(Eppendorf 5171). Another dye, ethidium bromide, was injected together with LY to identify the cell into which the dye was injected. Fluorescence of the dyes was monitored with an inverted fluorescent microscope (Leitz DMIRB). Contrary to our previous findings obtained with a scrape-loading method, cell-cell communication was found to be inhibited completely by a representative tumor promotor, TPA(12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate).
著者
伊東 敏雄
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.56-57, 2005

新入生が理科の数値をどのくらい知っているかを調査し、過去のデータを比較した。ゆとり教育による学習時間の減少を反映して、また生活が便利になったことを反映して、受験に関係しないような数値、身の回りの理科の数値の認識度は、少しずつ低下している。例えば乾電池の電圧を1.5V前後に答えるものは7、8年前の7割から5割程度に低下した。さらに数値の単位に関して、無頓着になる傾向にある。台風の時期には「ヘクトパスカル」はよく聞く単位であるが、「ヘクト」は昨今の学生の耳には聞こえてないようである。
著者
垣花 学 井関 俊 中村 清哉 渕上 竜也 神里 興太 須加原 一博
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.386-391, 2013 (Released:2013-07-13)
参考文献数
19

胸腹部大動脈手術中に硬膜外モルヒネを投与された症例で,ナロキソンの静脈投与により対麻痺症状が著明に改善された.この症例を機に,ラット脊髄虚血モデルを用いて一過性脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与による脊髄運動神経障害に関する研究を行った.その結果,くも膜下モルヒネには虚血性脊髄障害を増悪させる作用があることが示唆された.これまでの臨床経験およびわれわれの研究結果から,「麻薬は虚血性脊髄障害を増悪させる」可能性が高いと思われる.
著者
大橋 恵 井梅 由美子 藤後 悦子
出版者
Japan Society of Sports Industry
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_39-1_49, 2022 (Released:2022-01-20)
参考文献数
29
被引用文献数
1

Grit, the ability to continue to work passionately and persistently on long-term goals, has been attracting attention in recent years as a factor that contributes to life success. The Grit Scale consists of two sub-scales, “consistency of interest,” which is the passion to put effort into the same goal over a long period, and “persistence of effort,” which is the tenacity to continuously strive for the goal. Among several activities that may increase grit, we chose coaching style in a sports club. An online survey was conducted with freshmen from a university and a vocational school who had participated in sports clubs in the past, that is, until they graduated from high-school (n=415), and those who did not have such experience (n=88). Sports club members were found to have higher persistence of effort than those who did not belong to sports clubs. Moreover, among sports club members, the persistence of effort score was higher after controlling the five personality scores when the club was more active and when their coach was more task-oriented. Although a causal relationship cannot be determined because this was a cross-sectional survey, this study is significant as it shows the possibility of the positive effect of continuous participation in sports and the coaching style. In the future, it is recommended that studies use various samples and a longitudinal study design.
著者
加賀美 充洋
出版者
アジア経済研究所
雑誌
ラテンアメリカレポート (ISSN:09103317)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.26-27, 1986-06-20
著者
垂水 千恵
出版者
横浜国立大学留学生センター
雑誌
横浜国立大学留学生センター紀要 (ISSN:13406493)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.114-124, 1998

呂赫若(1914~1951)不但是日本時代台湾文壇代表作家而且是以声楽家聞名.但是,呂赫若研究一向有重視文学方面,而軽視音楽活動方面的傾向.1996年12月,在台北挙行的「呂赫若文学研討会」上,有両個値得注目的論文報告,蘇友鵬「談芸術家呂赫若的面貌」和藤井省三「呂赫若與東宝国民劇」.両篇論文都是研討呂赫若的音楽活動方面,尤其是藤井論文考察呂演出「東宝声楽隊」的経過.本論文,以台中師範的音楽教師磯江清的経歴和音楽家呂泉生的書簡等的新資料補足藤井論文,考察更詳細的呂赫若的音楽活動.本文第1章,将介紹台中師範学校提供的音楽教育内容.第2章裡,考察台中師範的音楽教師磯江清的経歴,指出磯江和東京音楽学校教授長坂好子的関係.第3章裡,査証呂在籍東宝声楽隊的事実.第4章,将介紹東宝声楽隊的活動内容,考察山田耕筰対台湾文化協進会的影響.
著者
平田 英夫
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.11-21, 2012

