著者
岩崎 久美子 豊 浩子 立田 慶裕 福本 徹 金藤 ふゆ子 須原 愛記 笹井 宏益
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、貧困家庭の増加など、子どもをめぐる成育環境の悪化が社会問題化し、家庭の社会経済的背景に由来する教育格差が拡大・再生産される懸念が生じている中で、国内外の格差是正のための先導的事例を検証し、我が国の施策に資する知見を提供することを目的としている。平成29年度は、英国に焦点を当て、子供の貧困に関する関係書籍や文献による分析を行い、併せて英国での現地調査を実施した。英国の現地調査では、英国に在住する海外共同研究協力者とともに子供の貧困問題を扱うチャリティ団体を特定し、視察・関係者への聞き取りを行った。訪問したチャリティ団体は、①就学前教育や保育の分野の研究にさまざまな助成金を提供しているNuffield Foundation、②ロンドン市長がパトロンでロンドンの貧困層の子供たちを対象にウェルビーイング、スキル、雇用と起業に関する支援を行うThe Mayor's Fund for London、③Lambeth地区の貧困家庭に対し10年計画の早期介入プログラムを多機関連携により実施しているLambeth Early Action Partnership、④ホームレスの若者に住居を提供、雇用支援、教育(英語、リテラシー、ITスキル、職業訓練、幼児教育、育児教育)などを通して雇用機会や社会復帰を支援するThe Cardinal Hume Centre、⑤貧困と子供の保護に関するプログラムを提供することを通じ課題を把握し国、地方自治体への政策提言を行っているThe Children's Society、⑥貧困、恵まれない環境、社会的孤立状態にある人々への実践的、情緒的、財政的支援を行う英国で最も古いチャリティの一つであるFamily Actionである。これらの聴取内容の一部は、雑誌『社会教育』に、英国NPO(チャリティ)の事例紹介として連載している。
著者
佐々 悠木子
出版者
東京農工大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

[1]抗ABVモノクローナル抗体の作製ABVのMuBV-1とPaBV-4のN領域の組換えタンパクを大腸菌にて発現精製し、Balb/cマウスに免疫した。マウスにおいて、抗体価は十分に上昇し、抗血清を得ることができた。しかしながら、マウスの脾細胞とミエローマSp-2/AG14の融合を試みたが、MuBV-1及びPaBV-4に対して抗体価をもつハイブリドーマは得られなかった。[2]動物感染実験によるABVの感染性、病原性および体内動態の評価生体のトリへの接種に用いるABVをABV持続感染細胞から回収し、ウイルス力価を確認し、接種の準備が整った。導入した生体のトリが、ABVとは関連のないマクロラブダス症などの他の感染症で亡くなってしまったため、今年度は発育鶏卵でのABVの増殖の有無を調べた。ニワトリの品種は、GRN, GSP, GSN/1, PNP/DO, YL, BL-E, WL-G, WL-M/O, RIR, CAL, 413, OS, GB, EJ, DDW, POL, BRB, JB, SIL, FZSILの20品種を用いた。10日齢の発育鶏卵にMuBV-1を漿尿膜腔接種し、5日培養して漿尿液を回収し、MuBV-1を定量PCRにて測定したがいずれの品種の発育鶏卵でもウイルスの増殖が確認されなかった。また、4代まで継代を試みたが、ウイルスは増殖しなかった。このことより、発育鶏卵ではMuBV-1は増殖せず、ニワトリでのABVの感染のリスクは他の鳥種と比較して低いと考えられる。
著者
参謀本部 編
出版者
偕行社
巻号頁・発行日
vol.第10巻, 1915
著者
山形 眞理子 田中 和彦 松村 博文 高橋 龍三郎
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

