著者
菊地 修
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.298-304, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)

企業が利益ある成長と事業競争力の向上を永続的に実現するためには,市場の動向や顧客のニーズを把握・分析した上で,自社のコア価値の重要度や競争優位性を検証し,それらの獲得・強化を実行し続けることが必要となる。当社では,「IPランドスケープ」を活用してグローバルな市場の環境分析を行い,その結果に基づき事業のコア価値を保護・活用する知財経営戦略を全社で推進している。そこで本稿では,当社がいかにこの知財経営戦略においてIPランドスケープを活用し,新事業創造,技術開発テーマ策定,M&A/CVC候補探索等を行い,会社の価値創造や事業成長に貢献しているかを解説する。
著者
杉光 一成
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.282-291, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)

「IPランドスケープ」という単語が注目されている。しかし,この語の意味するところについては論者によって「ずれ」があり,既存概念との違いも不明確である。この点,本語の「定義」について網羅的な調査を行った先行研究あるいは文献は見当たらない。そこで,IPランドスケープの今後の研究発展に資することを目的として,文献データベースを使ってその用例等について網羅的な調査を行った。その結果を踏まえてIPランドスケープの標準的な定義を示し,既存概念との違いを明確化した。
著者
パテントドキュメンテーション委員会
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.281, 2019-07-01 (Released:2019-07-01)

今回の特集は「IPランドスケープ」です。日本国特許庁が,2017年4月に公表した「知財人材スキル標準(Version 2.0)」に,IPランドスケープという言葉が登場し,約2年が経過しました。この「IPランドスケープ」は,経営・経済環境を踏まえた技術動向把握および将来展望の提示のため,知財情報と市場情報から自社・競合他社・市場などの分析を行い,自社と他社との市場や技術開発状況を正確に認識し,総合的な戦略を経営層へ提言する,というものですが,現実の知的財産活動において,どのような行動をすれば良いのか,ということについては,実務に関わっている方でも不明な点が多いと思います。また,知財担当者以外の方におかれましては,今回の特集で初めて「IPランドスケープ」,という言葉を目にしたという方もいらっしゃると思います。そこで本号では,知財担当者の方のみならず,情報の業務に携わる方に「IPランドスケープ」がどのようなものであるのかについて,さらには,既に,「IPランドスケープ」を実践している企業がどのような活動を行っているのかなど,事例も交えて紹介をしたいと特集を企画しました。はじめに杉光一成氏に「IPランドスケープ」とは何か,どのような定義なのか,ということを総論として,先行する文献を用いて詳細に解説いただきました。つづいて,山内明氏にはIPランドスケープを実践する際の知財情報戦略として,知財情報戦略のポイントと特許マーケティングの具体的な実践事例について論じていただきました。菊地修氏には,自社の「知的財産経営戦略におけるIPランドスケープの実践」という視点で,自社の実践の事例のみならず,情報調査解析担当者のあるべき姿勢についても提言をいただきました。佐藤貢司氏には知財分析に「営業視点」を活用することの有用性と,情報の伝え方について論じていただき,木村直也氏および早麻里穂氏には,総合的技術調査支援という観点から,3Dプリンタの調査事例を用いてどのように情報を収集し,解析と報告を行なうのかについて解説いただきました。今回の特集によって,皆様に「IPランドスケープ」というものを,身近に感じていただけたら幸甚です。(パテントドキュメンテーション委員会)
著者
佐々木 浩子 木下 教子 高橋 光彦 志渡 晃一
出版者
北翔大学
雑誌
北翔大学北方圏学術情報センター年報 = Bulletin of the Northern Regions Academic Information Center, Hokusho University (ISSN:21853096)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-16, 2013

大学生の睡眠の質と生活習慣及び精神的健康との関連を明らかにすることを目的として,北海道及び東北の大学生に「生活習慣と精神的健康状態に関する調査」を実施し,男女差及び睡眠障害の有無による比較及び検討を行った。 その結果,男子に比較して,女子では起床時刻が早く,食事の規則性などが良好で,喫煙や飲酒の習慣のある者や運動習慣のある者の割合が低いものの,ストレスの自覚の割合が高く,睡眠時間が短いなど男女の生活習慣に有意な差があることが明らかとなった。しかし,睡眠の質の評価としたPSQI-J の総得点および総得点により群分けした睡眠障害の有無の割合では男女差は認められなかった。 睡眠障害の有無による比較結果から,睡眠に関して問題をもつ者は,定期的運動習慣のある者の割合が低く,喫煙習慣のある者の割合が高く,遅い就床時刻,短い睡眠時間,長い入眠時間で,食生活に対する意識も低いなど,生活習慣においても良好な状態になく,同時に精神的な問題も抱えていることが示唆された。また,睡眠に関する問題は男女差なく,大学生の多くが共通して抱えている問題であることが明らかとなり,睡眠と生活のリズムに関する教育の必要性があるとの結論を得た。
出版者
日経BP社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.310, pp.26-37, 2008-09

