著者
土橋 昌 中山 英久 加藤 寧 JAMALIPOUR Abbas
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.627, pp.73-76, 2006-02-23

デジタルコンテンツの配信をセキュアに保つDRM(デジタル著作権保護)技術に注目が注がれている.トレイタートレーシング技術は,DRM技術の一種であり,配信側がコンテンツの視聴状況を把握する技術である.その例として,電子透かしを用いる手法や暗号配信の際の暗号鍵を利用するものがある.しかし,コンテンツに対する加工情報を利用するそれらの手法では,ユーザ側での不正な加工によりトレーシングを無効化される可能性を払拭できない.ユーザ側での不正な加工を防ぐためには,ネットワーク上のルータで加工情報を解析しなければならない.しかしながら,現在の高速広帯域ネットワークにおいては,流れているパケットの解析が非常に高負荷であるため,現実的ではない.したがって,加工情報以外の情報を用いる手法を検討する必要がある.本稿では,ストリーミング再生中のトラヒック量の変化に着目したトラヒックパターンを用いて,コンテンツを視聴しているか否かを判定する手法を提案する.提案手法は,無線環境でエラーが頻発することを考慮し,動的な判定方法や崩れた波形のマッチング方法についても検討を行った,画期的なトレイタートレーシング技術である.実際にPCを用いた実ネットワークにおける実験環境を構築し,有線だけではなく無線においても提案手法が有効であることを確認する実験を行い,良好な結果が得られたことを示す.
著者
八木 健 杉崎 隆一 荒井 慎一 相曽 景一 武笠 和則 小倉 邦男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.84, pp.1-6, 2000-05-18

WDM伝送が急速な進歩を遂げている中, 光アンプ, 分散補償モジュール, 合分波モジュールあるいは波長変換モジュールなどの光を処理するためのデバイスが大きな進歩を遂げている.また, 新たなWDM用光源の検討も進められている.それらのデバイス・光機器のキーアイテムの一つとしてデバイス系光ファイバの開発にも力が注がれている.本論文では我々が開発している光ファイバー分散スロープ補償ファイバ, 非線形現象を回避するEDF, 高非線形性ファイバーの紹介を通して, デバイス系光ファイバの現況を考える.
著者
北村 光子 山崎 久子 大江 千恵子 綿 祐二
出版者
長崎国際大学
雑誌
長崎国際大学論叢 (ISSN:13464094)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.185-193, 2003-01-31

我が国は高齢社会に入り様々な社会問題や生活問題を抱えている。その中でも介護に関しては、施設介護や在宅介護に限らず注目されており、現場で働く介護職の量と質の向上に各方面から力が注がれている。介護職の中でも、国家資格保持者である介護福祉士は、単に身辺介護に留まらず専門性をもって、利用者をとりまく生活全般の改善・向上に努めている。しかし、このように介護の現場で専門の知識と技術を提供している介護福祉士の認知度や、過酷な労働でありながら業務の評価については決して高いとは言えず、"やりがい"と"現実"の間でジレンマを起こしている状態である。よりよい介護を目指して、介護職のリーダー的役割を担う介護福祉士の職業意識や社会的地位、あるいは就労意欲について、もっと客観的に評価する必要があるといえる。そこで本研究では、介護福祉士の現状を調査し、さらに介護福祉士の就労意欲に影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的とする。調査の結果、就労意欲の現状においては、仕事面で「身体的負担」「精神的負担」を感じると就労意欲を欠き辞職を考えるようになるという結果を得た。また、その理由として「賃金の低さ」や「仕事内容のきっさ」「運営方針への不満」「社会的地位の低さ」などが挙げられた。また、介護福祉士にとって、職場内に「良き理解者」が存在すると介護福祉士の「将来性」や「職に対する誇り」が得られるという結果を得た。この「良き理解者」について詳細な記述はできなかったが、このことは介護福祉士の役割を他職種間で共有することの重みを現しているといえる。今回の調査では、良き理解者が存在することが自己研鑽に直接結びつくという結果は得られなかったが、もっと介護福祉士の就労意欲や社会的地位を向上させるためには、自己研鑽できる環境設定や講習内容の充実が必要と考える。
著者
濱川 礼 暦本 純一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.329-330, 1992-02-24

