著者
Tokuma Fukuoka Tomotake Morita Azusa Saika Hiroshi Habe
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
Journal of Oleo Science (ISSN:13458957)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1609-1616, 2018 (Released:2018-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
5 12

Surface properties of cast films of poly(lactic acid) (PLA) containing 1 wt% of several glycolipid-type biosurfactants (BSs) were investigated. The wettability of PLA films containing a homologue of mannosylerythritol lipids (MEL-B), lactone-form sophorolipid (LSL), or cellobiose lipid (CL) was drastically higher than that of untreated PLA and several synthetic surfactants-containing PLA. Surface wettability was also dependent on the hydrophilicity of the substrate used during solvent casting of the PLA films. The wetting behavior of the opposing sides of MEL-B-containing films prepared on glass substrates differed significantly; the contact angle on the side of the film that had been in contact with the glass surface was significantly lower than that obtained on the side of the film that had been in contact with air. Time-of-flight secondary ion mass spectrometry (TOF-SIMS) analysis results showed that the MEL in MEL-B-containing thin PLA cast films was localized to a thin surface layer. These results suggest self-assembly of MEL-B and micro-phase separation between the PLA matrix and MEL-B domains. This resulted in the localization and orientation of MEL-B at the surface of the cast PLA film, which determined its specific wetting behavior.
著者
児玉 浩子
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.21-28, 2014 (Released:2021-08-25)
参考文献数
21

近年、重症心身障害児(者)(以下、重障児(者))においても栄養管理の重要性が指摘されている。また、栄養療法の進歩により、様々な経腸栄養剤や治療フォーミュラ(特殊ミルク、治療乳)が開発・普及している。しかし、その中には、必須栄養素が必要量含有されていないものがある。そのような栄養剤を使用して、欠乏症が多く報告されている。主なものとしては、エンシュアリキッド®にはカルニチン、セレン、ヨウ素;エレンタール®にはカルニチン、セレン;ラコール®にはカルニチン、ヨウ素;牛乳アレルゲン除去ミルク・乳糖除去ミルク・MCTミルク・ケトンフォーミュラ・先天性代謝異常症用ミルクなどにはビオチン、カルニチン、セレン、ヨウ素がほとんど含まれていない。これらを単独で使用すると、含有量の少ない栄養素の欠乏を来す恐れがある。したがって、これら栄養剤・治療乳を単独で使用する場合は、欠乏症に注意し、必要に応じて補充することが大切である。
著者
Shan Junjie 西原 陽子 山西 良典 福本 淳一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.4F14, 2017

<p>近年、アニメを代表とする日本のポップカルチャーが世界中に発展するに従い、日本語を勉強する人が増えている。学習者が増加すると共に、二つの問題が現れる。一つは教材が足りない事。二つ、伝統的な教材にはコミュニケーション能力への訓練が足りない事。 本研究は、豊かな音声や対話を含む日本アニメを新しい日本語勉強素材として、アニメの台詞を日本語各レベルとの内容を合わせ分析し日本語勉強者に向いて活用可能とする。</p>
著者
勝川 和彦
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.32-36, 1989

国立療養所北陸病院老人デイケア通所中の痴呆老人8名を対象に, モーツアルト作曲アイネクライネナハトムジイクを食事への導入音楽として昼食前に土曜, 日曜を除く毎日3カ月間にわたつてBGMとして流した. その後無音響閉眼安静時脳波と音楽を流している間の閉眼安静時脳波を記録しFFTによる解析をおこなつた. 脳波はδ波(2~3.8Hz), θ波(4~7.8Hz), α波(8~12.8Hz), β1波(13~19.8Hz), β2波(20~25.8Hz)に分類し前頭部, 中心部, 後頭部, 右側, 左側において比較した. 対照音楽としてサラサーテ作曲チゴイネルワイゼンを同様の方法で比較した.食事時導入音楽ではθ波が全領域平均で有意に減少し(P<0.05), 特に右側θ波に有意な減少(P<0.05)がみられた. 対照音楽では反対に全領域平均でθ波が有意に増加し(P<0.05)特に後頭部のθ波が有意に増加(P<0.05)していた.
著者
桝屋 二郎 井上 猛
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.229-236, 2021-02-15

