著者
深谷 賢治
出版者
日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.p58-66, 1991-01
著者
呉 修一 地引 泰人 サッパシー アナワット 有働 恵子 真野 明
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.27, 2014

2013年台風30号(ハイエン)はフィリピンレイテ島やサマール島に甚大な被害をおよぼした.本台風は上陸時の中心気圧895hPa,瞬間最大風速100m/s以上と史上最大規模のスケールであり,高潮,高波や強風を伴い7000人を超える死者・行方不明者が生じた(呉ら, 2014).特にレイテ島北東沿岸部に位置するタクロバン市,パロ町,タナウアン町(図-1)に死者・行方不明者が集中しており,サンペドロ湾奥に発生した高潮の規模の大きさやレイテ島沿岸部地域の脆弱性を示唆するものである.<br>&nbsp;著者らは,台風30号ハイエンに伴い甚大な被害が発生したフィリピンレイテ島北東部を中心に,高潮の浸水状況や避難実施時の問題点などを明らかにするための調査を,2014年1月から3月にかけて複数回実施した.調査より本台風の外力の強さと被災地沿岸部の脆弱性,多くの社会的問題が明らかとなった.<br>&nbsp;本報告では,台風ハイエンの特徴や水文特性および現地調査より明らかとなった被害拡大要因および様々な問題点に関して報告する.
著者
林 薫 三舟 求真人 七条 明久 鈴木 博 松尾 幸子 牧野 芳大 明石 光伸 和田 義人 小田 力 茂木 幹義 森 章夫
出版者
長崎大学熱帯医学研究所
雑誌
熱帯医学 (ISSN:03855643)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.p129-142, 1975-12

1973年2月3日から18日の間,新生成虫が検出されない時期に野外で捕集した冬期のコガタアカイエカ1083個体,8プールから4株のウイルスを分離し,日本脳炎(日脳)ウイルスと同定された.この事実は,越年蚊体内でウイルスが持ち越されたものと考えられる.そして1973年には年間を通じて,蚊一豚の感染環が証明され,奄美大島,瀬戸内地域における日脳ウイルスの特異な撒布状況が観察された.この所見は我国で初めてのことである.しかしながら,1974年では,コガタアカイエカから7月上旬にはじめてウイルスが分離されると共に,これと平行して豚の新感染も同時に証明された.この事は蚊一豚の感染環,特に蚊によるウイルスの越年が中絶したことを意味すると共に,奄美大島の調査地域へのウイルスの持込みがあったに違いないことを物語るものであろう.換言すれば,奄美大島の調査地域では環境条件さえよければウイルスの土着が可能であるが,条件が悪いと蚊によるウイルスの越年は中絶し,流行期に再びウイルスの持込みが行われるであろうことを推定してよいと思われる.1973年7月24日夜半から25日未明にかけて奄美大島名瀬港及び鹿児島港の中間の海上で,船のマスト上にとりつけられたライトトラップ採集でコガタアカイエカ数個体を捕集した.この事実はコガタアカイエカが洋上を移動していることを意味しているものと考えられる.1975年7月下旬,奄美大島から鹿児島(九州南域)に向け,標色コガタアカイエカの分散実験を試みたが,遇然に実験地域を通過した台風2号で阻止され不成功に終った.しかし,分散実験日の約10日前にフイリッピンからの迷蝶が鹿児島南端に到達していることから気流によるコガタアカイエカの移動は決して否定出来ない.
著者
江守 陽子 青木 和夫 吉田 義之
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.369-377, 1995-12-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

揺りかごによる振動刺激が新生児にどのような影響を与えるかを, 新生児の啼泣と生理学的指標に着目して検討した. 健康新生児54名を対象に, 振動周波数1Hz, 振幅55mm, 加速度1m/s2, Z軸方向, 正弦波振動を5分間負荷した. その結果を要約すると次のとおりである.(1) 揺りかごの振動刺激は新生児の啼泣を速やかに停止させる効果が認められた. (2) 揺りかごの振動刺激は啼泣中の新生児の心拍数, 末梢体表面温度, CVR-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (3) 揺りかごの振動刺激は睡眠中の新生児の末梢体表面温度, CVR-Rを減少させ, 呼吸数を増加させた. (4) 今回使用した振動刺激は, 啼泣している児については鎮静化する効果が認められた. しかし, 睡眠中の児には覚醒へと導く強い刺激となった. 今回の実験で用いた加速度は, 新生児の啼泣を停止させるためには十分な加速度であると考えられたが, 睡眠中の児に対しては覚醒を引き起こすため, もっと弱い加速度の振動が望ましいと考えられた.
著者
田上 善夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100151, 2011

