著者
柳生 昭三
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.194-205, 1986-08-15 (Released:2017-11-30)
被引用文献数
1

ガス及び蒸気による爆発の予防対策として,不活性ガスの添加が各方面で広く利用されている.こめ操作を効率よく運用するには,対象物質の爆発限界酸素濃度の数値が必要であるが,従来この特性値は実測値が少ない上に,求め方などの解説例もほとんどなかったため,産業界では久しく不便をしていたようである,そこで本稿では,爆発限界酸素濃度のこれまでに得られている主要データを示すと共に,推算法を中心とし,かつ全般の知識体系の解説を行って,実務家への参考に供することとした.
著者
鄭 英實
出版者
関西大学文化交渉学教育研究拠点(ICIS)
雑誌
東アジア文化交渉研究 = Journal of East Asian Cultural Interaction Studies (ISSN:18827748)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-95, 2011-03-31

Arai Hakuseki (1657-1725) was an Edo-period Confucian scholar. He was involved with politics as a Confucian scholar during the time of Tokugawa Ienobu, and known for having effected various political reformations. In particular, he sought to establish equal diplomatic relations with Korea and revised the reception of the Korean emissaries. It is necessary to realize that this decision was not made with sufficient negotiation between the two countries, but rather something Hakuseki forcibly established on his own. Naturally, the records of the Korean emissaries contain entries in which Hakuseki is harshly criticized, which in turn reflect the historical background of the Korean intelligentsia’s attitude towards Japan at this time. This research explores the Korean awareness of Hakuseki, its formation, and if it changed over time primarily through Korean documents.
著者
橘 篤志
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.627-633, 1972-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
18
著者
上垣 隆一 川野 和男 大澤 玲 木村 俊之
出版者
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
農研機構研究報告 動物衛生研究部門 = Bulletin of the NARO, National Institute of Animal Health (ISSN:24327875)
巻号頁・発行日
no.124, pp.9-13, 2018-03-31

プラスチック樹脂製のパウチ袋をサイロにして飼料用米のサイレージ調製実験を行なった。破砕し水分を調整した籾米に乳酸菌を加えた後にパウチ袋に詰め,ヒートシール,ワニ口クリップ,ひもで縛る,結束バンドで縛るの4つの方法で封入口を密封した。室温で32 日間の貯蔵を行い,サイロ内の酸素濃度を非破壊で測定するとともに,サイレージの醗酵品質(pH,有機酸濃度,微生物数)を解析し,密封法との関連を検証した。サイロ内の酸素濃度は,すべてにおいて1 日後に0%になり,ヒートシール法ではサイロ内の酸素濃度は32 日間0%を維持した。その他の方法では5 日を経過する頃から酸素濃度が上昇が認められ,20 日前後には13-16%程度まで上昇した。サイレージの醗酵品質は,ヒートシール法が,低いpH の値(3.86)や乳酸濃度が高い値(1.21%)であること等から,サイレージ醗酵が良好に進行したと判断した。一方,その他の密封法の醗酵品質はpH が4-4.13,乳酸濃度が0.65-0.88%と劣質で,一部かびの発生も認められるなど,サイレージ醗酵は不良であった。以上より,ワニ口クリップ,ひもで縛る,結束バンド法の密封法はサイレージ調製には不向きで,ヒートシールのように,完全に密封させる方法が酸素の侵入を防ぎサイレージ発酵も促進させるサイロの密封法として適していると考えられる。
著者
朴 宰佑 大瀬良 伸
出版者
日本消費者行動研究学会
雑誌
消費者行動研究 (ISSN:13469851)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.1_23-1_36, 2009-10-31 (Released:2012-02-08)
参考文献数
30

