著者
権田 絵里
出版者
医学書院
雑誌
理学療法ジャーナル (ISSN:09150552)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.99-105, 2007-02-15

はじめに 普段,われわれが人類の進化の道のりを考えるとき,高い知能やコトバの獲得,そしてそれらを土台とした文化の形成や文明の発展など,万物の霊長としての栄光の歴史に焦点が当てられるのが常であり,栄光と引き換えに負った代償を顧みることは少ない. 例えば,「腰痛」もその1つである.あまりにも身近であるため,われわれはそれらがヒトであるがゆえの宿命的な苦難であることを意識していないが,われわれの祖先が直立二足歩行を始めたときから延々と受け継がれてきた負の遺産1)である.人類が知性や技術,コトバといった進化の恩恵にあずかるのは,実はそれよりもずっと後のことである. 本稿では,ヒトという動物の特殊性や進化の道のりという視点から,人類と直立二足歩行への不適応現象,特に腰痛との関わり合いについて探ることを目的とする.
著者
坂野 靖行
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
岩鉱 : 岩石鉱物鉱床学会誌 : journal of mineralogy, petrology and economic geology (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.92, no.5, pp.189-194, 1997-05-05
参考文献数
17
被引用文献数
2

四国中央部猿田川地域の三波川変成域から得られた石英片岩中の角閃石のコアに含Mnウインチ閃石(MnOとして最大4.19 wt.%)が見出された。石英片岩の構成鉱物は石英,曹長石,角閃石,白雲母,ざくろ石,緑泥石,褐れん石,方解石,燐灰石,スティルプノメレン,電気石,赤鉄鉱,黄鉄鉱である。角閃石は自形から半自形で,最大長径700 μmである。角閃石のコアの組成は,バロワ閃石からウインチ閃石をへて含Mnウインチ閃石まで変動する。角閃石のリムはアルカリ角閃石(主にマグネシオリーベック閃石)とウインチ閃石である。石英片岩中のざくろ石はスペッサルティン成分に富む(59-79%)。
著者
新山 智基
出版者
日本ハンセン病学会
雑誌
日本ハンセン病学会雑誌 (ISSN:13423681)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.99-105, 2013 (Released:2016-06-30)
参考文献数
10

本稿の目的は、トーゴ共和国のブルーリ潰瘍の実態と、現地での国際支援の展開、また、隣国ガーナ共和国・ベナン共和国を比較対象とした支援モデルを明示し、国際機関 (WHO)・政府・NGOの3者間の連携・関係性を明らかにしていくことである。 1998年に設立されたGlobal Buruli Ulcer Initiativeの方針により、トーゴ共和国でもNational Buruli Ulcer Control Programmeが策定された。しかし、その実態は、国内の情勢不安や国家予算の脆弱さから、機能していたとは考えにくい。本格的に機能し始めたのは、DAHW (Deutsche Lepra-und Tuberkulosehilfe、ドイツ) やHandicap International (フランス) の支援組織が活動を開始した2007年以降である。 一般的に、感染症対策における支援機関には、国際機関や被援助国の政府、援助国の政府、NGO、企業などが挙げられる。ブルーリ潰瘍支援に関しては、現在のところ、WHO、被援助国の政府、NGOが挙げられる。これらの組織が、それぞれの役割を果たしながら、各国において連携・関係性を保っている。今回の一連の調査からトーゴ共和国では、不安定な国家情勢や予算の不足による進捗の遅れにより、国家プログラムが隣国のガーナ共和国・ベナン共和国に比べると十分機能せず、NGOが実施の肩代わりをしているのが実態で、隣国とは異なる支援モデルが展開されていることが明らかとなった。
著者
ジャベル ニザル 野口 伸
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械學會誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.89-98, 2007-01-01
参考文献数
69
被引用文献数
4

農産物残渣物から得られるバイオガスを, 脱硫・高濃度化し農用車両の燃料へ適用することは, これまでの電気熱源利用同様, 有益な技術である。<br>適用に当たって, 農用車両に用いられるディーゼル機関の点火機構は, 排ガス性能へ直接影響することから, 十分に文献調査した。天然ガスやバイオガスなどのメタンを軽油とともにディーゼル機関の燃料とする二燃料運転では, NO<sub>x</sub>と黒煙を減少させるが, 高負荷ノックを起こし, 低負荷では失火を起こすことが明らかにされている。これら問題の解決方法は世界中で研究されており, 一部実用化に至っているものもあるが, 未だ様々な試みが行われている。
著者
石崎 龍二
出版者
福岡県立大学
雑誌
福岡県立大学人間社会学部紀要 = Journal of the Faculty of Integrated Human Studies and Social Sciences, Fukuoka Prefectural University (ISSN:13490230)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.99-109, 2011-01-08