1.&nbsp; はじめに<br> 近年強風の出現とそれに伴う風害の増加がみられる。そこでは地域的に大被害を生ずる一方,被害の少ない地域もみられる。風は地域差が大きく,局地的強風にみられるように山地や谷などの地形の影響が大きい。さらに台風のように規模の大きな擾乱でも,風向と地形の影響で,強風出現に地域差が大きくなると考えられる。ここでは日本列島における近年の顕著な強風について,その出現の傾向や地域性の解明を試みた。<br>2.&nbsp;強風の出現傾向<br>&nbsp; 顕著強風日の出現は,34年間にも出現に大きな経年変動がみられる。1979年,1991年,2004年にピークとなり,その前後にも多い。さらに日別に全国の顕著強風日出現地点総数を集計すると,出現地点数がきわめて多い,すなわち広域に強風が現れる日があることが示された。その上位事例での強風地点分布からは,強風は近隣同士とは限らず遠隔地点同士にも類似の出現傾向のあることが示された。この地点間での強風出現の類似性を明らかにするため,まず日本列島の全アメダス地点間で,顕著強風日の出現について一致係数を求めた。それにもとづき,中央日本付近の地点について,クラスター分析を適用して分類を行った。その結果大きく2タイプに分かれ,A型は太平洋側に多く、B型は日本海側に多い。ただし,周辺域とは異なる型に属する地点があり,たとえばA2型は日本海側の富山湾や若狭湾周辺,岡山県奈義,滋賀県南小松などに現れる。<br>3.&nbsp; 強風出現の要因<br>&nbsp; この顕著強風日出現の遠隔地同士での関係について,事例日から分析を行った。2011年5月29日には,台風2号が南岸沿いに東進し,中部地方から西ではとくに強風となった。この日には岡山県奈義,兵庫県神戸,滋賀県南小松などでは著しい強風となった。これらの地点はいずれも背後に山地を控え,当日の風向に対して山地の風下に位置しており,広戸風,六甲おろし,比良おろし(比良八荒)などの局地的強風群が各地に発生したと考えられる。一方,富山県魚津などでは,周辺地点が強風となる時間帯には風速が極めて弱くなった。周辺地点の風向からは北アルプスの風陰に入ったことが考えられる。このように吹走範囲の限定された局地的強風や局地的弱風が,広域内の各地に同日に出現することは,大規模場での大気の状態のもとで,地域的な要因が強風発生に大きくかかわることを示すと考えられる。
著者
田中 敦
出版者
国際基督教大学キリスト教と文化研究所
雑誌
人文科学研究 (キリスト教と文化) = Humanities: Christianity and Culture (ISSN:00733938)
巻号頁・発行日
no.40, pp.1-29, 2009-03-31