本研究では、Sound Symbolism という音声学的理論に依拠し、ブランドネームの発音がブランド評価に及ぼす影響を検証した。その結果、1)ブランドネームに含まれる母音の種類によって、そのネームから連想される製品属性(大きさ、形状など)に有意差が生じること、2)発音の製品カテゴリーに対する適合の程度および製品属性に対する適合の程度が高いほど、知覚品質やブランドイメージ、購入意向が高まることを確認した。これらの結果から、発音を起点としたブランドネーム開発の有効性が示唆された。
著者
白尾 泰宏
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0433, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】歩行中の進行方向に対する足部の角度(以下,足角)は重要なアライメント要素であり7°~13°外旋が正常であるとされている。その要因としては,股関節の回旋,脛骨大腿関節での回旋,大腿骨や脛骨の捻転など骨性,関節性,神経筋性の要因が考えられているが,骨性因子の報告は少ない。今回の研究は,その要因である骨性因子と歩行時足角の関係を調査することである。【方法】下肢疾患の無い健常成人22名44下肢(男性11名,女性11名,平均年齢31.4歳)を対象とした。足角(toe out angle)は,zebris社製FDM-TLRシステムを用いて,トレッドミル上を自由歩行で任意の速度を決定後,試技を1分間行い,その後の30秒間を解析ソフトWin FDM-Tで2回計測し,平均値を算出した。股関節捻転角(femoral neck torsion以下FNT)はブルースラントダイヤル式角度計(感度0.1146°精度±1.0°以内)足底に固定しcraig testに準じて測定した。脛骨捻転角(tibial torsion 以下TT)は腹臥位膝90°屈曲位で,脛骨内果と腓骨外果の中央を結ぶ線と,大腿骨顆部中央を結ぶ線のなす角度をゴニオメーターを用いて測定した。それぞれ2回測定し平均値を算出し,得られたデータは級内相関係数を求め,次にTOAとFNT,TTをスピアマン順位相関係数の検定を行なった。各角度の群間比較ではWelch’s t-testを行い,全ての有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】対象者には事前に研究の趣旨を十分に説明し,同意を得た上で実施した。【結果】級内相関係数は,足角(右0.97 左0.99),大腿骨前捻角(右0.97 左0.98),脛骨前捻角(右0.72 左0.77)であった。相関係数の検定では,足角とFNTには有意な相関がみられた(rs=-0.4719 P=0.0017)が,脛骨捻転角では低い相関はあるものの有意差はみられなかった(rs=0.02896 P=0.8387)。各平均値は足角(男性9.43±5.1°女性6.36±3.51°P=0.0258),FNT(男性15.27±6.13°女性23.88±8.34°P=0.00036)で有意差がみられたが,TTでは(男性15.02±3.35°女性13.2±3.38°P=0.0967)有意差はみられなかった。【考察】歩行時足角とFNTは負の相関であることから,FNTの増大は足角減少に作用することが示唆された。SahrmannらはこのFNTの増大は,中殿筋後部線維の延長・弱化による股関節内旋の優位性を報告しており,歩行時の股関節内旋が起こりやすい状態が推察される。また,宮辻らは,自由歩行における足角の男女比において女性の足角が有意に減少したと報告しており,今回の研究も同様の結果となった。また,女性高齢者では同若年者と比較し足角が増大したと報告している。つまり,加齢にともなうバランス能力・筋機能低下から,その代償作用として足角を変化させ安定性を獲得していると思われる。しかし,FNTが増大した条件下での足角増大は膝関節にknee in toe outの回旋ストレスを誘発させることが推察される。また,同様に女性non contactスポーツに発生頻度の高い膝前十字靱帯損傷の発生メカニズムの要因にも,このFNT増大の条件下での足角増大による回旋ストレスが関与しているのではないかと思われる。したがって,この3つの形態評価は膝障害へのマルアライメントの解釈に重要と思われる。しかし,今回の研究では歩行時の膝関節回旋角度の評価を行なっていないため,脛骨・大腿骨の回旋角度と,足角,FNT,TTをパラメーターとした調査が今後の課題である。【理学療法学研究としての意義】臨床において,歩行分析を行なう上で膝回旋ストレスを考える際,動的な股関節・足部の影響が考慮されるが,あらかじめ解剖学的構造的特性を評価することで,その解釈の情報の一部になると思われる。また,さまざまな膝疾患の発生メカニズム解明の一助として意義がある。

1 0 0 0 奈良県史

著者
奈良県史編集委員会 編集
出版者
名著出版
巻号頁・発行日
vol.第9巻, 1984
著者
大上 麻海 相馬 敏彦
出版者
産業・組織心理学会
雑誌
産業・組織心理学研究 (ISSN:09170391)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.129-138, 2016 (Released:2019-08-05)

