著者
伊藤 華子
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.616, pp.78-83, 2010-12-27

そろそろ気になる決算と確定申告──。本業にかけるパワーや時間を減らさず、上手に節税したり、業務を効率化したりするために、業務ソフトを活用したい。ここでは、小規模企業や個人事業主を対象にした会計ソフトを中心に、業務ソフトの選び方を解説する。(伊藤 華子=フリーライター) 2010年度分の「決算」や「確定申告」の時期が近付いている。
著者
平松 広司 平野 隆
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.293-301, 2017-10-15

本稿では,筆者らが取り組んだディジタル革新を実現するためのデザインアプローチHuman Centric Experience Designとそれに基づくファッション業界での共創事例の詳細を述べる.Human Centric Experience Designは,ユーザエクスペリエンスを重視した共創による新しい事業を創出するデザインアプローチである.そのプロセスとしては,ビジョンの策定,コンセプトの開発,ビジネスの検証の3つのフェーズを設定している.また,ディジタル革新を実現する上では,そのプロセスの中で,①人,②メソッドとツール,③テクノロジー,④場(スペース)という4つのリソースを目的に合わせて最適に組み合わせることが重要である.こうした観点から,このアプローチをファッション業界での新規事業創出の共創プロジェクトの事例としてまとめ,活用したリソースの評価とともに今後への課題を示した.
著者
白倉 一由
出版者
山梨英和大学
雑誌
山梨英和短期大学紀要 (ISSN:02862360)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-14, 1999-12-10

小尾守彦の人格と彼の俳語の世界の究明である。八ヶ岳南麓は江戸時代後期農民の間に教育と俳語が盛んに行われたが、その功績は小尾守彦に負うところが大きい。当時里正であった小尾守彦は行政の責任者であったが、蕉庵の三世宗匠でもあり、彼の人格とあいまって、多くの人達が彼の下に集まった。五町田村は八ヶ岳南麓の文化の中心であった。小尾守彦は蕪庵の三世宗匠になったが、この宗匠委譲に大きな力になったのが、馬城ではなかったかと思われる。馬城は『一茶全集第七巻』には大阪の人とあるが、蕪庵の馬城は五町田村の馬城であり、馬城は当時二人居たのである。『一茶全集第七巻』の馬城の注は誤りである。小尾守彦の人格と出自は現山梨県北巨摩郡高根町五町田七八一番地に建立されている漢文五百字の石碑に記されている。彼は人格者であり、教育者であり、行政の指導者であり、俳人であった。天保五年『土鳩集』を刊行する。県内のみならず江戸・信州その他全国から合計二九四人の句が掲載されている。守彦の没後、万延二年慈明忌に、四世宗匠彦貢が追善俳譜集『旭露集』を刊行する。この二句集によって、守彦と蕪庵の俳譜活動の全貌が究明される。蕪庵は蕉風俳語であり、彼の俳静は自然美の詳細な感受性、日常生活の断片的印象、人生の意義、人の生の理想を表現している。「蕪庵とその周辺の俳譜 一」は「日本文芸論集」第二二号に、「蕪庵とその周辺の俳語 二」は「日本文芸論集」第三一号に発表したが、今回の「蕪庵とその周辺の俳譜 三」は山梨英和短大紀要に発表することにした。
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.425, pp.77-84, 2010-05

厨房スタッフとホールスタッフは、仕事場も仕事内容も違うので、相手の立場に立つことが難しく、トラブルが起こりがちです。解決策としては、例えば、メニューにある料理に関しては、調理法、素材の選び方、味付けの工夫など、厨房スタッフが苦心している点について、朝礼などでホールスタッフにできるだけ詳しく伝える。
著者
太田 裕通 神吉 紀世子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1218-1225, 2015
被引用文献数
1

本研究は個人が都市への関心を通じて抱くその時空間的な拡がりを伴う自地域への価値付けに注目し、それを地域毎の将来シナリオの創造へと展開する情報として扱うために仮称的な概念『都市認識』を定義し、『ダイアログ』という深いコミュニケーションを通してその共有を目的とした手法の漸次的構造化による開発を行った。『ダイアログ』の中でスケッチや多様な地図を駆使して居住者の『都市認識』を引き出すよう働きかけるApproacherという役割を手法開発過程で提案し、その積極的な姿勢から改めて話者の覚醒が導かれ、共に自地域への価値付けを行うプロセスを状況的、内容的に記述化し、それらから地域ベースの日常的な議論に繋げる提案を行うところまで展開した。対象地の西陣は織物で有名な都市内産業地域であり、その一般的イメージの強さから地域に潜む多様な価値が引き出し難く、また都市空間の物理的な側面においても実は『都市認識』の中にある西陣らしさが共有化され辛いことから、都市空間の将来を考える上で困難さが多い地域である。こうした地域において居住者の『都市認識』へのアプローチによる都市・建築デザインの実装が必要である。
著者
伊藤 研一 道明 義弘 イトウ ケンイチ ドウミョウ ヨシヒロ Kenichi ITO Yoshihiro DOMYO
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-49, 1998-02

