著者
近藤 崇史 福井 勉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100264, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】我々は,昨年の第47 回日本理学療法学術大会において健常者の歩行踵離地(以下:HL)のタイミングが遅れるほど,歩行時の立脚中期から立脚後期にかけての足関節底屈モーメントの活動が高まり,股関節屈曲モーメントの活動は低くなるといった足関節と股関節が相互に代償している可能性について報告した.その際,足部内の力学負担に関しては足部を1 つの剛体として捉えたため,その詳細は明らかにできなかった.アキレス腱炎,足底筋膜炎に代表される足部に関するスポーツ障害ではアキレス腱炎では足関節底屈モーメント,足底筋膜炎では中足趾節関節(以下:MP関節)屈曲モーメントが高まり,繰り返しのメカニカルストレスが障害に結びつくと予想される.従来の光学式手法による運動解析では,足部を1 つのセグメントとして捉えるもの,または複数のセグメントからなる足部モデルにおいても関節角度のみを算出しているものが多く,足部内の力学作用に関する検討は少ない.そこで今回は,剛体リンクモデルではなく,矢状面内での足関節およびMP関節の関節モーメントを算出し,HLのタイミングとの関係性を検討することを本研究の目的とする.【方法】対象は健常成人21 名(男性:17 名,女性:4 名,年齢:28.9 ± 2.5 歳)とした.測定には3 次元動作解析装置(VICON Motion system社)と床反力計(AMTI社)を用いた.標点はVicon Plug-In-Gait full body modelに準じて反射マーカー35点を全身に添付した.動作課題は自由歩行を7 回行った.得られた下肢の力学データは左右分けることなく採用し,解析に用いた.計測にて歩行速度,歩幅および矢状面上の足関節・MP関節の関節モーメントを算出するため,足関節中心,第2 中足骨頭背側マーカー,床反力作用点の位置座標,床反力データを得た.矢状面内での足関節およびMP関節の関節モーメントは,宮崎ら(1994)の先行研究の方法を参考に算出した.解析項目として1 歩行周期中の算出した足関節底屈モーメントおよびMP関節屈曲モーメントの最大値とHLのタイミング(歩行周期中の百分率;%)の関係を分析した.統計分析は統計ソフトSPSS 18J(SPSS Inc.)を使用した.統計手法には偏相関分析を用い(制御変数;歩行速度,歩幅),有意水準は1%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】文京学院大学大学院保健医療科学研究科倫理委員会の承認を得たうえで,対象者には測定前に本研究の趣旨を書面及び口頭で説明し,参加への同意を書面にて得た.【結果】全対象の自由歩行から立脚期の力学データを抽出した左下肢68 肢,右下肢79 肢であった.HLのタイミングが遅れるほど立脚中期から後期にかけての足関節底屈モーメントは大きく(r=0.54,p<0.01),MP関節屈曲モーメントも大きかった(r=0.36,p<0.01).【考察】健常者の歩行動作では,HLのタイミングが遅れるほど足関節底屈筋,足趾屈曲筋(特にMP関節屈曲作用の筋群)による力学的負担がともに大きくなることが確認された.このような力学的負担はアキレス腱炎,足底筋膜炎につながるメカニカルストレスとなり得ることが示唆された.Wearing(2004)らによるfluoroscopyを用いた運動解析によれば足底筋膜炎の症例では歩行立脚後期の第1 中足趾節関節伸展角度が低下していたとされる.よって,本研究の結果とWearingらの先行研究を踏まえて考えるならば,MP関節伸展制限および踵離地のタイミングが遅れることによるMP関節屈曲モーメント増加といった力学的負担が足底筋膜炎へとつながる可能性が推察された.上記の理由から臨床場面でのアキレス腱炎,足底筋膜炎の症例においての評価・介入の指標として歩行時のHLのタイミングを考慮にいれた解釈を行うことの重要性が示唆された.【理学療法学研究としての意義】本研究の結果より歩行観察時にHLのタイミングを指標とすることにより,立脚中期から後期にかけての足関節底屈モーメントおよびMP関節屈曲モーメントによる力学的負担(メカニカルストレス)を解釈できることが明らかとなり,アキレス腱炎,足底筋膜炎の症例に対しての理学療法評価および介入の効果判定などの臨床推論に活用できることが本研究の意義であると考える.
著者
池田 心 小林 重信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.239-246, 2002 (Released:2002-04-25)
参考文献数
19
被引用文献数
4 8

