著者
高橋 静恵 大塚 功 山崎 慎也 高井 浩之 両角 淳平 原 寛美 山口 浩史 安井 匡
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.BcOF1034-BcOF1034, 2011

【目的】<BR>脳卒中患者が使用する下肢装具には、正常歩行に近似した歩行動作を獲得するための代償的機能が求められる。今回Shoehorn Brace(以下SHB)使用し自立歩行を獲得した回復期脳卒中患者に対し、Gait Solution Design (以下GSD)を使用し歩行練習を実施することで、正常歩行により近い歩行動作を獲得した症例を経験した。その歩容評価と装具療法に関する新しい知見を得たので考察を加えて報告する。<BR>【方法】<BR>症例は47歳の女性。平成21年11月21日、脳梗塞発症。右片麻痺・失語症を呈した。I病院搬送。t-PA施行するも再開通せず、血栓溶解療法を追加したが、頭部CT上左内包から放線冠にかけて梗塞を認めた。31病日、回復期病院へ転院、SHB作製。屋外自立歩行を獲得した。166病日自宅退院。182病日CI療法目的にて当院入院。入院時、上田式片麻痺機能テスト右上肢9手指5下肢6、右足関節関節可動域背屈0°。下腿三頭筋の筋緊張はModified Ashworth Scale(以下MAS)3。MMT右下肢股関節屈曲3・伸展2、膝関節屈曲2・伸展4、足関節背屈2・底屈2。FIM126/126点。踵ロッカー機能に伴う底屈モーメント(1stピーク)4.06Nm、前足部ロッカー機能に伴う底屈モーメント(2ndピーク)0.24Nmであった。196病日当院退院。平成22年7月2日より当院外来リハ通院。当院入院当日よりSHBからGSDへ変更し、評価として、歩行周期中にGSD足継手が発揮する底屈制動力と足関節の関節運動の測定を可能とするシステムであるGait Judge(安井ら、2009)を使用し、1stピーク(踵接地時の前脛骨筋による底屈モーメント)と2ndピーク(踵離地~足趾離地時の下腿三頭筋のStretch Shortening Cycle)の底屈モーメントを測定し、その平均値から歩容を数値化し入院時から退院時かけての変化を比較検討した。<BR>【説明と同意】<BR>本症例には症例報告をさせていただく主旨を説明し同意を得た。<BR>【結果】<BR>退院時、上田式片麻痺機能テスト右上肢10手指5下肢7、右足関節可動域背屈5°。下腿三頭筋の筋緊張MAS1 。MMT右下肢股関節屈曲4・伸展3、膝関節屈曲4・伸展5、足関節背屈3・底屈3。1stピーク3.93Nm、2ndピーク1.15Nmに改善した。しかし、足趾離地からの足関節底屈が持続しており、Extention thrust putternが出現し、足関節分離運動の不十分な波形となっていた。<BR>【考察】<BR>SHBの様な足関節固定式短下肢装具は、足関節底背屈運動が妨げられる。しかし、GSDは底屈制動・背屈フリーであるため、立脚初期では踵接地から滑らかな足底接地となり(踵ロッカー)、立脚中期では足関節背屈運動を妨げずに下腿三頭筋の筋収縮を可能とし(足関節ロッカー~前足部ロッカー)、遊脚期ではクリアランスの確保が可能となる。よって、本症例に対し、入院初期よりSHBからGSDへ変更した。しかし、入院時評価では2ndピークが0.24Nmであり、前足部ロッカーが機能していない数値となった。この結果となった原因として、下腿三頭筋の筋短縮による右足関節の背屈可動域制限と、足関節底屈・背屈筋群の歩行周期中の筋活動が不十分であることと考えた。<BR>この原因に対し、物理療法(低周波)を含めた足関節可動域訓練、足関節底屈・背屈筋群や下肢伸展筋群に対する筋力強化訓練を行い、下腿三頭筋の筋活動を得るために、段差を利用したステップ訓練等を行なった。さらに、退院後の自主訓練として、セラバンドを用いた下肢筋力強化、超音波機器やストレッチボードを利用した下腿三頭筋のストレッチを指導した。上記のリハビリテーションプログラムを施行したことにより、退院時のGait Judge評価結果では2ndピーク1.15Nmとなり、入院時と比較して向上した。つまり、前足部ロッカーの出現が認められた。また、Gait Judgeのデータから得られた歩行周期中の底屈モーメントの波形を視覚的フィードバックしながらの運動学習が可能となり、歩行練習に対するモチベーション維持につながったものと思われる。<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>本症例においてGSDを使用することで、歩行中の前足部ロッカー機能が再獲得された。片麻痺患者に対する歩行練習では、正常歩行に見られるロッカー機能を阻害しない装具の使用と、正常歩行に近似した下肢アライメントの筋活動を引き出す歩行練習を実施することが重要と思われる。さらに、視覚的フィードバックを活用した動作訓練をすることにより、対象症例に自らの歩行動作を確認しながら正常歩行に近い歩行動作を学習することが可能であることが分かったことは今回の研究において意義のあるものとなったと考えられる。
著者
竹田 博信 Hironobu TAKEDA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.261-269, 2010-01-31

