著者
安井 明美
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.191-197, 2009
被引用文献数
3

判別技術は、JAS法の改正によるすべての生鮮食品の原産地の表示義務化や加工品への適用範囲の拡大に対応した表示内容の科学的検証、種苗法改正による育成権者の保護の強化と育成者権の効力の加工品への拡大や関税定率法の改正による「育成者権を侵害する物品を輸入禁制品に追加し、輸入差止申立て制度の対象とすること」などへの対応のために必要であり、品種、産地、生産履歴、遺伝子組換え、放射線照射などについての研究が行われている。農林水産省のプロジェクト「食品、農産物の表示の信頼牲確保と機能性解析のための基盤技術の開発(旧、安全で信頼性、機能性が高い食品・農産物供給のための評価・管理技術の開発)」(平成18〜22年度)でも研究が行われ、「食品表示の信頼性を確保するため、原産地、生産履歴情報、品種・系統等の高度偽装防止技術システムを構築する」ことが目標の1つとなっている。その柱の1つが産地判別技術の確立である。原産地の表示では、国産品では都道府県名を、輸入品では国名を記載する。農産物等の産地を科学的に確認するための技術開発は海外では以前より行われているが、国内では、農水省の特別研究「穀粒の一粒判別技術の開発」において、玄米の無機元素組成あるいは同位体比による産地判別技術の検討が行われたことをきっかけに、各種の農水産物にこれらの手法が適用されるようになっている。
著者
Boulton William R.
出版者
医療と社会
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.73-111, 2000

過去20年間,米国ヘルスケア業界では大型合併が進められてきた。今日わずか4社の卸(マッケソン,バーゲン・ブランズウィク,カーディナルヘルス,アメリソースヘルス)が医療用医薬品流通の80%以上を,4社のドラッグチェーン(CVS,ウォールグリーン,ライトエイド,エッカード)が小売処方薬ビジネスの60%以上を支配している。このような大型顧客の出現によって,製薬メーカーは競争上不利な立場にあったが,ようやく精力的な動きをとりはじめた。<BR>製薬メーカーは,戦略的提携により,新製品の発掘・開発のための最新技術を得る一方,世界的な統合を通じ,市場の拡大とマーケティング・一般管理費の削減をめざす戦略を再び取り始めた。製薬業界の再編はまだ終了したわけではないが,今後の方向は明確である。製品開発をさらに押し進め,経営コストを削減するリストラクチャリングが,新しい世界規模でのリーダーの要件となるであろう。たとえば,グラクソとバローズ・ウェルカムは1996年に合併してグラクソ・ウエルカムに,ゼネカとアストラは1998年にアストラ・ゼネカとなった。その他にも,ノバルティス(チバガイギーとサンドの合併会社-1996年に合併),アベンティス(ヘキストとローヌ・プーラン・ローラーの合併会社-1998年に合併)が,業界のリーダーシップを取るべくしのぎを削っている。この業界では10%の市場シェアを占めることが最終的な目標のように思われる。というのは,メルクでさえもいまだ約7.5%,アベンティスが約6.7%,グラクソ・ウエルカム,ファイザー,アストラ・ゼネカはそれぞれ6%のシェアを占めているにすぎないのである。<BR>ヒトゲノム解析計画は,大手製薬メーカーへ最新の開発・経営技術を提供する新会社を生むこととなった。たとえば,有望な新薬開発に向けて,ファイザーは,インサイト・ファーマスティカルズと遺伝子解読の作業を加速し,すべての遺伝子配列を解読するため協力・提携することに合意した。インサイトは約5万個のヒト遺伝子に関する特許を出願中で,すでに遺伝子に関連する特許を453件取得している。このような提携によって,今後は一連の全く新しい形の医薬品の導入を進めていくと思われる。将来のリーダーには彼らとの接触が不可欠となろう。
著者
井上 卓見 末岡 淳男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.66, no.644, pp.1074-1081, 2000

The authors present a new step-by-step integration scheme by utilizing the cardinal B-splines. The new method organizes conventional implicit methods such as Newmark-&beta; method and Wilson-&theta; method and so on, and provides a simple computation procedure so that the step-by-step integration can be carried out efficiently. In addition, when we analyze a nonlinear system with discontinuity the computational acuuracy can be improved by the approximate detection of the points of discontinuity by making good use of the two-scale relation. In this paper, we formulate an algorithm of a time historical response analysis of a straight-line beam structure as an elementary example of multi-degree of freedom system besides a simple single degree of freedom system. The cardinal B-splines used here are only the ones of orders 3 and 4 but the other cardinal B-splines are also available for step-by-step integration in the same way.
著者
児玉 忠恭 有本 信雄
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.C67-C70, 1996