<p>勅撰和歌集の「序文」は「和歌」をどのように記述したのであろか。本論では、序にて示される和歌にまつわる情報のなかでも、その始まりや起源をどのように記述しているのかについて注目し、検討していく。特に古今集仮名序における「この歌、天地の開けはじまりける時よりいできにけり」という天地開闢時に和歌が出現したとする啓示のような文言に、中世勅撰集の序文がどのように向き合っていくのかについて考察した。</p>
著者
宮田 昇
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.37, no.415, pp.361-370, 1988-04-15 (Released:2009-06-03)
参考文献数
45
被引用文献数
4 4
著者
山崎 恒夫
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

アミロイドβ蛋白(Aβ)とタウ蛋白の脳内沈着はアルツハイマー病を特徴づける重要な所見だが、両者の存在が単なる合併なのか、あるいは何らかの関連が有るのかは不明であった。ニーマン・ピック病タイプC(NPC)はNPC遺伝子に変異を持っ遺伝性神経変性疾患であり、興味深いことに神経細胞内にアルツハイマー病と全く同じタウの沈着が生じる。NPCのもう一つの特徴は細胞内、特に後期エンドソーム内にコレステロールが沈着することであり、これがNPCの本態と考えられている。近年、アルツハイマー病とコレステロールの関連が想定されつあり、私はNPCに見られるコレステロール輸送異常機構がいかにタウの沈着に結びつくか、またAβの異常とも関係があるのかを検討することとした。まずAβを産生するCHO細胞にType2 amphiphileを作用させ、NPCと同様にコレステロールを細胞内に蓄積させた。次に、コレステロールを蓄積する後期エンドソームを細胞分画法によって集め、生化学的に解析したところ、Aβが同じ画分に凝集していることが判明した。そこで、後期エンドソームをセルソーターによって集め解析すると、やはりAβの凝集が明らかとなった。このエンドソーム内へのAβの蓄積はコレステロールの蓄積量に依存していた。一方、Runzらは同様の処理を細胞に行い、エンドソーム内にAβの産生酵素を検出した。これらの事実は、後期エンドソームがAβの産生部位の一つであることを示すとともに、コレステロールの輸送異常はタウ並びにAβの細胞内蓄積を生じさせ、このことがアルツハイマー病の病態発生に関与している可能性が考えられた。
著者
七澤 風画 芳賀 仁
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2, pp.125-134, 2022-02-01 (Released:2022-02-01)
参考文献数
12

This study proposes a control method for a dual inverter to extend the output speed range of an interior permanent magnet synchronous motor with open-ended windings. The secondary inverter with a floating capacitor for the dual inverter supplies reactive power to the motor. In the proposed method, the reactive power required to drive the motor is calculated using an inductive voltage-limiting ellipse, and the d-axis current reference value and output voltage of the secondary inverter are determined. In the proposed control method, the primary inverter of the dual inverter supplies the effective power to the motor to expand the output speed range. The experimental results indicate that the output speed range is significantly improved and the constant torque region is expanded by approximately 41% compared with that in the conventional method.
著者
小嶋 洋介
出版者
中央大学人文科学研究所
雑誌
人文研紀要 (ISSN:02873877)
巻号頁・発行日
no.92, pp.267-296, 2019