人間に固有なものという課題は「人間の本質」とか「人間性」として理解できるが、それは任意の視点から人間独自の特性を分析し、解明するということ以上の何かを意味している。そうした問題をここでは事実性についての問いとして捉えたいと考える。 そのような場合、解明されるべき人間性は、現代においてどのようになっているかが問題となる。このように考えると、それは今日神に関する解明を目指すのと同じような困難さを孕んでいるように思われる。それが、「神は死んだ。ならば人間性は死んでいないのか?」という題が意味していることである。 ニーチェの言葉「神は死んだ」は、それが語られた当時とは比較にならないほど、今日その衝撃力を失っている。しかし、神はその概念からしても、更に神との関わりに立つ人間にとっても死に得ない存在である。そしてニーチェはまさにそのことを「神は死んだ」と述べた断片の中で明瞭に描き出している。更に、この断片が書かれたのとほぼ同時期に『このようにツァラトゥストラは語った』第一部が書かれたが、その冒頭で、ツァラトゥストラが市場の群集に超人の必要を説く場面は、そのまま死んだ神を探し回る狂った人の場面と同じである。このことはニーチェにとって「神が死んだ」ということは、同時に人間が人間としてはもはや生きていけないこと、人間であること(Menschlichkeit)、人間性も喪失されていることを雄弁に語っているのである。「すべての神々は死んだ。いまやわれわれは、超人が生きんことを欲する」のである。 ニーチェにとって神の死は、したがって人間性の死滅は、単なる一つの可能な解釈ではなく、西洋の歴史を貫く出来事、その意味で避け難い問題として事実性の問題であったといえる。更にニーチェにとってこの問題の解決、欠乏している人間性を到来させるという課題も、言葉による解明という問題ではなく、ここでいう「事実性の問題」として理解されるべきものであった。しかしニーチェ自身はこの事実性の問いの解決を目差す中で、その問いを通常の問いから区別することなく追及しているように思われる。それは答えを求める問いであって、問いを問いとして存在せしめることをしていないのである。神の死の巨大な喪失を、その死が齎したニヒリズムを克服することがどうしても求められねばならないのである。 ところで、ハイデッガーの『ヒューマニズムについての書簡』は、ボーフレの質問「どのようにして『ヒューマニズム』という語にその意味を与え返すか」に答える形で書かれているが、そこでハイデッガーは真正面からこの問いに答えていない。その意味は、何らかの語にその意味を回復させるということは、知的な解明ではない事実性の問いに対しては不十分、不用意であるということであろう。フッサールが語の意味の回復可能性を直観に求めるのに対して、ハイデッガーはそれを存在にあるいは事象との出会いに求めている。事実性の問題は予め「何かとして」意味が既に何かが与えられていることを出発点にとることになる。 しかし、問題は死あるいは喪失という事態である。どのようにすれば「不在の」「喪失された」事象と出会いえるのかという問いである。まさにこの問題こそ、存在忘却という事態の只中で、改めて存在の意味を問うことを敢行したハイデッガーの哲学的探究がなしたことである。つまり、ハイデッガーはまさにそうした事態を形而上学との関係において「克服」ではなく「耐え抜き」と捉えているが、そうした問題こそ、事実性の問いが要求する問いの問い方であるだろう。
著者
山本 和郎
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.68-77, 1989

The purpose of this paper reviewed the studies concerning community stress in the research field of social psychology, sociology, environmental-architectuatal psychology, community psychology and psycho-somatic medicine. First, the useful definition of community for studying on the stress of community is examined. Second, the evaluation studies on the aspects of community in terms of community satisfaction are main approach particulary in social psychology. This approach is able to grasp on which aspects of community the inhabitants are dissatisfied, however the paper insisted that it is needed which aspects of community the inhabitants want to improve toward the government of their community. The QOL contribution model (Murrell & Noris 1988) is introduced from the research field of community psychology for this purpose. Third, the studies concerning the effect of community on psycho-somatic health are examined. We should progress on more detail research including the elements of social support and coping resources interacting stress aspects.
著者
玉置 了
出版者
近畿大学商経学会
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.59-82, 2020-09

[要約]本研究は,SNS の投稿への反応としていいねに着目し,画像投稿とテキストのみの投稿とでいいねが促される投稿の特徴を比較する。データは Twitter から Kyoto の語を含むツイートを獲得し,深層学習により観光に関するツイートを抽出した。本研究ではテキスト投稿と画像投稿の大小によりツイート4群に分け,LIWC2015を用いて使用単語を数量的に比較した。結果,いいねが多い投稿では画像とテキスト共通して感情的・認知的な語,動作や時間に関する語,一人称の代名詞の使用が多いものの,テキスト投稿の方がより出現率が高いことが示された。考察として個人の経験を示す投稿が多くのいいねを獲得し,さらに画像投稿は言葉で表現する傾向が弱く,画像表現がそれを補うこと,またその解明を研究課題として示した。[Abstract]This study focuses on Likes as a response to posts on SNS, and compares the text contents that prompt people to click Likes on posts with images attached and posts with only text. The data was obtained from posts about Kyoto from Twitter and extracted tweets about tourism using deep learning. This study classified tweets into four groups based on the size of the likes in text and image posts, and quantitatively compared the characteristics of the words used by LIWC2015. The results showed that posts that received more likes in text and image posts commonly used emotional and cognitive words, words about motion and time, and first-person pronouns, but the occurrence of these words was higher in text posts. The discussion suggests that posts that show personal experiences received many likes, and that image posts tend to be less expressive with words, and that there is a possibility of image complementation behind them, and that elucidation of the image representation is a research topic.
著者
中俣 修 山﨑 敦 古川 順光 金子 誠喜
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A3O2034, 2010