株式投資における戦い方の一つにテーマ、材料に着目する方法がある。'08年後半戦における注目テーマと銘柄の攻略法を"名トレーナー"に聞いてみよう
著者
高橋 信明 杉本 諭 岡田 益男 本間 基文
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.113, no.4, pp.251-260, 1993
被引用文献数
1 6

Present work describes the magnetic properties of Nd-Fe-B melt-spun ribbons which have lower Nd content than the Nd<sub>2</sub>Fe<sub>14</sub>B compound. The studied alloys were (1) Nd<sub>x</sub>Fe<sub>94-x</sub>B<sub>6</sub>, (2) (Fe<sub>3</sub>B)<sub>1-x</sub>-(Nd<sub>2</sub>Fe<sub>14</sub>B)<sub>x</sub> and (3) Fe<sub>1-x</sub>-(Nd<sub>2</sub>Fe<sub>14</sub>B)<sub>x</sub>. The grain refinement were underwent by studying the conditions of annealing for crystallization. It results in disappearing noticeable knicks in the demagnetization curves, which is attributed to precipitations of &alpha;-Fe and Fe<sub>3</sub>B phases. The Nd<sub>8</sub>Fe<sub>86</sub>B<sub>6</sub> melt-spun ribbon annealed at 650&deg;C for 30 min exhibits the highest (<i>BH</i>)<sub>max</sub> of 126kJm<sup>-3</sup>(15.8MGOe). The V addition is effective for improving the coercivity.
著者
森栗 茂一
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
no.78, pp.121-128, 1999-03

日本の都市研究は,高度経済成長のひずみ,社会問題の反省として発展した側面がある。しかし,十分な議論のないまま,現実の日本の都市の生活は個別分断の消費に突入し,市民の連帯を発見できないでいる。国立大学共同利用機関の都市の共同研究としては,こうした都市の今日状況を視野にいれて,研究の志を立てねばならぬ。子供の自殺や暴力にみられる今日の状況は絶望的である。都市民俗学としては、こうした状況の都市をどう把握するのか,新たな都市の再構築にむけて展望を示す必要がある。本論では,阪神大震災を契機として,都市の連帯のあり方を問いなおした三人の映画監督・映像作家との会話のなかで発見したことを記述した。震災のなかで活動する人々を撮影するなかで,ふれあう町の可能性をみつけた熊谷(くまがい)博子監督。焼け落ちた町が復興する過程を定点観測しつづける青池憲司監督は,魅力的な個人ではなく町の連帯,人間の町がつくられていく動態を記録しようとしている。また,篠田(しのだ)正浩監督は,災害や戦災にいっても生きつづけようとする人々の力,独立市民の登場に期待してカメラをまわしたという。これらの動きは,本当の意味での都市の誕生である。都市民俗学としては,こうした人々の動き・新たな市民連帯の芽吹きを発見し,観察・記録し,新たなまちづくりに貢献せねばならない。都市史研究も,研究テーマがあるから研究するのではなく,何故その研究をせねばならぬのか,問われている。そうした,社会に志を問う共同の研究をせねば、研究の意味はない。何のための共同研究か。何のための共同利用機関なのか。誰のための研究なのか。誰に訴えたいのか。Urban history research of Japan appeared as correction and reflection of the strain of the vigorous economic growth. But, without enough discussion urbanization of Japan has come to be an individual consuming life and to miss the solidarity as an urban community.To begin with, kokorozashi 志 [a will] was a thing when the people of Meiji 明治 era and the early Shōwa 昭和 era left their villages for the purpose of the success in life. But, numerous failures was the result. This brought up new discrimination among people. Slums are an example here as a reflection of modern society, a point of view of social history through manazashi まなざし [a look]. However without putting such a research of discrimination theory to practical use, read urban communities are not a place. Where we are under the solidarity among people, but aggregates of individual lives which require 'money' and 'things'.Kōbe 神戸 which experienced the Hanshin Daishinsai 阪神大震災 [the earthquake disaster in Hanshin district], the setting up of solidarity in the urban communities appears in revival of the town, with planners, architects, statesmen, volunteers, and folklorists working together. The field work of the urban folklore which can contribute to urban planning, and like environment, education, residence, welfare, the investigation, research, proposal about parts concerning life, aiming this sort of new city joint is necessary.After Hanshin Daishinsai, as a result of discussion between me and three movies directors who made the movies about an earthquake disaster, we know that this point of view of urban folklore and the research asking joint among cities corresponds to asking the democracy of Japan in another sense. Usual, the democracy of Japan was transferred to the government from the U. S. A. Because of the defeat of war, and forced on district self governing body from the government, and granted to residents. Another from that, we can see the work making democracy from joints among residents in Kōbe 神戸 after the earthquake disaster.This is the birth of cities in real sense. The urban folklore is the fieldwork which finds out this kind of new way of life of the people. Moreover, urban folklore should become the tool which contributes the creation of the city to come. Such a will is more necessary than any other things to the urban folklorists.
著者
桜井 淑敏
出版者
日経BP社
雑誌
日経トップリーダー
巻号頁・発行日
no.322, pp.22-24, 2011-07

