著者
Hiroshi Yoshikura
出版者
National Institute of Infectious Diseases, Japanese Journal of Infectious Diseases Editorial Committee
雑誌
Japanese Journal of Infectious Diseases (ISSN:13446304)
巻号頁・発行日
vol.72, no.1, pp.23-30, 2019-01-31 (Released:2019-01-23)
参考文献数
16
被引用文献数
3 7

In Japan, HIV infection is classified as “HIV” or “AIDS” depending upon whether the infection was detected before or after the development of AIDS. In male homosexuals, in the plot of the number of “AIDS” notified annually versus the that of “HIV” notified annually, the plot fell on a straight line with a slope close to 1. When the number of “HIV” no longer increased, that of “AIDS” also stopped increasing. The number of “HIV” notified in one region or age group was correlated with that of other regions or age groups, respectively. However, no such correlation was observed among male heterosexuals. “HIV” was detected more frequently among male homosexuals and females than among male heterosexuals. The rate of “AIDS” detection increased with age in all infection categories. Our analysis, supported by findings of other studies, suggested that the higher rate of “HIV” detection among male homosexuals and females was attributed to the increased risk of receptive sexual intercourse, while the higher rate of “AIDS” detection among the elderly people was attributed to immunological senescence.
著者
香取 真知子 瓜生 大輔 稲見 昌彦 檜山 敦
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本研究では, 対面した状態での会話を促進する, 写真を利用したプラットフォームの提供に着目した. そして自分と相手が所有している写真群の中から類似写真を選んで提示することで, 初対面同士では共通点を見出し会話を誘発することができ, 親しい者同士では近況報告とともに新しい会話を誘発することができるスマートフォンアプリの開発を行なった.本研究で開発中の「類似写真を提示するアルゴリズム」がどのような動作するか, またアプリの使用によりどのような経験が得られるかを明らかにするために, 計10組の検証を行なった. 検証は初対面同士の組と親しい者同士の組に分けて行い, それぞれの検証では類似写真を提示するmodeAとランダムで写真を提示するmodeBの2種類を行なった. その結果, 初対面同士では, 類似性の高い写真を提示することにより, 会話が誘発されることが確認された. 一方で親しい者同士では人間関係によって得られる体験が異なるため, より細かく分類した上での検証や改良の必要性が示唆された.
著者
江田 尚弘 シーボン ケイティ 松原 晟都 佐久間 顕 檜山 敦 稲見 昌彦
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

人間間での運動の同期によって, 仲間意識・類似性の知覚・好感度などの正の感情が上昇することが知られている. 一方で先行研究において, 人間とエージェントとの運動の同期についてはそのような正の感情が上昇する効果は見られなかった. 本研究では, エージェントとの運動同期による共感醸成と, その条件の検証を目的として実験を行った. 特に, エージェント側からの協調とエージェントの社会的存在としての提示という2つの条件に注目し, それぞれの条件を変化させることによる運動同期の効果を調べた. 結果として, エージェント側からの協調の条件によって, 先行研究では見られなかった, 運動同期による被験者のエージェントへの感情に対する影響が見られた. 一方で, 本実験で行った社会的存在としての提示については, それらの項目に対して影響が見られなかった.
著者
郭 翔宇
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

世界的に不動産業界でのテクノロジー導入による生産性向上の取り組みが進められる中、中国市場においてもテクノロジーによる情報やデータの共有化の動きが盛んになっている。本講演では、不動産物件価格の推定を中心とした中国における不動産テックの最新事情を紹介する。
著者
江口 圭 池辺 宗三人 金野 好恵 山田 祐史 金子 岩和 峰島 三千男 秋葉 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.769-774, 2007-09-28 (Released:2008-11-07)
参考文献数
10
被引用文献数
5 7

透析効率の飛躍的な向上の背景には, 高性能透析器やHDFフィルタなどのデバイスの開発ならびにその性能を引き出すための治療モード, 治療条件の考案をあげることができる. しかし, 個々の患者に対する適正な溶質除去を考えた場合, その対象となる患者体内環境の影響も重要な因子の一つと考えられる. 限られた透析時間の中で行われる除水操作は, しばしば血圧低下や筋痙攣をもたらし, 末梢循環不全の状態を作り出すことになる. 今回われわれは, 間歇的な補液を繰り返すことによって, 一時的に末梢循環を改善し, (1) 血液分配の是正, (2) 体液の撹拌, (3) 溶質の洗い出し効果促進による除去効率の向上を目的とした新しいHDF療法 (間歇補液HDF : intermittent infusion hemodiafiltration, I-HDF) を考案した. 通常のボトルタイプHDFは置換補充液を静脈側血液回路部から連続注入するが, I-HDFでは間歇的な補液操作 (3~4回/hr, 一回400~600mLの急速補液) を行い, 患者の循環血液量を約5%の範囲で振幅させた. 対象は維持透析患者7例にI-HDFと従来のHDFをクロスオーバーで施行し, 各溶質のクリアスペースを比較した. この際, 置換補充液は各セッションで同量とした. 結果はクリアスペースが増加する群と不変な群の2群に分れた. 皮膚表面の微小循環を評価できるレーザー血流計により, 間歇補液後の末梢循環の改善が得られた4例を再評価すると, クリアスペースにおいてI-HDFの方が高値を示し, 特にクレアチニン, 尿酸, β2-MGで有意な差が認められた. この4例はいずれも安定した維持透析患者であったが, 間歇補液の効果が認められなかった3例は, (1) 高齢者 (74歳), (2) 閉塞性動脈硬化症合併, (3) 僧帽弁閉鎖不全合併の症例であった. ゆえに種々の患者背景が間歇補液の効果に相違をもたらすものと考察した. 今後, 従来からの外部デバイスに依存した溶質除去の手法に加えて, 患者の末梢循環を視野に入れた治療法を考案する必要がある.
著者
光國 和宏 市川 淳 堀 紫 池野 湧太 アレクサンドル ルブロン 河本 徹和 岡 夏樹 西崎 友規子
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