COMPUSTATのデータベース(アメリカ、カナダ企業の財務データベース)をパソコンで用いることができるようにするシステムを開発した。これまで、パソコンでこのデータベースを利用しているという例がなく、また、パソコンだけで利用可能にした例はないので、どのように利用可能にしたかを報告することを目的としている。そのプロセスは、次の五段階によっている。第一段階は、MTからパソコンのハードディスクにデータを移し、コードをASCIIコードに変換する。第二段階は、複数のMTファイルを一つのファイルに結合する。第三段階は、データベースのフォーマットを変更し、データ項目を連続させる。第四段階は、5年間で1レコードとなっているそれぞれの年について、各年のレコード長をそろえる。第五段階では、各年のデータ項目を連続させて、年ごとにデータを利用できるようにする。第六段階では、それぞれの項目のデータを見やすく整形している。この処理過程を経ることによって、COMPUSTATのデータベースは、パソコンで利用可能になっている。カナダ企業、アメリカ企業と日本企業の行動比較が可能になる。日米加産業構造の一端を示す産業業種分類とその分類に属する会社数について、資料を作成し、比較のための基礎資料とした。
著者
谷 友和 工藤 岳
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.141, 2004

落葉樹林の林床は、上層木の葉群動態を反映して光環境が季節を通じて大きく変化する。夏緑性高茎草本植物は冷温帯林にふつうにみられ、生産性が高く、時として地上高が2m以上に達する。本研究では北海道道央域の2カ所の落葉樹林下において、6種の高茎草本(チシマアザミ、ヨブスマソウ、バイケイソウ、エゾイラクサ、ハンゴンソウ、オニシモツケ)を材料に、高茎草本が光環境の季節変動に対し、どのような生産活動を行っているのかを明らかにし、林冠下で高くなるための成長戦略について考察する。<br>サイズの異なる個体の地上部を採取し、乾燥重量を測定したところ、どの種でも同化-非同化器官重の比は高さによらず一定であり、単位重量当たりの葉を支持する茎への投資は高さに関わらず一定であると考えられた。同一個体の複数の葉で最大光合成速度(Pmax)と呼吸速度の季節変化を調べたところ、どの高さの葉でも、林冠閉鎖による光量低下に伴って、Pmaxと暗呼吸速度が低下した。個体内では上の葉から下の葉に向かってPmaxと暗呼吸速度の勾配が生じた。葉の老化による光合成低下と共に、弱光環境への光順化が起こったと考えられた。光合成速度、葉面積の季節変化と林床層の光環境の季節変化を組合せ、伸長成長が終了するまでの期間の個体ベースの日同化量を推定した。順次展葉種では、林冠閉鎖の進行途中に純同化量が最大となった。光量の低下と共に光合成と呼吸速度を低く抑え、かつ伸長成長と共に葉を蓄積し、同化面積を増やすことで個葉レベルの光合成低下を補っていたと考えられた。このような成長様式は、林床の光変動環境下で個葉レベルの同化量を維持するための戦略であると考えられた。一方、一斉展葉型のバイケイソウでは、林冠閉鎖の進行と共に純同化量は減少を続けたため、短期間に同化活動を集中させる春植物的な戦略を取っていると考えられた。
著者
原 登久子 美濃 真
出版者
公益社団法人 日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.475-479, 1997
参考文献数
27
被引用文献数
2

平成6年の国民栄養調査を基に、大阪府民のEとPUFA摂取量を詳しく調べ、日本人のE所要量の考察を行った。1)大阪府民のE摂取量はα-トコフェロールとして一人一日あたり8.3mgであった。2)大阪府民の一人一日あたりの脂肪、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸はそれぞれ59.8g, 17.0g, 20.9g, 15.1gであった。3)E/PUFA比は0.55であったがPUFAすべてをリノール酸に換算した場合E/PUFA比は0.39となった。
雑誌
北海道医療大学看護福祉学部紀要
巻号頁・発行日
vol.14, pp.99-114, 2007
著者
金子 貞吉
出版者
中央大学経済研究所
雑誌
中央大学経済研究所年報 (ISSN:02859718)
巻号頁・発行日
no.48, pp.183-206, 2016

