著者
遠藤充 森崎修司
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2013-SE-179, no.9, pp.1-7, 2013-03-04

ソフトウェアドキュメントの詳細化,具体化を計測することを目指し,辞書による抽象度の定義を用いてドキュメントに含まれる語の抽象度を計測した.国語辞典の抽象度の定義を用いて同一ソフトウェアのフェーズの異なるドキュメント間で,含まれる単語の抽象度ごとの出現頻度を求めたところ,大きな違いはみられなかった.基本設計書に含まれる語よりも詳細設計書に含まれる語,要件定義書に含まれる語よりも基本設計書に含まれる語のほうが国語辞典に抽象度の定義のない単語が多く含まれており,それらの単語はソフトウェア開発の観点からみて,具体的な単語が多かった.
著者
蛯子 隼 大久保 宏貴 仲宗根 素子 川越 得弘 金城 政樹 普天間 朝上 赤嶺 良幸 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.799-803, 2018

<p>Ollier病による上腕骨変形に対する治療はMultiaxial correction systemを用いた報告が多い.これは創外固定器装着後に変形矯正が可能だが,衣服の着脱が困難で女性への適応は躊躇することが多い.単支柱型創外固定器を用いて変形を矯正し得た症例を報告する.14歳,女児.進行する左上腕変形のため,外観が気になるようになった.単純X線像で上腕骨近位約80%は内軟骨腫に占拠され,3D-CTでは健側と比較して外反65°伸展37°,内旋22°変形し,45 mm短縮していた.手術は3D-CTシミュレーション通りに骨切りを行い,変形を矯正した後,単支柱型創外固定器を装着した.仮骨延長を行い,延長量は43 mmでhealing indexは45 days/cmであった.創外固定器装着中も衣服の着脱は容易で,愁訴はなかった.最終観察時,変形は矯正され外観に満足している.</p>
著者
比嘉 勝一郎 金城 英雄 前原 博樹 島袋 孝尚 中島 慶太 當銘 保則 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.636-640, 2018

<p>Langerhans cell histiocytosis(以下LCH)は,Langerhans細胞の増殖を特徴とする原因不明の疾患で,骨腫瘍全体の1%以下と稀である.今回,われわれは脊椎に発生したLCHの3例を経験したので報告する.【症例1】13歳男児.1ヵ月半前から胸背部痛があり受診した.Xp上T2椎体は圧潰し,PET-CTでT2・T9・S1椎体にFDGの集積がみられた.T2椎体の生検を行い単臓器多病変型のLCHと診断した.化学療法を行い,初診後4年の現在,再発はない.【症例2】8歳女児.1ヵ月前から両季肋部痛があり受診した.Xp上T9椎体は圧潰し,PET-CTで同部位にFDGの集積がみられた.生検を行い単臓器単病変型のLCHと診断した.BP製剤の内服を行い,初診後1年4ヵ月の現在,再発はない.【症例3】27歳男性.2ヵ月前から頚部痛と右上肢のしびれがあり受診した.MRI上C7椎弓右側に信号変化があり,PET-CTで同部位にFDGの集積がみられた.生検を行い単臓器単病変型のLCHと診断,初診後7ヵ月の現在,経過観察中である.</p>
著者
当真 孝 山口 浩 森山 朝裕 大湾 一郎 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.546-551, 2018

<p>中高齢者の広範囲腱板断裂を合併した反復性脱臼の治療には難渋する.今回,我々の術後成績を報告する.対象は広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対して関節唇・腱板修復術を施行した8例8肩である.内訳は男性5肩,女性3肩,平均年齢は66歳,平均経過観察期間は25カ月であった.術前後の肩関節可動域(以下,ROM)(屈曲・外旋・内旋),日本肩関節学会肩関節不安定症評価法(以下,SISスコア),再脱臼・再断裂を調査した.ROMは術前(屈曲78°・外旋24°・内旋1点)が術後(130°・56°・4点),SISスコアは術前23点が術後73点に改善した.再脱臼はなく,亜脱臼を1例,関節症性変化を1例,腱板再断裂を1例に認めた.広範囲腱板断裂を伴う反復性肩関節脱臼に対する関節唇・腱板修復術は有用な術式と考えられた.</p>
著者
石原 昌人 仲宗根 哲 平良 啓之 山中 理菜 親川 知 松田 英敏 東 千夏 神谷 武志 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.742-745, 2018
被引用文献数
1