This study examined the moderating effect of outcome interdependence (individual or team rewards) on taking charge of prevention-focused employees. Employees focusing on prevention are relatively averse to taking charge because they are likely to be apprehensive about the risk involved in it. We hypothesized that even prevention-focused employees would engage in taking charge by working for team rewards, which would alleviate their anxiety about making mistakes. The following were the major findings: 1) When employees perceive the necessity for an organizational change due to a change in the external environment, those focused on prevention do not engage in taking charges; 2) However, if employees work toward team rewards, they do engage in taking charges. We discuss the implications of our research findings’ for the theory and practice of effective organizational management.
著者
野坂 洋子
出版者
法政大学現代福祉学部現代福祉研究編集委員会
雑誌
現代福祉研究 = 現代福祉研究 (ISSN:13463349)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.141-151, 2015-03-01

本研究は、ドメスティック・バイオレンス(以下、DVとする。)とDV被害者支援現場にて発生している二次加害の類似性について整理することにより、二次加害防止に向けた方策を考察することを目的とする。DV被害者支援現場では、支援者が二次加害行動をして被害者にダメージを与え、支援を受ける動機付けを低下させる現象が発生しており、この防止策構築は喫緊の課題といえる。二次加害防止策構築の一環として、DVと二次加害の類似性に焦点を当てて分析・考察を行った結果、DVと二次加害には発生の仕組みと加害内容に類似性がみられた。この類似性が影響することにより、二次加害が発生するとDV被害者支援現場において支援者が被害者により深刻なダメージを及ぼすことにつながったり、被害者のアクセシビリティーを低下させる要因になり得ると考えられる。また、二次加害防止策の中でも支援者レベルの方策として、スーパービジョンの有効性も提言した。
著者
依田 新 大橋 正夫 島田 四郎
出版者
日本教育心理学協会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-9,64, 1969

小学校へ入学したばかりの1学級の児童に担任の教師が個別に面接して, 好きな友達と嫌いな友達の名前を無制限にあげさせた。こうして毎月1回3年生の終りまで合計36回にわたって学級内の友人構造を調査した。これを主として数量的に分析した結果次のことが明らかとなった。<BR>(1)好きな友達としてあげる人数の平均は第1回では1人以下であったのが次第に増加し, 終には3人を越すようになつた。あげた嫌いな友達の数はそれより稍少いが, 大体類似の傾向をたどつて増加する。<BR>(2)好きな友達として女子が指名するのはほとんど最初から女子が多いが, 男子が男子を多くあげるようになつたのは2年生の3学期に入つてからである。とれに対して嫌いな友達としてあげるのは, 男女ともはじめから男子が多い。<BR>(3)多数から集中的に選ばれるスターは, 「好きな友達」ではほとんど女子, 「嫌いな友達」ではほとんどが男子である。両方ともその地位はかなり安定しているが, 特に前者はそれが顕著である。<BR>(4)本研究の年齢範囲では選択行動の一貫性は発達に伴って増大しているとはいえない。しかし積極的選択の方が拒否的選択よりも常に高い。<BR>(5)好きな友達の相互選択の量は一般に男子同志より女子同志の間の方が多く, 又次第に多くなるが, 異性間のそれは2年生を山とし3年生ではかえつて少くなっている。又相互依存の程度は次第に高くなって行く。相互に嫌い合つている組の数には性による差がなく, 又異性間のそれは3年生に急増している。<BR>以上のごとは一般に言われているよりも早く既に1年生頃から性的対立がみら札それが3年生にはかなり顕著になることを一貫して裏づけているように思われる。しかもそれはまず女子の方の側から現れ, ややおくれて男子の方にも現われることを示している。しかしこれは本研究の資料が面接調査によるものであるということに幾分関係があるかもしれない。
著者
丸山 和昭 佐藤 万知 杉原 真晃 立石 慎治 MARUYAMA Kazuaki SATO Machi SUGIHARA Masaaki TATEISHI Shinji
出版者
名古屋大学高等教育研究センター
雑誌
名古屋高等教育研究 (ISSN:13482459)
巻号頁・発行日
no.20, pp.91-110, 2020-03