【目的】体幹部は身体重量の約50%を占める大きな身体領域である。そのため、体幹筋には、体幹の姿勢の平衡状態を維持するために外力に応じて筋出力を調整する機能が求められる。立位では、体幹部の重心線が腰椎のすぐ近位を通過するため、姿勢保持に作用する体幹筋活動が小さい。しかし、変化は少ないながら腹横筋、内腹斜筋には、背臥位から立位への姿勢変換に伴い筋活動の増加を認め、この活動は内臓器の支持、仙腸関節の安定性に関与するとされる。立位における体幹筋活動、鉛直方向の運動負荷に対する体幹筋活動の特徴を明らかにすることは、重力に抗する姿勢保持メカニズムを考える上で重要であると考えられるが、鉛直方向の運動負荷と体幹筋の活動との関係を分析した報告は少ない。そこで、本研究では、跳躍動作により体幹部への鉛直方向の運動負荷を加えた際の腹筋群の筋活動に注目し、鉛直方向の運動負荷に対する腹筋群の活動の特徴を分析することを目的とした。<BR>【方法】対象は健常な大学生男性8名(平均年齢21.6歳、平均身長172.7cm、平均体重61.9kg)であった。体幹筋群の筋電位の計測にテレメーターシステムWEB-5000(日本光電社製)、腰部および膝関節の運動の計測に電気角度計(Biometrics社製)、動作中の加速度の計測には3軸加速度計(MicroStone社製)を用いた。体幹右側の腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、脊柱起立筋(胸部)、多裂筋(腰部)を被験筋とした。座位にて腹筋群および背筋群の最大等尺性筋収縮(MVC)時の筋電図信号の計測を行った後、腰部および膝関節部に電気角度計、胸骨前面に3軸加速度計を取り付けた。課題動作は跳躍動作とした。被験者には両手を胸の前方で組ませ、体幹部を直立に維持した状態で縄跳びを跳ぶ程度の跳躍動作を15~20回程度反復させた。計測した筋電位・関節角度・加速度の信号をA-D変換器 (AD instruments社製)を介してコンピュータに取り込んだ。体幹の加速度変化および膝関節運動の特徴から跳躍動作の周期(跳躍周期)を決定し、連続した3回の動作を任意に抽出した。跳躍周期における各筋の積分筋電図値を算出した後に跳躍周期の時間で除し、単位時間あたりの積分筋電図値(跳躍動作積分筋電図値)を算出した。さらに跳躍動作積分筋電図値を、MVC実施時の単位時間あたりの積分筋電図値を用いて正規化し、跳躍動作積分筋電図値(%MVC)を算出した。3周期の平均値を分析に用いた。跳躍動作における腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の跳躍動作積分筋電図値の相違の分析には、Kruskal-Wallis検定を用い、有意差を認めた場合にはBonferroniの不等式による修正を利用し多重比較を行なった。<BR>【説明と同意】研究への参加にあたり、被験者には書面および口頭にて十分な説明を行った後、実験参加の同意を得て実施した。<BR>【結果】跳躍動作積分筋電図値(%MVC)の平均値(標準偏差)は、腹直筋:3.5(1.9)%、外腹斜筋:9.4(5.4)%、内腹斜筋:28.9(9.5)%であった。筋間の筋活動量には有意差を認め(P=.025)、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋の組み合わせ全てに有意差を認めた(P<.01)。<BR>【考察】跳躍動作周期における筋活動量の分析結果から、腹直筋の筋活動が小さく、内腹斜筋の筋活動が大きい特徴を認めた。この特徴は、ドロップジャンプについて分析を行なった河端らの研究結果とも類似したものであった。今回、計測を行った内腹斜筋部位は、骨盤内を横行するため直接的な脊柱運動への関与はなく、主として骨盤部の安定性、内臓器の支持に関与するとされる。跳躍動作では立位と比較し体幹部にはより大きな圧迫負荷が加わること、内臓器に作用する慣性力が作用する。そのため内腹斜筋部に大きな筋活動を生じたと考えられる。今回の結果より、鉛直方向の運動においては、腹筋群の役割は異なり、腹直筋よりも側腹筋、特に内腹斜筋の役割が大きく関与すると考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】本研究では跳躍動作時の体幹筋活動を分析することにより、鉛直方向への運動刺激に対する腹筋群の活動の特徴を検討した。立位姿勢を保持するメカニズムの検討、立位姿勢の指導や荷重位での体幹筋トレーニングを検討する視点として意義が大きいと考えられる。<BR>
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.32-35, 2010-08