抄録 いじめへの対応として,被害者ケアを語られることは多いものの加害者ケアが取り上げられることは少ない。このことは「被害者中心のいじめ像」の理解のみが先行する結果を生んだ。しかし,いじめ行為を直接起こしたのは加害者側であり,加害者への適切なケアは欠かせない。加害者もさまざまな心理・社会的基盤を持っており,時として精神障害を抱えていることもあることが判明している。また,いじめの背景には加害者個人の特性・ストレス状況・基盤障害だけでなく,大集団内に存在する小グループの特性や相互関係性などが複雑に相響しあっている。したがって,いじめ加害についてのアセスメントは個人だけでなく,集団力動にも必要となる。いじめ事態においては加害者に被害者を含めた他者への共感力があるかが抑止の大きなポイントになる。共感力を育むような加害者への適切なケアが結果として,未来の被害者をなくすことに繋がることを我々は忘れてはならない。
著者
岸本 有生 本多 佑希 漆原 宏丞 兼宗 進
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.159-163, 2021-08-21

高等学校の新学習指導要領では,目的に応じた適切なデータ収集や整理,整形について理解し技能を身につけるデータ活用の分野が注目されている.実現のために ICT の活用が期待されているが,その環境はあまり整備されていない.そこで本研究では,身近なスマートフォンの内蔵センサを利用したデータ分析の授業を提案する.実際に工学部の大学 2,3 年生に対して,オンデマンドの動画配信により授業を行った.さらに,高校生に対しても,同様の授業内容が適用できるかを対面授業にて調べた.
著者
周藤 祐汰 高木 正則 市川 尚
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.114-117, 2021-08-21

高等学校の次期学習指導要領で新設される科目「情報I」の研修用教材に対応した,ブラウザ上で動作するオンラインプログラミング環境の開発を行った.本環境では,WebAssembly 上で実装された Python コンパイラ,Pyodide を用いることにより実行結果がサーバを介さずに受け取ることができる.そのため,生徒全員が一斉に演習用サーバにアクセスするための十分なネットワーク帯域を確保できない場合でも,プログラミングの演習を実施できることが期待される.
著者
高野 志歩 田村 みゆ 富岡 真由 秋信 有花 倉光 君郎
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.147-151, 2021-08-21

大学入試センターが公表した大学入学共通テスト(情報)のサンプル問題において擬似コードが用いられたことから,擬似コードによるプログラミング教育は,今後高校生の間に広がる可能性がある.擬似コードは,自然言語による理解しやすさもあり,プログラミング教育に導入しやすいという利点がある一方で,実際に動くコードを書くことなくプログラミング学習を済ましてしまうケースが増える懸念もある.本稿では,自然言語によるプログラムの理解のしやすさを活かし,かつ段階的にプログラミングを覚えることのできる新しいプログラミング言語処理系 Samoyed を提案する.Samoyed の試作を通して,プログラミングに自然言語を取り込む際の多くの技術課題が明らかになった.本発表では,Samoyed の構想と試作開発の状況を報告したい.
著者
黒河内 椋平 新村 正明
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.30-35, 2021-08-21

情報技術系演習において演習システムを web アプリケーションで提供する場合,学習者がサーバにアクセスして作業を行うため,学習者の学習行動履歴の取得が容易である.これにより,それらのデータを活用したラーニングアナリティクスによって,講師や学習者に対して講義全体の進捗把握や学習者のつまずき検知などの支援を行うことができる.しかし,異なるツール間での学習行動履歴を用いてラーニングアナリティクスを行う場合,各々に DB の作成などといった学習行動履歴収集環境を構築するだけでなく,個々のツールから収集した学習行動履歴の整形が必要となる.本研究ではラーニングアナリティクスの導入を容易にするために学習行動履歴の収集を簡易化するプラットフォームの提案と評価を行った.
著者
櫻井 淳 小林 稔
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.22-29, 2021-08-21

近年,児童の投能力などの身体活動量の低下が問題視されている.この状況を鑑み,2020 年度より全面実施の小学校学習指導要領において,体育授業に投の運動に関する指導が新たに追加された.しかし,その指導方法は各教師に委ねられており,児童の動作改善にまで着目した指導は十分になされていない.そこで,本研究では,カメラを用いた投げ動作の分析支援システムを提案する.そして,小学校 2 年生を対象にジャベリックボールを活用した投の運動の授業を実践し,授業前後の投げ動作を分析する.これにより,投能力向上に影響を与える動作要因を明らかにし,児童に対する動作改善指導への活用可能性を検討する.
著者
越智 徹 館野 浩司
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.61-68, 2021-08-21