「今こそ、オヤジさん(宗一郎)に学ぶべき」。3月11日以降、誰かがそう言い出すはずだと思っていた。今、経営者に必要なのは、不屈の精神と明るさだからだ。あんなにしつこくて諦めない人は、世の中にそういなかったからね。 1984年、F1チーム総監督に就任した桜井淑敏は、宗一郎の技術への執念を肌で感じた1人だ。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1127, pp.40-45, 2002-02-04

金融を司る「銀行の中の銀行」の日本銀行。2003年に郵政事業庁が郵政公社へ衣替えして生まれる「世界最大の銀行」の出現に今、戦々恐々とする。「郵貯は消滅させるしかない」。この考えで、日銀内部は密かに固まっているのだ。不良債権問題の根っこに郵貯 なぜ消滅かを論じる前に、まず郵便貯金と簡易保険の規模を確認しておこう。
著者
山口 勇 関戸 茂子 見里 朝正
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.523-529, 1982-11-20
被引用文献数
7

殺菌性抗いもち剤およびプロベナゾールは, いもち病菌の色素合成(黒色化)に影響を与えなかったが, トリシクラゾール, CGA 49104, フサライド, ペンタクロロベンジルアルコール(PCBA)は菌系によるポリケタイド系のメラニン生合成を阻害または攪乱し, 中間体 : シタロンおよび代謝物 : 2-ヒドロキシジュグロン(2-HJ, 黄色色素)を共通に蓄積した.ただ, フサライドとPCBAはフラビオリン赤色色素の蓄積にはあまり影響しなかった.これら薬剤のセロハン膜法による付着器からの侵入阻害は葉鞘検定の結果とよく一致し, 薬剤の一次作用点が宿主側よりは菌側にあることを示唆した.また, これら薬剤は, いもち病菌付着器の黒化も抑制するが, トリシクラゾール, CGA 49104の存在下にメラニン合成の後期中間体 : バーメロンまたは1, 8-ジヒドロキシナフタレンを添加すると, 付着器からセロハン膜への穿入回復は明瞭でなかったものの, 着色阻害は完全に回復した.一方, 2-HJとシタロンは, いもち病菌の感染過程に影響することが認められ, メラニン合成阻害に基づく付着器の未熟に加えて生理活性中間体の蓄積も薬剤の有効性に関与している可能性が考えられた.
著者
HAZAMA Itsuhiro
出版者
The Research Committee for African Area Studies, Kyoto University
雑誌
African study monographs. Supplementary issue. (ISSN:02869667)
巻号頁・発行日
no.56, pp.33-52, 2018-03

In non-Western societies, citizenship is often discussed as a conceptual tool to reinforce colonial rule and orientalism. In the African context, ethnic groups, which form the cultural basis of ethnic citizenship, are believed to hinder the maturity of nation-states. Thus, the term "citizen" with respect to Africa is often regarded as an empty concept. Along these lines, this paper examines citizenship in indigenous African communities by focusing on the everyday citizenship practices of autonomous East African pastoralist societies. Rather than claim citizen rights from the state, these pastoralists have constituted moral communities with alternative citizenship agendas, which serve to maintain public security and individual livelihoods. By addressing the question of the impasse to citizenship and the logic by which East African pastoralists challenge fixed Western categorizations, this paper highlights the need to flexibly reconceptualize citizenship to create new inclusive spaces uninfluenced by race, ethnicity, class, gender, or geography.
著者
小浜 耕己
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.298, pp.64-67, 2018-02

木下さんと涼子さんが、ファストフードショップで遅めの昼食を取りながら、ニッケイ金属の人事申請刷新プロジェクトについて話しています。ユーザー受け入れテストで発生した障害について、どう管理していくのかで意見が食い違っているようです。涼子さんからのアドバイスは、木下さんにうまく伝わるでしょうか。
著者
小浜 耕己
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.295, pp.54-57, 2017-11

木下さんがカフェで作業しながら、リニューアルプロジェクトの管理資料を眺めつつ、種類が多い資料を一元管理するよう考えました。しかしそれを見た涼子PMは、まとめ方に問題があると指摘。問題に納得しない木下さんを、どう説得するのでしょうか。