著者
末松 大二郎 松岡 武夫
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.586-593, 1988-08-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
4

四つの力ならびに物質と時空とを統一する理論として最近注目を集めている超弦理論と, そこから導かれる低エネルギー有効理論について概括する. 超弦理論は高次元時空において定義されており, 4次元以外の余分な次元の空間がコンパクト化される結果として4次元理論が得られる. 導出される低エネルギー有効理論は, このコンパクト空間の位相構造と密接に関係している. いわゆる標準模型を含むなど, 低エネルギー有効理論として満すべき現実的条件と, コンパクト空間の位相構造との関係や超弦理論の実験的検証の可能性について述べる.
著者
孫 悠洛 鎌野 琢也 安野 卓 鈴木 茂行 原田 寛信
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.124, no.10, pp.2148-2154, 2004 (Released:2005-01-01)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

This paper describes the generation of adaptive gait patterns using new Central Pattern Generators (CPGs) including motor dynamic models for a quadruped robot under various environment. The CPGs act as the flexible oscillators of the joints and make the desired angle of the joints. The CPGs are mutually connected each other, and the sets of their coupling parameters are adjusted by genetic algorithm so that the quadruped robot can realize the stable and adequate gait patterns. As a result of generation, the suitable CPG networks for not only a walking straight gait pattern but also rotation gait patterns are obtained. Experimental results demonstrate that the proposed CPG networks are effective to automatically adjust the adaptive gait patterns for the tested quadruped robot under various environment. Furthermore, the target tracking control based on image processing is achieved by combining the generated gait patterns.

1 0 0 0 OA 万葉代匠記

著者
契沖
出版者
巻号頁・発行日
vol.[11],
著者
中村 善行 藏之内 利和 石田 信昭 熊谷 亨 中谷 誠
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.576-585, 2007-10-05
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

サツマイモ蒸切干(干しいも)は伝統的なサツマイモ加工品で,茨城県,静岡県など東日本の一部地域では重要な地域特産品の一つとなっている.しかし近年,安価な外国産品の輸入が増加し,国内産地を維持するうえで品質向上が急務となっている.そこで,蒸切干片の中央部が白色不透明化して硬くなり,商品性が失われる重大な品質低下障害である中白の原因を究明するべく,品種や栽培条件の違いに基づく障害の発生機作を検討した.本障害は,蒸切干用主力品種「タマユタカ」,でん粉原料用品種「ハイスターチ」などのでん粉含有率の比較的高い品種で発生しやすく,低でん粉品種「沖縄100号」や低糊化温度品種「クイックスイート」などでは発生が少なかった.また,MRI画像解析などから,供試したいずれの品種でも蒸煮塊根組織の中白部分は正常部分に比べて水分含量が低いことが判明した.一方,「タマユタカ」塊根の正常部分と中白発生予測部分との間にはでん粉含有率,可溶性糖類含量および糖化酵素β-アミラーゼの活性に顕著な差異は認められなかったが,「ハイスターチ」塊根の中白部分ではでん粉蓄積の不足した細胞群が観察された.さらに,「タマユタカ」では,塊根肥大期の土壌乾燥によって収穫した塊根の含水率が低下すると中白の発生が顕著になった.以上の結果から,中白障害の発生には塊根におけるでん粉の糊化不良や蓄積不足が関与しており,「タマユタカ」においては,土壌乾燥に伴う塊根の水分低下が蒸煮時のでん粉糊化不良を招き,障害の発生が助長されると考えられる.
著者
山田 佳昭 松下 訓
出版者
神奈川県水産技術センター
雑誌
神奈川県水産技術センター研究報告 (ISSN:18808905)
巻号頁・発行日
no.1, pp.43-49, 2006-03
被引用文献数
3

1 相模湾へ流入する河川からの汚濁物質負荷量を河川等の水質データから推定した。2 各河川からの流入負担量は、窒素27.9トン/日、リン1.9トン/日、COD30.9トン/日であった。3 各河川からの流入負荷量に占める相模川と境川の割合が高い。4 負荷量の変動には流域の降水量が影響している。5 処理場放流水による負荷量も多く、その量は年々増加している。
著者
奥谷 大介 高橋 健司 西井 豪
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.742-746, 2016-09-15 (Released:2016-09-15)
参考文献数
16