アベノミクスは異次元の金融緩和策を軸にしているが,その理論的根拠も間違っている。円安・株価上昇では金融的効果をあげたが,目標の消費者物価上昇率2%は達成せず,実体経済での成長戦略は失速し,肝心の国民生活を低下させた。 日銀政策を追跡すると,日銀の保有資産のなかで増加しているのは国債であり,その対価である準備預金だけが当座預金のなかに過大に積み増されている。それに対して,現金や貸出金の増加率は微増で,市中に通貨は流れていない。異次元的金融緩和策は,大量の国債を日銀が引き取る「財政ファイナンス」になっているといっても過言ではない。この供給通貨は,旧来の不況対策を復活させ,公共事業の資金に回り,民間投資には貢献していない。それは金融取引だけを増やし,実体経済には向かっていないことが明らかである。 もともと貨幣は実体経済の活動から発生するが,今日の銀行の信用創造は,企業の投資活動の資金需要に応ずる性格ではなくなっている。日銀も公信用をもって通貨を膨張させたが,国債は証券化して,マネー経済の核にすらなっている。
著者
吉本 浩
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.93-105, 1987-07-20 (Released:2017-08-10)

本邦のホソバミドリヨトウは永らくヒマラヤのEuplexia literata(MOORE)に同定されてきたが,最近になって私は,これが真のliterataとは異なる種であること,またその所属もEuplexidia HAMPSON,1896に移さねばならないことに気付いた,本報では,我国のホソバミドリヨトウをはじめとして本属の4新種を記載したほか,従来Trachea-Euplexia群に置かれていた2種をこの属に移し,まタイ北部からliterataの1新亜種を記載した.本文にも記したように大陸の一部の種について同定上の問題が残っており,それらでは将来学名の変更が必要になるかもしれない.本報で扱った7種1亜種は以下の通り.Euplexidia noctuiformis HAMPSON, 1896[アッサム,タイ北部(未記録)] Euplexidia exotica sp. n.[台湾] 中部の阿里山山麓,十字路で得た1♂しか見ていない. Euplexidia pallidivirens sp.n.[台湾] 日本のホソバミドリヨトウと外観ではほとんど区別できない,台湾にも次種を産するので,同定には注意を要する. Euplexidia angusta sp. n.ホソバミドリヨトウ[日本,台湾] 本属中我国に産するものは本種である.前種よりもやや色調が濃く,前翅亜外縁の白色部がやや目立つほか,前翅も幾分幅狭く感ぜられるが,正確な同定には交尾器の検査が必要である.前3種に近縁であるが,本種では♂交尾器uncusの背面に剛毛の東を持たず,harpeも太いので,慣れれば解剖しなくても外部からの検鏡で同定できる.台湾では前種と混棲するほか,中国大陸にも分布するものと思われ,陳(1982)が図示した標本は本種のように判断される.Euplexidia literata literata(MOORE, 1882), comb. n.[シッキム,ネパールEuplexidia literata thailandica ssp. n.[タイ北部]Euplexidia illiterata sp. n.[ネパール]これら3つのタクサにはなお未解決の問題が残っている.すなわち,MOORE(1882)は外観のよく似た2種,Dianthoecia literataとD. venosaをともにシッキムから記載しており,これらの同定にはタイプとの比較が必要であるが,今回は成し得なかった.本報ではネパールからタイにかけて産するものをliterataに,またネパールで秋に得られているものを新種とし,venosaについては触れなかった.E. benecripta (PROUT,1928), stat. & comb. n.[スマトラ]本種はスマトラからliterataの亜種として記載されたものである。♂交尾器の構造は本属中特異であるが,♂交尾器vesicaや,♀交尾器の形状からEuplexidiaに属するものとした.以上のほか,ここでは扱わなかったが,ボルネオのTrachea albiguttata(WARREN, 1912)もHOLLOWAY(1976)に図示された♂交尾器の形からみて,本属に連なるものと思われる。しかし,BOURSIN(1964)によってネパールから2頭の♀で書かれた? Euplexidia violascensについては,交尾器も図示されず,また実見もしていないので除外した.