マルチメディアシステムへの期待と共にメディア間の同期をどのように処理するかが重要なテーマとなってきている。現状では、この問題を解決するためにハードウエア、OSレベルでの処理(real time OS)に研究が注がれている。これは最終的に同期を行なうためには現状のハードウエア、OSでは非常に困難であるからである.一方ユーザインタフェースの立場からメディアの同期を考えてみると、主だ未解決の問題が多いのに気づく。現状の、いわゆる「マルチメディアオーサリングシステム」のほとんどは、時間軸上に複数のメディアを並べるという操作によってユーザに同期関係を定義させている。しかし、これは実際に行なうと非常に手間のかかる作業である。
著者
八田 賢明
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.83-91, 1972-02-01

従来, 子宮内膜の病変の診断に細胞診の行なわれる機会は子宮頚部に比して少なかつた. しかし簡単で確実かつ反復採取可能な内膜細胞診の確立がのぞまれていた. 近年, 内膜細胞採取法が種々考案され内膜細胞診による体癌の検出はもとより, 内分泌環境の変化に基づく各種内膜像についての細胞学的知見にも関心が注がれている. しかし内膜細胞診における判定も統一されておらず, 正常周期における内膜細胞の特徴的所見でさえ判然としない現状である. 本研究は子宮内膜腺細胞の正常周期像を細胞レベルでとらえ, 不正子宮出血例 (主に機能性子宮出血) に対し改良を加えた内膜採取法を試み, 得られた内膜細胞の塗抹標本上の特徴的所見を系統的に分析し, さらに子宮体癌と非癌内膜との細胞学的鑑別法について検討し, 次のような結果をえた. (1) 正常周期像では増殖期初期および分泌期後期ではそれぞれ比較的特徴ある所見がみられ, 特に細胞集塊の形態, 細胞質量の多寡に明らかな差異を見出しうるが, 増殖期後期と分泌期初期との間には剥離細胞所見は近似し, 両者間の区別は容易でない. (2) 不正出血例について病理組織分類別に内膜細胞を検討すると, 標本全体, 細胞質, 核各々に特徴的所見がみられ, その分析により背景となる組織像をほぼ推定することができる. (3) 各種内膜について核の長径と短径を測定し分布図をつくり比較すると, 特有な核群分布がみられるものがあり, 子宮体癌例では長径7.5μ〜17μ, 短径3.5μ〜13μの大小不同の強い核群と比較的均一な核径分布を示す2群が認められる. (4) 体癌細胞と非癌細胞との鑑別は核多形性, 核過染性, 核径不整, クロマチン像の他に内膜腺細胞の散乱傾向, 核小体肥大, 核内空胞に求めるべきである. (5) 機能性子宮出血例においては出血持続日数の増加につれ各種内膜に共通して細胞集塊性減弱, 遊走細胞増多, クロマチン像の変化がおこり, 固有の塗抹標本所見から離脱した結果がえられ, 出血開始直後での内膜細胞診の実施がのぞまれる. (6) 不正子宮出血例において腟プールスメア中に内膜細胞が出現する頻度は年令およびその背景の内膜像に関与する場合が多く, 出血持続日数の長短によつても差異を認めうる.
著者
池田 雅史
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.377-378, 1994-09-20

最近、熱い視線が注がれているマルチメディアであるが、今一つその実態がつかめない。まさしく言葉先行である。そこで、企業活動における有効性を検討することでマルチメディアの実態に迫ることにした。つまり、「マルチメディアは利益に貢献するのか?」という観点で、厳しくその有効性を評価した。また、多様な業務をこなしている企業にあってマルチメディアが有効である分野を模索し、幅広い観点から評価することも狙った。今回は、企業活動を(1)対顧客活動、(2)社内活動の2つに大別し、実際にあるいは机上でマルチメディアシステムを構築することで、各々での有効性を検討した。
著者
白木 仁
出版者
筑波大学体育センター
雑誌
大学体育研究 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
no.27, pp.65-69, 2005-03