尿膜管癌は膀胱癌の中でもその頻度は低く,尿膜管癌の孤立性肺転移は極めて稀である.55歳,男性.51歳時,尿膜管癌p-Stage Iに対して膀胱部分切除術を施行した.尿膜管癌術後2年目の胸部CTにて左肺S1+2に約7 mmの空洞を伴う結節を認めた.以降,結節は空洞の消失と出現を繰り返しながらサイズは増大し,術後4年目には空洞を伴う13 mmの結節であった.診断治療目的に胸腔鏡下左肺部分切除術を施行し,病理学的検討より同病変は尿膜管癌の肺転移と診断された.本症例のような空洞性結節影を呈した尿膜管癌肺転移の症例は報告されていない.空洞を伴う肺腫瘍では悪性の可能性も考慮することが重要である.
出版者
吉田四郎右衛門尉
巻号頁・発行日
vol.[7], 1647
著者
山根 力 増田 稔 仲村 匡司
出版者
京都大学大学院農学研究科附属演習林
雑誌
森林研究 (ISSN:13444174)
巻号頁・発行日
no.70, pp.29-33, 1998-12

どのような色の組合せの縞が「派手な」および「感じのよい」イメージを与えるのかを調査し、これらのイメージと色彩の物理量(L*, a*, b*)の間にどのような関係があるのかを検討した。アンケートには21色の組合せによって生じる2色縞のうち、108種類の縞を用いた。一般に、縞を構成する2色の間の色差(ΔE*)が大きければ大きいほど、「派手な」イメージを与えた。また、明度(L*)および彩度(C*)がともに大きい鮮やかな黄色が含まれている場合には、2色間の色差に関係なく「派手な」イメージとなった。一方、木材色に近い色彩で構成される縞は「派手な」イメージを与えにくいことが明らかとなった。「感じのよい」イメージは被験者の好みに左右され、個人差が大きかった。しかしながら白の含まれている縞は、一般に「感じのよい」イメージを与え、一方、黒の含まれる縞は「感じのよい」イメージを与えない傾向がみられた。What kind of color combination in stripes gives us 'showy' or 'agreeable' image? To make it clear the relation between physical values (CIE L*a*b*) of color combination of stripes and psychological images, questionnaires using 108 stripes were distributed to 30 subjects. These stripes were consisted of two-color combination of 21 different colors. The stripes were vertical and each color line has 4 mm width. Size of stripe specimens was 70mm (vertical)×100mm (horizontal). Results of questionnaires were as follows : (1) 'Showy' image was strongly given with increase of color difference ΔE* in stripes. (2) In addition to this, stripes including bright yellow color [both high lightness (L*) and high chromaticness (C*)] gave 'showy' image. (3) On the other hand, stripes consisted of woody color (YR) did not give 'showy' image. (4) Color of stripes judged to be 'agreeable' varied with subjects depending on their personality. (4) Stripes including white generally gave 'agreeable' images, but stripes including black did not give 'agreeable' image.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.778, pp.16-21, 2004-09-06

頓堀は大阪を代表する繁華街の一つ。「ど派手」な形と色に彩られたにぎやかな街だが、3〜4年前は「ど不景気」のただ中にあった。この地で長年、上方文化を発信してきた演芸場・浪花座も2002年に閉館。その跡地に、総合エンターテインメント施設と銘打った複合娯楽ビルが建設され、今年7月にオープンした。

1 0 0 0 OA 正宝事録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[37],
著者
田路 則子 新谷 優
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.312-325, 2016-02-24 (Released:2017-10-19)

The region of Silicon Valley had attracted investment and human resources while the core industry has shifted from the previous field to the next field and an entrepreneurial ecosystem has evolved. Recently, web & mobile business have emerged. Immigrant entrepreneurs have the advantage of being able to hire low paid engineers in homecountries rather than high paid engineers in Silicon Valley. Most of them choose buyout instead of IPO and accmulate entrepreneurial experiences for their next startups. We found three factors which stimulate growth in startups in the preliminary study. The first is plural founders including CTO, the second is avoiding niche markets and the third is global orientation.
著者
表 真美
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集 第55回大会・2012例会
巻号頁・発行日
pp.52, 2012 (Released:2014-02-01)

