著者
小森 美咲 村上 暁信
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.363-368, 2013
被引用文献数
1

本研究は,屋敷林の変遷と民家の敷地内空間構成を合わせて分析し,どのような民家で屋敷林が維持,もしくは喪失されてきたのかについて明らかにすることを目的とした。特に緑被と建物による民家の敷地内空間構成に着目し,屋敷林の維持される民家,喪失された民家の特性を解明することとした。空中写真を用いた分析と対象地での観察調査に基づく分析結果から,以下のことが明らかとなった。屋敷林を維持する民家では,戦後のライフスタイルの変容にも対応しつつも,短冊状の敷地の後背部に屋敷林をもつという従来の空間構成が残されており,かつ屋敷林以外の樹木構成をもち合わせることで,高い緑被率が維持されてきた。一方,屋敷林を喪失した民家では,建物の新築増築期後も敷地内の緑被が減少し,屋敷林以外の樹木構成をもたない傾向がある。短冊状の敷地後方に屋敷林をもつという従来の空間構成はほとんど喪失されており,建物中心の空間構成へと変容している。これより,建物の新築増築後に残された屋敷林をいかに維持していくかが重要であると言える。
著者
上村 明英 ウエムラ アキエ Akie UEMURA
雑誌
静岡文化芸術大学研究紀要
巻号頁・発行日
no.19, pp.145-150, 2019-03-31

本稿は、大学における英語の授業内多読の効果について報告するものである。各授業の冒頭15分間で用意された多読図書を読む活動を1学期間行い、学期最終日にアンケートを実施した。その結果、多読を妨げる最大の要因が時間不足であることが明らかになった。さらに、一年の間に多読に対する意欲が低下していることも分かった。本調査から授業内多読は二つの理由からこの状況を打開する方法となり得ることが示唆された。一点目としては、授業内多読を通して多読の楽しみを学生が認識することができるという点である。もう一点は、授業内多読は読む時間が最低限確保できるというだけでなく、授業外でも多読をするきっかけとなりうるという点である。調査結果をふまえ、授業内多読に必要不可欠な要素についても考察を加える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1953, pp.44-49, 2018-08-06

まるでむき出しの崖線のように見える石の壁には、近づいて見ると家名や戒名、ハスの花の模様などが彫られていた。岐阜県美濃市の小山の麓に位置する、民家の敷地の一角。ここに不法投棄された無数の墓石が折り重なった、"墓の墓場"がある。
著者
吉田 有里 上甫木 昭春 田原 直樹 澤木 昌典
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集
巻号頁・発行日
vol.16, pp.31, 2002

本研究は、道路拡幅や区画整理などにより寺社や民家の敷地内から道路上にはみ出して位置することになった路傍樹についてその現状を把握し、継承のあり方を考察することを目的とした。調査対象木は大阪市内に現存する23本とし、現地調査とヒアリング調査により路傍樹の現状を把握すると共に、3箇所の路傍樹を選定して、周辺住民に対するアンケート調査を行った。その結果、路傍樹に対する認知度は高く、好評価を得ており保全意識も高いが、管理への参加意向が低いことが問題であることが明らかとなった。また、対象木をよく知っている人ほど保全意識、管理への参加意向が高く、路傍樹に対する認知度を高めることが重要であると考えられた。
出版者
エンターブレイン
巻号頁・発行日
0000
出版者
リクルート
巻号頁・発行日
1994
著者
長谷川 洋
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.25, no.8, 1984-08-15
著者
内野 香織 鳴海 多恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.99, 2006

[目的] 衣服の着脱は日常的に繰り返される基本的動作であるが、その動作は少なからず身体に負担がかかり、身体機能によっては着脱に大きな負担がかかるため、着脱の動作特性を捉えることは全ての人にとって有用であると考える。本研究では、身体特性として柔軟性に着目し、衣服着脱動作における身体負荷と身体柔軟性の関係を明らかにすることを目的とした。<BR>[方法] 被験者は9・11号サイズの衣服を着用している18∼24歳の女性27名である。試験服は綿シーチングを用い、バスト部のゆとり量を0cmおよび10cmとした長袖のかぶり型上衣2種と、市販のランニングシャツとした。被験者の身体柔軟性は、上半身及び上肢に関する柔軟性を計測した。着脱動作については、試験服の着脱に要する時間を計測するとともに、その間の感覚に関する官能検査を行った。また、日常の着脱に関する質問紙調査も行った。<BR>[結果] 柔軟性については、自己申告および柔軟性の計測結果により、ほぼ半数ずつの2グループに分けた。柔軟性が低いグループは、柔軟性が高いグループに比べて着衣・脱衣ともに動作に要する時間が多く、着衣より脱衣において動作に要する時間がかかった。また、日常動作や着脱動作で「負担が大きい」と感じることが多い傾向が見られ、特に背面に腕を回す動作で質問紙の回答に差が見られた。
著者
チャンバン タン 瀧野 日出雄 緒方 隆志
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.1009-1010, 2017

火力発電所で使用されている耐熱金属材料の疲労寿命を検討するために、本研究は、「CrMoV鋼とSUS304」について、加工条件と表面粗さおよび表面硬化層深さとの関係を明らかにする。次に、表面粗さの疲労強度への影響、表面硬化層の疲労強度への影響をそれぞれ個別に評価する。以上の結果を踏まえて、高い疲労強度を有する高温高圧鋼部品を製造するための切削条件を明らかにする。
著者
鈴木 啓子 森 眞弓 荻野 亜紀子 岸田 枝理子 野村 知代
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成18年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.143, 2006 (Released:2006-09-07)