Voice User Interface(VUI)を搭載したスマートスピーカー,対話型スピーカーが家庭へ急速に普及している.母親を対象にした家族や育児に関する調査では育児に不安を持つ母親も多く,子ども向け対話型スピーカーの需要も高まることが予想される.今後の家庭における育児支援を期待した対話型スピーカーの研究が複数行われているが,それらの先行研究では,既存のサービスの利用や対話型スピーカーに対する印象調査に留まっている.そこで,本研究では子ども用対話型スピーカーの開発に向けた基礎的知見を創出することを目的とし,子どもと半自律型スピーカーとの対話遊びにおけるインタラクションを観察し分析を行った.実際の使用環境に近い環境で行ったインタラクションの結果を子どもの性格特性と関連付けて分析した.その結果,情緒が安定している,神経質ではない,あるいは幼稚園や保育園に適応していると母親に評価された子どもは,対話型スピーカーとより良い対話遊びを行うことが確認された.新たな対話型スピーカーの開発には子どもの性格特性に応じた振る舞いやデザインが必要である可能性が示唆された.
著者
峰島 三千男 江口 圭 宍戸 寛治 高橋 進 久保 司 川口 洋 蔀 幸三 柴垣 圭吾 須賀 喜一 長尾 尋智 高田 幹彦 田岡 正宏 佐藤 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.351-360, 2015 (Released:2015-06-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

透析中の末梢循環障害是正や急激な血圧低下防止を目的に間歇補充型血液透析濾過 (intermittent infusion hemodiafiltration : I-HDF) が考案された. 今回われわれは逆濾過透析液を用いたI-HDFの臨床効果を前希釈法On-line HDF (以下Pre-HDF) と比較するため, 前向き多施設共同臨床研究を実施した. 文書にて同意が得られた患者を同一施設内で2群に割付けし, 並行群間比較を行った. その際, ① 年齢 (±5歳), ② 基礎体重 (±5kg), ③ 糖尿病の有無をマッチングさせ, 36例 (18ペア) を対象とし臨床症状, QOL, 溶質除去などの観点から検証した. その結果, 臨床症状, QOLにおいて両群に有意差は認められなかった. 血液透析からの変更後, I-HDF群, Pre-HDF群とも治療が継続するにつれて収縮期血圧減少率の低下, 処置発生率低下傾向がみられた. また, I-HDFはPre-HDFに比べ中・大分子溶質の除去には劣るもののアルブミン漏出量の少ない溶質除去特性が確認された.
著者
亀井 淳 佐々木 真理 赤坂 真奈美 千田 勝一
出版者
脳と発達
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.348-352, 2002-07-01
参考文献数
20

Epstein-Barr (EB) ウイルス脳症に起因する不思議の国のアリス症候群において, これまで頭部画像検査による特異的な異常は記載されていない.今回, EBウイルス脳症に罹患して本症候群に特徴的な身体像の奇妙な変形, 幻視, 離人症状を呈し, 頭部CTで異常がなく, MRIの T<SUB>2</SUB>強調像で大脳灰白質に広範かつ散在性の高信号と腫脹を認めた10歳の女児を経験した.このM RI所見は1週間後に改善した.EBウイルス脳炎・脳症で視覚性錯覚や精神症状を示した症例の中には, 本症候群が診断名としては用いられていないが, MRIの異常を一過性に認めたとする報告がある。したがって, 本症候群を形成する症状がみられた場合は, タイミングを逃さずにMRI検査を行う必要があると考えられた.
著者
斎藤 奨 Chiang Chun-Wei Savage Saiph 中野 鐵兵 小林 哲則 Bigham Jeffrey
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

クラウドソーシングにおいて、ワーカーの多くが十分な賃金を獲得できていないことが問題視されている。原因の一つとして、まだ取り組んだことのないマイクロタスクの「割の良さ」を正確に見積もることの難しさが挙げられる。本研究では、他のワーカーによる過去のタスク作業履歴をもとに、新たに発行された未知のタスクに必要な作業時間と時給を推定する手法を提案する。Amazon Mechanical Turkのワーカー84人に独自に開発したウェブブラウザ拡張機能をインストールさせて9,155件のタスクデータを抽出し、異なる方法で計測した4パターンの時間の候補からワーカー自身に一つ選ばせることで作業時間のラベルを付与した。さらにGradient Boosting Decision Treeのモデルから作業時間を回帰推定するTurkScannerを設計・評価し、約150次元の特徴ベクトルから高い精度で作業時間を推定することを示した。
著者
高橋 節子
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.21-36, 2015 (Released:2015-06-30)