Genetic Algorithms(GAs) are effective approximation algorithms which focus on “hopeful area” in the searching process. However, in harder problems, it is often very difficult to maintain a favorable trade-off between exploitation and exploration. All individuals leave the big-valley including the global optimum, and concentrate on another big-valley including a local optimum often. In this paper, we define such a situation on conventional GAs as the “UV-phenomenon”, and suggest UV-structures as hard landscape structures that will cause the UV-phenomenon. We introduce a test function which has explicit UV-structures, and show UV-phenomenon caused by them. Next we analyze Fletcher and Powell function to confirm our hypothesis. Finally we propose a novel framework of GAs which can cope with UV-structures.
著者
近藤 崇史 福井 勉
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.Aa0131, 2012 (Released:2012-08-10)

【目的】 歩行周期において踵離地(以下:HL)は立脚期を100%とした時に49%(Perry 1992),58%(Kerrigan 2000)などと報告されているが,理学療法における歩行観察場面ではHLのタイミングが早い症例と遅い症例を経験する.HLのタイミングが早い症例では膝折れなどが,遅い症例ではアキレス腱炎(入谷2006)やロッキングなどを引き起こすとされている.歩行時のHLから遊脚期にかけては足関節底屈モーメントが遠心性パワーから求心性パワーへと切り替わり大きな力がかかるとされる.しかし,HLのタイミングの違いが下肢各関節のメカニカルストレスに変化を及ぼすかについての詳細は明らかにされていない.Horak(1986)は静止立位時の外乱に対する姿勢制御戦略として足関節戦略(ankle strategy),股関節戦略(hip strategy)を報告し,姿勢制御戦略を足関節と股関節の関係性により説明した.最近ではLewis(2008)が歩行時に対象者に異なる蹴り出しを行わせることで足関節と股関節が相互に力学的代償を行うと報告した.われわれはこの足関節,股関節の関係性がHLのタイミングに影響を与えると推察し,歩行時のHLのタイミングの違いと股関節,足関節の力学特性の関係性を検討することを本研究の目的とした.【方法】 対象は健常成人男性12名(年齢:30.1±1.6 歳)とした.測定には3次元動作解析装置(VICON Motion system社)と床反力計(AMTI社)を用いた.標点はVicon Plug-In-Gait full body modelに準じて反射マーカー35点を全身に添付した.各対象者には自由歩行を連続7回行うよう指示し,分析には自由歩行時に1枚のフォースプレート上を歩くことに成功した下肢の力学データを左右分けることなくすべて採用した.計測値として歩行速度および歩行時の股関節・膝関節・足関節の関節角度,関節モーメントおよび関節パワーを算出した.解析項目として1.HL時の股・膝・足関節の関節角度・モーメント・パワーの値(以下:HL値),2.立脚期の股・膝・足関節の関節角度・モーメント・パワーの最大値(以下:ピーク値)を抽出した.さらに,1.各HL値とHLのタイミング(歩行周期中の百分率;%)の関係を分析し,2.各ピーク値とHLのタイミング(歩行周期中の百分率;%)の関係を分析した.統計分析は統計ソフトSPSS 18J(SPSS Inc.)を使用した.統計手法には偏相関分析を用い(制御変数;歩行速度),有意水準は1%未満とした.【説明と同意】 文京学院大学大学院保健医療科学研究科倫理委員会の承認を得たうえで,対象者には測定前に本研究の趣旨を書面及び口頭で説明し,参加への同意を書面にて得た.【結果】 全対象者の自由歩行から立脚期の力学データが抽出可能であった下肢は123肢(左下肢53肢,右下肢70肢)であった.1.HL値では,HLのタイミングが遅れるほど股関節伸展角度の増大(r=-0.82),股関節屈曲モーメントの増大(r=-0.55),足関節底屈モーメントの増大(r=0.49),股関節負のパワーの増大(r=-0.786),足関節負のパワーの増大(r=-0.71)との間に有意な相関関係を認めた.2.ピーク値では,HLのタイミングが遅れるほど足関節背屈角度の増大(r=0.59),股関節屈曲モーメントの減少(r=0.41),足関節底屈モーメントの増大(r=0.663),股関節負のパワーの増大(r=-0.536),足関節正のパワーの増大(r=0.67),足関節負のパワーの増大(r=-0.68)との間に有意な相関関係を認めた.【考察】 健常者のHL時の力学的特性として,HLのタイミングが遅れるほど股関節屈曲筋および足関節底屈筋の遠心性活動を高めていることが示唆された.さらにピーク値ではHLのタイミングが遅れるほど,股関節屈曲筋が活動を減少させていくのに対して,足関節底屈筋が求心性・遠心性活動をともに高めていることが示唆された.これらのことよりHLのタイミングが遅れるほど,発揮しづらい状況となる股関節屈曲筋の力学的作用を代償するために,足関節底屈筋が活動を高めていることが推測された.上記の理由からアキレス腱炎などHLのタイミングが遅れる特徴を有する症例では,股関節機能の代償による足関節底屈筋の力学的過活動がメカニカルストレスを引き起こし障害へとつながると考えられた.【理学療法学研究としての意義】 歩行観察時にHLのタイミングを指標とすることで,足関節の代償性過活動による機能・能力障害を有する症例に対し,股関節・足関節の相互の関係性を考慮に入れた理学療法介入を可能にすることを提示できたことに,本研究の意義があると考えられる.

