著者
目代 武史 岩城 富士大
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.12, no.9, pp.613-652, 2013-09-25 (Released:2016-07-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本稿では、フォルクスワーゲンや日産、マツダ、トヨタにおける新たな車両開発アプローチをとりあげ、その概要と製品開発戦略における意義を考察する。開発車種の多様化や車両自体の複雑化への対応とコスト削減の両立を図るべく各社とも共通化に取り組んでいるが、共通化の考え方やアプローチにはそれぞれ独自性がある。本稿では、前半において各社の取り組みを整理した上で、後半では設計情報の繰り返し利用化、各社によるアプローチの相違、サプライヤーへの影響について考察を行う。
著者
柴田 友厚
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.733, pp.65-73, 2015-10

製品のバリエーションを確保しつつコスト競争力を高める手法として脚光を浴びているモジュール化。しかし、モジュール化に合わせて開発プロセスを変えることや、モジュール戦略を主導する責任者を置くことの重要性は見落とされがちだ。
著者
奥田 稔 中島 健 山本 一生
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.48, 2013 (Released:2013-06-20)

かつては大きく重く、長時間持ち運ぶことも苦労だったノート型のパーソナルコンピュータも、ウルトラブック、タブレットPC、スマートフォンになり、常時携帯する道具となってきた。これらの携帯電子機器は、最先端のデバイス開発によって性能を競い合っているが、結局は性能だけでなく、機能そして造形まで画一化してきている。そのため、携製品を薄く軽量に仕上げるための高剛性の素材、良い触感の表面仕上げに加え、差別化された高級感、先進性を表現する加飾技術が必要とされている。実際に製品例を示しながら、携帯電子製品のCMF加飾技術の動向を検証する。

1 0 0 0 OA 玉川上水留

出版者
巻号頁・発行日
vol.[91] 玉川上水清水御屋敷内樋枡御修復一件,
著者
村井 稔幸
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

癌細胞の浸潤・転移の制御機構には不明な点が多く、癌進展を防ぐ効果的な手段の開発が望まれている。私たちは、癌細胞に発現する接着分子CD44が、腫瘍細胞外マトリックスの主要構成成分であるピアルロン酸の小断片と相互作用することにより、切断を受けることを見出した。さらに、そのシグナル伝達分子と切断酵素を同定し、癌細胞の運動性亢進への寄与を明らかにした。平成18年度は、平成17年度に引き続いて、腫瘍組織における低分子量ビアルロン酸の生成機序の解明、および、CD44の細胞外領域切断による癌細胞の浸潤性亢進の分子機構について、次の研究をおこなった。1.腫瘍組織における低分子量ビアルロン酸生成機序の解明癌細胞において、ビアルロン酸を断片化する酵素分子を同定した。そして、当該ビアルロン酸分解酵素分子について、その発現を遺伝子工学的に抑制する系、および、増強する系を構築することができた。2.CD44の細胞外領域切断による癌細胞の浸潤性亢進の分子機構癌細胞において、上皮成長因子受容体の高発現が顕著に認められる。このことに着目し、これまでのCD44と癌細胞浸潤・転移についての独自の知見を基に、上皮成長因子の癌細胞浸潤への関わりについて検討をおこなった。その結果、上皮成長因子がCD44の細胞外領域切断を惹起し、癌細胞の浸潤性亢進を引き起こしていることを明らかにした。また、その作用機序についても分子レベルで明らかにした。
著者
沖津 卓二 草刈 潤 富岡 幸子 伊藤 和也
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.72, no.12, pp.1591-1597, 1979
被引用文献数
1

Auditory brainstem electric response (ABR) is generally recorded as the potential difference between the electrode on the ear lobe and on the vertex [Lobe-Vertex recording]. Among the five waves recorded the latency and the presence or absence or Wave I and V are particularly important factors.<br>The purpose of the present study was to obtain a clear appearance of Waves I and V even at the low intensity of sound by simultaneous performance of Lobe-Vertex and Membrane-Vertex recordings. As the tone stimulus is decreased toward the subjective threshold in Lobe-Vertex recording, each wave becomes smaller, and the waves, except for Wave V are frequently undetectable near the threshold.<br>On the other hand, in the recording of the potential difference between the electrodes on the posterior marginal portion of the tympanic membrane and on the vertex [Membrane-Vertex recording], Wave I is larger and Wave V smaller than that of Lobe-Vertex recording, and the clearly detectable Wave I can be obtained by the tone stimulus near the subjective threshold. Namely, the detectability of Wave I and V depends on the site of the recording electrode and there is no statistical difference between the two recording methods regarding latencies of the two waves.<br>Typical wave patterns recorded from three patients were demonstrated: two of acoustic tumor and the other of a C-P angle tumor.<br>In one patient with an acoustic tumor and the one with an C-P angle tumor, although no waves were detected in Lobe-Vertex recording, Wave I was clearly detected in Membrane-Vertex recording.<br>In the other patient with an acoustic tumor, Waves I and V were not so clearly detected in Love-Vertex recording, but in Membrane-Vertex recording, Waves I and V were clearly detected and the prolongation of the latency interval between Waves I and V could be measured.<br>From these results, it is suggested that the simultaneous Lobe-Vertex and Membrane-Vertex recording technique in ABR is most useful for the detection of cochlear nerve and the brainstem disorders.

