著者
Takuro BABA Takaharu GOTO Keiko FUJIMOTO Tsuyoshi HONDA Kazutomo YAGI Kan NAGAO Tetsuo ICHIKAWA
出版者
四国歯学会
雑誌
Journal of Oral Health and Biosciences (ISSN:21887888)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.18-25, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
45

Background: Early detection and response to sarcopenia and presbyphagia are needed to address the problems experienced by an aging population. Objective: We aimed to clarify morphological changes in the geniohyoid (GH) muscle and associated aging-related factors, and to examine if changes in the GH muscle predict reduced swallowing function. Materials and Methods: 103 participants (57 women and 46 men, mean age 59.4 ± 19.5 years) were recruited. GH muscle cross-sectional area (CSA) and contraction velocity were measured using ultrasonography. Body height and weight, neck circumference, body mass index, remaining teeth number, occluding teeth number, tongue pressure, and jaw-opening strength were measured. Swallowing function was evaluated using the swallowing screening assessment questionnaire and by measuring swallowing sound duration. Results: GH muscle CSA significantly affected age, gender, body height and weight, neck circumference, remaining teeth number, occluding teeth number, tongue pressure, jaw-opening strength, duration of swallowing sounds, and GH muscle velocity. Covariance structure analysis showed that GH muscle CSA directly influenced swallowing sound duration. Conclusion: Morphological changes in the GH muscle are predictive of decline in swallowing function.
著者
薬袋 秀樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会春季研究集会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2017年度, pp.5-8, 2017-06

1997年以後、作家・出版関係者から公共図書館におけるエンターテイメント系小説について、複本削減、貸出猶予、公貸権による補償の要望が行われ、図書館関係者との間で議論が行われてきた。この問題を「図書館における貸与問題」と呼ぶ。本研究の目的は、日本図書館協会のこの問題に対する取り組みと考え方の特徴を明らかにすることである。関連文献を収集・分析した結果、審議会の終了後、報告記事が減少しており、報告記事の増加が必要であることなど5点の特徴が明らかになった。
著者
伊藤 一人
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.7-16, 2012 (Released:2012-10-03)
参考文献数
40
被引用文献数
2

我が国の前立腺特異抗原(PSA)を用いた前立腺がん検診の普及率は低く,現在も多くの臨床的に重要ながんが進行するまで見逃されている.また,前立腺がん死亡数は増加し続けており,2010年は11,600人と推計され,2025年には15,700人に増加すると予測され,最も効果が期待できる対策を早急に講じるべきである. 前立腺がん検診は無作為化比較対照試験で死亡率低下効果が得られることが証明されており,日本泌尿器科学会は前立腺がん検診ガイドラインにおいて,「前立腺がん死亡率を低下させるPSA検診を推奨する」との指針を示した.一方で,検診受診から治療までの過程で不利益を被る場合もあり,検診の受診による利益と不利益を正しく住民に啓発したうえで,受診希望者に対して最適な前立腺がん検診システムを提供することをガイドラインに明記している. 死亡率低下効果が証明されたPSA検診は,日本泌尿器科学会のガイドラインに沿って,日本の主な受診機会である住民検診および人間ドックなどで正しく普及させることで,前立腺がん死亡率の低下が期待できる.
著者
大井 奈美
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.32-38, 2009-09-15

本稿は,基礎情報学を理論的枠組とする,俳句分析のためのオートポイエティック・システム論的アプローチを提案する。基礎情報学では,言語ではなく「情報」,個人ではなく「オートポイエティック・システム」にもとづき,意味形成やコミュニケーションが考察される。具体的には,身体的体験に根差し,論理的な思考過程を超えて生成する各人に固有の意味を「生命情報」,心をオートポイエティック・システムである「心的システム」として捉え,分析の土台にするのである。俳句の重要な特徴の一つは,その簡潔な定型が,必ずしも理性的個人による推論や言語操作のみに還元されない意味形成をひきおこす点にある。したがって俳句の分析には,基礎情報学の理論的枠組が有用と考えられる。従来,俳句はおもに(A)文献学的アプローチや(B)テクスト論的アプローチによって研究されてきた。さらに,両者に対して批判的視座をあたえる,(C)認知心理学的アプローチも登場した。しかしこれらの研究では,論理的思考を超えた意味形成について考慮することは難しい。提案する(D)基礎情報学的アプローチによって,無意識的・直観的な側面をふくむ俳句の創作と解釈について考察することが可能となる。
著者
小林 伸行 高野 正博 金澤 嘉昭 濱川 文彦 中島 みどり 霜村 歩 西尾 幸博 山田 一隆
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.1018-1024, 2013-11-01
被引用文献数
1

肛門からガスが漏れていると信じる自己臭症(自臭)患者に対して,肛門括約筋を強化するバイオフィードバック(BF)訓練を行った.対象と方法:大腸肛門科を受診した自臭患者でBF治療に同意した20名(男性9名,女性11名,平均年齢36.4±12.9歳)を対象とした. BF前後にWexnerスコアの算定,肛門内圧検査を行った.患者の自己申告をもとに総合改善度を評価した.結果:13.4±8.6回のBFを行い,自覚的漏れはWexnerスコアで8.1±3.7点から5.8±3.2へと有意に改善した(p<0.01).最大肛門静止圧は治療前後で差はなく,最大随意圧(MSP)は男性では325.2±57.6cmH_2Oから424.4±105.8へと有意に増加したが(p<0.05),女性では差はなかった.総合改善度は消失5名,改善11名,不変4名であったが, MSPの増加量とは相関しなかった.結語:自臭患者にBFを行い80%に有効であった. BFの直接的効果ではなく治療構造自体が治療的と考えられた.妄想が強くても適応可能な新しい試みである.
著者
山﨑 瑞己 櫻井 美緒 三浦 雅展
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.182-189, 2016

