著者
高木 亨
出版者
The Tohoku Geographical Association
雑誌
季刊地理学 = Quarterly journal of geography (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.121-136, 2005-10-31
被引用文献数
1 1

本研究は, 醤油醸造業者の存立要因の一つとして消費者の醤油嗜好の地域性を想定し, 醤油の生産統計をもとに, 醤油生産の地域的な特徴について考察した。醤油の二大産地は千葉県と兵庫県であり, 千葉県産が関東地方で, 兵庫県産が関西地方で圧倒的なシェアを占めている。しかし, それらの周辺地域ではあまり高いシェアを占めてはいない。全国で広く生産されている醤油は,「濃口」,「本醸造」,「特級」であるが, その生産方式は一様ではなく, 同じ「濃口」でも東北, 北陸, 中国, 九州の各地方では「新式醸造」と「アミノ酸液混合」が多いなどの地域差がみとめられる。これは, 消費者の醤油嗜好の地域的差異の表れと考えられる。醤油の生産と流通の特徴を整理すると, 各都道府県は (1) 県内産醤油の割合が高い「県内産醤油優位型」, (2) 県内産醤油と県外産醤油との割合がほぼ等しい「県内・県外均衡型」, (3) 県外産醤油の割合が高い「県外産醤油依存型」の3つに大別できる。以上の検討から, 醤油嗜好の地域性の一端を明らかにすることができた。
著者
大森 竹仁 林 尚示
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.95-104, 2005

本研究は,生徒会活動を通して集団づくりをすることを目指す一連の中で,特にリーダーの資質について検討したものである。具体的には,大学の学生及び中学校の生徒,並びに中学校の生徒会主任教師を対象とした調査を実施し,その結果をもとにリーダーの資質として重視されている内容を明確化した。この作業により,特別活動で望ましい集団活動を通して人間形成をしていくために,特に特別活動の中での生徒会活動の果す役割が明確化してくる。更には,リーダーの資質に焦点化して研究を進めることにより,今後の学校教育の中で,生徒会活動の教育的効果や教育的価値の再確認に繋がる成果が期待できる。
著者
池田 マイケル
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.11-18, 2008-01-31
被引用文献数
3

本研究は本文用欧文書体を通して、SD法を用いた印象評価実験を行うことにより、通念的な印象と、実際の印象の整合性を検証した。また、それをすることによって、書体のもつ造形的特徴が、どういった印象を誘発しているのか関連性を探った。今回の実験では、用途別、国別、様式別という選定基準から選出した、Gill Sans、Futura、Frutiger、Caslon、Didot、Palatinoの書体に対して、SD法データに基づいた因子分析とクラスタ分析を行った。その結果、書体の印象を説明しうる共通因子として「穏和性と曲線美」、「完全性と均衡美」、「重厚性と品格美」、が抽出された。それらをもとに分析を進め、最終的に「書体の通念的印象と実際の印象は、ある程度は一致するが、そうでない部分も多い」、という結論に至った。また、装飾性の低さと、ストロークが均一であることが「読みやすい印象」を誘発する最も強い造形的特徴であることも分かった。
著者
熊谷 慎一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.797-807, 2012
被引用文献数
1 1

東日本大震災の発生から9か月あまりを経過した現在,被災した宮城県内の公共図書館を中心に被害状況・復旧状況を概観する。震災による被害は,地震に伴って発生した大津波による被害だけではなく,地震の揺れによる建物被害もあり,このことがあまり一般に報道されていないことを指摘した。宮城県図書館は,県域の公共図書館への復興支援として,各種事業を間接支援・直接支援という大きく2つの軸で展開した。これらの事業の主なものを紹介する。中でも,南三陸町図書館の再開までの支援について,詳細に取り上げる。さらに,県立図書館が,支援者と受援者の間で機能する役割を担っていることを明らかにし,中間組織の必要性を検討した。何が課題としてあるのかを指摘し,今後,大規模災害が発生した時に必要な支援のあり方について,現時点での考察を試みた。
著者
古林 宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.10, no.10, pp.208-210, 2001-11

CRMの推進と成功において、日本企業が見落としている大きなポイントがある。経営者自身の強力な関与である。特に、インターネットを利用したCRMであるeCRMにおいては、その出来不出来で経営者自身のITに対する見識までうかがえることさえある。 もう3〜4年ほど前になるが、洋書の注文をするために初めてアマゾン・ドットコムにアクセスしたときのことだ。
著者
長坂 晃朗 田中 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.543-550, 1992-04-15
被引用文献数
128

