著者
藤本 淳 木田 景子 宇野 太啓 池邊 晴美 谷口 一男 野口 隆之
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.19, no.6, pp.400-403, 1999-07-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
11

貼付用リドカインテープ(ペンレス®)は,患者に疼痛を与えない局所麻酔を目的として開発されたテープ剤である.今回,健康成人ボランティア20人を対象として,リドカインテープによる表在痛及び深部痛の疼痛閾値の変化を測定し,プラセボと比較して評価した.表在痛の疼痛閾値はリドカインテープ群がプラセボ群に比較して有意な上昇を示したが,深部痛では両群間に有意差はみられなかった.リドカインテープは表在痛に対して有効であり,使用法が簡便であることや患者の苦痛を伴わないことから有用な鎮痛法であると思われた.一方,深部痛に対しては有効性は認められなかったが,貼付法•貼付時間の点からさらに検討の必要があると思われた.
著者
J.D. Collinson & D.B. Thompson
出版者
Unwin Hyman
巻号頁・発行日
1989
著者
本田 一成 赤津 観
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.141, no.1, pp.39-45, 2021-01-01 (Released:2021-01-01)
参考文献数
10
被引用文献数
3

Permanent magnet synchronous motors (PMSMs) are widely used as an automotive motor, and there has been a demand for their further technological advance. A harmonic current control method has been used as a controllable approach for realizing its low vibration of PMSMs. In addition, a dual inverter system has attracted attention as an automotive motor system considering its fault tolerant function. In this study, an open-winding structure PMSM driven by dual three-phase inverters, which share a DC bus source, is used for the proposed third harmonic current control. By using third harmonic current control, it is possible to reduce both the sixth order torque ripple component and the second order radial force. The performance of the third harmonic current control of the open-winding PMSM is verified through FEA and experimental results.
著者
向 文緒 美和 千尋 鈴木 國文
出版者
日本作業療法士協会
巻号頁・発行日
pp.537-544, 2003-12-15