我々は,大学初年度情報リテラシー教育を担当している.2021 年度は前期授業開始直後は対面授業での実施となったが,関西地区での新型コロナウイルスの急拡大や緊急事態宣言の発出によって,4 月下旬からオンライン授業へと切り替わった.オンライン授業では,教室で実施される対面授業と比較すると,学習環境が学生によってさまざまに異なるという面があるが,一般に,自宅でオンライン授業を受講する際の,机や椅子といった什器を含めた総合的な環境についての推奨例など情報提供は行われていないようである.そのため,学生によってはオンライン授業独特の疲労が蓄積し,それによって学習の妨げになっているのではないかと考え,昨年度に引き続き学習環境や疲労についてアンケート調査を実施した.その結果,居室や PC 環境以上に,PC に対する不慣れからくる姿勢が疲労の原因となっているのではないかと推測された.
著者
石川 晴香 高木 正則 市川 尚 森本 康彦
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.45-52, 2021-08-21

著者らの大学では,数学リメディアル科目を反転授業形式で実施している.この科目では,毎回の授業の中で著者らが開発した学習計画作成支援システムを利用し,授業外学習の学習計画や学習記録を登録させている.これまでの実践では,本システムによる学習目標の達成に結びつく,実行可能性の高い学習計画の作成の支援ができていなかった.本研究では,学習計画力の向上を目的とし,過去の学習計画の実施状況の客観的な把握を促す振り返り支援機能を開発した.また,2021 年度前期に本学で実施された数学リメディアル科目において,本システムの利用実験を行った.システム評価の結果,ダッシュボードと関連付けて振り返りをさせることで,過去の学習計画や学習記録等のデータに基づいて,より実行可能性の高い学習時間に学習を計画できるようになったことが示唆された.
著者
木室 義彦 古里 健一 家永 貴史
雑誌
情報教育シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.224-229, 2021-08-21

我々は,晴眼盲弱を区別しないプログラミング教材を開発している.これまで, Arduino をベースに 10 個の数字キ ーのみでプログラミングできる移動ロボットやドローンの教材を開発,盲学校において実験授業を実施し,晴眼児童と同様に学習可能であることを確認してきた.この活動の中で, micro:bit に興味を持つ児童や教員があることが分かった.また, micro:bit は小学生向けではあるが,プログラミング環境が PC であり,教育現場への導入は簡単とはいえないことも報告されている.この論文では, micro:bit を用いた市販ロボット玩具をベースに, PC を使わない晴眼盲弱の区別なく利用可能な micro:bit プログラミングについて検討したので報告する.
著者
横田 直子 横田 直子 小坂 香代子
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.31, 2012

【はじめに】<BR>心臓リハビリテーションの効果は様々なエビデンスが証明されているが継続できる受け皿が乏しい現状である。通所リハビリテーション(以下デイケア)において慢性期リハビリテーションを継続し効果のあった症例を報告する。学術的発表にあたりご本人より承諾を得ている。<BR>【症例紹介】<BR>70代男性。病前は転勤の多い会社員。診断名:心筋梗塞・多臓器不全(H20.12)EF27%、BNP800-1000pg/ml、血圧96-80/62-50mmHg。H21.6月自宅退院。入浴・更衣のみ軽介助。屋外連続歩行は30M程度。知的レベル高く、治療への意欲強い。<BR>【経過】<BR>H22.12月通所施設の終了に伴い当デイケア利用開始。専門的なリハビリを継続したいとの希望あり。以前レジスタンストレーニング中心の自主トレーニングが原因と思われるBNP上昇があり自主トレ中止となっていた。監視下にて3Mets程度のプログラムから開始し、開始1ヶ月で持久力の向上と安全な運動強度が定着した為、セラバンドを用いた自主トレーニングを指導。教育と情報交換の場としても活用される。H23.6月散歩やバスでの外出を楽しまれるようになる。8月NPOで行っている心臓リハビリテーションを紹介し、デイケアと併用開始。運動負荷試験の結果現行の運動強度のまま継続の方針となる。妻の入院の際も家事や見舞いなど行えていた。9月耐久性の向上に伴いプログラムを追加。同程度の運動時間を延長。調理・園芸・散歩・掃除など楽しまれる。<BR>【結果】<BR>退院後21カ月時点で急性増悪なし。ADLは入浴の洗体を除いて自立。H23.12月の会議にて、執刀医から筋量が増えてほめられたこと、苦しくて20歩で休んでいた道を20-30M歩行後自分でひと息入れて歩き続けられたこと、リスクに配慮して外出できていることがご本人より語られた。また、道行く人に障害者と見てもらえず苦労したことも語られた。<BR>【考察】<BR>包括的心臓リハビリテーションの一環として介護保険下でのデイケアにて慢性期心臓リハビリテーションの継続に関わった。介護サービスの他、医療・NPOなどのサービスと共同して症例を援助できた。急性増悪なく運動耐用能、自己効力感の改善ほか一定の効果を得た。デイケアは慢性期の心臓リハビリテーションの一選択と成りうる。終了期限がなくライフスタイルやQOLに踏み込んで援助を継続する事が可能であり、通院困難による継続不能の要素も除外できる。今後も制度や情報不足の狭間でリハビリテーションの恩恵を受けられない方が少なくなるよう働き掛け続ける必要がある。
著者
原 築志 石井 英雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.401-405, 1996-04-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
23
被引用文献数
1