2004年8月13日から29日にわたって、聖地アテネでオリンピックが開催された。選手312名、役員201名の総勢513名で編成されたチーム・ジャパンは26の競技に参加し、多くのメダルを獲得して、日本を感動の渦に巻き込んだ。 私はシンクロナイズドスイミング日本代表のトレーナーとしてオリンピックに参加した。選手やスタッフが各々最大限の挑戦をしたものの、 ...
著者
菊池 章太
出版者
桜花学園大学
雑誌
桜花学園大学研究紀要 (ISSN:13447459)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.223-246, 2002-03-31

日本人が仏教信仰の根本的な聖典として用いてきた漢訳仏典の中には,インドや中央アジアではなく,中国において撰述された経典もかなり含まれている。これらは一般に「疑経」の名で呼ばれ,かつては,疑わしいもの,偽妄なものとして排除されてきた。このような見方は,中国であいついで作られた経典目録の判断基準にもとついているが,今日では疑経は,中国人による仏教の受容と変質のありかたを考えるうえで,また,庶民による仏教信仰の実態を知るうえで,欠かせない資料として,日本でも欧米でも盛んに研究が行われるようになった。これは道教経典に対する見方とも共通し,中国土着の宗教である道教もまた,中国仏教の研究者によってようやく認識されだした。仏教の疑経と道教経典に対する目下の人々の関心には共通する意識があることが認められる。一方,欧米人による中国仏教の研究にあっては,日本で盛んな教義上の議論などよりも,むしろ社会現象としての中国人の信仰という側面により多くの関心が注がれてきた。その結果,かつては異端的なものとして退けられる傾向にあった疑経や,土俗的な迷信とほとんど同義に扱われていた道教は,むしろ欧米においては早くから注目された。本稿は,日本における疑経研究の現状を報告し,欧米の研究との視点の違いを踏まえ,そこに含まれるいくつかの問題点を抽出し,今後の研究への展望を提言するものである。
著者
小谷野 喜二
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土と基礎 (ISSN:00413798)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.54-55, 2002-03-01
著者
森 良次
出版者
福島大学経済学会
雑誌
商學論集 (ISSN:02878070)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.69-93, 2006-10-16
著者
佐野 進策
出版者
福山大学
雑誌
福山大学経済学論集 (ISSN:02884542)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-16, 2006-03-31
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.11, pp.699-725, 2004-11-01
被引用文献数
1