【目的】 瀧井宏臣は子どもたちのライフハザードとして「悲しき食卓」をあげ、母親が市販のベビーフードを利用することを批判している(註1)。一方、子育て不安に関する最近の調査では、「離乳食」を不安に思う母親が増加していたことが報告された(註2)。離乳食は、食べる量が少量であるにもかかわらず、準備に手間と時間がかかるが、せっかく手作りしても子どもが食べてくれないことも多い。市販のベビーフードを「よく」あるいは「ときどき」使ったと回答した母親は合わせて68.8%だが、「手作りを与えたい」との回答も6割にのぼることが、1歳半の子どもを持つ母親を対象とした調査でわかった(註3)。また、厚労省の調査では、8割以上の対象者が「愛情」面で手作りの方が優れていると回答した(註4)。母親は罪悪感を抱えながらベビーフードを使っている。大日向雅美は、子育て期の母親が、「無頓着過ぎる親とがんばり過ぎる親」に大きく二極分化していることを指摘する。がんばり過ぎる母親は完璧に出来ないと傷ついてしまうという(註5)。筆者が2009年に行った幼児を持つ保護者を対象とした調査では「家庭科で離乳食の作り方を詳しく教えて欲しかった」との声がきかれた。 そこで本報告では、「手作り」と「ジェンダー」に注目して、これまで家庭科で離乳食に関する教育がどのように行われてきたかを明らかにし、今後のあり方を考察することを目的とする。【方法】 戦後から現在までの中学校・高等学校家庭科教科書における保育領域、食生活領域の記述から「離乳食」に関する内容を抽出し、家庭科における離乳食についての教育の変遷を明らかにした。また、キーワードに「離乳食」を含む雑誌記事、著書における記述と家庭教科書における内容との関連を検討し、今後の教育のあり方を考察した。【結果】 得られた結果の概要は以下のとおりである。1)1950年代から1970年代に発行された高等学校家庭科教科書(G社)には、離乳の必要性、進め方、離乳食の作り方などが、比較的詳細に述べられる傾向にあった。1985年から1991年に発行された教科書(G社)には、「市販の離乳食製品は、加工法・添加物・味などの点でも問題がある」「味覚の形成上常用はさけたい」、との記述がみられる。同時期に「手抜きママ」がベビーフードを使うことを批判する雑誌記事がみられた。一方、現行の教科書(G社)では、乳幼児を含む「子どもの食生活」全体について1頁があてられているなかで、離乳についての4行の説明のみである。2)中学校教科書(K社)では、職業・家庭時代は母乳・人工栄養、離乳、離乳食、幼児の間食が詳細に説明されていたが、1966年の技術・家庭以降は間食を中心とした幼児食のみになり、離乳食の記述はみられない。3)「離乳食」をキーワードにもつ国立国会図書館の収録数は、食育推進連絡会議が設置された(2002年11月)後に件数が急増し、前後5年間の年間平均収録数は、1997年から2002年までの5年間は10.6件、2003年から2007年までは24.2件と倍以上に増加していた。その多くを占めるは手作り離乳食のレシピ本であった。手作りブームのなかで、母親を追いつめることのない指導が望まれる。【註】 1.瀧井宏臣(2004).悲しき食卓 こどもたちのライフハザード 岩波書店 2.原田春美・小西美智子・寺岡佐和(2011).子育て不安の実態と保健師の支援の課題,人間と科学.11(1),53-62 3.天野信子(2011).1歳半健診受診者の母親を対象とした離乳食に関する実態調査.帝塚山大学現代生活学部紀要.7.55-63 4.厚生労働省(2005)平成17年度乳幼児栄養調査5.大日向雅美(2009).離乳食で保護者を追い詰めないために‐指導ではなくエンカレッジを.食生活.103(12).56-59
著者
池端 慶 田村 知也
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2013年年会
巻号頁・発行日
pp.167, 2013 (Released:2018-06-07)

小笠原・硫黄島の西部に位置する旧噴火口(ミリオンダラーホール)では2012年2月上旬以降,泥や噴石を火口周囲に噴出する小規模な爆発現象が繰り返し発生している(気象庁,2013).これらの爆発現象に伴い火口周辺に放出された泥を採取し,その試料の粒径250μm-500μm水洗残渣粒子を実体顕微鏡とSEMを使用して観察した.試料はいずれも灰色で,その構成物は,遊離鉱物,比較的新鮮な火山ガラス片,変質火山ガラス片,(変質)岩片,黄鉄鉱集合体からなる.SEM観察の結果,比較的新鮮な火山ガラスの表面には,変質によって生じたと思われる小孔がいくつか確認された.以上の結果,全試料はいずれも全体的に変質した粒子からなり,新鮮なマグマに直接由来する粒子は確認されない(池端・田村,2013).したがって,全試料とも火口周辺の既存の火山岩,火山砕屑物やそれらの変質物が水蒸気爆発により放出されたものと考えられる.
著者
百澤 明
出版者
山梨大学
雑誌
山梨医科学雑誌 (ISSN:13485091)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.101-107, 2013