著者
坂上 貴之
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.88-108, 1997
被引用文献数
2

実験的行動分析における行動経済学の成立過程とその代表的実験を挙げながらこのアプローチの考え方を述べ、選択行動の研究をめぐるこの学の貢献と今後の問題を検討する。行動経済学は心理学と経済学の共同領域として生まれた。しかし、この学がミクロ経済学が蓄積してきた経済理論とその予測を、実験的行動分析における選択行動の実験結果に適用して理論の実証を行ってきたこと、経済学が培っていた諸概念を新しい行動指標として活用していったことから、それまであった伝統的な経済心理学とは異なる道を歩んだ。ミクロ経済学には、最適化と均衡化という2つの考え方がある。それぞれの主要な分析道具である無差別曲線分析と需要・供給分析から導出される予測や概念、例えば効用最大化・代替効果・労働供給曲線・弾力性は、個体の選択行動の様々なケース、例えば対応法則、反応遮断化理論、実験環境の経済的性質などへの行動経済学からの視点を提供してきた。今後、行動生態学、行動薬理学、実験経済学といった諸領域との連携をとりながら、実験的行動分析における独自の枠組みの中での均衡化と最適化の原理が検討されていく必要がある。
著者
石原 凌河 坪井 塑太郎 照本 清峰
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_69-I_77, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
10

本研究では,南海トラフ巨大地震において甚大な被害を受けることが想定される四国4県をケーススタディとして,孤立集落における重傷者数の空間分布を把握するとともに,ヘリコプターによる重傷者の搬送戦略を検討した.その結果,南海トラフ巨大地震が発生すれば,四国における孤立集落での重傷者は広く点在するとともに,孤立集落の重傷者を集落単位で搬送すれば膨大な日数を要することが明らかとなった.小学校区もしくは中学校区で搬送拠点を設定し,そこから大型ヘリと小型ヘリを組み合わせて重傷者を搬送することにより,迅速かつ効率的に搬送できることが示唆された.

1 0 0 0 OA 太平記

出版者
巻号頁・発行日
vol.巻39-40,
著者
岩下 直行
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.876-881, 2017-09-15

1 0 0 0 OA 反古ばさみ

著者
乾坤散人
出版者
巻号頁・発行日
vol.[8],
著者
倉本 到
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.8-9, 2016-12-15

エンタテインメントコンピューティングという研究分野がどんなもので,どのような学術的価値や進展があるかを「体験」という言葉で(体験の創出,体験の拡大,体験の評価)ひも解くことを狙う.また,学術領域やゲーム開発などの実業界からみた研究の現状やあり方などを俯瞰する.
著者
立石 晶子 山本 一彦
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.251-255, 2002

本来, 自己の抗原に対して応答しない (免疫学的寛容) という原則に基づき, 免疫系は成り立っている. この免疫学的寛容に破綻をきたし, 自己の抗原に反応し, さまざまな組織障害や代謝機能異常を引き起こすのが自己免疫疾患である. 自己免疫疾患の発症のメカニズムは明らかにされていないが, 一つの機序としてウイルスや細菌などの微生物感染による自己免疫反応の発現, さらには自己免疫疾患への進展の可能性が以前より想定されている. そのメカニズムとして微生物感染による組織障害が隔絶抗原の露出を引き起こし免疫系へ提示されるという機序や, スーパーアンチゲンによる自己反応性T細胞の活性化, また感染に伴う炎症性サイトカインによる自己反応性T細胞の活性化 (By-stander activation) などがあり, molecular mimicry (分子相同性) もその一つである. (表1)molecular mimicry とは, 本来無関係である感染微生物抗原と宿主抗原の間に一次構造, あるいは高次構造の類似性が存在することをいう. これにより両者の間に免疫学的に交差反応が生じ, 自己抗原に対して抗体が産生されたり, T細胞を介した免疫応答による自己組織の障害が生じ, 自己免疫反応が生じると考えられる. 一方で molecular mimicry とは関係なく微生物感染では多くの場合, 副刺激分子 (costimulatory molecular) の発現の増強やプロフェッショナル抗原提示細胞上の主要組織適合遺伝子複合体 (major histocompatibility complex: MHC) 発現の増強, また末梢からリンパ組織への樹状細胞のリクルートなどにより, T細胞活性は増強される. さらに実験的に組織にサイトカインを強制発現させることで微生物の感染なく自己免疫疾患を発症させることが可能であったり, 微生物の molecular mimicry による特異的自己反応性T細胞の活性化の必要なく, 慢性感染による組織障害や自己抗原の放出で自己免疫疾患を引き起こすとも言われている. 本稿では, 自己免疫疾患における molecular mimicry の関与について最近の知見を交えて概説する.
著者
朝倉 希一
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.579-587, 1934-05-20 (Released:2010-06-28)

近時交通機關の發達に伴ひその樞要をなすべき自動車は將來共に之を輸入品にのみ俟つ可きに非ず、殊に現下の國際情勢に照し之が自給自足は三日も忽にすべからず、著者が此見地より創案せる國産標準型式自動車の設計の由來並にその製造工程等を述べ最後に之が規格に就き言及せんとす
著者
河原 弥生 木下 浩作 向山 剛生 千葉 宣孝 多田 勝重 守谷 俊 丹正 勝久
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.755-762, 2009-09-15 (Released:2009-11-09)
参考文献数
19
被引用文献数
1

【背景】本邦における異物による気道閉塞患者に対する現場処置の実態は不明である。本研究では,当院に搬送された目撃のある気道異物患者に対する初期対応の実態から,転帰改善になにが必要かを明らかにする。【方法】2003年 1 月から2006年12月までに当救命救急センターに搬送された,目撃のある気道異物による窒息症例50例を対象にした。患者搬送時に目撃者および救急隊から異物内容と現場での処置を聴取し,1)年齢,2)性別,3)反応消失後の異物除去行為の有無,4)bystander cardiopulmonary resuscitation(CPR)の有無,5)覚知から救急隊現場到着までの時間,6)覚知から患者の病院到着までの時間,7)気道閉塞の原因が大きな一塊の異物片か否か,8)普段の食事介助が必要か否かと転帰との関連について検索した。【結果】全症例,救急隊到着時には傷病者の反応は消失していた。反応消失までに,目撃者によるHeimlich法などの異物除去が施行された症例は存在しなかった。反応消失後は,気道異物の除去のみを施行している症例が50%であり,38%が119番通報のみであった。反応消失後にCPRを行った症例は12%であった。最終転帰(退院もしくは転院時)は,死亡34例(死亡群),生存16例(生存群)であった。両群間で生存退院に対して,統計学的有意であったのは,119番通報から患者の病院到着までの時間だけであった。【結論】気道異物による反応消失前にHeimlich法などの異物除去の処置が施行された症例は存在しなかった。反応消失後にCPRを行った症例はわずか12%であった。一次救命処置に関する講習会が各地で頻回に行われているが,生命を脅かす病態に対する対処法が一般救助者や介護施設のヘルスケアプロバイダーに普及していない可能性がある。今後,一次救命処置における気道閉塞患者など生命を脅かす病態に対する救急処置法の講習が普及しているかどうかの実態調査と更なる救急処置法の普及活動が必要である。

1 0 0 0 OA 岷江入楚

著者
中院通勝
出版者
飛鳥井雅章 写
巻号頁・発行日
vol.[2], 1643