1 0 0 0 冤罪と誤判

著者
前坂俊之著
出版者
田畑書店
巻号頁・発行日
1982
著者
渡邉 研志 秋 庸裕
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.119-124, 2020 (Released:2020-03-04)
参考文献数
14

地球環境の保全と資源・エネルギーの再生利用を両立する持続的技術として,海洋大型藻類や火力発電排出ガスを原料としたバイオリファイナリーにより,高度不飽和脂肪酸やカロテノイド,炭化水素などの有用脂質を生産する新規システムの構築を進めている。油糧微生物ラビリンチュラ類オーランチオキトリウム属の有機酸資化性を活用した二段階発酵系とゲノム育種による高機能化を統合して生産性の最大化をめざしているので,その進捗を紹介する。
著者
国立研究開発法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.2020.2, pp.8-10, 2020-02-07 (Released:2020-03-05)

専門知識がなくても簡単に人工知能(AI)プログラムを作成し、働くロボットを自在に操るツールを開発したのが、慶應義塾大学理工学部の山口高平教授だ。日本語で業務プロセスを記述すると、自動的にプログラムが生成されて、ロボットが動き始める。人間とロボットの調和関係や他の仕事現場への応用可能性を探るため、喫茶店での接客や小学校の授業支援の実証実験を積み重ねてきた。目指すのは、誰もがAIを使いこなせる未来社会だ。
著者
工藤 洋三 佐野 修
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.109-116, 1999-05-01 (Released:2010-06-15)
参考文献数
13

Production of cement had declined steadily throughout the Pacific War. The decrease had been slow at first and had quickened its pace since 1942. This study aims to explain the reasons why the cement industry declined during wartime even though Japan had enough raw materials, like limestone and clay. From this angle of study, the records based on questionnaire and interrogation conducted by the United States Strategic Bombing Survey just after the war were used to explain the discrepancies between the required production and the actual production. There are many possible causes for such decline of production, e.g. lack of skilled labor, fuel, transportation to consumers, and bomb damages to plants, etc. Throughout discussion, it is concluded that one of the most important factors of rapid decline of cement production was the failure of machinery which were irreplaceable during the war. Because most cement plants used imported machinery, replacement parts could not be imported after the war had begun, hence many plants had to close down until the end of the war.
著者
伊藤 真実子
出版者
公益財団法人 史学会
雑誌
史学雑誌 (ISSN:00182478)
巻号頁・発行日
vol.117, no.11, pp.1981-1989, 2008