大学教員における教育と研究の分業が、高等教育政策をめぐる議論のなかで取り上げられている。教育と研究の両立、分業については、大学教員を対象とする調査研究の蓄積があるが、大学外の人々の認識は十分に検討されてこなかった。そこで本研究では、大卒者へのウェブ調査の結果をもとに、教育、研究を行わないタイプの働き方が「大学教員にふさわしい」と判断されるか否かについての分析を行った。分析からは、教育と研究を両立する働き方が「大学教員にふさわしい」と判断される傾向が強いことが明らかとなった。他方、分業を認める立場も一定割合を占めており、特に私大出身者に分業を許容する傾向が見られた。ただし、分業を認める立場にあっても、"教育と研究を両立しつつ、社会貢献や管理運営にも関わる"という従来型の教員像への評価が、分業型の教員像に対する評価を上回る傾向にあった。教育と研究の分業化が先行する英語圏の動向を踏まえても、細分化された役割を担う教員は、不安定な身分に置かれやすい。分業の導入を巡る議論においては、新しいタイプの教員が相対的に評価の低い地位に固定化されることがないよう、格別の配慮が求められる。The division of education and research among university faculty is an issue arising upstream of the debate on higher education policy. Regarding the balance between education and research, and the division of labor, previous studies have been accumulating, which target university teachers, but its recognition by people outside the university has not been fully examined. Therefore, in this study, based on the results of an internet survey of university graduates, we analyzed whether or not the type of work that does not involve education or research was judged to be "suitable for university teachers." Analysis revealed that work styles that balance education and research tend to be judged as "suitable for university teachers." Conversely, the position of allowing a division of labor also occupies a certain percentage, and there was a tendency to allow a division of labor especially for those from private universities. However, even if they are in a position to recognize the division of labor, the evaluation of the traditional teacher image of "being involved in social contribution and management while balancing education and research" tends to exceed the evaluation of the image of research-only professors and teaching-only professors.本研究はJSPS科研費17K04691の助成による。
著者
竹田 和平 佐藤 吉哉
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1396, pp.124-127, 2007-06-18

問 竹田さんは「タマゴボーロ」などで知られる菓子メーカーの会長であるのと同時に、個人投資家ながら100社を超える企業の大株主です。保有銘柄のほとんどは中堅企業で長期保有が基本だそうですが、株式投資にはどんな考えを持っているのでしょうか。 答 僕は配当を重視するんです。「早う値上がりしてほしい」「まだ値上がりせんのか」とギラギラしている投機とは違います。
著者
瀧川 裕英
出版者
大阪市立大学
雑誌
法学雑誌 (ISSN:04410351)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.230-192, 2009-09
著者
武藤 久枝 加藤 孝正
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 = Journal of College of Contemporary Education (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.9, pp.13-21, 2017-03

本研究の目的は、幼児期の動的学校画(Kinetic School Drawings、 KSD)の人物像の特徴に関する実証的知見を得ることである。保育所年中児298名に対して集団でKSDを実施した。そのうち、本人、友達、先生の3者が描かれた80名のKSDを分析対象として、1)人物像の人数(友達の数、先生の数) 2)描画順位 3)活動内容 4)シンボル(花、木・草、家、蝶、ハート、魚、印) 5)スタイル(包囲、鳥瞰図、透視画、区分化、エッジング) 6)自己像の位置 7)一番大きい人物像 8)高い位置の人物像 9)自己像に最も近い人物像 10)描画水準 11)基底線と太陽について性別の出現を検討した。その結果、性差が認められたのは活動内容、シンボル、スタイルであった。女児がシンボルを描く割合は男児よりも有意に高く、その種類も多かった。また、女児の活動内容における「ブランコ・鉄棒」の出現、およびスタイルにおける透視画の出現はそれぞれ男児よりも有意に高かった。
著者
野村 修一 三浦 順市 金子 康弘 星野 寿幸 石岡 靖
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.789-793, 1991-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
13

This study aims to applicate the Biometric impression trays for Japanese edentulous patients. A hundred (fifity males and fifity females) Japanese bucco-lingual breadth (BLB) s of the dentulous alveolar process were measured on maxillary study casts by the three dimensional coordinate measuring machine.Results:1. Average measurements (mm) and standard deviations (mm) were as follows. Central incisor; 5.7±1.15, canine 7.5±1.41, first premolar 10.7±1.07, second premolar 11.4±1.37, first molar 13.4±1.25 and second molar 12.3±1.33.2. Japanese average measurements were 0.5-1.0mm smaller in incisor and canine region, but 0.6-0.8 larger in premolar and molar region as compared with figures of Scottish that Watt had reported.3. Biometric tray of which design is based on the average BLB measurements will become a concrete guide to the breadth of the flange of complete upper dentures for Japanese.