独自に恒星の進化計算を行ない、種族合成コードを構築した。このコードを用いて楕円銀河の周りの球状星団系の色、光度の分布をシュミレートした。ハローの化学進化と球状星団の力学的崩壊過程も考慮した。その結果を典型的な楕円銀河(NGC3923,NGC4472)の球状星団系の観測データと比較し、これらの星団系の形成期に制限を与えた。結果は、星団の形成開始期は12-18Gyrs前で最初の2-3Gyrsの間にほとんどの星団が形成されたとすると、色、光度の分布を同時に再現できることが分かった。平均重元素量は[M/H]〜-0.7程度である。すなわち、銀河系の球状星団系と年齢はほぼ同じで、重元素量は約一桁高い。また、乙女座銀河団の球状星団光度関数(GCLF)のピークは銀河系の球状星団のものに比べ、ΔM_B〜0.5等暗いが、これは重元素量の違いだけで説明できることが分かった。
著者
森 誠之
出版者
日本表面科学会
雑誌
表面科学 : hyomen kagaku = Journal of the Surface Science Society of Japan (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.270-278, 2011-05-10
参考文献数
50
被引用文献数
1
著者
山崎 俊一
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協會誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.229-235, 1999-04-15
参考文献数
2
被引用文献数
1 3
著者
千川 道幸 海野 和三郎 湯浅 学
出版者
近畿大学
雑誌
理工学総合研究所研究報告 (ISSN:09162054)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-39, 1989-01

The structure in the Virgo Cluster is studied on the basis of fractal structure analysis. The numbers of galaxies used are about two hundreds in this analysis in the area of 12h to 13h and 0° to 20° of right ascension and declination respectively. We get a result of the fractal dimension of 1.98±0.23 as preliminary result.

1 0 0 0 OA 狂僧草紙

著者
土佐光信 画
出版者
巻号頁・発行日
1900
著者
斉尾 英行
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.213-215, 1995-03-05
参考文献数
8

ハッブル宇宙望遠鏡の優れた解像度によって,乙女座銀河団内の渦巻銀河M100の中にある12個のセファイド型変光星(以後セファイドと記す)が発見された.それらの周期と明るさとの関係からM100までの距離が17.1±1.8Mpc(1Mpc &sime; 3.26×10<SUP>6</SUP>光年)と決定された.宇宙膨張による乙女座銀河団の後退速度と,求められた距離とからハッブル定数がH<SUB>0</SUB>=80±17kms<SUP>-1</SUP>Mpc<SUP>-1</SUP>((8.2±1.7)×10<SUP>-11</SUP>yr<SUP>-1</SUP>)と決められた.ハッブル定数は,遠方の銀河の後退速度(V)とその銀河までの距離(D)との比を与え(V=H<SUB>0</SUB>D),現在の宇宙膨張の速さの指標である.仮に,宇宙の膨張が現在まで減速されなかったとした場合,宇宙が現在の大きさになるまでに要した時間はH<SUP>-1</SUP><SUB>0</SUB>~1.2×10<SUP>10</SUP>年となる.現実の宇宙には物質が存在しているので,仮想的な斥力を考えない限り,宇宙膨張は減速され続けてきていると考えられる.このような場合,宇宙が現在の大きさにまで膨張するのに要する時間はH<SUP>-1</SUP><SUB>0</SUB>よりも短いはずである.このことは,我々の銀河内で最も古い天体である球状星団の年齢が~1.7×10<SUP>10</SUP>年であると評価されていることと矛盾する.
著者
相馬 徹
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.69-82, 2004

Alexander Sokurov (1951-) is one of the leading film directors in contemporary Russia. His filmography since 1978 to the present (2004) can be divided into three periods, considering 1990 and 1995 as the boundary lines, not only according to the style of his works, but also in terms of the changes of the organic relation between the director and the professional artists of his group. Indeed, the best approach to understand the main characteristics of Sokurov's films since 1995 is to direct our attention to the sound production and the work of his sound director, Sergey Moshkov (1961-). Of course, the expression of subjective feeling or individual spirit of 'I', the author, in Sokurov's films has been materialized by other people who can use technologies freely. Moshkov succeeded best in the representation of Sokurov's 'I', introducing a new technology, Dolby Digital, in the sequence of ' Xoдoки (representative peasant petitioners)' in the film 'Taurus' (2000). Although it was cut by the director from the final version of the film, the sound approach of Moshkov with a new technology brought new possibilities of expression and organic creative relationship into Sokurov's world. That is to say, the unreleased sequence of 'Taurus' is, as it were, a blueprint of the aesthetic achievement in Sokurov's next film, 'Russian Ark' (2002).
著者
西嶌 俊彦
出版者
四国大学
雑誌
四国大学紀要 = Bulletin of Shikoku University (ISSN:09191798)
巻号頁・発行日
no.46, pp.97-108, 2016
著者
栗山 繁 河合 利幸 大村皓一
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.15, pp.1-8, 1987-02-26

3次元画像生成において,数多くの自由曲面のモデリング手法が提案されている.その中でもB?スプラインによる補間法は形状の局所的な変形操作に適していることから広く用いられているが,生成される曲面は与えられたコントロール点を含まない.与えられた点を含む曲面を生成するには,3次スプラインによる補間法が用いられるが,B?スプラインのような局所的な台をもたないため,曲面データの部分的な変更に対しても,全データ数に比例した回数の計算が必要となる.この性質は,対話的なモデリングシステムにおいては、データの数が増大するに従って大きな障害となる.この問題を解決するために,我々は,補間関数としてカーディナルスプラインに着目し,これをB?スプラインで構成し,自由曲面のモデリングに適用する手法を考案した。A great number of approaches have been proposed to the free form surface modeling in 3D image generation. Among them, B-spline is believed to be suitable for the local modification but the surfaces do not contain given control points. The cubic spline is applied to eliminate this property. But not having local support such as B-spline, the cost of calculation is proportional to the total number of the data even if the local modifications were made. It is undesible for the interactive modeling system. In this paper, we introduce cardinal spline composed of B-spline, which is applied to the free form surface modeling.