著者
鈴木 ゆか 城丸 瑞恵
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.67-75, 2015 (Released:2017-04-05)
参考文献数
18

クリティカルケア領域において患者の命に関わる気管チューブの自己抜管予防は重要課題である。しかし自己抜管体験者としての看護師に生じる感情、行動などに着目した研究は十分ではない。本研究では自己抜管を体験した看護師が抱いた感情、さらにその後の行動変化について明らかにすることを目的とした。関東圏内A病院のクリティカルケア領域の看護師7名に半構造化面接を行い分析した。 その結果、自己抜管を体験して起こった感情として、【自己抜管事例を体験した衝撃と恐怖】、【自己抜管事例を起こした自分に対する不信感】、【自己抜管予防は不可能という感情】、【患者は信じてはいけないという感情】の4カテゴリーが生成され、自分と患者・スタッフに対して不信・怒り・諦念などの感情を抱くことが明らかになった。体験した自己抜管事例に対する問い直しとして【援助の適切さに対する自分自身の問い直し】、【他者からの言葉による問い直し】、【仕事環境に対する問い直し】、【自己抜管原因を探求した問い直し】の4つが生成され、実施した援助の問い直しを行うことで、体験を消化する過程がみられた。自己抜管事例体験後の行動変化として、【予防に重点をおいた援助への変化】、【アセスメントする視点の変化】、【チームで協力しようとする行動への変化】の3つが生成された。研究参加者は一連の過程を通して多くの学びを得たことが伺われ、リフレクションが有用である可能性が示唆された。
著者
梶並 知記
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.3K2NFC37, 2012

<p>本稿では,TETDMを用いて試作した,Twitter検索モジュール(ツール)「RelaTwi」と他のツールの連携によって行う,関連Tweetの探索や分析に関する試験的な一手法について報告する.本稿の目的は,入力されたプレーンテキストそのものの分析を主な想定利用法としているTETDMが,情報探索と分析が一体化したテキストデータマイニング支援システムとしても利用できる可能性を提示することである.</p>
著者
後藤 嘉宏
出版者
Editorial Board of "Library, Information and Media Studies"
雑誌
図書館情報メディア研究 = Library, Information and Media Studies (ISSN:13487884)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.63-81, 2019-03-31

中井正一は三木清から影響を受けているが、三木の個性、独創性信仰に対しては批判的な眼差しももっていた。本稿は中井の三木への評価の肯定的眼差しと否定的眼差しの双方を、中井の全著述を通じた三木への言及から、見ていく。中井はメディウムよりミッテルを、ということをほぼ終生にわたって唱えた。著述家三木に対しては狭い意味での個性志向を示しメディウムを脱しえなかったと評する一方で、実践家三木に対してはミッテルの実践をしたと、高く評価する。両者の眼差しの矛盾を考察することで、ソクラテス流の文字に自分の言葉を残すよりも対話をというミッテルの媒介の典型の姿を、中井は三木の実践に見据えていることが分かった。

1 0 0 0 OA 衣更着物語

出版者
喜平
巻号頁・発行日
1688

室町物語。2巻。貞享5年(1688)喜平刊。上巻は御室の御所に24名の公家が集い、左右に別れて12枚の扇絵の絵合わせをする。挿絵に12枚の扇面図とそれを解く公家たちを見開きで12図いれる。下巻はその座に一人の女性が現れ、持参の扇絵の絵解きを依頼して姿を消す。その絵を左の方は在原業平とし、右の方は光源氏と云い決着がつかないので、山路・白菊という巫女を呼び寄せ絵解きをさせると、巫女はこれを業平とし、一座の問いに答えたあと、神鏡に呼び出された源氏は自分の一代を語った。屋代弘賢(1758−1841)の「不忍文庫」、徳島藩の「阿波国文庫」の印記がある。なお当館には刊記を入れ木した元禄6年永田調兵衛の後印本(請求記号:212-20)がある。(岡雅彦)
著者
住友 克彦 山形 敦子 島 浩二 岸本 真幸 久松 完
出版者
農業技術研究機構花き研究所
雑誌
花き研究所研究報告 (ISSN:13472917)
巻号頁・発行日
no.9, pp.1-11, 2009-12