<p>【症例】65歳男性,慢性腎不全で透析歴28年.床から立ち上がる際に右股関節痛が出現し救急搬送された.単純X線像,CTで両大腿骨頚部骨皮質は菲薄化し,骨嚢腫を認め,右大腿骨頚部骨折を合併していた.左大腿骨頚部は皮質骨が一部破綻し不全骨折の状態であった.右大腿骨頚部骨折に対してセメントレス人工股関節置換術(THA)を行い,1ヵ月後に左大腿骨頚部不全骨折に対して骨嚢腫掻爬・自家骨移植・骨接合術を行った.両側とも病理組織検査でアミロイド骨嚢腫の診断であった.術後1年,両股関節痛はなくT字杖歩行が可能である.【考察】長期透析患者の大腿骨頚部アミロイド骨嚢腫を伴った病的骨折は偽関節になりやすい.本例は右側の大腿骨頚部骨折に対してTHAを行い,左側の不全骨折に対しては掻爬・骨移植・骨接合術を行った.長期透析患者のTHAの長期成績は不良であり,不全骨折に対する骨接合術は治療の選択肢となると思われた.</p>
著者
喜屋武 諒子 當銘 保則 前原 博樹 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.667-670, 2018

<p>Giant cell-rich osteosarcoma(GCRO)は通常型骨肉腫の1~3%に発生する稀な疾患である.化学療法が著効した1例を経験したので報告する.症例は65歳,男性.1年前左膝関節痛を主訴に前医を受診した.単純X線像で左大腿骨外側顆の骨透亮像を指摘され,MRIで骨腫瘍疑いと診断された.その後通院の中断があり,6ヵ月後に疼痛が増悪したため前医を再受診し,単純X線像で病巣拡大を指摘され当院へ紹介された.当院で施行したFDG-PETで左大腿骨外側顆に高度集積を認め,切開生検の結果転移性骨腫瘍が疑われたため,初診から1ヵ月半後に広範切除術及び腫瘍用人工膝関節置換術を施行した.最終病理組織診断はGCROであった.術後1ヵ月に急速に増加増大する多発性肺転移を認め,NECO-95Jプロトコールに基づき化学療法を施行したところ著明な縮小効果が得られた.現在化学療法終了後1年6ヵ月経過し,再発転移を認めていない.</p>
著者
中島 慶太 金城 英雄 比嘉 勝一郎 島袋 孝尚 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.641-644, 2018

<p>症例:22歳女性.4ヵ月前より右下肢痛が出現し,近医整形外科を経て婦人科を受診した.骨盤内に腫瘍を認めたため当科に紹介された.初診時右大腿部外側に軽度の疼痛があり,アキレス腱反射は消失していたが,明らかな筋力低下はなく腹部膨満感などはなかった.MRIで骨盤内に直径約10cmの右S1神経孔に連続する腫瘍を指摘された.透視下に右S1神経孔より針生検を行い神経鞘腫と診断した.手術前日に栄養動脈の塞栓術を施行した.手術はまず腹臥位で後方よりアプローチし右仙骨椎弓を切除し,神経根尾側の腫瘍と神経根,仙骨前面との癒着を剥離した.その後砕石位で前方より経腹膜的にアプローチした.仙骨前面との癒着のため一塊で摘出できず,被膜内で核出し容量を減少した後に被膜ごと切除した.出血量は680mlで輸血は行わなかった.病理は神経鞘腫で悪性所見はなかった.術後明らかな神経脱落症状を認めず,術後2週で独歩にて退院,術後3ヵ月で再発はない.</p>
著者
中尾 達馬 村上 達也 数井 みゆき
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
2018
被引用文献数
1

