著者
小林 幹男
出版者
長野女子短期大学出版会
雑誌
長野女子短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.8, pp.57-76, 2000-12-20

蘇我氏の系譜は、『古事記』の孝元天皇、あるいはその孫にあたる武内宿禰を祖とする説、『上宮聖徳法王帝説』などの石河宿禰を祖とする説、あるいは満智を祖とし、満智が百済の木満致と同一人物であるとする説などがある。その本居地についても、大和国高市郡の蘇我の地、大和国葛城地方、河内国石川地方とする説がある。『日本書紀』の記事によると、百済・新羅・高句麗からの氏族の渡来、および仏教をはじめとする多く文化や技術を受容したのは、応神天皇から推古天皇の時代に目立って多い。この時期は、中国や朝鮮半島の諸国が、互いに抗争を繰り返した激動の時代であり、わが国も中国や半島諸国と通交して、積極的な外交政策を展開した時期である。その前段の時代、すなわち応神天皇から雄略天皇の時代は、中国の史書『宋書』などに記されている「倭の五王」の時代と対応する年代であり、欽明天皇から推古天皇の時代は、蘇我氏が渡来系氏族を配下において、大陸文化の受容と普及に努め、開明的な屯倉経営を推進して農民の名籍編成などを行い、積極的に農業生産力の増強を図って中央政界をリードした時期である。蘇我馬子が建立した飛鳥寺は、高句麗方式の伽藍配置を採用し、北魏様式の飛鳥大仏を造り、百済から渡来した僧侶や技術指導者たちを動員して完成した。蘇我氏の開明的性格を如実に物語る歴史的事実である。4~7世紀のわが国古代の文化は、「倭の五王」などの渉外関係史、蘇我氏と渡来系氏族の研究を基礎にしてこそ、その歴史の真実に迫ることができるものと考える。
著者
齊藤 一幸 青柳 裕 伊藤 公一 堀田 洋稔
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.237-245, 2005
被引用文献数
4

筆者らはこれまで, マイクロ波組織内加温法に用いる同軸スロットアンテナの研究開発を行ってきた.本論文では, 1本の同軸スロットアンテナおよび2ないし4本の同軸スロットアンテナで構成したアレーアプリケータが生体内において発生させる温度分布の数値シミュレーションを行った.さらに, これらの検討結果を基にして, これまでに4例の臨床応用を行い, 本アンテナの有効を確認した.
著者
宇野洋二 川人 光男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学技報,NC94-28,33/40
巻号頁・発行日
pp.33-40, 1994
被引用文献数
10

ヒトの腕の滑らかな運動軌道を説明するためにトルク変化最小モデル、筋張力変化最小モデルなどダイナミックな運動規範モデルが提案されてきた。これらの運動規範モデルに基づく腕の最適軌道は、腕のダイナミクスに依存し、その物理パラメータの値によって変動する.本研究では、腕の慣性モーメント、粘性係数、筋肉のモーメントアームなどの値をこれまでよりも正確に推定した後、トルク変化最小軌道や筋張力変化最小軌道を求め,これらのモデルでヒトの腕の運動軌道が再現されることを確かめた。また,運動時間との関係を考察し,トルク変化最小モデルでは,運動時間を倍にしたときの運動軌跡は,粘性係数を倍にしたときの運動軌跡に対応することを示す.

1 0 0 0 戸籍法

著者
青木義人 大森政輔著
出版者
日本評論社
巻号頁・発行日
1982
著者
逓信省 編
出版者
逓信省
巻号頁・発行日
1921
著者
小川 真彩高 本田 晋也 高田 広章
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.507-520, 2017-02-15

車載制御システムのソフトウェアにおいて,エンジン等のパワートレインを制御するパワトレアプリは高機能化が著しく,マルチコアの導入が必要とされている.すでにパワトレアプリ用に複数のマルチコアのマイコンが存在するが,それぞれコア数やメモリ構成が異なり,車種ごとに適したマイコンを使用する.一方,パワトレアプリは開発コストが高いため,単一のソフトウェアをベースに少ない変更でこれらのマイコンをサポートしたいという要望がある.そこで本研究では,パワトレアプリをモデル化し,そのモデルからランタイムを自動生成することにより,コア数や処理の配置の変更を可能とするフレームワークを開発した.実際のパワトレアプリの一部に本フレームワークを適用し,同一のソフトウェアモデルから,マッピング記述やハードウェアモデルの変更のみでコア数や処理の配置の変更が実現できることを確認した.Engineers have considered that it is necessary to use multi-core applications to apply high functionality in powertrains which control the likes of engines. However, as differing car models have different hardware architectures, it is expected to be difficult to apply this to all car models. In this study, we have developed a framework that enables changes in architectures by modeling powertrain applications and then automatically making runtimes from these models. We have confirmed that it is possible to create runtimes for the 2 processor architecture and 4 processor architecture by applying this framework to the same model that was made from a part of the actual powertrain application.
著者
竹村 紘一
出版者
歴研
雑誌
歴史研究 (ISSN:02875403)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.20-29, 2009-11

1 0 0 0 OA 日本戯曲全集

著者
渥美清太郎 編, 校訂
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
vol.第九卷, 1933
著者
板垣 芳雄
出版者
東北数学教育学会
雑誌
東北数学教育学会年報 (ISSN:0910268X)
巻号頁・発行日
no.40, pp.35-62, 2009

大正から昭和の敗戦前に、数学のベストセラー受験参考書を書いたカリスマ塾教師、藤森良蔵は「考へ方研究社」の事業として高等数学の普及(大学教育の開放)にも力を入れた。高校受験生や理工系の学生がエリートであった旧制度の時代から遠く、庶民が市民となって大量に進学するようになった現在、学校で教える数学にも内容と質の上での脱皮が迫られている。教師の意識改革を考えるとき、良識の指導への取り組みの姿勢から時代を越えて教えられることが多々ある。授業の質の差異を一つのエピソードで語り、2次方程式が立つ問題について授業展開の案を示して「下から」の印象づけ指導を提唱する。