著者
川添 和義
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.114-118, 2021 (Released:2021-02-01)
参考文献数
3

漢方薬は生薬・天然物を臨床現場とつなぐ大きな存在であるにもかかわらず,薬剤師が臨床現場で生薬を意識することはほとんどない。しかし,漢方薬の本質を知るためには生薬の漢方薬における働き(薬能)を意識することが重要であり,その本質を知ることで,適正な服薬指導や漢方利用が可能となる。今後,さらに広がると考えられる漢方利用に対し,生薬の働きを深く知ることが今後の薬剤師にも求められる。
著者
小松 かつ子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.89-93, 2021 (Released:2021-02-01)
参考文献数
25

我が国の生薬を巡る現状を紹介し、今後、生薬の持続的利用と品質保証、漢方薬の効能リポジショニングおよび植物性医薬品や機能性表示食品の開発を行うために必要な組織体制の構築と、その中における生薬・薬用植物研究の役割などについて考察した。
著者
吉松 嘉代
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.94-98, 2021 (Released:2021-02-01)
参考文献数
22

生薬は,我々の健康の維持・増進に欠かせないものである.しかしながら天然資源を基原とする生薬は.その供給のほとんどを国外,特に中国に大きく依存しており,持続的確保が危惧されている.生薬の安心・安全な持続的供給の実現には,生薬の国内自給率向上が必須であり,そのためには薬用植物種苗供給体制の構築が必要不可欠である.本コラムでは、薬用植物種苗供給の実装化を目指した我々の取り組みについて紹介したい.
著者
袴塚 高志
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.99-103, 2021 (Released:2021-02-01)

日本の生薬・漢方製剤の安全性,有効性及び品質は,公定書(日本薬局方及び局外生規[日本薬局方外生薬規格])を基礎として,GMP(Good Manufacturing Practice),GQP(Good Quality Practice),GVP(Good Vigilance Practice),GACP(Good Agricultural and Collection Practice)などにより多面的に確保され,各事業者が実施するべき個別の要件は製造販売承認書に規定されている.本稿では,現代日本の薬事制度において承認を受けた天然物医薬品としての生薬に限定して,その品質確保に資する取り組みについて主に制度の面から解説する.
著者
江下 雅之 Masayuki ESHITA 目白大学社会学部社会情報学科
雑誌
目白大学経営学研究 = Mejiro journal of management (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.(6), pp.89-03, 2008

2006年12月に発売された任天堂のゲーム機Wiiは、新たなゲーム市場を開拓し、全世界で好調な売れ行きを記録している。しかしながら、任天堂が大幅な増産を図らないために市場は慢性的な品薄状態となり、発売前の予約段階はもちろんのこと、発売から数ヶ月後に至るまでネット・オークションでの転売が活発であった。Wiiをめぐるオークションの入札動向は、店頭発売日前後で大きく異なる。落札価格、各オークションへの入札計数とも、店頭販売当日まで上昇を続けた。しかし、こうした過熱は出品数が急増することで解消されている。また、落札価格、入礼者数ともに単調な増減を示すことはなく、おなじ日でも上下に振幅している。他方、オークション参加者はこうした傾向を考慮した入札を行っているのではなく、入礼者の参加時点で把握可能な出品機会のもとで競合の度合いを判断しているものと考えられる。
著者
Shintarou Kudo Takanori Sato Toshinori Miyashita
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.277-280, 2020 (Released:2020-04-02)
参考文献数
30
被引用文献数
5