「遅刻は当たり前」「タメ口(目上の者に対する友だち言葉)は当たり前」「周りに流されやすい」「うまくいかないと,みんな他人のせいにする」「自分の考えや主張が無い」「プライドは高いが学力は 低い」「 競争が不得意」等々。これらは,採用担当者が情報交換をする研修会で,最近の学生の印象を語りあったものである。2000 年以前は「マニュアルに頼ってばかりで面白みに欠ける」「個性と自分勝手をはき違えている」など行動には移すが,マニュアルに頼る学生が多い。という評価が多かった。しかし, 2000 年以降,とりわけ 2005 年以降最初に書いたような自己主張が無い,もしくは最初から「戦い」を避けるような学生が多くなってきたという声が多くなってきた。 しかし,彼らを採用し,企業戦士として育成していくのは企業の使命であるから,企業はこのような学生を吟味して採用していく必要がある。そこで,今の学生が置かれている環境を把握するとともに,採用担当者は学生たちをどう見て,何を憂慮されているのかの視点から,大学に出来ることを探った。
著者
永井 秀利
雑誌
夏のプログラミング・シンポジウム2011報告集
巻号頁・発行日
pp.27-34, 2012-01-06

ThreadGroupクラスはRubyの標準組み込みクラスの一つであり,実行中のRubyインタープリタは常に一つ以上のThreadGroupオブジェクトを持つ.そのような存在であるにもかかわらず,ThreadGroupクラスは十分に活用されているとは言い難い.その原因の一つは,ThreadGroupクラスの機能不足にあると言えよう.そこで本稿では,ThreadGroupという存在に想定しうる役割として「スレッド群のコンテナ」,「スレッド群の管理母体」,「スレッド群の共通実行環境」という3つを考え,それらの観点に基づいてRubyのThreadGroupクラスの現状と強化案を述べる.

1 0 0 0 OA 集古図

著者
藤原貞幹 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
手嶋 勝弥 近藤 人資 鈴木 孝臣 大石 修治
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌) (ISSN:09145400)
巻号頁・発行日
vol.113, no.1323, pp.733-735, 2005 (Released:2005-11-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1 6

Large ruby crystals, exhibiting the typical transparent-red color, have been successfully synthesized by the evaporation of molybdenum trioxide flux. The grown crystals were up to 3.1×3.0 mm in size. In the case of 99 mass% of flux evaporation, the crystal sizes were dependent on the mixture (solute+flux) amounts. A sixfold increase in the mixture amount (30 to 180 g) resulted in double or higher increase in the average sizes (1.2×1.0 mm to 2.5×2.2 mm). The basic form of the grown crystals was a hexagonal bipyramid which consists of twelve well-developed {1123} faces. Furthermore, {0001} faces were also observed in large crystals, besides {1123} faces.
著者
東京消防庁生活安全課
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.194-199, 1985