2010年4月23日。広島県府中町の商業施設「イオンモール広島府中ソレイユ」には、新規テナントの開店を待って早朝から長蛇の列ができた。テナントの名前は「MOSDO!(モスド)」。「モスバーガー」を展開するモスフードサービスと、「ミスタードーナツ」を展開するダスキンが、共同出店する新業態の1号店だ。
著者
森山 朝正
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.342-353, 1988

(財) 東洋医学技術研修センター臨床治療施設に来療する患者は昭和54年の設立当時から, 昭和63年3月までに3,000症例を数えるカルテ数になっているが, そのうちでスポーツ障害が占める割合も年々増加し, カルテNo.1~2,000まででスポーツ障害を主訴として来療した患者群は6.0%とごくわずかであったものがカルテNo.2,000~3,000までの1,000例では9.1%と急増している。当センターに来療する患者でスポーツ障害を主訴とする患者群は, スポーツを職業としている患者やいわゆる top athlete は少なく, weekend player かもしくは学生が多い。従ってそのスポーツの種類も多く, 障害の発生する身体部位も多岐にわたる。また, 怪我の特徴として外傷性のものは少なく, ベースに疲労性の変化を持つ障害性疾患が多くなるのも来療する患者の年齢構成から見て当然のことと言える。このように, 一般の鍼灸治療施設で取扱う運動障害は多種に及ぶが, そのうちで肩および肘に関する障害を取り上げ, 単なる障害治療ではなく再発予防の意味も含んでいる当センターの鍼灸手技治療の内容を, 治療効果の論拠としている基礎的な研究結果と共に具体的な治療のすすめ方を併せて詳述する。
著者
赤羽 優夏 丸山 麻希 小林 修司 小松 俊雄 唐澤 忠宏 小松 修 矢澤 正信 井上 憲昭
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第57回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.310, 2008 (Released:2009-02-04)

