著者
古別府 ひづる
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
年報 (ISSN:18811663)
巻号頁・発行日
no.14, pp.27-34, 2011-12-25

本稿では、大学日本語教員養成における海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」が、日本語アシスタントの段階及び社会に出て起業した段階において、どのように発揮されたかを、被調査者1名のケーススタディとして示すことを試みた。PAC分析(個人別態度構造分析)と半構造化面接の手法を用いて調査した結果、「社会人基礎力」を誘発し、継続させる内発的要因として、未知への関心、自分の才能、周囲の期待、志などの自尊心を支えるものと、失敗や現状不満が、注目すべき変数として抽出できた。さらに、海外日本語アシスタントの特性として、パラフレーズする(言い換える)ことや多様性への関心が挙げられた。また、海外日本語アシスタントの「社会人基礎力」の外発的誘因として、格闘せざるを得ない環境や期間が、「問題の埋め込まれた情況」を生み出し、「社会人基礎力」を育成すると考えられた。これらの結果は、大学における「社会人基礎力」育成の場面の創出の手掛かりとなると考える。
著者
伊藤 智義 杉江 崇繁 赤松 孝則 木村 祐哉 川口 梨紗花 角江 崇 下馬場 朋禄
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.1-2, 2017-03-16

3次元情報を記録再生できるホログラフィは次世代映像システムを創出する可能性を持っている。しかし、計算コストが膨大なため、実用化のめどは立っていない。本研究室ではハードウェアによる高速化を進めている。8番目の試作となるHORN-8システムの研究プロジェクトでは、ザイリンクス社製Virtex-5を8個搭載した大規模FPGAボードを独自に開発した。使用したFPGAは旧式になりつつあるものの市販品にはない回路規模のボードとなっている。HORN-8ボード単体でPCの100倍、10枚並列化して1000倍程度の高速化が達成できる見込みになってきており、報告を行う。
著者
海老名 卓三郎 太田 実 打和 秀世 村上 梅司
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.580-589, 1994-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
16

皮膚ケラチンとは反応せず,毛髪に特異的に結合し,毛髪の破断強度を上げる抗毛髪ケラチ ン抗体を含む初乳ならびに常乳を免疫牛に産生させた.人毛髪ケラチン50mgを出産60日前のホルスタイン牛に筋肉内に注射し,(2~3)週間後に同抗原を乳房内または乳房リンパ節附近に投与すると,血中抗体価ならびに初乳中の毛髪ケラチンに対する抗体価は105に上昇した.この時,免疫牛一頭の初乳中に(1~1.5)kgのIgGを産生することが出来た.さらにこれらの免疫牛に分娩2~3ヵ月後ケラチンを50mgずつ筋肉注射し,4週おきに同抗原を筋肉内液射又は腹腔内注射を3回行なったところ,常乳中に初乳と同等の比活性を持った抗体が出来るにとを見出した.常乳では300日間搾乳することができ,全体では(4~5)kgのIgGを得ることができる.にれより,初乳に加えて常乳を抗体生産に利用するにとが可能となった.
著者
上岡 隆
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.439, pp.88-99, 2003-08-18

魅力的なオンラインプリント。24時間いつでも注文可能、きれいで長持ち、加えて安い。このようなサービスを使わない手はない。もちろん、インクジェットプリンターを使って試行錯誤するのも楽しい。けれども、手間をかけずにスマートに印刷できる方法も知っておこう。オンラインプリントを使いこなせば、あなたのデジカメライフがもっと充実するはずだ。
著者
平島 真一 多田 教浩 三浦 剛 伊藤 彰近 ヒラシマ シンイチ タダ ノリヒロ ミウラ ツヨシ イトウ アキチカ Shin-ichi HIRASHIMA Norihiro TADA Tsuyoshi MIURA Akichika ITOH
雑誌
岐阜薬科大学紀要 = The annual proceedings of Gifu Pharmaceutical University
巻号頁・発行日
vol.60, pp.1-9, 2011-06-30