井筒俊彦にとって,コトバの問題は,その哲学の中核をなしている。しかしながら,その言語哲学は,通常の意味での「言語学」とは言えない。「存在」問題から切り離されることはなく,いわば言語=存在哲学を形成しているからである。同時に,井筒にとっての「存在」哲学は,「一なるもの」の位相に立つ体験知を要請するものでもある。いわゆる「神秘哲学」の「視座」を懐胎している。故に,言語=存在神秘哲学とでも言えるものを形成しており,一見,特異な言語哲学であるという印象を与えるが,「東洋哲学」の領域においては孤立した思想ではない。種々の類縁・相関する思想を見出すことができ,井筒はそこから東洋哲学における「共時的構造」を紡ぎ出している。そもそも井筒の多くのテクストは,異種の複数テクストを横断的に接合しつつ,その編目に自身の哲学を縫いこんでいくスタイルを取っている。本論考で,我々は空海の言語思想に井筒と相応する哲学を見出している。論の中核は,空海思想の読みを通じて,そこに井筒の言語=存在哲学を現成させる試みにある。もとよりこの一論考で,井筒の言語哲学の全貌を論じ尽くしているわけではない。ささやかな一歩を刻むものにすぎないことを,明記しておく。
著者
岡田 恵美
出版者
日本音楽教育学会
雑誌
音楽教育学 (ISSN:02896907)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.13-23, 2019 (Released:2020-04-02)
参考文献数
25

本稿では, 近年, なぜインドの若年層を中心に北インド古典音楽の学習者が増加しているのか, という問題を三つの要因から検証した。第一の要因は, 若年層対象の古典芸術の普及活動が興隆し, 学校公演を通して古典音楽に触れる環境が若年層に興味・関心を萌芽させていること, 第二の要因として, インドの経済成長に伴う教育熱の高揚によって, 放課後のお稽古事として北インド古典音楽の学習が拡大している点を指摘した。幼少から親しむ映画音楽が学習契機の媒介となり, 毎年の古典音楽資格試験が, 学習継続の動機として機能している。また第三の要因として, 古典音楽の学習が大学進学受験とも関連している点を指摘した。インド最大の中等教育統一試験CBSE試験では, 北インド古典音楽の科目受験者の増加が顕著であり, その学習内容が前述の古典音楽資格検定試験のカリキュラムを踏襲し, 受験対策が幼少からのお稽古事と関係していることも明らかとなった。
著者
塩見 正衛
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.209-215, 2021-01-15 (Released:2021-03-28)
参考文献数
24

アメリカ統計協会(ASA)の声明(2016年)を契機に,p値と統計的検定の問題点を摘出,草地・農学における実験・調査研究へ問題提起を行った。ASA声明は,例えば平均の差の検定において,大きいp値や帰無仮説の受容は,平均が等しいことを意味していないこと,社会的な実情を顧慮せず, p値だけで科学的結論や政策決定を下すべきでないと述べている。本稿では,p値と統計的検定をめぐるFisher派とNeyman-Pearson(N-P)派の違いを示す。N-P派の検定は新技術創出や品種育成など技術的改良の検討に,Fisher 派の検定とp値重視は新知識の確定に適している。また,多重性はp値に影響するので誤用に注意しなければならない。統計学論理と実用面の教育の充実が,技術的改良や知識発見における錯誤を防ぐ。
著者
岡田 昌彰 福部 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_552-I_557, 2012
被引用文献数
2

近年,臨海工業都市において「新たな観光資源」として工場夜景が注目されている.一方,事業の進捗に対し当地における沿岸域景観の現況やその評価実態に関する基礎的研究は行われていない.<br> 本研究では堺泉北臨海工業地帯を対象とし,現地調査による景観形成要素の抽出・整理,及び当地の景観を対象としたウェブ上のブログに掲載された写真の内容ならびに言及内容を昼夜別に比較・分析し,夜景の評価実態ならびに選定される視点場の特徴について把握した.その結果,(1)夜景においては非現実のSF的な「別世界」を投影する傾向が見られること,及び(2)障害物が少なく,水面を挟むことで「ひき」が確保でき,あるいは「まとまり」として景観を捉えやすい視点場が多数撮影されていることなどがわかった.