著者
照井 眞紀子 村上 洋子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.42, 2005

【目的】管理栄養士は給食を経営するための知識が問われ、経営手法や経営感覚を持つことが期待される。給食経営管理の学習で用語の知悉や理解の程度の高揚が、内容の理解と知識を増幅させ実践力がつくと考える。また、それらはメディアからの情報収集との関連も考えられる。学生の給食経営管理の専門性の能力を養うために教育をどのように展開したらよいか、用語の知悉と理解、情報収集源との関連で検討した。【方法】調査は、管理栄養士養成施設の2年生90名を対象に2004年10月に行った。教科書から80の用語を抽出し「読み」と「知悉」・「理解」の程度、情報の収集と発信、新聞・テレビ・雑誌の視聴の程度等をアンケート調査した。【結果及び考察】回収率は、95.6%であった。「読み」の全問正解者率は4.7%で全員正解用語率は47.1%、聞いたことがない用語では「歩留まり」、「貸借対照表」が82.6%、「損益計算書」77.9%、80%以上の用語を聞いたことがあると答えた者は19名、70%以上の用語の意味がわかると回答した者は8名であった。用語の知悉と意味の理解には強い相関がみられた。情報収集源として98.8%の者がテレビをあげ、ニュースを殆ど毎日みる者は45.3%であるが、経済・経営関係の番組をみることが殆どなしの者が73.3%あった。用語を聞いたことがあると回答した者は新聞を読む傾向があり、意味がわからないと回答した者は、新聞も読まない、経済・経営関係の番組を見ないという負の相関が強かった。メディア等の情報収集が給食経営管理の理解を深める一助となることが示唆され、情報の意味の読み出しと解釈力を喚起した教育展開が必要と推察する。
著者
Hitoshi NAKANO Yuki KAMEO Hiroshi SATO Masami MOCHIZUKI Mayumi YOKOYAMA Shigehiko UNI Takahiro SHIBASAKI Ken MAEDA
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.71, no.12, pp.1661-1663, 2009 (Released:2009-12-31)
参考文献数
16
被引用文献数
11 12

Canine distemper virus (CDV) causes a lethal disease among members of the Carnivora. To clarify the distribution of CDV in wild animals, we examined 106 raccoon sera collected from two prefectures in Japan, Hyogo and Osaka, from 2005 to 2007. Among them, 34 raccoons (32.1%) possessed a virus-neutralizing (VN) antibody to KDK-1 strain (genotype Asia-1). There was no significant difference in seroprevalence of CDV regardless of places, gender, and body weights. In Hyogo, a geometric mean of VN titers to KDK-1 was significantly higher than that to Onderstepoort (vaccine strain), indicating that KDK-1-like CDV different from vaccine strain might have spread among raccoon population in Hyogo. In conclusion, CDV is epidemic among feral raccoons in Japan, suggesting that CDV might have been spreading among Japanese wild animals.
著者
北星堂
出版者
北星堂
雑誌
The Pole Star Monthly
巻号頁・発行日
vol.7, no.6, pp.1-8, 1935-01-01

193mm x 260mm,4ページ分が表裏1枚の用紙に印刷され,附録が中央部分にはさみ込まれている。
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.695, pp.21-37, 2008-09
著者
青木 康彦 丸瀬 里菜 河南 佐和呼 金 晶 馬場 千歳 藤本 夏美 伊 薇琳 松尾 祐希 野呂 文行
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.249-261, 2020

本研究は,ASDの診断がある児童2名,定型発達児(対照児)1名に対して,シミュレーション訓練としてボードゲーム(野球盤)を使用したルール理解指導を実施し,ルール実施,ソーシャルスキルがキックベース場面へ般化するかを検討することを目的とした。その結果,2名中2名のASDのある児童において,野球盤でのルール指導期前よりも後でキックベース場面のルール実施率が高いことが明らかになった。また,ソーシャルスキルについては,2名中1名のASDのある児童にキックベース場面での生起率の上昇が認められた。対照児においては,キックベースの経験回数を重ねることで,キックベースのルール実施率の上昇傾向が認められたが,ソーシャルスキルの生起率については変動がなかった。考察では,野球盤を使用したキックベース指導の利点や,ソーシャルスキルについて指導効果が認められなかった児童に対する指導手続きの課題等について論じられた。
著者
佐藤 紀 宮部 雅幸 川真田 樹人 中江 裕里 表 圭一 並木 昭義
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.15, no.9, pp.616-619, 1995-11-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
6

咽喉頭全摘出術患者10名にリドカインを用いて頸部硬膜外麻酔を施行し,反復投与による血漿リドカイン濃度の推移を検討した.笑気酸素-セボフルランを用いた全身麻酔下で,初回に20万倍エピネフリン添加2%リドカイン3mg/kgを投与し,1時間後より1時間ごとに20万倍エピネフリン添加1.5%リドカインを循環動態に応じて1~2mg/kg追加投与した.初回投与後,血漿リドカイン濃度は15分でピークに達し,追加投与直前の1時間後に最低となった.初回投与3.5時間後に2.6±0.6 (SD) μg/mlに達した後は,およそこの血漿中濃度で安定した.長時間にわたる頸部手術における頸部硬膜外麻酔併用全身麻酔では,安全なリドカイン血漿濃度を維持できることが示された.
著者
桑山 由文
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.157-191, 1996-03

個人情報保護のため削除部分あり元首政期ローマ帝国において、本来極めてわずかな軍事権限しかもち得なかった近衛長官職は、徐々に国政における役割を増やしていき、三世紀の軍人皇帝時代には、国政運営の様々な面において指導的役割を果たすようになった。そればかりか、帝位を纂奪する近衛長官さえしばしば出現したのである。先行研究ではこのような近衛長官隆盛の基はセウェルス朝期に築かれたとし、特に法学者パピニアヌスらが連続して近衛長官職に就いたことが近衛長官職の内政的側面の発達の画期であると理解し、重視してきた。しかし、本稿における検討の結果、法学者近衛長官の意義は低いものであり、近衛長官職発展の画期は、従来軽視されてきた五賢帝期後期であったことが明らかになった。この時代に、近衛長官職は権限・地位が上昇して職務として確立したのである。騎士身分を中心とする三世紀半ばの政治体制へと元首政が移行していく基盤は、五賢帝期後期に成立したといえよう。