著者
鈴木 徹 平野 幹雄 北 洋輔 郷右近 歩 野口 和人 細川 徹
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.105-113, 2013 (Released:2015-02-18)
参考文献数
15
被引用文献数
1

従来、自閉症児の対人相互交渉の困難は、他者理解の困難が背景要因として指摘されてきた。しかしながら、心の理論課題の結果と日常生活の様相について実証的な研究は行われてこなかった。本研究では、高機能自閉症の一事例を対象に、心の理論課題の実施と実際の様相、とりわけ自身の言動と他者の言動の因果関係の理解の様相から対人相互交渉の困難の要因について検討を行った。その結果、心の理論課題を通過した対象児は、対人相互交渉において、過去の他者の言動と現在の状態との因果関係について適切な解釈を行っていた。一方、過去の自身の言動と現在の状態の因果関係について誤った解釈を行うことが多かった。このことから、対人相互交渉の困難を招く一因として、自己の言動の認識の困難という可能性について論じた。
出版者
商工省
巻号頁・発行日
vol.第95号, 1926
著者
小柳 めぐみ
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.24-27, 2020-01-20 (Released:2021-01-01)
参考文献数
10

高等学校「化学基礎」の教科書では,ろ過,蒸留,抽出,再結晶及びクロマトグラフィーに加え,昇華法が扱われている。これらの分離・精製法のうち,小学校ではろ過,中学校では再結晶及び蒸留を学習している。本稿では,小学校から高等学校で児童・生徒が学習する流れを踏まえて,教科書で扱われている分離・精製の実験等を紹介する。
著者
福井県総務部統計文書課
出版者
福井県
巻号頁・発行日
vol.昭和36年, no.(9), 1963-03-31
著者
矢野 耕也 鈴木 英之 竹中 理
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会論集 (ISSN:18834930)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.15-20, 2008

企業の与信を評価する際に,定性スコアリングシートを使用する場合がある。そのとき,定性的な評価に対して客観性を持たせることと,また与信を正しく評価可能とする尺度を与えることが課題であった。またスコアリングシートは評価項目が多いために,定量的な尺度で総合評価することが望ましいといえる。ここではスコアの配列を一種のパターンとして捉え,スコアから総合パターンの値を求める方法に品質工学のマハラノビスの距離を用いた。またパターンの規則性を可視化するために直交表の適用を図った。その結果,36項目の定性スコアを一元化した数値で求められ,また直交表から得られる要因効果図で,潜在構造を可視化することを達成した。
著者
鈴木 徹 平野 幹雄
出版者
NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会
雑誌
自閉症スペクトラム研究 (ISSN:13475932)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.67-72, 2018-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
11

本研究では、知的障害特別支援学校中学部および高等部に通うASD児と知的障害児を対象とした自己/他者理解課題の実施と教員を対象とした社会的相互作用場面に関する半構造化面接の実施から、ASD児における自己/他者理解の程度と社会的相互作用との関連について検討した。結果として、ASD群は自己/他者理解課題の通過率が知的障害群よりも低かった。また、ASD群では自己/他者理解の程度が低い(高い)と社会的相互作用の自己/他者理解の問題が多い(少ない)傾向を示したが、知的障害群ではそのような傾向は認められなかった。これらのことから、ASD児においては、自己/他者理解の程度と社会的相互作用の様子に関連があり、自己/他者理解の程度が社会的相互作用における自己/他者理解の問題の頻度に反映されていることが示唆された。
著者
深井 喜代子 大名門 裕子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.3_47-3_55, 1992

注射や採血などの針刺し時に生じる痛み(注射痛)を訴える患者に対処するために,三種類の看護的除痛技術実施中に,手背部痛点分布密度がどのように変化するかを調べた。被験者には88人の健康な学生(男27人,女61人,18-37才)を選んだ。痛点はタングステン製の刺激毛(直径140μm)を用いて測定した。反対側の手背マッサージにより,男の48.1%,女の60.7%で痛点数が減0少したが,男の48.1%,女の32.7%で逆に増加した。同側手背の蒸しタオルによる温罨法では,痛点は著しく減少し(男77.8%,女85.2%),氷嚢と冷やしたタオルによる冷罨法では,効果は更に大きかった(男85.2%,女91.8%)。以上の結果から罨法は注射痛に有効であること,またマッサージも一部の例では効果的であることが明らかになった。更にこのような看護的除痛のメカニズムについても考察した。
著者
下平 拓哉
出版者
国士舘大学政経学会
雑誌
國士舘大學政經論叢 = SEIKEI-RONSO = THE REVIEW OF POLITICS AND ECONOMICS (ISSN:05869749)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-19, 2018-06-25