環南シナ海地域の先史時代の交流というテーマに最も合致する遺跡として、ベトナム中部カインホア省カムラン市ホアジェム遺跡を選び、平成18年度(2007年1月)に発掘調査を実施した。ベトナム南部社会科学院、カインホア省博物館との共同調査であり、ベトナム考古学院の協力もいただいた。その結果、6m×8mの面積の発掘区から甕棺墓14基、伸展土坑墓2基を検出することができた。そのうち6号甕棺から漢の五銖銭2枚が出土したことから、ホアジェムの墓葬の年代を紀元後1,2世紀頃と結論づけることができた。平成19年度にはカインホア省博物館において出土遺物の整理作業を実施した。6個体の甕(棺体)をはじめ、多くの副葬土器を接合・復元することができたが、それらはベトナム中部に分布する鉄器時代サーフィン文化のものとは異質で、海の向こうのフィリピン中部・マスバテ島カラナイ洞穴出土土器と酷似することがわかった。これは南シナ海をはさんで人々の往来があったことを示す直接の証拠であり、重要な成果である。ボアジェム遺跡とオーストロネシア語族の拡散仮説との関係、さらには、1960年代にハワイ大学のソルハイムが提唱した「サーフィン・カラナイ土器伝統」の再吟味という、二つの重要な課題がもたらされた。甕棺に複数遺体を埋葬する例があることも大変に珍しい。たとえば8号甕棺からは3個の頭蓋骨を含む多くの人骨が検出され、人類学者によって一人が成人女性、あとの二人は5歳くらいの子供と確認された。成人は改葬ではなく一次葬である。人骨の系統分析(歯冠計測値と歯のノンメトリック形質にもとづく)によれば、ホアジェム人骨の特徴はフィリピンのネグリトとの親縁性を示した。遺跡から採取した炭化物と貝の放射性炭素年代は前1千年紀前半を示したが、これは墓葬に先行する居住の時期と考えられる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1496, pp.40-44, 2009-06-22

「コンスーマープロダクツ&デバイスグループ(CPDG)」と「ネットワークプロダクツ&サービスグループ(NPSG)」。 英語やカタカナ表記に慣れたソニーの職場でも、この組織名をすんなり言える社員は多くない。だが4月に発足した新組織が機能しないと、ソニー復活の道は断たれるとの危機感は強い。 「サイロ(倉庫)の壁を壊しきっていない。

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1907年11月14日, 1907-11-14
著者
福原 敏行
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.209-218, 2015-12-25 (Released:2016-10-19)
参考文献数
52
被引用文献数
2 1

健全な(病徴のない)イネやピーマンなどの植物(作物)から約15 kbp(千塩基対)の直鎖状2本鎖RNAが頻繁に検出される.これらの2本鎖RNAは,宿主植物のゲノムDNAからの転写物ではなく,巨大な単一のオープンリーディングフレーム(ORF)をコードし,プラス鎖に切れ目(ニック)を有するユニークな2本鎖RNAウイルスであることが塩基配列および分子系統解析により判明し,新たなウイルスとしてEndornaviridae科Endornavirus属に分類された.これらのエンドルナウイルスは,一般的な1本鎖RNAウイルスとは異なり,全ての組織で一定の低コピー数(細胞あたり約100コピー)で検出され,宿主に明確な病徴を与えない.また,日本晴品種などの栽培イネから検出されるエンドルナウイルスでは,花粉や卵から95%以上の高率で次世代に伝播する.すなわち,一般的なウイルスが爆発的に増殖し宿主に病気を引き起こし水平感染するのに対し,エンドルナウイルスは,宿主植物と共生関係を保ち,宿主に病徴を与えず,花粉や卵から効率よく次世代に垂直伝播する究極の共生ウイルスといえる.
著者
加藤 圭介
出版者
技術情報協会
雑誌
研究開発リーダー (ISSN:13491393)
巻号頁・発行日
vol.9, no.12, pp.20-24, 2013-03
著者
細井 由彦 村上 仁士 上月 康則
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.456, pp.83-92, 1992-11-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
8
被引用文献数
5 8

流速の変動する感潮部において堆積した底泥による酸素消費を, 定量的かつ一般的に評価する方法について検討した. 浮遊させた底泥による酸素消費特性について検討した後, その結果を用いて, 河床に堆積した底泥による酸素消費を, 浮遊時の酸素消費特性, 堆積状態, 底泥上の流水の特性により評価する方法を, 実験とモデルにより考察した.
著者
本橋 敬之助
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水質汚濁研究 (ISSN:03872025)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.45-48, 1986-01-10 (Released:2009-09-10)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

底泥からのリンの溶出に及ぼす微生物活性の影響および酸素消費に伴う溶存酸素濃度と底泥からのリンの溶出との関係についての室内実験を行った結果, リンの溶出に及ぼす微生物活性の影響は, 好気的状態におけるリン溶出の初期段階でみられるが, 嫌気的状態では認められなかった。底泥からのリンの溶出濃度 (Y, μg/l) と上層水の酸素消費に伴う実測溶存酸素濃度 (x, mg/l) の間には, Y=a+b ln x (a, b;係数) で表される実験式が成り立つことを明らかにした。