目的 ピーマン果実には独特な苦味があり、子どもたちの嫌いな野菜の上位にあげられる。本研究では、ピーマンの嫌いな子どもたちが、おいしく食べることの出来るピーマン入りおやつを作ることを目的とした。その前段階としてピーマン果実の加熱による成分変化についても調べ検討した。方法 緑と赤のピーマンを用いた。ピーマンは、可食部をオーブンで加熱し熱いうちに皮を剥いたものと剥かないものそれぞれをミキサーにかけ試料とした。試料を細砕し、80%エタノール溶液で抽出、エタノール留去後アンバーライトIRA-96SBカラムに通し溶出液を減圧濃縮して一定容、糖測定試料とした。アンバーライトIRA-96SBカラムに吸着した有機酸は、0.1N-NaOHで溶出させDowex50-x8カラムに通し減圧濃縮して一定容、有機酸測定試料とした。HPLCで定量を行った。ミキサーにかけてピューレにしたものを利用したクッキーなどを考案し、幼稚園児を対象にアンケート調査を行った。結果 ピーマンに含まれている糖は、グルコース、フルクトース、スクロースであった。オーブン加熱による糖の変化は、緑ピーマンではほとんど見られず、赤ピーマンでは、増加傾向が見られた。有機酸は、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、キナ酸が含まれていた。加熱による有機酸の変化は、赤ピーマンでみられ、クエン酸が減少し、リンゴ酸が増加した。皮を剥いたことでの糖と有機酸含量の差は見られなかった。幼稚園児は、緑ピーマンより赤ピーマンを嫌う傾向が見られた。加熱により糖が増加し、クエン酸が減少した赤ピーマンを利用したクッキーはピーマン嫌いの幼稚園児に特に好まれた。
著者
西村 知紗 吉岡 智史 柳澤 琢也
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.174, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】野菜に含まれる苦味成分であるポリフェノール、アルカロイドは、近年その健康機能が注目されており、多くの報告がなされている。しかし、一般に野菜の苦味に対する受容性は高くないため、野菜の摂取不足の一因と考えられる。野菜の苦味を低減することは野菜の摂取量を増やし、結果として人々の健康に寄与することができると考えた。本研究では苦味低減にマヨネーズが有効であること、およびその作用機序を明らかにすることを目的とした。【方法】対象とする野菜としては苦味が嗜好性を低下させている要因と考えられるゴーヤおよびピーマンを選択した。これら野菜に対するマヨネーズの苦味低減効果について、マヨネーズおよび食用植物油で加熱調理した試料の官能評価を行った。また、マヨネーズ添加区、無添加区の試料について、味認識装置による苦味評価を実施した。さらに、苦味低減効果の作用機序を明らかにするため、マヨネーズ原料である油脂、食酢、卵の苦味低減効果を評価した。【結果】ゴーヤ、ピーマンをマヨネーズで加熱調理した試料は、植物油を用いた試料と比較して、より苦味が低減していることが官能評価により明らかとなった。また、味認識装置による苦味の評価では、マヨネーズ添加区は無添加区と比較して明らかに低い値を示した。これらの結果から、マヨネーズは野菜の苦味低減に有効であることが示唆された。この作用機序として、マヨネーズ中の乳化粒子がゴーヤ、ピーマンの苦味成分を吸着している可能性が考えられた。この仮説を確認するため、マヨネーズ原料の油脂、食酢、卵での苦味低減効果を現在、確認中である。これらの原料よりもマヨネーズの効果が高い場合には、乳化粒子の寄与が高いことが示唆される。
著者
西村 知紗 吉岡 智史 栁澤 琢也 半田 明弘
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成28年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.92, 2016 (Released:2016-08-28)

【目的】野菜に含まれる苦味成分であるポリフェノール、アルカロイドは、近年その健康機能が注目されており、多くの報告がなされている。しかし、一般に野菜の苦味は嗜好的に敬遠される傾向があり、野菜の摂取不足の一因と考えられる。この野菜の苦味を低減することは、野菜の摂取量を増やし、結果として人々の健康に寄与できる。我々は日本調理科学会平成27年度大会において、苦味低減にはマヨネーズが有効であること、マヨネーズ原料(卵黄、油脂、酢)のうち、卵黄が最も苦味低減に寄与することを報告した。本研究では、苦味低減の作用機序を明らかにするため、卵黄及び卵白の添加量、酸変性が苦味に与える影響について検討した。 【方法】対象とする野菜としては苦味が要因となり嗜好性を低下させていると考えられるピーマンを選択した。ピーマンに水を加え、フードプロセッサーで粉砕し、ろ過した。ろ液に卵黄及び卵白を添加し、味認識装置による苦味評価を実施した。また、卵黄及び卵白に氷酢酸を添加し、16、25時間静置した。これらをろ液に添加し、味認識装置による苦味評価を実施した。卵黄及び卵白のタンパク質の変性度の指標として濁度を測定した。 【結果】卵黄、卵白とも添加量が高いほど苦味が低くなった。また、いずれの添加量においても卵黄添加区は卵白添加区と比較して有意に苦味が低かった。さらに、卵黄、卵白とも酸濃度が高く、静置時間が長いほど苦味が低かったことから、それらの変性度が高いほど苦味低減効果が高くなることが示唆された。このような酸による卵黄および卵白のタンパク質の変性は、マヨネーズ中でも起きていると考えられ、ピーマンの苦味低減の作用機序に関与していると思われる。