著者
宮川 雅充 中司 智之 青野 正二
出版者
The Institutew of Noise Control Engineering of Japan
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.53-59, 2002-02-01 (Released:2009-10-06)
参考文献数
24

本研究では, 視覚情報と聴覚情報が音環境の印象に及ぼす影響について検討した。刺激として5グループ30種類の音環境 (音と映像) を用意した。最初に音のみを, 次に映像のみを, 最後に音と映像を同時に被験者20名に呈示し, それらの印象をSD尺度上で評価してもらった。因子分析の結果, 水に関するグループでは, 聴覚情報よりも視覚情報が音環境の印象に強い影響を与えることが分かった。また, その他のグループでは, 視覚情報と聴覚情報が音環境の印象を緩衝させるように働いているものが見られた。
著者
大場 真 戸川 卓哉 藤井 実 安田 肇 中村 省吾 村上 高広
出版者
国立研究開発法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本課題にて設定した以下サブテーマ(1)-(5)について、以下のような研究を実施した。(1)福島県三島町との連携研究を推進し、三島町内の住宅における地域ICTシステムの導入数を10件追加して17件とし、家庭における時間別のエネルギー消費量や太陽光パネルによる発電量等に関する基礎的データを取得した。(2)統合木質バイオマス利用モデルBaIMにおける、木質バイオマスコストにかかるパラメーターの検討を行った。(5)と関連して素材収集範囲や林業機械に対する習熟度などの新しい変数に関する検討を行った。(3)研究分担者らがこれまで開発してきたバイオマスガス化実験施設を拡張し、ガス化に供する原料の水分調整を実施した場合や未利用材の利用がガス化反応挙動に与える影響を明らかにする研究を継続した。(4)これまで開発した地域特性に応じた分散型エネルギーシステム設計プロセスのモデルのフレームワークによって、中山間地域での評価が可能な木質バイオマス資源に関連するシステムの拡張に引き続き着手した。地域ICTシステムで得られたデータも活用し、町内18集落におけるエネルギーの利用状況や望ましい地域エネルギーシステムに関する分析をとりまとめた「集落カルテ」のプロトタイプを検討した。(5)地域の木質バイオマス資源の利用促進が地域の産業連関構造に与える影響を定量的に計測するため、関連する統計資料を収集した。また、町が実施した山形県内を対象とした視察に同行し、木の駅や森林組合等の先進的な事例の現地調査を行った。森林組合には事後調査も実施し、三島町の森林を利活用した地域循環システムの構築に向けた基礎情報を収集した。三島町の産業連関表の精度を高めるとともに、奥会津地域における広域的な木質バイオマス資源の利用促進が地域循環・経済圏へ与える波及効果の検討を行った。
著者
塩澤 全司
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.493-504, 2006-03-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
20
著者
Yoshiyuki KINOSE Yuji MASUTOMI Fumitaka SHIOTSU Keiichi HAYASHI Daikichi OGAWADA Martin GOMEZ-GARCIA Akiko MATSUMURA Kiyoshi TAKAHASHI Kensuke FUKUSHI
出版者
The Society of Agricultural Meteorology of Japan
雑誌
農業気象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.19-28, 2020 (Released:2020-01-10)
参考文献数
48
被引用文献数
14

In Asia, where rice is a major crop, there is high concern about the detrimental effects of climate change on rice productivity. Evaluating these effects, considering the country-specific cultivars’ responses to climate, is needed to effectively implement the national adaptation plans to maintain food security under climate change. However, to date, information on the effects of climate change on the local rice cultivars used in developing countries is extremely limited. In the present study, we used a process-based crop growth model, MATCRO-Rice, to predict the impact of climate change on yields of the major local rice cultivar Ciherang in Indonesia during the next 25 years (2018-2042). This model simulated the effects of current to future air temperature, precipitation, and atmospheric carbon dioxide concentration on rice yield. A total of 14 future climate scenarios, derived from a combination of four general circulation models and three or four representative concentration pathway scenarios in the Coupled Model Intercomparison Project Phase 5, were used to consider the uncertainty of the future climate. The results showed that the rice yield was reduced under all climate scenarios, mainly because of the higher air temperature, leading to reduced photosynthetic rates, increased respiration rates, and phenological changes such as acceleration of senescence. The mean yield reduction across the 14 future climate scenarios was 12.1% for all of Indonesia in 2039-2042. Therefore, to maintain yields in Indonesia, rice production needs to adapt to climate change, and especially to higher air temperatures, in the near future.
著者
角谷 治彦 瀬良 雅也 坂本 博夫
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
設計工学・システム部門講演会講演論文集 2018.28 (ISSN:24243078)
巻号頁・発行日
pp.1405, 2018 (Released:2019-05-25)

Self-loosening of threaded fasteners sometimes occurs under dynamic loads such as vibration and shock. For mechanical structures, the self-loosening of threaded fasteners under transversely repeated load is particularly important. Although many parts for preventing the loosening of the bolt joints are evaluated the locking performance of selfloosening, there are not clear about the locking performance of the spring washer. The spring washers are used in many mechanical structures, so that in order to improve the reliability of the bolt joints, it is required to verify the effectiveness about the bolt loosening using the spring washer. In this paper, we clarified the effectiveness of the spring washer about the bolt loosening from the experimental evaluation of the bolt joints using the spring washer under the transverse vibration, and proposed the design guideline to adopt the spring washer based on the result. In the fastening using the spring washer, the lubrication state of the bearing surface and the mounting direction of the spring washer influence the self-loosening with rotation of the bolt joints under the transverse vibration. In order to prevent the self-loosening of the bolt joints using a spring washer, it is necessary to satisfy the condition that the fastening surface does not slip. And the spring washer functions effectively as the bolt tension compensation only when the residual bolt tension is smaller than the contact load of the spring washer.
著者
粂 和彦
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.247-252, 2006-07-01 (Released:2011-12-12)
参考文献数
21