遠赤色光(FR)を効率的に照射することが可能な蛍光灯を用い,数種花きにおいて明期終了時の短時間FR照射処理(EOD-FR)を行い,開花反応および伸長成長を調査した。EOD-FR処理に対する開花および伸長成長における反応は,植物種によって様々であった。EOD-FR処理によって,キクでは3品種において伸長成長が促進されたが,'神馬'では変わらず,反応には品種間差が見られた。ヒマワリ2品種,キンギョソウ2品種,ストック'ピンクアイアン',ブプレウルム'グリーンゴールド'およびカーネーション'バーバラ'では,伸長成長および開花が促進された。ガーベラ'オーランド',カラー'クリスタルブラッシュ',コスモス'ミヨシのベルサイユ'およびバラ'ボヌール'において,本実験のEOD-FR処理条件では,伸長成長および開花における影響は見られなかった。ケイトウ'デリーパール'では,EOD-FR処理によって茎伸長が促進されたものの,開花は遅延した。また,アスター'セレネピンク'では,茎伸長は影響を受けず,開花が遅延した。キク'デックモナ'および'セイエルザ',ヒマワリ2品種およびケイトウ'デリーパール'では,栽培時期によってEOD-FR処理による伸長成長または開花の促進効果が変動した。以上のことから,営利栽培においてEOD-FR処理を実際に利用するためには,EOD-FR処理の方法および効果について,品目ごとに詳細に検討する必要があるものの,花き営利栽培の場面でのEOD-FR処理の利用の可能性が示された。
著者
岡本 聡
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, 2015

『伊勢物語』注釈において三十九段の二条后が亡くなる場面は正徹注において秘伝化されている。心敬は、これを「本覚の都」(空)と表現し宗祗以後の「五大」循環思想につながっている。ところが新注と言われる契注においては「常見」「断見」を否定する形でこれに独自の解釈を加えている。本発表ではこれを中心に「魂」の存続非存続について考察したい。
著者
蔡 超 白松 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1J305, 2018

<p>近年、ウェブ議論システムやウェブアンケートの利用が頻繁になっている。そのため、特定の話題に興味を持つ議論参加者やアンケート被験者を、SNS上で発見したいというニーズが増加している。本研究では、ユーザ数の多いTwitterを対象として、特定の話題に興味を持つユーザを発見する手法を試作する。具体的には、あるキーワード群でTwitter検索をするとbotアカウントやスパムアカウントが多く出力されてしまう問題を解決するため、非個人ユーザフィルタリング手法を提案する。訓練データの作成時には、キーワードでの検索とハッシュタグでの検索という2回の検索結果を用い、個人ユーザと非個人ユーザのバランスを調整した。これを用いてSVMによる個人・非個人の分類モデルを学習し、F値0.93を達成した。</p>
著者
春日 政治
出版者
大阪大学国文学研究室
雑誌
語文 (ISSN:03874494)
巻号頁・発行日
no.3, pp.1-11, 1951-07

契沖阿闍梨特輯号
著者
北 政巳 Masami Kita
出版者
創価大学経済学会
雑誌
創価経済論集 (ISSN:03883027)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1/2/3/4, pp.1-16, 2010-03-01
著者
小谷 章夫
出版者
湘南工科大学
雑誌
湘南工科大学紀要 = Memoirs of Shonan Institute of Technology (ISSN:09192549)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-11, 2011-03-31

ユビキタス社会における情報流通の中で、最も重要な役割を担うものの1つが「文字情報」である。携帯電話やナビゲーションシステム、DTV などの電子ディスプレイには、日々膨大な文字情報が絶え間なく映し出されており、表示する文字の可読性がきわめて重要になっている。従来の紙媒体での文字情報は、改良を続け洗練された活字を使って印刷されているので可読性の高いものが多いが、電子ディスプレイ上に表示されるフォント開発の歴史は浅く、現在も可読性を向上させるために改良が続けられている。本論文では、可読性の高いフォントの開発において重要な指標の1つとなっている「文字重心」を定量化するために、文字輪郭を用いた文字重心位置評価手法を提案する。また、提案した文字重心位置評価手法をフォント開発へ応用することで、フォント開発コストの大幅な削減を可能にし、可読性と文字重心の関係を明らかにする。