著者
盛田 清秀
出版者
日本農業経済学会
雑誌
農業経済研究 (ISSN:03873234)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.102-108, 2013-09-25 (Released:2015-06-30)
参考文献数
33

マルクス経済学における農地集積と農地市場問題に関する研究レビューを行った.農地集積と農地市場の分析は,農業の資本主義化と関連づけて行われてきた.すなわち,農民層分解論として研究が進められ,大規模経営と小規模経営との経営間競争が注目されてきた.また歴史的には農地市場構造の特徴に着目した研究が行われ,農地価格論の発展がみられた.とくに注目されるのは,耕地分散制のもとでの農地価格決定理論である.日本の高度経済成長による農地価格の高騰は,経済分析の限界をもたらした.1970年頃に現れた今村・梶井理論は,稲作の階層間生産性格差を発見し,農民層分解の加速を展望した.それ以降,農業の担い手に注目した研究が展開する.
著者
小方 直幸
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:24342343)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.221-242, 2013-05-30 (Released:2019-05-13)
参考文献数
15

本稿は,国立大学の教育系大学・学部に着目し,その中長期的な改革動向を,ケース・スタディを通して考察したものである.教員採用動向に着目して,教員養成改革の特異なケースを客観的に抽出した後,定量・定性的双方の手法を用いて,カリキュラムや教育実践という狭義の教育改革を越えて,入試や就職支援を包摂する広義の教育改革を対象に,教員採用向上をめぐる改革と成果の因果関係,並びに改革を可能にしたメカニズムの析出を行った.さらに,モノグラフから一般的な枠組の抽出を試み,他の教育系大学・学部の改革を検証する際にも援用が可能な分析枠組を仮説的に提示した.
著者
片岡 洋平 渡邉 敬浩 白政 優子 松田 りえ子
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.146-151, 2012-06-25 (Released:2012-06-30)
参考文献数
14
被引用文献数
3 3

市場に流通するタコ,イカ,ハマグリ,アサリおよびチョコレート中のカドミウム濃度の実態を調査した.食品中の金属に関する試験法の妥当性評価ガイドライン(食安発第0926001号)に従って妥当性を確認した方法により,分析を行った.調査した40試料の海産食品中,31試料から本調査で設定した定量下限の1/2濃度となる0.025 mg/kgを超えるカドミウムが検出されたが,Codexが定める基準値(2 mg/kg)を超過した試料はなかった.全調査試料中の最大濃度は,タコでは0.19 mg/kg,イカでは0.18 mg/kg,ハマグリでは0.38 mg/kg,アサリでは0.16 mg/kgであった.またチョコレートでは,30試料中21試料から0.025 mg/kg以上のカドミウムが検出され,最大値は0.54 mg/kgであった.

1 0 0 0 OA 大隈重信伝

著者
馬場恒吾 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1932

1 0 0 0 OA 伊藤博文

著者
馬場恒吾 著
出版者
潮文閣
巻号頁・発行日
1942

1 0 0 0 OA 偉人伝全集

出版者
改造社
巻号頁・発行日
vol.第13巻, 1932

1 0 0 0 OA 改造の叫び

著者
馬場恒吾 著
出版者
民友社
巻号頁・発行日
1919
著者
天野 英晴 並木 美太郎 中村 宏 宇佐美 公良 近藤 正章 鯉渕 道紘 黒田 忠広
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

誘導結合チップ間無線インタフェース(Through Chip Interface:TCI)を用いて小規模なチップを多数結合し、多様な大規模システムを構築する「ビルディングブロック型計算システム」のチップブリッジを用いたシステム統合方式について研究する。既に開発された複数のLSIチップを、チップ自体をブリッジとすることにより組み合わせ、様々な機能、性能、エネルギー要求を満足するシステム構成の構築法を確立することを目的とする。具体的には、安価なボンディングを用いて多数のチップを組み合わせる積層手法、ソフトウェアからアナログ技術までを駆使して性能、電力をチューニングする手法、チップ内のスイッチとアクセラレータを統合する機構について研究する。2018年度は、TCIを用いたIP(Intellectual Property)の動作検証と、実チップテストを行うためのTCITesterチップを開発した。このチップは、ルネサスエレクトロニクス社65nmプロセスを利用して、3mm X 3mmのサイズで実装した。TCIを装備する様々なチップの上に装着し、その電気的特性を計測し、連続運転試験を行うことができる。他のチップ上に積層するのに先立ち、開発したTCI Tester同士を積層し、TCI IPの転送可能周波数、電源ドロップを計測し、TCI IPを組み込む場合の指針を得た。また、TCI IPを装備したKVSチップ、SNACCチップ、CCSOTBチップそれぞれの単体性能を実チップで計測した。また、積層を行った場合の発熱の時間経過を計測するTHERMO2の積層を行った。様々なチップ積層の可能性を探るため、熱解析ツールの改良を行った。
著者
鎮西 清行 光石 衛 佐久間 一郎
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual57, no.Abstract, pp.S19_2, 2019 (Released:2019-12-27)

筆者らはPMDA科学委員会が2018年3月に公表した「AI を活用した医療診断システム・医療機器等に関する課題と提言2017」(PMDAレポート)の起草に参加した.その後,本邦での機械学習応用製品の承認事例が登場し,AI技術を利用した画像診断支援システム(AI-CAD)に関する開発ガイドライン・評価指標が公表に近づいている.これらを踏まえてAI応用医療機器のレギュラトリーサイエンスの観点からいくつかの論点を提供する.1) PMDAレポート: AIの特徴と,AIが医療診断システム・医療機器等に応用された時に考えるべき点を述べている.技術側面,規制側面にとどまらず,倫理的影響まで中長期的視点から述べている.2) AI-CAD開発ガイドライン・評価指標: 次世代医療機器・再生医療等製品評価指標は審査の際の参考文書,開発ガイドラインは開発者のための参考文書である.前者は学習データとテストデータの分離,データの品質,市販後学習の留意点などを述べ,後者はAI応用製品の開発プロセス,統計技法について述べている.3) 市販後学習は有効か: 日米では市販後学習を含む製品の承認例がない.規制上の困難だけが理由ではなさそうである.結局「ペイするか」が課題ではないだろうか.

1 0 0 0 思想の科学

出版者
思想の科学社
巻号頁・発行日
vol.第5次, 1968-09
著者
長坂 徹也 三木 貴博 松八重 一代 平木 岳人
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

世界中の電炉鉄鋼メーカーにとって頭痛の種のひとつである電炉ダスト処理問題の解決のために、ダスト性状のオンサイト改質と発生量低減を目指した電炉内へのダスト吹込技術の科学的基礎を確立した。実電炉での現場実験と並行し、実験室規模で溶鋼中あるいは溶鋼上に保持されたスラグ中にダストを吹込み、ダストの発生量および組成を系統的に分析し、その反応機構およびダスト発生削減量を明らかにした。ダスト吹込みによって発生した2次ダストを、報告者らが開発した石灰処理法に供し、ダストからほぼ全ての亜鉛を抽出することに成功した。これらの結果に基づいて、ダスト吹込を協力企業でルーチン化することができた。