今回の調査結果報告書は,滅菌業務が日常的に行われている1,400の施設を無作為に抽出して,約3ヵ月にわたる調査期間において32%の回収率で寄せられた結果をまとめたものである.円本における滅菌バリデーションの実態を把握し,日本医科器械学会から4年前に出された「医療現場における滅菌保証のガイドライン2000」の改訂に向けての基礎資料となるものである.アンケートの集計により,滅菌のバリデーションを実施している施設が23%に達することが明らかとなった.かなり高い実施率を示す結果となっているが,この数値はバリデーションの本質が正しく理解されずに,各種インジケータを使用した滅菌業務の日常的な管理が,あたかも滅菌バリデーションであると過大解釈されてアンケートに回答している可能性が伺える.滅菌バリデーションにおいては,各種滅菌法の変動要因を把握して,初期の目的どおりに装置が機能することを科学的に検証して確認する必要がある.したがって,医療施設での滅菌バリデーションでは,装置の確認,運転再現性の確認,滅菌性能の確認が主な内容となる.すなわち,据付時適格性確認(installation qualification:IQ),運転時適格性確認(operational qualification:OQ),稼働性能適格性確認(performance qualification:PQ)である.(1)据付時適格性確認(IQ)は,搬入設置された滅菌器が設計どおりに機能できるように正しく備え付けられていることを確認する行為である.蒸気滅菌器では電気,水蒸気,水,圧縮空気の供給状況と,蒸気排気,空気排気,排水等の設備が基本条件を満たしているかどうかを評価しなければならない.(2)運転時適格性確認(OQ)では,蒸気滅菌器の場合には,空気が十分排除されて減圧がなされているか,温度が規定どおりに上昇しているか,その変動は規定値以内に収まっているか,滅菌時間は設定どおりか,などを科学的に確認しなくてはならない.(3)稼働性能適格性確認(PQ)には物理的PQと微生物学的PQがある.前者は,たとえば温度センサーによりコールドポイント(最低温部)で実負荷のもとで測定する方法などであり,後者は,実際にその滅菌法に対して抵抗性のある微生物が死滅したかどうかを確認する行為が該当する.オーバーキル法,バイオバーゲン法,ハーフサイクル法などの方法が用いられている.現在検討されている「医療現場における滅菌保証のガイドライン2000」の改訂に向けて,それぞれの施設で実施可能な滅菌バリデーションであるかどうか,さらにメーカが行うべきことかなどを明確に区別して提示する必要がある.IQとOQはメーカが実施すべき項目といえる.PQにおいては,インジケータの使用基準の作成,テストパックの作り方や置き方の解説,Bowie&Dicktestを必須とするかどうかの検討,過酸化水素ガスプラズマ滅菌のバリデーションの追加,滅菌前の洗浄のバリデーションをどこまで追及するかなどについての検討も必要となってくる.また,滅菌バリデーションを実施した場合の問題点に対して,日常管理の中でどのように検証すべきかについても考えていかなくてはならない.これからの医療施設における滅菌業務において,さらに高い水準を維持するために,医療用工業滅菌と施設内滅菌が同一基準の安全性の確保と滅菌保証を行っていく必要がある.また,滅菌バリデーションの実施を広く啓蒙していくために,その実現に向けて今回のアンケート結果を踏まえた新しい「医療現場における滅菌保証のガイドライン」の改訂が期待される.
著者
熊倉 靖
出版者
近畿大学
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the School of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-13, 2000-02-25

機械工業は産業革命以来工業の指導的役割を果たして来た。第2次世界大戦後はエレクトロニクスと結びついてメカトロニクスを生み出した。更なる発展のために発想の転換を迫られ、生物に目が注がれるようになった。ここで誕生したのがバイオメカニクスとバイオミメテイクスである。前者は生態の機能を分析し、生体の一部を人工的に作成して医療や福祉に貢献している。後者は生物の形態、機能、行動を観察し、優れた点を機械工業に取り入れてこれを発展向上させようとする技術である。バイオミメテイクスの歴史は古いが技術として認知されたのは最近のことで、次の4点を目標として適用されている。1.新しい材料を開発する。2.新しい機構、構造を開発する。3.新しいシステムやアルゴリズムを設計する。4.熟練者の技能や人間の感性を分析し具体化する。本稿ではこの目的に沿った適用例を紹介し、今後の参考に供するするものであるが,いずれの場合でも生物側にシーズが、また適用側にニーズがあり、この仲介役とて工学があるというバイオミメテイクスの特徴を備えている。バイオミメテイクスの具体化の方法としては名案はないが、次の3方法が考えられる。第1案運良く思いつく。第2案過去の適用例をニーズとシーズ、仲介の工学で分類しておく。第3案シーズとニーズのそれぞれの側から開発を進める。今後、バイオミメテイクスは従来解決が困難であると考えられて来た環境保全や人間の感性や勘、コツといった分野にも深く立ち入って行くことが期待される。
著者
長戸路 雄厚
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
千葉敬愛短期大学紀要 (ISSN:03894584)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.15-27, 2001-02

最近のがん医療は、社会復帰後の生活維持が容易となるよう、高QOL(生活の質)を達成することに努力が注がれている。高QOL治療法として、近年放射線療法の一つである陽子線療法が着目されている。一方、ここ10年注目されている療法に遺伝子療法があり、そのうち免疫遺伝子療法は、人体が生来的に持つ免疫能を積極活用するもので特に期待が大きい。本論文では、陽子線療法と免疫遺伝子療法の併用をがん治療新機軸として提案し、その可能性を検討した。