<p>本研究の目的は,児童用に,アタッチメント不安とアタッチメント回避を測定可能な尺度(児童版ECR-RS)を作成し,その信頼性と妥当性を確認することであった。調査対象は小学4年生から6年生540名(平均年齢10.5歳,男児260名,女児280名)であった。本研究では,まず,児童版ECR-RSが2因子(アタッチメント不安,アタッチメント回避)から構成されているとみなせるかどうかを検討した。次に,児童版ECR-RSの信頼性については,内的整合性と再検査信頼性(5カ月)を確認した。最後に,妥当性については,児童版ECR-RSと理論的な関連性・無関連性が想定される変数(アタッチメントの安定性,全体的自己価値,情動知能,共感性,生活満足度,対人不安傾向,孤独感,友人関係良好度,運動能力評価)との間で検討を行った。これらの結果は,我々の予測をおおむね支持していた。以上の結果から,児童版ECR-RSは,一定の心理測定的属性(信頼性と妥当性)を備えた尺度であることが示唆された。</p>
著者
宮里 信寿 仲座 栄三 田中 聡 福森 匡泰 SCHAAB Carolyn
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1003-I_1008, 2018

波の入・反射波の分離法には,Healy法をはじめとしていくつか存在する.非線形性の強い波に対するそれらの特性ついてはいまだ十分に議論されていない.CADMAS-SURFを用いた数値計算により,Healy法が小さめの反射率を与えること,その補正として合田によって提案された補正値も大幅な改善には至らないことが示されている.不規則波を対象として提案された合田の入・反射分離推定法の規則波への適用性を調べ,波の非線形性が入・反射分離に影響を及ぼすことを明らかにしている.疑似非線形波を対象とした久保田らの方法が検討され,波高値よりもrms値を用いた方が良い結果を与え,さらに離れた2点のデータを用いる方がより良い結果を与えることが明らかにされている.さらに,これらの結果は横山・水口らのデータと比較され,その有用性が示されている.
著者
福森 匡泰 仲座 栄三 田中 聡 宮里 信寿 SCHAAB Carolyn 下地 涼太
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1009-I_1014, 2018
被引用文献数
3

数値波動水槽CADMAS-SURFは,砕波や越波を伴う波浪場の解析に有用性を示してきている.直立護岸上の越波に関する研究は,古くから行われ,特に合田の越波流量算定図表は実務設計に活用されてきている.最近,合田はEUによるCLASHデータベースを活用し,その見直しを図った.しかし,データのばらつきが大きく,流量係数の詳細な検討が求められている.実験的に護岸上越波時の詳細な流速データを得ることは困難である.本研究は,CADMAS-SURFによる数値計算の有用性を大型実験値との比較で示した上で,直立護岸上越波の流量係数及び流速係数について調べ,それらが護岸上越波の非定常性を示す無次元越波時間によって影響を受けること,さらに波の接近流速の影響を受けることを明らかにしている.
著者
田中 聡 仲座 栄三 SCHAAB Carolyn 福森 匡泰 宮里 信寿 本屋敷 涼
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.I_1033-I_1038, 2018
被引用文献数
2

合田は,ヨーロッパ諸国が中心として進めたCLASHデータに基づいて,自らが提案した護岸上越波流量推定図表に代わる経験式を提案し,その成果が今後の海岸保全施設の設計・計画に役立つことを期待すると述べている.しかしながら,合田の与えた越波量算定式による推定値と実験値や現地観測値との比較はかなりのばらつきを見せており,現場技術者はその活用に躊躇している.合田の与えた経験式が実際に活かされるためには,現設計法との比較が必須である.本研究は,合田の与えた経験式による推定値と合田の越波流量推定図表との比較を行い,経験式の修正を行っている.さらに,合田の越波流量推定図表との隔たりの要因を,CADMAS-SURFによる数値計算値との比較で明らかにしている.
著者
砂川 文 山口 さやか 宮城 拓也 岡本 有香 山城 充士 山本 雄一 高橋 健造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.336-339, 2018
被引用文献数
1