概日周期生物時計は, 植物から動物に至るまで普遍的に存在する.近年, その時計遺伝子が次々に単離され, 生物時計の発振機構が, 分子生物学レベルでほぼ解明された.その結果, 時計遺伝子の転写量がネガティブフィードバックループで制御されるという機構が, 全ての生物で保存され, 哺乳類と昆虫の間で, 時計遺伝子の核酸レベルでの相似性も発見された.一方, 概日周期は, 人間の睡眠覚醒リズムを制御するが, 睡眠に似た行動は昆虫でも認められ, その制御において, 哺乳類と同じドーパミンが使われることが判明し, 分子機構の解明が期待されている.本稿では, 生物時計の基礎, 睡眠との関係, 分子生物学, 臨床的意義について概観する.
著者
金澤 伸雄
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

稀少遺伝性自己炎症疾患の解析によって遺伝子変異に基づく炎症制御シグナル異常を同定し、難治性慢性炎症疾患における異常シグナルの関与を検知し病態解明やテーラーメード治療につなげることを目指し、PSMB8変異が同定された中條-西村症候群、新規IL36RN変異が同定された汎発性膿疱性乾癬、新規LIG4変異が同定された遅発型原発性免疫不全症などについて細胞機能異常の検索を行い、さらに新規遺伝性自己炎症疾患が疑われる症例についてエキソーム解析を行い予想されるシグナル異常の確認を進めた。当初の目標達成には至っていないが、遺伝性炎症疾患における炎症制御シグナル異常の解明が進み、今後の更なる展開が期待できる。
著者
小泉 亜希子 栗原 里奈 中山 みずき 熊谷 安希子 増田 健一 大辻 一也
出版者
日本ペット栄養学会
雑誌
ペット栄養学会誌 (ISSN:13443763)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.95-100, 2019-10-10 (Released:2019-10-31)
参考文献数
4

涙やけは多くの家庭犬に認められ、その原因は流涙症とされている。われわれはドックフードを替えると涙やけの症状が変化するイヌに注目した。このイヌを被験犬としてフードと涙やけの関係について検討した。その結果、試験前に給餌されていたフード(フードP)から過去に涙やけを悪化させたフード(フードA)に切り替えると涙やけが悪化し、涙やけを改善したフード(フードB)を与えると涙やけが改善した。過去に観察されたドックフードによる涙やけの症状の変化が再現された。涙やけの原因の一つとして食物アレルギーが考えられることから、フードに使用されている原材料について調査した。その結果、いずれのフードにも食物アレルギー源となる可能性のある原材料が使用されていた。しかし、試験期間中、被験犬に食物アレルギーの症状は観察されなかった。そこで、涙やけに腸内環境が関係しているのではないかとの仮説を立て、便のpHを測定したところ、フードA給餌期間中に比べフードB給餌期間中の便のpHは低値を示した。さらに便中の総短鎖脂肪酸濃度を測定したところ、フードA給餌期間中に比べフードB給餌期間中の総短鎖脂肪酸濃度は高値となった。便のpHの低下は短鎖脂肪酸によることが示唆された。以上の結果から、涙やけを改善したフードBの給餌により、腸内環境が改善される可能性が示唆された。フードBは腸内環境改善を謳ったフードであり、ビートパルプ、オリゴ糖の他にビール酵母や野菜パウダーが添加されていた、しかし、今回の実験ではフードに配合されているどの原材料が涙やけの改善に関与したのかは特定できなかった。涙やけと腸内環境の関係の糸口として、涙液中の総IgE濃度を測定した。しかし値の変動が大きく一定の傾向は認められなかった。
著者
勝田 忠広
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では国内の原子力規制の課題と解決策を求めた。原子力規制委員会が行う六ヶ所再処理工場への安全審査の分析の結果、運転経験のない事業者と再処理施設の規制経験のない規制者が及ぼす具体的な危険性を示した。続いてNRAによる原子力発電への安全審査を分析した結果、米国のように厳格な安全目標と費用便益分析が必要であることを明らかにし、さらにエネルギー・原子力政策を扱う専門的で独立した立場の第三者機関の必要性を示した。最後にNRAによる新検査制度の分析を行った。その結果、事業者だけでなく国民に対しての実行可能性、行動規範及び説明責任の重要性を指摘した。
著者
庄司 俊之
出版者
専修大学人間科学学会
雑誌
専修人間科学論集. 社会学篇 (ISSN:21863156)
巻号頁・発行日
no.9, pp.107-115, 2019-03

今日、死生観といえば死の問題に関心が集中し、「食べること」については殆ど問われることがない。社会学では「食べること」を多様なやり方で論じてきたが、正面から「食べること」を扱う連辞符社会学は成立していない。このような問題領域である「食べること」について、この研究ノートでは、いくつかのトピックにコメントを加えながら、問題の構図について大まかなデッサンを提示してみたい。ここで扱うのは、捕鯨/反捕鯨の対立と戦場のカニバリズム、そして断食である。後2者については文芸作品を素材とし、本稿後半では「食べないこと」に焦点をあてる。

1 0 0 0 民主文学

著者
日本民主主義文学会 編
出版者
日本民主主義文学会
巻号頁・発行日
vol.(352), no.402, 1995-03