本論文では ビデオデータベースを実現するための基本アルゴリズムとして ビデオ情報の自動索引付け手法と 特定物体のフルピデオ検索法を提案するこれらは フルテキストデータベースにおける自動索引付けと全文文字列検索に対応する検索機能をビデオデータベースに提供するビデオ情報の自動索引付けは 再生中のビデオ情報から実時間でカット変わりを自動検出することを基本とする各カットの最初のフレームや最初の短時間の映像は そのカットに特徴的な情報であり これらの画像や動画像を表示するiconやmiconのリストは ビデオ情報の索引として用いることができるリスト中の各miconをマウスで指定し 対応するカットのフレーム番号をRS232Cを介してVTRやLDに伝えることによって そのカットを自動再生させることができるフルピデオ検索は 検索者が指定した物体が現れているフレームをビデオ情報中からすべて探し出すことを目的とする物体の指定は その物体を表す画像を与えることで行うビデオ情報に登場する物体は その現れる場面によって異なる大きさ 異なる形状 異なる向きを示すことが多いが 本論文で述べるアルゴリズムでは そのような場面の物体をも見つけることができる
著者
植田 志摩子
出版者
帯広大谷短期大学
雑誌
帯広大谷短期大学紀要 (ISSN:02867354)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.87-100, 2000-10-30

帯広大谷短期大学に在学する女子短大生363人を対象に、欠食および孤食状況、食品の摂取頻度、外食の回数、調理済み・半調理済み食品の利用状況、起床・就寝時刻、喫煙および飲酒状況、自覚症状などを検討し、次の結果を得た。1)肥満度では、普通が49.7%で最も多く、次いで、やせの37.5%であった。2)朝食の欠食率をみると、毎日欠食およびときどき欠食すると答えた者は、合わせて44.6%と高い値を示した。栄養士課程の学生の朝食および昼食の欠食率は、他学科より低かった。3)社会福祉科では一人暮らしで自炊をしている者が約5割を占め、それに伴い、孤食率は4割以上と高い値であった。4)食品の摂取頻度では、魚または肉、牛乳の摂取頻度が高く、逆に、果物、緑黄色野菜、淡色野菜、卵が低かった。5)栄養バランス得点では、低得点の者が約7割を占め顕著に高い値を示した。6)外食を週1〜2回以上するとした者は、約3割を占めた。7)調理済み・半調理済み食品を週1〜2日以上利用するとした者は、7割と高い値を示した。8)起床時刻は午前7時台(47.1%)が、そして、就寝時刻は午前1時以降(41.5%)と答えた者が最も多かった。9)自覚症状では、I群の"ねむい"、"あくびがでる"、"横になりたい"、"目が疲れる"の項目の訴えが多かった。
著者
福田 博美
出版者
文化学園大学
雑誌
文化学園大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.47-61, 2013-01

江戸時代中期、鈴木春信(?-1770)は多色摺による錦絵を草創させた浮世絵師である。本論文は春信の「初摺」と「後摺」の相違および「後摺」の多様性に着目し、摺りの比較から服飾描写の特色を考察し、その背景を交友関係より捉え、当時の服飾文化の一面を解明することを目的とする。『浮世絵聚花』を主要図版資料とし、摺りの重なる絵暦・見立絵・揃物に注目した。錦絵は明和2(1765)年の絵暦交換会で好事家・画工を中心に創案され、高級な奉書紙に技法が凝らされた。春信の高価な初摺は、富裕な購買層を中心に、特に三井家では京都本店への土産として重宝された。一方、再版となる後摺は、安価なため急速に庶民層へ広まり、春信の画工名を記すことで価値付けられた。幕府の禁令下、春信の錦絵制作の背景には巨川や莎雞らの工案者をはじめ、画工を学んだ西川祐信や近所の住人で親交のあった平賀源内と有力なパトロンであった三井高美との交友関係がみられた。春信の服飾描写における摺りの違いは小袖・帯・羽織等の模様に表れた。そこに鶴の丸・雪・源氏香・市松模様や空摺による布目模様がみられ、特に多様な雪模様は春信の独自性を示した。
著者
加納 実紀代
出版者
大阪府立大学女性学研究センター
雑誌
女性学研究 (ISSN:09187901)
巻号頁・発行日
no.18, pp.149-165, 2011-03

2009年度男女共同参画事業シンポジウム「70年代フェミニズムを検証する : 侵略=差別と闘うアジア婦人会議の軌跡」