<p>13 歳,女児。3 カ月前より眉間部に線状の紅斑が出現し,次第に拡大した。臨床症状と病理所見より剣創状強皮症と診断した。ステロイド外用と紫外線療法を開始したが改善せず,ステロイドとメソトレキセート内服併用療法を行い,4 週間後に紅斑が改善し,2 年後には略治した。治療中,明らかな副作用はなかった。本邦において,剣創状強皮症に対するステロイドとメソトレキセート併用療法の報告例は少ないが,有効かつ比較的安全であり,治療選択の一つとして考慮すべきであると考えた。</p>
著者
花城 ふく子 島岡 洋介 仲里 巌 苅谷 嘉之 山口 さやか 屋宜 宣武
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.80, no.4, pp.345-348, 2018
被引用文献数
1

<p>74 歳,女性。初診半年前に後頭部右側に結節病変が出現した。生検組織では,異型の強い好酸性の細胞質を有する腫瘍細胞が充実性に増殖し,HE 染色所見,免疫組織化学染色では診断がつかなかった。全切除した際に,対側の後頭部左側にも類似した小結節が 2 カ所あった。病理所見はいずれも真皮全層にわたり腫瘍細胞が充実性に増殖し,異型のある内皮細胞様細胞が不規則な形状の間隙,管腔構造を形成していた。免疫組織化学染色では CD31,D2-40,ビメンチン陽性であった。以上より血管肉腫と診断した。PET-CT で転移病変はなく,家族の希望より後療法は行わなかった。術後 10 カ月で肺・肝臓へ転移し,weekly docetaxel 療法を 2 クール行ったが,間質性肺炎を合併した。ステロイドパルスを行ったが改善せず永眠した。自験例は,血管肉腫に特徴的な紫斑は伴わず,当初,鑑別診断として血管肉腫を挙げることができないまま,全切除に至った。タキサン系抗腫瘍薬は,頭部血管肉腫に対する第一選択薬とされ,今後も使用が増加すると考えられるが,間質性肺炎の合併に留意する必要がある。</p>
著者
浦崎 直光
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.138, no.11, pp.763, 2018

<p>はじめに</p><p>2017年度に沖縄で開催された第70回電気・情報関係学会九州支部連合大会,第8回電気学会九州支部高専研究講演会ならびに沖縄支所の事業である施設見学会および電気学</p>
著者
相馬 武久 吉内 龍策 北尾 晃一郎 本田 善久 山下 伸幸 石川 尚之 山本 博起 細井戸 大成
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.577-580, 2018-10-20 (Released:2018-11-20)
参考文献数
20

所有者不明猫140頭の3~4週齢時(初回)とその4~31週間後(2回目)に猫免疫不全ウイルス(FIV)抗体,猫白血病ウイルス(FeLV)抗原及び猫コロナウイルス(FCoV)抗体を検査した.初回FIV陽性34頭中31頭(91.2%)が2回目に陰転,初回陰性106頭は2回目もすべて陰性で,幼齢期でFIVの感染リスクが低いことが示された.FCoVでは初回陰性129頭中18頭(14.0%)が2回目に陽転し,幼齢期でもある程度の感染機会があることが示された.初回FCoV陽性11頭中9頭(81.8%)が2回目に陰転しており,早期離乳された猫の中には初回時に保有していた移行抗体が2回目に検出レベル以下に減少する例が存在していたことが示された.FeLVについては,両回とも全例陰性であった.猫のウイルス性感染症の実態を明らかにするためには,一般状態の良い猫を対象とした今回のような調査だけでなく,今後さまざまな猫の集団を対象に同様の調査を行うことが重要と考えられる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.222, pp.82-85, 1998-12-25

●1998年9月期の決算が出そろった。公共工事の前倒し発注や補正予算による追加投資の効果が追いつかず,かつてない厳しい決算となった。●中間決算の発表に合わせて,経営改善計画を発表する企業も続出した。12月1日には,準大手の日本国土開発が倒産に追い込まれた。 土木売上高が前年の中間期を上回ったのは,上位25社のうち前田建設工業やハザマなどわずか5社。