<はじめに> 亜鉛は必須微量金属のひとつであり、その欠乏症として味覚・臭覚障害が広く知られているが、この他に褥瘡等の皮膚障害、成長発育障害などにも関与している。これまでの測定方法は原子吸光法が主流であり、その特殊性から、入院患者の一般検査項目に入れられることは少なかった。しかし自動分析用試薬が開発され、当院内においても簡便に測定することが可能となった。今回、入院患者の褥瘡発生と亜鉛濃度との関連性について検討したので報告する。 <対象> 当院に入院中の寝たきり患者33名を対象とした。このうち、褥瘡のある患者(以下、褥瘡(+))は18名(年齢47~109歳 平均83.5歳 男10名 女8名)、褥瘡のない患者(以下、褥瘡(-))は15名(年齢57~102歳 平均86.7歳 男4名 女11名)であった。比較対照として、非寝たきり患者16名(年齢60~89歳 平均79.1歳 男9名 女7名)についても調査した。 <方法> 1.栄養摂取状況の調査 2.血清中亜鉛、総蛋白、アルブミンの測定 測定機器:日立7170S形自動分析装置 使用試薬:アキュラスオートZn(シノテスト社) 自動分析用試薬「生研」 TP (Biuret法) (デンカ生研) エクディアXL‘栄研’ALB-BCG (栄研化学) <結果> 血清亜鉛平均値は褥瘡(+)患者47.0μg/dl、褥瘡(-)患者55.8μg/dlで、褥瘡(+)と褥瘡(-)の患者間に有意差(t検定)を認めた。総蛋白平均値は褥瘡(+)患者6.21g/dl、褥瘡(-)患者5.97g/dlで、有意差は認めなかった。アルブミン平均値は褥瘡(+)患者2.99g/dl、褥瘡(-)患者平均3.22g/dlで、有意差は認めなかった。なお非寝たきり患者の平均値は、亜鉛61.0μg/dl、総蛋白6.89g/dl、アルブミン3.78g/dlであった。 <考察> 今回、血清亜鉛、総蛋白、アルブミンのうち、褥瘡(+)と褥瘡(-)の患者間において有意差が観察されたのは、血清亜鉛のみであった。また、褥瘡(+)患者の亜鉛平均値は基準値(65~110μg/dl)を大きく下回っていた。以上のことから、寝たきり患者においては、血清亜鉛濃度を測定することにより褥瘡発生を予測できる可能性があると考えられた。 褥瘡の予防において栄養状態の良否は大きく影響する。通常、栄養状態を評価する検査項目として総蛋白、アルブミン値が利用されているが、本研究結果によれば両者の値から褥瘡の発生を予測することは困難であると考えられた。 亜鉛濃度が院内で簡便・迅速に測定できるようになったことで、亜鉛の褥瘡マーカーとしての有用性が今後高まっていくであろうと思われる。
著者
小野田 公 久保 晃 丸山 仁司
出版者
一般社団法人 栃木県理学療法士会
雑誌
理学療法とちぎ (ISSN:21864861)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-18, 2015 (Released:2021-03-11)
参考文献数
8

Social Networking Service(ソーシャルネットワーキングサービス:以下SNS)はインターネット上でメッセージや動画・写真などの情報交換が可能である.簡単に情報をやり取りできるために非常に便利であるが,個人情報の取り扱いや情報漏えいなどの問題が指摘されている.理学療法士は,患者の個人的な情報に扱うことが多く,その情報の漏洩を防ぐために守秘義務が課せられている.しかし,SNSを利用した医療系職員や実習生による個人情報保護的観点や職業倫理観にかける記載が問題となっている.このような問題を起こさないためにSNS上での法的な権利やそれらに対しての使用に関する教育機会が必要不可欠である.
著者
Borchers Kerstin Lieckfeldt Dietmar Ludwig Arne FUKUSHI Hideto ALLEN George FYUMAGWA Robert HOARE Richard
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.12, pp.1377-1381, 2008-12-25
被引用文献数
7

ウマヘルペスウイルス9型(EHV-9)はトムソンガゼルの脳炎から分離された.EHV-9の自然宿主は不明であるが,ガゼルの感染源はシマウマであると考えられている.この仮説を検証するために,我々はセレンゲティ生態系に棲息する43頭のバーチェルシマウマ(Equus burchelli)と21頭のトムソンガゼル(Gazella thomsoni)由来の血清中に,EHVに対する中和抗体が存在するかを調べた.7頭のシマウマがEHV-1,EHV-9とグレイビーシマウマ由来EHV-1 T965株およびT616株に対して中和抗体をもっていた.17頭のバーチェルシマウマと1頭のトムソンガゼルの三叉神経節において,EHV-9gB遺伝子ならびにEHV-1 ICP0遺伝子をNested polymerase chain reaction (PCR)により検出することを試みた.その結果1頭のシマウマの三叉神経節からEHV-9特異的配列が検出され,さらに塩基配列を決定することでPCRの結果を確認した.以上の結果から,バーチェルシマウマはEHV-9の感染を受け,同ウイルスは潜伏感染していると考えられた.