著者
佐藤さとる編
出版者
講談社
巻号頁・発行日
1979
著者
春木 康伸 山日 千明 柴田 正慶 三浦 卓也 山川 暢子 福田 康司 櫻井 聖一郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.5-11, 2017 (Released:2018-02-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1

心房細動(atrial fibrillation : AF)に対するカテーテルアブレーション(radiofrequency catheter ablation : RFCA)後のAF再発判定にホルター心電図が有用であるが,通常の検査期間は24時間であり,十分な判定が行えないこともある.そのため,当院では体外式ループ心電計を用いて判定を行っており,今回その有用性について検討した.2012年11月~2015年4月にAFに対するRFCAを施行し,治療後に体外式ループ心電計を1週間装着した210例を対象とした.装着初日(24時間)のAF検出率と全記録時間(1週間)のAF検出率の比較,日数別のAF検出数を比較した.装着初日のAF検出率は8.6%(18例),全記録時間のAF検出率は16.7%(35例)であった.日数別のAF検出数は,初日は18例,2日目は15例,3日目は13例,4日目は12例,5日目は10例,6日目は15例,7日目は13例であった.1週間の検査は24時間のみの検査に比しAFの検出率が約2倍となることから,RFCAの治療結果をより正確に判定し,適切な診断および治療を提供できるという点で有意義と思われた.AFに対するRFCA後の治療効果の判定には,24時間より長時間記録可能な体外式ループ心電計が有用であった.
著者
小室 弘毅
出版者
日本トランスパーソナル心理学/精神医学会
雑誌
トランスパーソナル心理学/精神医学 (ISSN:13454501)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.75-92, 2013 (Released:2019-08-07)

本研究は、心理療法において重要なテーマの一つで あり、ロジャーズが「神秘的で霊的な次元」、あるいは 「変性意識状態」と呼ぶ「プレゼンス」の問題について、 ハコミの「ラビング・プレゼンス」概念を検討するこ とを通して考察している。まず、ハコミの特徴と構造 を明らかにし、クルツが「癒しの関係性」と呼ぶセラ ピストとクライエントとの関係性に焦点を当てた。そ のことによりハコミが二人称の心理療法であることを 明らかにした。その上で、「ラビング・プレゼンス」を 心理療法の技法としての側面とセラピストの人格的成 長のための側面に分けて考察し、その機能を明らかに した。そして、「ラビング・プレゼンス」を支えている ハコミの、「有機性」と「ユニティー」の原理、そして「ト ラッキング」と「コンタクト」というテクニックにつ いて検討し、「ラビング・プレゼンス」の全体像を明ら かにした。そのことにより、「プレゼンス」は二人称的 視点から理解される必要があり、関係性の次元で、技 法として語られうるものであることを明らかにした。

1 0 0 0 班鳩日記

著者
三浦蘭阪 著
出版者
白雲洞
巻号頁・発行日
1953
著者
片野 智子
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.49-64, 2017-11-15 (Released:2018-11-15)

ジュディス・バトラーによれば、主体ならびに身体・性とは権力が産出する構築物であるという。それ自体は確かに正しいが、そこで看過されているのは、妊娠・出産する女性の物質的な身体――〈妊む身体〉である。そこで本稿は倉橋由美子の『暗い旅』と初期短編における〈妊む身体〉の不随意性に着目し、それを見失うことなく権力に抵抗するあり方を提示した。まず初期短編を通して〈妊む身体〉をめぐって構築される男/女=主体/客体という権力構造を分析している。その上で『暗い旅』の考察に入り、匿名の語り手から呼びかけられることで主人公の「あなた」が女という性を否応なく引き受けさせられるも、〈妊む身体〉の不随意性を足がかりに、女の性を演ずる行為に転換する過程を論じた。更に、こうした「あなた」の演技性が主体を撹乱すると同時に、主体を根拠としない権力への抵抗にもなり得ることを明らかにした。
著者
中島健雄
出版者
三菱信託銀行
雑誌
調査情報
巻号頁・発行日
vol.2003年(5月), no.264, 2003-05
著者
吉川 枝里 宮原 詞子 成瀬 妙子 島田 和典 東 史啓 原 啓高 猪子 英俊
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.21-31, 2003 (Released:2017-03-30)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

蛍光ビーズを用いたLuminex法は, 簡便, 正確かつ短時間で多検体処理が可能(high-throughput)な新しい遺伝子多型判別法である. このLuminex法を用いて, HLA-A, HLA-BおよびHLA-DRB1遺伝子に関して, 日本人を対象とする4桁DNAタイピングを検討した. HLA-Aで33種類, HLA-Bで46種類, HLA-DRB1で44種類のプローブを1ウェルに混合し, 日本人集団で遺伝子頻度が0. 1%以上みられる対立遺伝子(allele)が4桁レベルで判別可能な方法を構築した. 遺伝子型が既知の138検体で検討した結果, HLA-AとHLA-Bで各々1検体, 増幅不良による判定不能があったもの以外は4桁の判定が可能であった. 本法は, HLA-AとHLA-Bについて1ウェル, HLA-DRB1について1ウェルの, 計2ウェルでタイピングが可能な, 迅速な方法であり, 計47検体について約5時間でHLA-A, -Bおよび-DRB1遺伝子の4桁レベルのタイピングが1名の検査員で行える. 特に, 大量検体を短時間で行うHLA検査方法として有用であると考えられる.
著者
松木 則夫
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.47-55, 2010 (Released:2010-04-28)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

中小製造業の現場にある熟練技能者の技能を抽出し、後継者に円滑にその技能を継承するため、鋳造、鍛造、メッキなどの加工技術について、熟練技能者のもつ判断の技能を抽出する方法を提案する。この方法に基づき、各加工法の個別の技能について、その代替となる実際の加工現場で利用可能な計算機システムを開発した成果を報告する。また、将来の製造業における熟練技能者の在り方についても議論する。
著者
宮田 靖志
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.126-132, 2015-04-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
33

これまで様々な議論が重ねられてきたが, プロフェッショナリズムの定義は定まっていない. 定義の詳細な議論に終始することは妥当ではなく, プロフェッショナリズムは患者・社会からの信頼を得るためのものであるという基本的な概念を理解して, 実際に教育実践を行っていくことを優先すべきである. 実際の教育に際して重要なことは, 状況依存的なプロフェッショナリズムを考えること, 個人だけではなく社会との関係にも焦点を当てること, 専門家個人と専門職集団の両方の属性を考慮することである. 行動のリスト, コンピテンシーを挙げるような規範に基づく教育に重点を置くのではなく, 省察を中心に据えた教育を行い, プロフェッショナリズム教育がひいてはプロフェッショナル・アイデンティティ形成につながるようにすべきである.