情報処理教育の改善資料とするために、福岡県立大学人間社会学部学生の入学時のコンピュータスキルについて質問紙調査を行った。 2010年度の人間社会学部入学生のうち95.7%が、高等学校で「情報」を履修しており、主要アプリケーションソフトの操作の学習率は、 「ワープロソフトWord」80.4%、 「表計算ソフトExcel」 82.2%、「プレゼンテーションソフトPowerPoint」73.0%、「インターネットを使った情報検索」 80.4%と、高い値を示した。 一方、「ワープロソフトWord」 「表計算ソフトExcel」「プレゼンテーションソフト PowerPoint」「インターネットを使った情報検索」の各操作スキルについては、「十分できる」 又は「少しできる」と回答した比率が「ワープロソフトWord」72.4%、「表計算ソフトExcel」 38.0%、「プレゼンテーションソフトPowerPoint」56.4%、「インターネットを使った情報検索」 81.6%とばらつきが見られた。 パソコンの所有率と利用状況については、パソコンの所有率が74.2%、自宅・アパートからパ ソコンを使ったインターネットの利用率が57.1%と比較的高かった。しかし、1週間あたりのパ ソコンの利用頻度は、40.5%がパソコンをほとんど利用しないと回答しており、パソコンの利用も、「ホームページの閲覧」「ネットショッピング」への偏りがみられた。
著者
坪井 光弘 畠山 茂毅 竹原 雄介 津田 洋 澤田 成彦 佐尾山 信夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.2219-2222, 2007
被引用文献数
1

患者は58歳, 男性. 自宅アパート3階の窓より転落し救急搬送された. 胸部単純写真および胸部CT検査で左多発肋骨骨折, 左肺の透過性低下および左横隔膜の挙上を認めた. 血液検査上transaminaseおよびamylaseの上昇を認めたが, 腹部に身体的異常所見は認めなかった. 腹部CT検査でも異常所見を認めなかった. 入院後血液検査およびCT検査による経過観察で腹腔内臓器損傷は否定できたため, 外傷性左横隔膜ヘルニアの診断で受傷後第3病日に経胸的に手術を施行した. 開胸したところ, 横隔膜の断裂と腹腔内臓器脱出に加え, 心嚢の破裂を認めた. 腹腔内臓器を還納し横隔膜を縫合閉鎖した. 術後特に合併症なく患者は術後23病日に退院した. 外傷性横隔膜損傷は他臓器損傷を合併していることが多く, 合併損傷も考慮し有効な手術経路を選択することが重要と思われた.
著者
増田 美子
雑誌
学習院女子短期大学紀要 (ISSN:02863928)
巻号頁・発行日
no.30, pp.11-34, 1992-12-25
著者
大沼 雅彦
出版者
聖トマス大学
雑誌
サピエンチア : 英知大学論叢 (ISSN:02862204)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.95-104, 2007-02

英和辞典の情報からは理会しにくい"by default"を例にとり,引用符の用法とその意義,手もとの用例を通しての問題の句の用法・意味を実証的に検討し,あわせて,モノリンガル辞典,バイリンガル辞典改善の方向に光りを当てた。
著者
広重,豊国
出版者
丸久
雑誌
駅路の錦
巻号頁・発行日
1855
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1700, pp.34-36, 2013-07-22

日本の部品メーカーがこれから取引拡大を目指すのが韓国サムスン電子やソニーモバイルコミュニケーションズ、中国ファーウェイ、中国ZTEなどの海外スマホメーカー。だが、盛衰の激しい業界だけに、いずれアップル同様に失速する可能性は否定できない。 そこ…
著者
安部 哲夫
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.267-289, 2011-09

宮澤浩一先生追悼論文集論説一 はじめに二 公共の場における青少年保護(一) たばこの規制について(二) アルコールの規制について(三) 飲食店・ゲームセンター等への滞在・入場について三 メディアにおける青少年保護(一) パッケージメディアについて(二) 青少年有害メディア連邦審査会について(三) テレメディアについて(四) 映画とゲームソフトについて四 有害指定と有害メディア頒布規制の状況(一) 有害指定の状況(二) 青少年保護法違反と刑法による青少年保護の統計五 おわりに(わが国への示唆)