[Purpose] The present study aimed to determine the effects of eccentric calf raise exercise, which has the characteristics of plyometric training, on the fascicle length and muscle thickness of the gastrocnemius medialis muscle and range of motion of the ankle using ultrasonography. [Participants and Methods] Twenty-one healthy volunteers were randomly assigned to the eccentric calf raise exercise group or normal calf raise exercise group. Measurements were performed before training and at 3, 6, 9, and 12 weeks after training. [Results] In the eccentric calf raise exercise group, the fascicle length significantly increased after 6 weeks compared to that at baseline and at 3 weeks after training. The dorsiflexion angle and muscle thickness after three weeks significantly increased compared to that at baseline, but the pennation angle was not significantly different. The fascicle length, pennation angle, dorsiflexion angle, and muscle thickness showed no significant difference at all time points in the NCR group. [Conclusion] The results of this study showed that continued stretching of the gastrocnemius medialis muscle during eccentric calf raise exercise enhanced the morphological structures, such as the a fascicle length and muscle thickness. Eccentric calf raise exercise training may aid in injury prevention.
著者
南波 杢三郎
出版者
立花書房
雑誌
警察学論集 (ISSN:02876345)
巻号頁・発行日
vol.8, no.8, pp.33-53, 1955-08
著者
二階堂 善弘
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 = Bulletin of the Institute of Oriental and Occidental Studies, Kansai University (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.50, pp.41-50, 2017-04

I have been engaged in research on temple guardian gods in Japan and China, as well as, over the course of several years, investigations into Buddhist temples in Vietnam. I have come to the conclusion that the Vietnamese temple guardian known as Duc chua ong has its origins in India Sudatta (Anathapindika). In mainland China some papers asset an Erlanshen influence from Zoroastrianism. I agree in part with this viewpoint.
著者
大池 秀明
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.36-39, 2019-03-31 (Released:2019-04-03)
参考文献数
11
著者
内山 一美
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.559-573, 2019-08-05 (Released:2019-09-05)
参考文献数
49

ピエゾ型インクジェットを用いたピコ〜サブナノリットルの微小液滴を用いた分析化学について著者らの報告を中心に述べる.インクジェットは吐出位置を制御することで,生成される微小液滴を任意の位置に送達するためのデジタルナノピペットとして活用できる.微小液滴をキャピラリー内に送達することで,微小反応場で抗原─抗体反応を行うことができ,免疫測定法の迅速・高感度化が可能になる.本稿では,著者らの研究成果であるキャピラリーを利用したイムノアッセイ法を紹介する.また,デジタルナノピペットにより,ポリマービーズの懸濁液を基板に吐出することで,規則配列3次元構造体を作製し,高感度イムノアッセイに応用した.インクジェットで形成させた微小液滴そのものを反応場として,分析化学に応用できることを示してきた.著者らが開発してきたオンラインデジタルPCRによるDNA分析及びインクジェットからの分散媒中に高分子プレポリマーを直接吐出する高分子微粒子の生成方法を概説した.
著者
孫 詩彧
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.171-191, 2020-12-23

共働き夫妻の家事育児は遂行の時間や頻度から見て分担が進んでいるものの,妻に偏っている点で夫片働き家庭と共通している。これを受けて役割分担の研究は共働き夫妻に限定して規定要因の再検討を行った。一方,子どもの誕生と成長につれて夫妻間の役割分担が硬直化し,調整可能性が制限されることの議論がほぼなされていない。本研究は夫妻双方から集めたペアデータを用い,育休の取得と利用を手がかりに分析した。その結果,調整可能性の内実として「互換可能性」と「代替可能性」を明らかにした。妻のみ育休を取る場合,夫妻間の交渉が抑えられて役割の互換をしなくなり,夫の家事育児遂行が限られた結果,夫妻間の代替も難しくなる。役割分担の調整可能性に寄与する観点から,男性の育休取得率を上げるよりも,取得と利用における夫妻間の差に注目する必要がある。夫妻が共に育休を取る,もしくは取らなくても子育てができる環境が重要である。
著者
当山春三 著
出版者
神宮奉斎会宮城本部
巻号頁・発行日
vol.大正7年, 1923
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1642, pp.86-89, 2012-05-21

その男は、ふと思いついたように受話器を取った。「やあ、やあ、安藤さん。ウチの美術館の上にカエルを載せたいのだけれどね。怒らないようにね」。電話の相手は、かの安藤忠雄である。 安藤が設計した兵庫県立美術館の屋上に、巨大なカエルの立体アートを載せて、人の目を引きつけたい――。建築家にとって建築物は「作品」だ。しかも相手は世界的な建築家である。