博覧会に関する研究は歴史学のみならず多方面から進められ、業績は厚みを増している。このことから現時点における博覧会研究の動向を整理し、その意義をふりかえってみることには意味があろう。博覧会研究は、一九、二〇世紀に各国で開催された万国博覧会を対象としたものがその中心となっている。とりわけ開催国となったアメリカ、イギリス、フランスで一九八〇年代から、日本国内では一九八〇年代後半から研究が盛んになってきている。欧米における研究は開催国の視点からのそれを中心としている。日本での研究は、日本における初めての万博開催が一九七〇年であったことから、そこにいたるまでの時期における万博参加の経過ならびに、そこで得られた参加経験から導かれた内国勧業博覧会の開催にかかわる問題群を中心にすえて進展してきた。本稿では、まず欧米における万国博覧会研究の動向をおさえ、次いで国内における博覧会研究の動向について考察を加えてみたい。
著者
高木 綾一 高崎 恭輔 大工谷 新一
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.65-70, 2007 (Released:2008-01-18)
参考文献数
14
被引用文献数
3

It is difficult for cerebrovascular disease patients to maintain the standing position while holding the shoulder in the flexed position and flexing the shoulder. It is thought that center-of-gravity line deviates from the base of support because holding the shoulder in the flexed position or flexing the shoulder influence the body alignment and generate addtional forces. The center of plantar pressure moves toward the center of gravity line to avoid leaving the base of support. Therefore, clarifying the movement pattern of the center of plantar pressure while holding the shoulder in the flexed position and flexing the shoulder is important when we perform a physical therapy evaluation for patients with instability in standing. In this study, trace of the center of plantar pressure movement during holding the shoulder in the flexed position and flexing the shoulder in standing was investigated to evaluate postural control in healthy subjects. We analyzed the trace of the center of plantar pressure in standing as follows: 1) The center of plantar pressure average displacement with change of the shoulder flexion angle (0°, 30°, 60°, 90°, 120°, 150° and 180°); 2) The trace pattern of the center of plantar pressure in flexing the shoulder. We found trace patterns of center of plantar pressure which are common to subjects holding the shoulder flexed at 30°, 60° and 90°. Also, in the pattern classification of trace patterns of the center of plantar pressure during flexing the shoulder, we identified 5 patterns as follows: front S pattern, front reverse S pattern, rear S pattern, front C pattern and front reverse C pattern. We think that a force was generated by holding the shoulder in the flexed position and that flexing the shoulder was related to some of the patterns produced. It is important that the trace pattern of center of plantar pressure is ealuated while holding the shoulder in the flexed position and flexing the shoulder.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1912年10月22日, 1912-10-22
著者
小林 浩幸 國弘 実 松島 誠一 篠田 鎮嗣
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会誌 (ISSN:03695123)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.867-873,a2, 1999-08-01 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