東京消防庁では昭和60年3月11日表題のような調査結果を発表した.私達にとって参考になるところが多いので,実験結果と天ぷら油火災の概要の一部を抜すいして紹介する.
著者
森 功次
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.45, no.21, pp.154-168, 2017-12
著者
栗林 喬 金桶 光起 渡邊 健一
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.107, no.9, pp.624-631, 2012 (Released:2017-12-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1

セルレニン耐性を指標としたカプロン酸エチル高生産酵母の育種方法は,日本醸造協会をはじめ,各県公設研究機関,酒造メーカーなどで幅広く利用されている。しかし本法による酵母を用いた吟醸酒は,カプロン酸によるオフフレーバーが問題となる場合もある。著者らは,カプロン酸エチル高生産酵母を用いた吟醸酒において総脂肪酸の大部分をカプロン酸が占めるという知見に基づき,酵素法によるカプロン酸の定量法を設定するとともに,本法がカプロン酸エチル濃度の推定にも有効であることを示した。製造現場でも利用できる簡易な方法なので,吟醸酒の品質管理の参考にしていただきたい。
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.162-165, 2004-04

システム導入から約2年間は活用が進まず苦しんだが、密な情報共有で再生にこぎ着けた。 創業以来130年余り、かまぼこの製造を営んできた老舗企業の鈴廣かまぼこ(本社神奈川県小田原市)。長く親しまれてきた一方で、最近では日常の食卓でかまぼこを食べる習慣が減ってきており経営環境は厳しい。逆風が吹くなかで、売上高はここ数年間横ばい状態が続く。

1 0 0 0 OA 天保武鑑

出版者
巻号頁・発行日
vol.巻二下, 1832
著者
菱山 正樹
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.441-444, 2008-12-15

<p>いつ,どこで起こるかわからないのが災害です.いざという時,あわてないように,しっかりと防火防災についての知識と技術を身につけておくことが必要です.また,災害に強い街づくりのためには,住民一人ひとりの防火防災意識の高揚と防災行動力の向上が不可欠です. 防災館は,災害時における行動を楽しみながら,効果的に学んでいただくことを目的に設置された防災体験学習施設です.</p>
著者
山本 龍彦
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.87-132, 2014-02

小林節教授退職記念号一 はじめに二 政党間-分極化について三 フィリバスターについて四 結語に代えて
出版者
日経BP社
雑誌
日経Internet solutions (ISSN:13476580)
巻号頁・発行日
no.78, pp.24-27, 2004-01

KDDIが11月28日に開始した1xEV−DO方式のデータ通信サービス「CDMA 1X WIN」は,最高2.4Mビット/秒,実効600k〜700kビット/秒と,もはやADSL(非対称ディジタル加入者線)並みの伝送速度を持つ。NTTドコモの「FOMA」,ボーダフォンの「Global Standard」の最高384kビット/秒を大きく引き離した。2004年以降には両社も追随を予定する。
出版者
巻号頁・発行日
vol.[12],
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.867, pp.67-76, 2004-02-16

「モバイル・ブロードバンド」の旗の下,かつてない競争が始まろうとしている。ここでいうモバイル・ブロードバンドとは,携帯電話並みの移動度とADSL並みの高速通信の両方を実現する新しい移動体通信サービスだ(図1)。その1番手はKDDIの「DO—BOX」や「CDMA 1X WIN」注1)。NTTドコモも「HSDPA」技術を使ったモバイル・ブロードバンド・サービスの準備を着々と進めている注2)。

1 0 0 0 OA 東京五案内

著者
鉄道案内社 [編]
出版者
鉄道案内社
巻号頁・発行日
1914