This study aims to specify the essential nature of a child-friendly educational environment through an analysis of the Children's Houses for 3- to 6-year-old children planned by Maria Montessori whose philosophy and method have spread all over the world. Based on her theory of how children grow and develop, Montessori designed an educational method along with a unique physical environment in which to put it into practice. In the present study, an intensive content analysis of 12 Montessori's books, consisting of her own writings and dictations of her own lectures, was conducted and revealed: (1) Montessori's grand theory of child development governed her educational method and its physical environment which was essentially planned to evoke and support children's competence and autonomy, (2) The 8 properties of the physical environment, which were indispensable to the education of young children, were identified, e.g., the environment must (a) be attuned to children's body size and their physical and cognitive abilities; (b) be responsive to children's behavior; and (c) activate children's spontaneous activities, (3) These properties were surely embodied in the physical environment in all of the Montessori Children's Houses. What we can learn from Montessori, now and for the future, is discussed.
著者
渡部 雅也 楊 坤 Dinesh Malla 坂本 克好 山口 浩一 曽我部 東馬
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ディープラーニングと強化ラーニングは近年急速に発展しています。ゲームやロボット制御などの分野にディープラーニングを適用する多くの研究が大きな成功を収めています。本論文では、強化学習アルゴリズムであるAlphaZeroをゲームAIのためのこれまでにないレベルの多用途性を最適制御問題に適用する可能性を検証する。従来の制御メカニズムを使用することによって処理することが困難であると考えられているノイズの多い環境下で動作を制御するその能力についての洞察を得ることを目指している。
著者
Kazuma Kaitoh Aki Nakatsu Shuichi Mori Hiroyuki Kagechika Yuichi Hashimoto Shinya Fujii
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.67, no.6, pp.566-575, 2019-06-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
33
被引用文献数
9

We report here the development of phenylamino-1,3,5-triazine derivatives as novel nonsteroidal progesterone receptor (PR) antagonists. PR plays key roles in various physiological systems, including the female reproductive system, and PR antagonists are promising candidates for clinical treatment of multiple diseases. By using the phenylamino-1,3,5-triazine scaffold as a template structure, we designed and synthesized a series of 4-cyanophenylamino-1,3,5-triazine derivatives. The synthesized compounds exhibited PR antagonistic activity, and among them, compound 12n was the most potent (IC50 = 0.30 µM); it also showed significant binding affinity to the PR ligand-binding domain. Docking simulation supported the design rationale of the compounds. Our results suggest that the phenylamino-1,3,5-triazine scaffold is a versatile template for development of nonsteroidal PR antagonists and that the developed compounds are promising lead compounds for further structural development of nonsteroidal PR antagonists.
著者
寺島 俊穂
出版者
關西大學法學會
雑誌
關西大學法學論集 (ISSN:0437648X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4-5, pp.795-848, 2004-02-25

土倉莞爾教授還暦記念論文集
著者
大橋 正司 平川 裕蔵
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.167-170, 2019-03-15 (Released:2019-06-01)
参考文献数
1

毎日新聞社とフューチャー社グループのフューチャーアーキテクト社は、2018年11月、新聞制作のコンテンツ管理システムを共同で開発し全面的に刷新した。この刷新と同時に、それまで紙面を降版したあとにインターネットなどに配信する「紙面中心・ベルトコンベア型」だった業務フローは、紙面と各媒体向けの記事制作・リアルタイム配信を同時に行っていく「紙とデジタルの同時並行展開・分散型」業務フローへと大きく舵を切った。本発表では新聞社がどのように膨大なコンテンツの制作とデータ管理に取り組んでいるのか、コンテンツ管理システム刷新の過程で検討されたコンテンツ制作、アーカイブ収録管理、利活用における課題と工夫、新しい業務フローと考え方がもたらす変化について、全国紙の大規模なコンテンツ管理・アーカイブシステムの全容をお見せしながら紹介する。
著者
津田一磨 鈴木秀和 旭健作 渡邊晃
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.405-406, 2014-03-11

Bluetoothに代表される近距離無線通信技術の発達により,ホームオートメーションの普及が期待されている.今後,宅内にある近距離無線通信機器を外出先から操作したいという要求が高まると考えられる.しかし,このような機器には通信可能範囲に制限があり,外出先から直接操作することができない.筆者らは,Bluetooth機器のハードウェアとソフトウェアの間で交換されるコマンド等をインターネット経由で転送することにより,遠隔地のBluetooth機器へ接続する手法を提案している.この手法によると,ユーザはBluetooth機器の位置を意識することなく,一般のBluetoothアプリケーションを用いてシームレスに接続することができる.本稿では,提案手法をLinux PCへ実装し,動作検証を行った結果を報告する.外出先の操作端末が遠隔地にあるBluetooth機器の検出が可能であることを確認した.