酸化反応は有機合成における最も重要な柱の一つである。しかしながら、従来の酸化反応は重金属を大量に使用しなければならない、廃棄物が大量に副生するなどの問題点を有しており、いわゆる“グリーンケミストリー”の概念に必ずしもそぐわないものがほとんどであった。一方、最近では安価で原子効率が高い分子状酸素を酸化剤として用いた触媒的酸化反応が報告されている。この方法は適当な触媒を用いた場合に、反応後に副生されるものが理論的に水のみであり、理想の酸化反応として注目を集めている。係る背景において、筆者らは分子状酸素を用いる酸化反応について研究を行い、紫外光照射下(<400 nm)、HBrやBr2のような触媒量の臭素源存在下、芳香環上メチル基やアルコール類から対応するカルボン酸への酸化反応の開発に成功した。また、臭素源として触媒量のMgBr2を用いることにより可視光照射下(>400 nm)でも同様の酸化反応が進行することも見出した。さらに、上記の光酸素酸化反応を連続するエステル化反応へ展開し、芳香環上メチル基から芳香族カルボン酸エステルへの効率的な直接一段階合成法を確立することにも成功した。
著者
前田 勇
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.113-118, 2017-01-20 (Released:2018-01-20)
参考文献数
16

窒素からアンモニアを合成する化学的窒素固定は高温・高圧下で行われ生成物は肥料原料となる.一方,常温・常圧の温和な条件下で進行する生物学的窒素固定は細菌のニトロゲナーゼにより触媒される.ニトロゲナーゼは酸素やアンモニアにより負の制御を受ける.このため特定の細菌は自然環境下での窒素固定を可能にする阻害回避機構をもつ.一方,独自の阻害回避機構をもたない細菌の窒素固定は嫌気環境などで限定的に行われるため,そのような細菌の一般環境下での窒素固定を可能にすることは持続的な肥料生産を考えるうえで有益であろう.そこで共生微生物の助けを借りて,細菌に自然環境下での窒素固定を行わせるための取り組みについて紹介する.
著者
池田 敬子 Ikeda Keiko
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.1-17, 1980-12
著者
上野 徳美 林 智一
出版者
九州地区国立大学間の連携に係る企画委員会リポジトリ部会
雑誌
研究論文集-教育系・文系の九州地区国立大学間連携論文集- (ISSN:18828728)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, 2010-09

全人的医療実現のためには、人間の心理や行動、対人関係などを科学的・実証的 に探求する学問である心理学の知識や素養が医師・医学研究者には求められる。本論文では医学教育における心理学の役割を①教養教育、人間性教育、②専門基礎教育、③卒後教育、生涯学習という 3 つの観点から整理するとともに、一例として特色ある授業など、本医学部の心理学教育の実践を報告した。また、今後チャレンジすべき課題として、医学生のメンタルヘルス支援や教育研究環境整備などについて論じた。
著者
竹村 貴人 斉藤 奈美子 池野 順一 高橋 学
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.160-164, 2009 (Released:2013-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1

近年の急速な産業技術の発展に伴い, レンズやシリコンウェハなどの先端材料の精密加工の需要が非常に高まっている. そのような背景のもと, 砥石は物作り産業をはじめとする産業技術の基盤を支える重要な道具の一つであることはいうまでもない. しかしながら, 天然砥石の合砥と呼ばれる仕上げ砥は, 未だに人工的に造られた人工砥石よりも優れた研削性能を持つものもあるとされており, 現在でも日本刀や和包丁など刃物の研ぎ師が好んで使っている. ここでは, このように優れた研削性能を持つ天然砥石, とくに合砥に関する情報を人工砥石に取り入れることを目的として, 合砥の内部構造の特徴を応用地質学的な視点を交えてまとめた. その結果, 質の高いとされる合砥はサブミクロンオーダーの空隙が多く存在していることが明らかになった.

1 0 0 0 OA 萬葉集

巻号頁・発行日
vol.巻15-16, 1600
著者
羽良 朝風
出版者
奈良大学大学院
雑誌
奈良大学大学院研究年報 (ISSN:13420453)
巻号頁・発行日
no.23, pp.186-176, 2018-03

" 和歌山県九度山町に所在する慈尊院は、弘法大師空海とその母公に由緒のある寺院で、ここにはいくつかの注目すべき密教法具が伝来する。 今回の調査の対象とした密教法具は、いずれも現存遺品が少ない形式や細部意匠を持つ作例である。金銅独鈷杵は「鬼面・鬼目式」という特異な形式を持つ。金銅五鈷杵は、仏舎利を埋納したと考えられる埋金の跡が見られ、これは空海請来の五鈷杵にも見られる。金銅五鈷種字鈴は、作例の少ない種字鈴である。金銅三鈷鈴は、特異な三鈷を持ち、大陸からの請来品と考えられる。飲食器は、空海の母公の「歯」が奉籠されたという伝承を持つ。 また法具は、形式等から鎌倉時代から室町時代の製作と考えられるが、中世の史料が少ない慈尊院において、その間の事情を物語る重要なものである。特殊な形式を持つ作例が多いことは、慈尊院が中・近世において真言密教の有力寺院であったことを示す。"