<p>音楽作品の時代変遷を信号処理により調査するため,音響信号で表されたアニメソングを対象として公開年代の推定可能性を検討している。618通りのアニメソングに対し音響パラメータを算出しクラスタリングを行うことで,10年及び20年での年代における傾向の変化が示されている。また,年代推定に有効な音響パラメータを検証している。得られたパラメータセットを用いてアニメソングの公開年代を自動推定したところ,55.3%の正解率が得られている。人間による公開年代の評価精度は,被験者10人による平均が48.3%であることから,提案手法は人間の判断に近い水準で推定できることが確認されている。</p>

6 0 0 0 OA 教学叢書

著者
教学局 編
出版者
教学局
巻号頁・発行日
vol.第1, 1940
著者
Yazaki Euki Ishikawa Sohta A. Kume Keitaro Kumagai Akira Kamaishi Takashi Tanifuji Goro Hashimoto Tetsuo Inagaki Yuji
出版者
日本遺伝学会
雑誌
Genes & Genetic Systems
巻号頁・発行日
2017
被引用文献数
25

<p>All members of the order Trypanosomatida known to date are parasites that are most likely descendants of a free-living ancestor. Trypanosomatids are an excellent model to assess the transition from a free-living to a parasitic lifestyle, because a large amount of experimental data has been accumulated for well-studied members that are harmful to humans and livestock (<i>Trypanosoma</i> spp. and <i>Leishmania</i> spp.). However, recent advances in our understanding of the diversity of trypanosomatids and their close relatives (i.e., members of the class Kinetoplastea) have suggested that the change in lifestyle took place multiple times independently from that which gave rise to the extant trypanosomatid parasites. In the current study, transcriptomic data of two parasitic kinetoplastids belonging to orders other than Trypanosomatida, namely <i>Azumiobodo hoyamushi</i> (Neobodonida) and <i>Trypanoplasma borreli</i> (Parabodonida), were generated. We re-examined the transition from a free-living to a parasitic lifestyle in the evolution of kinetoplastids by combining (i) the relationship among the five orders in Kinetoplastea and (ii) that among free-living and parasitic species within the individual orders. The former relationship was inferred from a large-scale multigene alignment including the newly generated data from <i>Azumiobodo</i> and <i>Trypanoplasma</i>, as well as the data from another parasitic kinetoplastid, <i>Perkinsela</i> sp., deposited in GenBank; and the latter was inferred from a taxon-rich small subunit ribosomal DNA alignment. Finally, we discuss the potential value of parasitic kinetoplastids identified in Parabodonida and Neobodonida for studying the evolutionary process that turned a free-living species into a parasite.</p>
著者
松井 一乃 金高 一 池部 実 吉田 和幸
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成24年度電気関係学会九州支部連合大会(第65回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.275, 2012-09-14 (Released:2014-12-17)

現在のspam対策は,検出率は高いが全てのメールに対策を適用するため通常メールの受信までに遅延が発生するものや,負荷が軽く検出率も高いが誤検知が多いなど,どの対策にも欠点と利点が存在する. 本研究では,メールフィルタプラグインであるmilterを用いてspam対策を組み合わせることで,負荷が軽く検出率の高いもので対策を行った後に誤検出されたメールを他のspam対策で救済するなど,利点を生かしながら欠点を補うことで効率的なspamメールの排除を目指す. 本論文では,milterを管理するmilter-managerを用いたメールサーバの設計・運用を行い,その有用性について検討する.
著者
江渡 浩一郎 沢田 洋平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

我々は、多数のデータを利用者が登録・編集可能にする集合知データベース「Wedata」を構築・運用している。ユーザはWebサイトの構造情報などのデータを抽出・登録し、日々変化する情報を統一的な手法で操作可能となる。現在125種類、総数41,000件以上のデータが登録されており、2010年12月に2427万件のアクセスを得ている。本論文では、Wedataの構築・運用及び利用状況についてまとめる。
著者
高畑 圭祐 星野 崇宏 柳 博俊 渋谷 友磯子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

既存のレコメンデーションシステムの問題点として、消費者に既知の情報を提示してしまうことや情報収集行動での閲覧内容と実際に購入したい内容が同一ではないことを無視した学習と提示を行う可能性があることにある。本研究では統計的機械学習のモデルに行動経済学的な知見を導入することでこの問題を回避するレコメンデーションシステムを開発し、中古車自動車情報提供サイトの大規模データに適用した解析例を報告する。
著者
樋口 輝久 馬場 俊介
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.758, pp.117-136, 2004-04-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
157

本論文は, わずか四半世紀の間に, 導入・発展・衰退の過程を辿ったわが国のバットレスダムの変遷を明らかにしようとするものである. 薄い遮水壁と控え壁 (バットレス) で構成されるバットレスダムは, 笹流ダムで初めてわが国に導入され, 物部長穂の耐震理論によって発展を遂げたが, 国際大ダム会議で凍害が報告された直後の三滝ダムが最後とされてきた. 本論文では, 希少性と形態上の特異性からわが国のダム史上における特徴の一つになっているバットレスダムについて, ダム技術史上における位置付けを明確に示すとともに, 大正~昭和初期にかけてこの形式が積極的に採択された理由, そして, その後すぐに採択されなくなった理由の双方を明らかにすることで, 近代日本におけるバットレスダムの技術史の構築を目指す.