農業集落排水処理水の水田灌漑水への一時的な直接再利用の適否を検証するため,施設に隣接する水田に処理水を灌漑漑,水稲の生育,収量と水質について調査を行った。処理水の灌漑期間は水稲の幼穂形成期から収穫10日前までの約2カ月である。花水にあたる時期10日間については処理水をT-N20~30,T-P2.5~3.5,BOD10~25mg/lに調整した水を灌漑した。生育は概ね正常であり,収量は通常の用水を用いた場合よりも多かった。水田からの地表排出水は,多くの水質項目で改善が認められた。調査結果から,集排処理水の水田灌漑水への一時的な直接再利用は可能であり,併せて若干の水質浄化が期待できると考えられた。
著者
和田有司阿部祥子
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.133-138, 2013-04-15 (Released:2016-07-30)
著者
坂本 薫 森井 沙衣子 井崎 栞奈 小川 麻衣 白杉(片岡) 直子 鈴木 道隆 岸原 士郎
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.143, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】日本の市販グラニュ糖やザラメ糖のスクロース純度は,99.9%以上と大変高くスクロース結晶とみなすことができるため,製品間で品質に差はないと考えられてきた。しかし,グラニュ糖の融点にはメーカーによって異なるものがあり,融点の異なるグラニュ糖は加熱熔融状況が異なり,示差走査熱量分析(DSC 分析)において異なる波形を示すこと,さらに,スクロース結晶を粉砕することにより,その加熱特性が変化することをすでに明らかにした。焼き菓子の中には,マカロンや焼きメレンゲなど粉砂糖の使用が通常とされるものがある。そこで,グラニュ糖と粉砂糖を使用して焼きメレンゲを調製し,焼き菓子における砂糖の粒度の違いによる影響を検討した。【方法】3社のグラニュ糖(W,X,Z)およびそれぞれを粉砕した粉砂糖(Wp,Xp,Zp)を用いた。砂糖のみについて,焼きメレンゲと同条件で加熱し,色差測定,HPLC分析を行った。また,焼きメレンゲを調製し,外観観察および重量減少率測定,密度測定,色差測定,破断強度測定を行った。【結果】砂糖のみの加熱では,グラニュ糖のほうが色づきやすく,粉砂糖のほうが着色の度合いは小さかった。また,加熱により,W,Xでは顕著に還元糖が生成していた。砂糖のみと焼メレンゲでは,加熱後の色づき方の逆転現象が認められ,粉砂糖メレンゲのほうが色が濃い結果となった。外観では,粉砂糖メレンゲでは表面はなめらかであったが表面が硬い傾向が認められ,表面に亀裂や気泡が見られた。グラニュ糖メレンゲは,色が白くきめが粗かった。本研究により,砂糖の粒度の違いにより,焼き上がりの外観,色調やきめ,テクスチャーが大きく左右されることが明らかとなった。
著者
楠 侑子 べつやく れい
出版者
早川書房
雑誌
悲劇喜劇 (ISSN:13425404)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.40-49, 2015-11
著者
棚橋 雄平 河本 道次 川名 洋美 橘川 真弓 大岡 良子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.541-547, 1975-05-15

緒言 気象の人体に与える影響については,紀元前より気付かれており古くはヒポクラテスも季節や天候が健康や疾病に影響をおよぼすことをのべている。その後も多くの気象学的考察がなされたが,真に科学的な気象と人間の関係の追究は19世紀の終り頃から始まり,とくに前線と特定疾患との関係を大規模に調査し近代気象医学研究の先駆をなしたのは,1929年De-Rudder B.1〜2)であつた。彼は多くの気象病が不連続線の通過に関連して誘発されることを示して注目され,リュウマチ,疼痛,心臓循環器障害,急性緑内障等を分類している。また最近の研究では,気管支喘息,蕁麻疹,腸重積症,ベーシエット病等が,その発症増悪と前線通過との関連において気象病としての性格をもつことが立証されている。一方,多発性硬化症(以下MSとす)については,本邦では3)1951年桑島により急性球後視神経炎とMSとの関連が追究され,また内科的には1954年冲中4)〜5)により本症の存在が確認されたが,いまだその原因の不明な点において,今後の研究の余地を残している。 先にわれわれ6)は,MSの眼症状を中心とした統計的観察を行ない,その臨床像の一端をあきらかにしたが,今回MSの再発因子の追究の一つとして特に気象病にもつとも関係があるとみなされている前線の通過との関連を検討し,MSが気象病的要素を持つと思われる若干の知見をえたので報告する。
著者
小林 紘一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.907-912, 1984-09-15

Adult Respiratory Distress Syndrome (ARDS)の治療成績を向上させるため,その発症のメカニズムや病態についての多くの研究がなされてきた。そのなかで循環動態の面では,重症のARDS患者における肺高血圧症の存在が注目されている。肺動脈圧の上昇が続けば,右心への負荷となり,右心がこの負荷に耐えられるかどうかは患者の予後を決める因子の1つとなっている。肺血管床にはかなりの予備力があるとされているので,肺高血圧症が認められるような症例では肺血管床の傷害も著しいと考えられる。 本稿では重症のARDS患者に認められる肺高血圧症の原因の解明と,肺高血圧の上昇が右心に与える影響について検討した。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1913年05月12日, 1913-05-12