要旨:精神科作業療法の課題を明らかにすることを目的に,愛知県内の精神科作業療法に従事する作業療法士の問題意識と作業療法の実態について調査を行った.調査票回収後,問題意識のカテゴリ化を行い群分けをして,作業療法の実態比較を行った.治療性より収益性が求められることを問題にあげる施設とあげない施設の作業療法士一人あたりの取り扱い患者数に有意差は認められなかった.一方,プログラム構成には有意差が認められた.また,作業療法士が参加しないプログラムを有する率も,問題意識の違いにより異なる傾向がみられた.治療性より収益性が求められるという問題の背景に,プログラムのあり方に関する問題があることが示唆された.
著者
鶴田 佳世 中村 潤二 小嶌 康介 中村 佑樹 岡本 昌幸 菅野 ひとみ 尾川 達也 徳久 謙太郎
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】「市町村介護予防強化推進事業」は,平成24年度から厚生労働省のモデル事業として13の市町村で実施された。この事業は生活範囲が狭小化した高齢者を対象に,通所と訪問を組み合わせた介護予防事業を3か月程度実施し,日常生活の改善を図った後,運動や食事を楽しむことのできる通いの場に移行して,状態の維持を図るものと位置づけられている。今回このモデル事業に参加し,行政職を含む地域の専門職と協働してアプローチすることにより機能向上のみならず,参加者の生活に密着したサービスの提供や支援を検討し,社会参加へつながった事例を経験したので報告する。【方法】事例1は要支援2の70歳代女性で肺炎後廃用症候群で,既往歴は腰椎椎体偽関節であった。ニードは腰痛が軽減し,しっかり歩きたいとのことであった。身体機能は筋力,全身持久力,歩行能力の低下があり,基本動作,ADL,IADLは一部介助であった。普段はコルセットを使用し,屋内移動は伝い歩きが何とか可能なレベルであった。事例2は要支援2の80歳代男性で両変形性膝関節症であった。ニードは体力の低下とともに辞めた趣味の再開と元気になって外出したいとのことであった。身体機能は筋力,全身持久力,歩行能力の低下があり,ADLは自立,IADL一部介助で,屋内はT字杖歩行自立,屋外は一部介助で外出の機会は少なかった。事業の開催頻度は3か月間を1クールとし,通所が1回2時間,2回/週で全24回,訪問が1人あたり1から3回/3か月であった。参加者は各クール約15名程度で,地域ケア会議は3か月間で初期,中間,最終の3回開催された。通所ではマシンやゴムバンドを使用した筋力増強運動,バランス練習,療法士による個別課題練習,訪問ではIADL実施状況の評価や指導,家屋評価,住宅改修や代替案の提案,自主練習,ADL,IADL指導などを実施した。地域ケア会議では,初期から中間,中間から最終までの間の変化,目標の見直し,各専門職の役割分担などを確認し,療法士として主に運動面,自宅環境の確認と福祉用具の選定および生活環境に合わせ活動性向上のための戦略などを提案した。評価項目は,椅子長座位体前屈(体前屈),5m歩行時間,Timed Up & Go test(TUG),握力,30秒起立試験(CS30),Frenchay Activities Index(FAI),2分間ステップ(2MS)とし,初期と3か月後に評価を行った。個別の介入として,事例1では地域ケア会議において本人が習慣にしていた行動や希望を確認し,その実現可能性を多職種にて検討した。療法士は,通所での個別歩行練習と訪問での自宅内動作確認と指導を行い,体力の向上に合わせて活動範囲を広げていくために,自宅周囲の歩行練習および教室終了後に通う場所までの移動確認などを行った。事例2では,運動継続の動機づけのために疼痛のフォローが不可欠であったため,通所では疼痛,負荷管理しながらの個別運動指導を行い,訪問では自宅内動作の確認,環境面の特性を包括担当者と検討を重ね歩行練習が可能な場所や方法の検討を行った。【結果】事例1の主な身体機能面の結果は,5m歩行時間(秒)5.1から3.9,CS30(回)11から16,FAI(点)13から19点,2MS(回)測定不可から47であった。IADLは,洗濯物の取り込みが可能となり習慣化したこと,近所の神社へのお参りや友人宅への訪問を再開するなどの活動性の向上がみられた。事例2の結果は,5m歩行時間6.3から4.3,CS3014から19,FAI20から21,2MS47から59であった。IADLは,自宅の庭の手入れの再開や家事への参加,教室終了後にボランティアに参加するなど活動性向上を認めた。【考察】事例1では,本人の元の生活を取り戻したいという意欲を目標に取り込み,関連ある目標を段階的に設定し,達成していくことで機能,活動,参加での改善がみられた。事例2では疼痛管理と自主練習の指導,個別の運動負荷設定を行うことで,同様の改善がみられた。従来の介護予防教室では,ADLやIADLの変化まで追跡するのは困難であったが,今回地域ケア会議を通して個人因子を深く検討したこと,通所と訪問の併用により機能,活動,環境の面から多職種が連携して評価・介入が出来たことでADL,IADLにまで介入し改善がみられた。それに加え予防を意識した活発な生活環境を提供することができた。【理学療法学研究としての意義】今後,地域包括ケアシステムに理学療法士が参画するうえで,地域ケア会議を含む多職種と連携していく場において,参加者中心の生活を捉えた包括的介入に効果的な関わりを持てることを示すことができた。

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著者
横山敏男 著
出版者
肇書房
巻号頁・発行日
1942
著者
田中 彌太郎 リオ ナタリアデル
出版者
水産増殖談話会
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.58-59, 1978

1977年1月, 島根県産イタヤガイ母貝の温度刺激による産卵誘発結果から, 本種は自家受精が正常におこり, それによってふ化したD型幼生は特定の餌料生物を摂取して十分に生長することおよび変態期における幼生の交装をふくむ形態観察から, 天然における本種幼生の同定が可能であることを示した。
著者
中野 貴司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.108, no.2, pp.289-296, 2019

<p>主に海外渡航者を対象として接種されるワクチンは,トラベラーズワクチンとも呼ばれる.渡航時の感染症予防は,接種者の健康を守ると同時に,病原体を遠隔地へ伝播しないという観点からも大切である.渡航の形態や渡航者の背景が多様化した昨今は,渡航先でのライフスタイルや宿主要件を考慮し,ワクチンの接種計画を検討することが必要である.本稿では,各種トラベラーズワクチンについて解説すると共に,解決すべき課題を考察した.基本的な考え方として,「海外渡航をするからワクチン接種が必要」というよりは,日頃から感染症予防を心掛けることを重視したい.麻疹・風疹や破傷風をはじめ,成人世代に接種が必要なワクチンについて具体的な推奨が明示されていないこと,海外標準製剤であっても,国内未承認のワクチンが多いこと等については,早急な解決が望まれる.</p>