高温超伝導体を用いて地中管路に敷設できるようなコンパクトで大容量の地中送電ケーブルが実現できれば,設備形成のコストダウンとともに,稠密化した地下空間の有効利用が期待できる. (Bi, Pb)2Sr2Ca2Cu3O10の銀シース線材を中心に,フレキシブルな高温超伝導線材の長尺化が進み,臨界電流密度も104A/cm2以上の値が安定して得られるようになった.このような線材を使用してケーブル.応用を目指したモデル導体の試作が進められ,メートルオーダーの長さで液体窒素中最大で12kA程度の容量が達成されている.さらに,最近,導体に電気絶縁層,磁気シールド層などを装備し,断熱管に引き込んだケーブルのプロトタイプが試作され,課通電試験の成功例が報告されている.本稿では,高温超伝導ケーブルのニーズと,重要技術である交流損失を含めたケーブルの研究開発の進捗を概観する.
著者
中山 健二郎 松尾 哲矢
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.79_2, 2018

<p> メディアによる伝達を通じて歴史的に生成されてきた高校野球の「物語」は、人々の高校野球に対する解釈を規定しているとされ、主に神話論的アプローチによって、その構造を捉える試みがなされてきた。しかしながら、高校野球の「物語」は固定的な構造というよりも、種々の力学関係の中で流動的に再生産されているものとみられ、その変動を読み解く研究が求められているといえる。そこで本研究は、朝日放送テレビのドキュメンタリー番組『熱闘甲子園』を対象として、特に投手を主題化した映像および言説を分析することで、高校野球の「物語」が変動する過程について考察することを目的とした。</p><p> 競技特性上、「物語」の中心として主題化されやすい投手に関して、甲子園大会の戦術は近年、「先発完投型」から「継投型」へとシフトしてきている。分析の結果、『熱闘甲子園』ではこうした戦術の変化によって、投手を描く主題を「精神力」から「友情」へと置き換えていく様相がみられるなど、メディアに具現化される「物語」の変化が看取された。この結果から、高校野球の「物語」が、実践における変化によって変容しつつ構造化される過程の一側面が示唆された。</p>
著者
井田 清 桜井 賤男 長津 寛
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.232-239, 1987-10-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
2

プリント配線板にプリント技術により形成された電子部品を施したプリント回路の実用例は少ない。本報告は, プリント配線板に回路設計に基づく抵抗を印刷したPRC (Printed Resistor Circuit Board) の諸特性, 問題点を紹介するものである。PRCは民生機器用に約20年前より大量に使用されてきたが, 最近の表面実装用部品と表面実装技術の進展によるコスト低下により, その競争力で低下する可能性もでてきた端境期にある製品と見ることもできるかもしれない。本報ではPRCを区分し, 高密度PRC, はんだ面PRCおよびクロスオーバ印刷ジャンパ線PRCについて報告する。
著者
DONDA A.
雑誌
Mol. Cell. Endocrinol.
巻号頁・発行日
vol.90, 1993
被引用文献数
1 18
著者
丑田 公規
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近年発見したクラゲ由来ムチンは、構造が判明したシンプルなムチンの稀少例で、これを用いて構成したモデル粘液系の中で起きる物理化学作用をいくつか取り上げ、構造と動的挙動の関係を調べた。金属イオンとの相互作用を重点的に調査し、モルフォロジー変化、化学反応による吸着現象のダイナミクスを明らかにした。特にサンゴ粘液による珊瑚柱形成時のバイオミネラリゼーションをクラゲ粘液成分によって人工的に再現することに成功した。