目次はじめに1 高木惣吉の「ブレーン・トラスト」2 終戦に影響を与えた人々3 二つの聖断4 海軍がなし得えたこと5 海軍がなし得なかったことおわりに
著者
眞田 治子 Haruko SANADA
出版者
国立国語研究所
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
no.11, pp.100-114, 2002-04

東京学芸大学幕末から明治初期にかけて,西欧文化との接触や文明開化の影響によって数多くの新しい単語が生じた結果,日本語の語彙はその基本的な部分にまで大きな変動がもたらされた。この研究は,そのような語彙の中でも特に学術分野の専門用語の一般化の過程をとりあげ,現代の各種基本語彙表や,明治から現代までの雑誌・新聞・テレビなど各種メディアにおける変遷を主に計量的手法によって明らかにしようと試みたものである。その結果,一部の専門用語は基本語彙表や現代メディアの比較的高頻度の階級に見られるなど,現代日本語の中核の部分に深く浸透していることがわかった。このような学術漢語の一般化の現象は特に雑誌などでは,明治初期から急激に進行し,1900年前後には現代の様相の基礎が既に形成されていたと推定される。
著者
朱 京偉 Jingwei ZHU
出版者
国書刊行会
雑誌
日本語科学
巻号頁・発行日
no.10, pp.80-106, 2001-10

北京外国語大学本稿は,『哲学字彙』初版・再版・三版の訳語の性質を明らかにしようとして,初版訳語の調査(1997)に続き,再版と三版の訳語をとりあげて検討したものである。再版については増補訳語の字数別で,また,三版については収録語の急増をもたらした四つの面,つまり,見出し語と訳語の増加,小見出しの増加,注脚付き語の増加,および哲学者人名の増加から,それぞれ検討した。再版の増補訳語の中で,とくに日中の現代語でともに現存するC類語とD類語に注目するほか,現存する一部の三字語・四字語にも留意すべきであろう。一方,三版の改訂が幅広く行なわれたため,増補訳語も,専門語に偏るものと一般語に偏るものとが混在していて,『哲学字彙』の専門語辞典としての性質を多様化するとともに,曖昧化してしまった。明治末期における三版の位置付けといえば,かつて初版が持っていた先進性が失われ,単なる対訳辞書の一種に過ぎなかったのかもしれない。
著者
真田 治子
出版者
埼玉学園大学
雑誌
埼玉学園大学紀要 人間学部篇 (ISSN:13470515)
巻号頁・発行日
no.7, pp.1-13, 2007-12

I have undertaken extensive research with the aim of achieving an overview of historical changes in the vocabulary of Japanese with the introduction of new European concepts from the Meiji era (1868 - 1912) up to the present. Works of the philosopher Tetsujiro Inoue in the Meiji era are recently seen as important in the process of introducing and stabilizing such new words in modern Japanese. The present research focuses on how Inoue's studies in Europe influenced the style and format of the third edition of Tetsugaku Jii, a list of scholarly terms and one of Inoue's best-known works. He wrote of discussions with English, German and French professors in his diary, and we can trace his foreign language studies through his notebooks. He insisted in his speeches and in his autobiography that it is very important to study several foreign languages if you study in Europe. We conjecture that the multilingual style with English, German, French, Greek and Latin which Inoue employed in the third edition derived from his studies in Europe.
著者
岸本健治
出版者
三菱重工業
雑誌
三菱重工技報
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, 1996-05

1 0 0 0 OA 国訳漢文大成

著者
国民文庫刊行会 編
出版者
国民文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.続 文学部第83冊, 1931
著者
居郷 哲央
出版者
岡山県警察本部刑事部
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2019

リシンはトウゴマの種子から容易に精製可能なタンパク質性の毒素であり、バイオテロに用いられる可能性が最も高い毒素と言われている。リシンを合成するメッセンジャーRNA(mRNA)を指標とする逆転写リアルタイムPCR法によりリシンを識別する方法を開発するために、1)PCRプライマーの設計、2)RNA抽出・精製法の検討、3)増幅産物及び反応特異性の確認を行った。その結果、リシンRNAを識別するために適したRNA抽出・精製法を明らかにすることができ、設計したプライマーを用いることで、リシンmRNAを識別することが可能と考えられた。