1 0 0 0 OA 満済准后日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.第5軸裏, 1411
著者
吉田 国光 形田 夏実
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2015, 2015

<b>1.研究課題</b><br> 本研究では,石川県金沢市において「伝統野菜」として生産される15品目の「加賀野菜」を事例に,それらの作物の生産および出荷の動態を分析することで,小規模な都市近郊産地の存続に向けて農産物のブランド化が果たす経済的・非経済役割を明らかにすることを目的とする. <b><br>2.研究手順と対象地域</b><br> 研究手順としては,まず統計資料などをもとに対象地域の農業的特徴とその変遷を検討し,「加賀野菜」としてブランド化される品目の概況を示す.次に,金沢市農産物ブランド協会への聞き取り調査で得たデータをもとに,農産物のブランド化をめぐる組織体制や制度について整理する.さらに,対象地域における各品目の生産部会への聞き取り調査をもとに,15品目の生産と流通の動態を,慣行栽培と「加賀野菜」栽培との差異に着目して分析することから,各品目のブランド化が産地の存続に果たしてきた役割を明らかにする. 研究対象地域に選定した石川県金沢市は近世より城下町として発展してきた.市街地周辺部では自然条件の微細な差異に応じて様々な農業生産が展開している.気候条件として,夏期は高温で降雨が少なく,冬期には降雨・雪が多く日照時間は少ない.地形条件としては金沢市中心部の東西部を犀川と浅野川が流れ,南東部は山地となっている.中心部から周辺部へと広がる金沢平野では金沢市の水田が卓越している.海沿いには砂丘地が広がり,サツマイモやダイコン,スイカ,ブドウなどの畑作・果樹作が盛んである,2010年国勢調査によると,産業別就業者の割合は第1次産業で1.5%,第2次産業で22.0%,第3次産業で76.5%となっている.このうち農業就業者は減少傾向にある.<br><b>3.「加賀野菜」をめぐるブランド化の諸相</b><br> F1種の登場以降,「加賀野菜」を含む在来品種の生産農家は減少傾向にあった.こうしたなかで種の保存・継承の気運が高まり,1990年に金沢市地場農産物生産安定懇話会が組織され,在来品種の保存に向けた取り組みが開始された.1992年には加賀野菜保存懇話会が新たに組織され,保存対象となる在来品種を「加賀野菜」と命名した.1997年には,金沢市特産農産物の生産振興と消費拡大の推進を目的とする金沢市農産物ブランド協会が設立され,「加賀野菜」を通じた農業振興が取り組まれるようになった.「加賀野菜」は「昭和20年以前から栽培され,現在も主として金沢で栽培されている野菜」と定義され,「金時草」,「ヘタ紫なす」,「加賀太きゅうり」,「せり」,「加賀れんこん」,「さつまいも」,「たけのこ」,「源助だいこん」,「打木赤皮甘栗かぼちゃ」,「金沢一本太ねぎ」,「加賀つるまめ」,「二塚からしな」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」の15品目が認定されている. これら15品目の生産・流通の動態を分析した結果,15品目は3つに類型化できた.まず1つ目として,「さつまいも」,「れんこん」,「加賀太きゅうり」,「源助だいこん」では生産量が多く,県外流通の割合も高かったことから,ブランド化が生産者へ経済的メリットを与えているといえる.これらの生産者の多くは専業農家であり,これらの品目から得られる農業収入の割合も高かった.これらの品目の生産者は金沢市という小規模産地の中核的存在といえ,ブランド化が産地の存続に一定の経済的役割を果たしていると考えられる.2つ目の「ヘタ紫なす」,「加賀つるまめ」,「金沢一本太ねぎ」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」,「せり」,「二塚からしな」では生産量が少なく,流通も県内を中心としていた.ブランド化が生産者へ与える経済的メリットは小さいといえる.しかし,これらの品目の生産農家数は僅かとなっており,ブランド化が在来品種の保存に一定の役割を果たしていると考えられる.在来品種の保存自体に経済的メリットは見出しにくいものの,「加賀野菜」に必須の要素となる「歴史性」を担保する非経済的役割を果たしていると考えられる.3つ目の「たけのこ」,「金時草」,「打木赤皮甘栗かぼちゃ」については,先の2類型の中間的な性格を有していた.以上のことから,「加賀野菜」として統一されたブランドが構築される一方で,作物の特徴によってブランド化の意義は異なる様相を呈し,金沢市という都市近郊の小規模な農業産地の存続に様々な役割を果たしていた.
著者
高橋 碧 セーリム ナッタウット 林 晋平 佐伯 元司
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.1040-1050, 2019-04-15

大規模なソフトウェア開発では,ある特定のバグを解決するために修正すべきソースコード箇所を見つけるBug Localizationが必要である.情報検索に基づくBug Localization手法(IR手法)は,バグに関して記述されたバグレポートとソースコード内のモジュールとのテキスト類似度を計算し,これに基づき修正すべきモジュールを特定する.しかし,この手法は各モジュールのバグ含有可能性を考慮していないため精度が低い.本論文では,ソースコード内のモジュールのバグ含有可能性として不吉な臭いを用い,これを既存のIR手法と組み合わせたBug Localization手法を提案する.提案手法では,不吉な臭いの深刻度と,ベクトル空間モデルに基づくテキスト類似度を統合した新しい評価値を定義している.これは深刻度の高い不吉な臭いとバグレポートとの高いテキスト類似性の両方を持つモジュールを上位に位置付け,バグを解決するために修正すべきモジュールを予測する.4つのOSSプロジェクトの過去のバグレポートを用いた評価では,いずれのプロジェクト,モジュール粒度においても提案手法の精度が既存のIR手法を上回り,クラスレベルとメソッドレベルでそれぞれ平均22%,137%の向上がみられた.また,不吉な臭いがBug Localizationに与える影響について調査を行った.
出版者
上海科学技术出版社
巻号頁・発行日
1980